自治体情報政策研究所住基ネットワーク稼動前後のドタバタ

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 住基ネット稼動を直前に控え、延期を求める自治体が続出し、自民党の中からも延期を求める声も出、さらには離脱を表明する自治体さえ現われる中で、総務省を中心に起きている「ホント、こんなことで大丈夫?!」のドタバタ情報や、稼動後に頻発するトラブルに関する情報を集めてみました。
 なお、稼動延期に関する情報はこちらを、また、住基ネットからの離脱に関する情報はこちらどうぞ。
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・ どこにある、都道府県や国の住基ネット端末
・ 住基ネットの仮運用始まる
・ 常時接続解除が続けば、住基ネットは破綻
・ 稼動前のイロイロ
・ 稼動後のイロイロ
・ 新聞社などが報道した2002年8月の稼動後に起きたトラブルやミスなどの一覧   New!
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 どこにある、都道府県や国の住基ネット端末

 住基ネットにつながった都道府県のサーバーには、都道府県内の住民に関する個人情報が記録保存されていますが、この情報を改正住基法に基づき都道府県職員が利用するための住基ネット端末もまた都道府県の機関内にいくつも設置されています。また、政府機関内には、全国民の個人情報を記録保存する地方自治情報センターのサーバーにアクセスするための住基ネット端末が置かれています。
 市町村に置かれた住基ネット端末のセキュリティが問題視されていますが、都道府県や国の住基ネット端末のセキュリティは大丈夫なのでしょうか。市町村においては、住基ネットと既存の住基システムをつなぐCS(コミュニケーション・サーバー)は多くの場合、施錠された部屋で管理されているようです。都道府県のサーバーや、地方自治情報センターのサーバーは、さらに厳しく管理されていると思います。
 しかし、住基ネットから個人情報を引き出すための端末は、どうでしょう。市町村の場合、こうした端末は一般に住民登録担当課に置かれています。住民登録担当課の業務はいわゆる窓口業務のためオープンスペースとなっており、市役所を訪れた住民から見えるケースが多いと思います。住民から見られる可能性のある中で、個人情報の漏洩につながる違法な操作や目的外の利用は、密室に置かれている場合に比べれば行ないにくいと考えられます。
 が、都道府県や国の場合はどうでしょう。業務の性格上、窓口業務のためのオープンスペースに置かれているとは、まず考えられません。壁とドアで隔てられ、住民や国民の眼の届かないところに設置されているのは確実です。個人情報の漏洩につながる違法な操作や目的外の利用は行なわれない保障はどこにあるのでしょうか。
 特に、防衛庁の情報公開請求者リスト作成事件を例に出すまでもなく、政府機関には隠蔽体質が蔓延しています。職員個人の発意か、組織としての行動かはわかりませんが、個人情報を勝手に収集し、記録保存し、組織内で閲覧し、ばれても真相を明らかにせず有耶無耶にしようとする体質を持つ組織に、全国民の個人情報を閲覧できる住基ネット端末を渡して果たして大丈夫なのでしょうか。アクセス記録が残されると言いますが、その記録が国民に正直に公開される保障はあるのでしょうか。端末が住基法に定められた業務以外に使われない保障はあるのでしょうか。
 熊本市で、官公庁や警察の求めに応じ、戸籍法で厳密な取り扱いが規定されている戸籍簿の原簿を自由に閲覧させ、また住民票を端末で直接閲覧させていたていたことが明るみに出ました。テレビのニュースは、熊本市役所で警察官などが実際に閲覧している場面のビデオを流しました。こうした画像は、オープンスペースであればこそ撮影できたのです。壁で仕切られた部屋の中で行なわれていたのであれば、撮影は不可能です。
 マスコミは、これまで市町村のCSや住基ネット端末を問題として取り上げてきました。そのおかげで、個人情報の取扱が改善されつつあるのは確かです。これからは、都道府県や政府機関内に設置されている住基ネット端末の管理についてもメスを向けて欲しいものです。

 住基ネットの仮運用始まる

 常時接続解除が続けば、住基ネットは破綻

 愛媛新聞2002年8月7日付は「住基ネット侵入懸念  8市町村に業務時間外接続指導」との見出しの記事で、住基ネットに外部から侵入される恐れがあるとして、セキュリティー確保のため、県内の8市町村が総務省から、通常の業務時間外にのみ住基ネットに接続するなどの措置をとるよう指示されていたことが6日、分かったと報じています。

 ・・・・・・・・・・・県市町村課などによると、指示された該当市町村の既存の住基システムは、庁内情報通信網(LAN)を通じて物理的回線としてはインターネットなどにつながっているため、外部から侵入される恐れがある。そのため、総務省は情報漏れ対策として(1)庁内LANが接続している時間帯を避けて住基ネットを運用する(2)既存の住基システムと庁内システムを遮断する―のいずれかをとるよう求めた。・・・・・・・・・・・

 こうした問題点は、当サイト管理者も含めて多くの方が、稼動以前から指摘していた事項です。何を今さらという気がしますが、総務省が指示した対策には問題があるようです。特に、(1)の対応が多数の市町村で続くようであれば、住基ネットは破綻しているといわざるを得ません。

(1)の場合
 都道府県のサーバーや地方自治情報センターのサーバーに記録保存されている本人確認情報と、市町村の既存の住基システムに記録保存されている住民登録データとに齟齬が生じます。地方自治情報センターのサーバーに記録保存されている本人確認情報を政府機関等が本人確認のために利用する際には、情報が確認の時点で正確なものであるのかどうか疑わしいものとなり、本人確認には事実上、使えなくなります。特に、住基ネットの本人確認情報を利用する公的個人認証サービスにとっては、これは、致命的な問題点となります。公的個人認証サービスが始まる2003年まで、まだ時間はある、心配ないということなのかも知れませんが、この程度のことが今頃問題にされるようでは、公的個人認証サービスへ信頼を寄せることはできそうにありません。
 また、住基ネットに常時接続されていないのですから、住所地市町村から交付地市町村に住民票情報を住基ネットで送信して行なう住民票の写しの広域交付広域交付も、当然、できません。また、転入地市町村と転出地市町村の間で住民票情報などを交換することによって実施する転入転出の特例処理も、実施不可能となります。どちらも、2003年8月から始まるサービスですから、大丈夫、時間があるということなのでしょうか。
 ということで、このまま、時間外接続の措置を取り続ければ、住基ネットが提供するはずであったサービスは、ほとんど全て提供できなくなってしまいます。

(2)の場合
 既存の住基システムが庁内LANでつながっているのは、国民健康保険や地方税などの処理システムだと思われます。こうしたシステムのデータベースには、氏名や性別、生年月日、住所、世帯主、続柄などに関するデータは普通入っておらず、かわりに市町村独自で住民に付けた住民番号(住基ネットの住民票コードとは別のもの)が入っています。被保険者の情報などを画面に表示する際には、住民番号をもとに既存の住基システムから氏名や性別、生年月日、住所、世帯主、続柄などのデータを得て(マッチングして)、表示します。そのため、転出や転居などの住所の異動等により、既存の住基システムのデータが変更された場合も、被保険者の情報が表示された画面には、常に最新の住所等が表示されます。しかし、既存の住基システムと国民健康保険や地方税などの庁内システムとを切断してしまえば、普通、最新の住所等どころか、氏名すらも表示されなくなり、最悪、エラーとなりシステムがダウンしてしまいます。
 上の愛媛新聞によれば、北条市は(2)の措置を取ったとのことですが、一体どんなシステム構成になっているのか不思議でなりません。

 一方、自治体の判断として常時接続しないところも出てきています。

 稼動前のイロイロ

 稼動後のイロイロ

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