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税制調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、租税(国が課する税及び地方税)に関する制度について調査審議するため、民主党政権発足度新たに内閣府に設置された諮問機関。財務大臣が会長を務める(「設置根拠」PDF)。
なお、従前の税制調査会(いわゆる政府税調)は、2009年10月8日をもって廃止されている。
税制調査会の答申に基づき2009年12月22日に閣議決定された「平成22年度税制改正大綱」は、「社会保障制度と税制を一体化し、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させるとともに、社会保障制度の効率化を進めるため、また所得税の公正性を担保するために、正しい所得把握体制の環境整備が必要不可欠です。そのために社会保障・税共通の番号制度の導入を進めます」とすることで、社会保障と税の共通番号制の導入を国の税制上の正式な方針と位置づけた。
続く「平成23年度税制改正大綱」(2010年12月16日閣議決定)は、その後に策定された「政府・与党社会保障改革検討本部」の「社会保障改革の推進について」(2010年12月10日)、及び、同本部の「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」の「中間整理」(2010年12月3日)を踏まえ、「このような方針に即し、早期の制度導入に向け、実務検討会を中心に速やかに検討を進めます」としている。
なお、当研究所の代表である黒田充の共通番号制度に関する見解については、
・拙稿「新旧政権による社会保障カード、及び、番号についての議論に関する考察」『大阪自治体問題研究所研究年報 第13号』、自治体研究社、2010年8月10日
・拙稿「共通番号制の狙いは、『強い社会保障』どころか国民に対する『強い国家』」『日本の論点 2011』文藝春秋編、2010年11月25日発売をご参照下さい。
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第2章 各主要課題の平成23年度での取組み
1.納税環境整備
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(7)社会保障・税に関わる番号制度
社会保障・税に関わる番号制度(以下「番号制度」といいます。)は、主として給付のための制度であり、(1)真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障の充実とその効率化を図りつつ、(2)国民の負担の公正性を担保し、制度に対する国民の信頼を確保するとともに、(3)国民の利便性の更なる向上を図るために不可欠なインフラとして可能な限り早期に導入することが望ましいものと考えます。
本制度については、「政府・与党社会保障改革検討本部」の下に設けられた「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」の「中間整理」(平成22年12月3日)において、(1)幅広い行政分野での利用を視野に入れつつ、まずは税と社会保障分野から利用を開始する、(2)住民基本台帳ネットワークを活用した新たな番号を使用する、(3)データベースの管理方式については分散管理方式を前提に検討し、番号の管理方式については一元管理又は分散管理とすべき具体的分野について今後検討を進める、(4)付番機関については、社会保障制度や税制の改革の方向性に照らして「歳入庁の創設」の検討を進めるとともに、「まずはどの既存省庁の下に設置すべきか」について、他の論点の方向性に鑑みつつ、検討を進める、(5)個人情報保護の徹底については、最低限、「自己情報へのアクセス記録の確認」、「第三者機関の設置」、「目的外利用防止に係る具体的法原則明示」、「関係法令の罰則強化」を実施する方向で検討する、という目指すべき方向性を明らかにしたところです。また、スケジュールについては、「社会保障改革の推進について」(平成22年12月14日閣議決定)に基づき、来年1月を目途に基本方針をとりまとめ、さらに国民的な議論を経て、来秋以降、可能な限り早期に関連法案を国会に提出できるよう取り組むこととしています。今後、このような方針に即し、早期の制度導入に向け、実務検討会を中心に速やかに検討を進めます。
税務面において番号制度を活用するには、(1)各種の取引に際して、納税者が取引の相手方に番号を「告知」すること、(2)取引の相手方が税務当局に提出する法定調書及び納税者が税務当局に提出する納税申告書に番号を「記載」すること、が必要となります。これにより税務当局は、法定調書と納税申告書の情報を、番号をキーとして名寄せ・突合するこ とが可能となります。
その前提として、番号は、少なくとも、(1)国民一人一人に一つの番号が付与されていること、(2)納税者が取引の相手方に告知できるよう、民−民−官の関係で利用でき、また、目で見て確認できること、(3)常に最新の住所情報と関連付けられていること、という条件を満たす必要があります。
税務面において、番号制度がこのような役割を果たしていけるよう、実務検討会での議論と並行して、(1)法定調書の拡充、(2)税務当局への提出資料の電子データでの提出の義務付け、(3)税務行政における電子化の推進と情報連携の効率化、等の課題について積極的に検討を進めます。また、制度全体についての議論の進捗状況を踏まえ、(1)法定調書への正確な番号記載の確保策、(2)税務情報についてのプライバシー保護の徹底策、といった課題についても検討を進めます。
なお、検討に当たっては、番号を利用しても事業所得や海外資産・取引情報の把握には限界があることについて、国民の理解を得ていく必要があります。
第3章 各主要課題の改革の方向性
1.納税環境整備
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(3)社会保障・税共通の番号制度導入
社会保障制度と税制を一体化し、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させるとともに、社会保障制度の効率化を進めるため、また所得税の公正性を担保するために、正しい所得把握体制の環境整備が必要不可欠です。そのために社会保障・税共通の番号制度の導入を進めます。
番号は基礎年金番号や住民票コードなどの既存番号の活用、新たな付番など様々な選択肢が考えられます。付番・管理する主体については、(4)で詳述する歳入庁が適当であると考えます。
以上、徴収とも関連しますが、主として給付のための番号として制度設計を進めます。その際は、個人情報保護の観点が重要なことは言うまでもありません。
(4)歳入庁の設置
年金制度改革と並行して、年金の保険料の徴収を担っている日本年金機構(2010 年1月に社会保険庁より改組予定)を廃止し、その機能を国税庁に統合、歳入庁を設置する方向で検討を進めます。
歳入庁は税と社会保険料の賦課徴収を一元的に行います。行政の効率化が進み、行政コストも大幅に削減できます。国民にとっても、税は税務署、保険料は社会保険事務所など別々の場所に納付する手間が省けます。
歳入庁は、国税と国が管掌する社会保険料の徴収を行うこととなりますが、国税と徴収対象や賦課基準が類似の税について自治体が希望する場合、地方税等の徴収事務を受託することも検討します。
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(6)納税環境整備に係るPTの設置
以上、(1)納税者権利憲章(仮称)の制定、(2)国税不服審判所の改革、(3)社会保障・税共通の番号制度導入、(4)歳入庁の設置、等について、具体化を図るため、税制調査会の下にプロジェクト・チーム(PT)を設置します。
特に、(1)(2)(3)については1年以内を目途に結論を出します。
なお、社会保障・税共通の番号制度やこれを付番・管理する歳入庁の設置については、税制のみならず、社会保障制度も関連することから、税制調査会のPTと並行して、内閣官房国家戦略室を中心に、府省横断的に検討を行うこととします。
厳しい財政状況を踏まえつつ、支え合う社会の実現に必要な財源を確保し、我が国の構造変化に適応した税制を構築していく観点から、以下の事項をはじめとして、国税・地方税を一体とした毎年度の税制改正及び税制全般の将来ビジョンについての調査審議を求める。
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(2)既得権益を一掃し、納税者の視点に立って公平で分かりやすい仕組みを目指す観点から、租税特別措置をゼロベースから見直すための具体的方策を策定すること。また、税と社会保障制度の適正な運営のための番号制度やその執行体制など、納税者の立場に立つとともに適正な課税を推進するための納税環境整備を検討すること。
2009年度
2010年度
III 地方税制度(個別税目)の見直し等
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13 社会保障・税に関わる番号制度の検討について
社会保障・税に関わる番号制度の検討に当たっては、個人情報の保護の在り方に十分配慮するとともに、住民サービスを高めるといった視点から地方とも十分に意見交換を行うこと。
また、住民基本台帳ネットワークシステムや公的個人認証サービスなど、既存のインフラをできる限り生かした効率的な整備を図ること。
4 課税・徴収体制等の改善について
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(5) 税制改正における国等の対応
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また、社会保障・税共通の番号制度、給付付き税額控除、市民公益税制など新たな制度の導入等に当たっては、円滑に制度の導入・運用がされるよう、都市自治体の意見を十分踏まえるとともに、適宜・適切な情報提供を行うこと。
II.税制抜本改革のあり方平成23年度税制改正に関する提言概要(PDF)
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(4) 社会保障・税共通の番号制度の早期導入
セーフティネットに係る各種給付や減税措置を真に必要とされる人に対し、適切かつ効率的に行うと同時に、公平かつ適正な所得把握を実現するため、社会保障給付や納税等に利用できる番号制度について、平成23年度税制改正において成案を示し、早期に導入すべきである。この番号制度が導入されれば、消費税の逆進性対策をはじめ、所得や家族構成に応じた給付付き税額控除といった社会保障と税を融合させたきめ細かい制度設計が可能となる。また、金融所得課税の一元化の推進にもつながる。なお、制度設計に際しては、プライバシーに万全の配慮を行うことはもとより、住民票コードの活用等により導入コストの効率化や電子行政の推進にも資するものとする必要がある。
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III.平成23年度税制改正に関する提言
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6.社会保障・税共通の番号制度に関する具体的な設計
社会保障・税共通の番号制度については、先に述べた通り、早期導入に向けて、具体的な制度設計に関する検討を推進し、成案を示すべきである。
8.社会保障と税の共通番号制度の早期導入等
○基本的な社会インフラとして、社会保障と税の共通番号制度の導入を早期に実現すべきである。
○中小企業の納税事務負担の軽減を図るべきである。
.税制抜本改革に対する考え方 ・・・・・・平成23年度税制改正に関する意見の概要(PDF)
2.社会保障と税の共通番号制度の早期導入
消費税を含む税体系の抜本的改革を実現するためには、基本的な社会的インフラとして、社会保障と税に共通した番号が不可欠である。また、給付付き税額控除、年金記録管理の効率化、公正・簡素な納税・納付体制を構築するためにも、社会保障と税の共通番号制度の導入を早期に実現すべきである。
なお、制度導入の検討に当たっては、情報漏えい防止に万全を期するとともに、目的外利用の範囲の明確化や罰則の設置、目的外利用を監視する第三者機関の創設等、納税者の不安を払拭する十分な措置を講じたうえで、円滑な導入を目指す必要がある。
3.当面するその他重要課題
(3)給付つき税額控除を含む公平な税制と真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させるため、社会保障・税共通の番号制度を早急に導入すべき。
II 中期的な視点からの検討課題 ・・・・・・平成23年度・税制改正に関する建議書 概要(PDF)
3.番号制度の導入について
税制において番号制度を導入することは、法人や個人事業者の所得金額までの把握はできないものの、課税漏れのない適正な申告などの実現に寄与し、その牽制効果は間接的に申告水準の向上をもたらすと考えられる。その際の適正な課税と申告水準の向上は国民全体の利益に資するものである。また、金融所得課税の一体化の観点からは、税制における番号制度は金融所得の正確な把握を行い適正な課税を担保するために必要である。
また、年金、医療及び介護サービスの給付と負担を一元的に管理し、国民一人ひとりが自分の保険料の納付状況等を簡単に把握できるようにするなど、各種の社会保障制度を横断的に規律するための番号制度の導入は、国民に有益である。
国民の利便に資するためには、金融所得課税だけではなく納税全般にわたる制度で、さらに社会保障や地方税も統一的に規律できるような制度が望ましい。このような番号制度は、社会システムを公平に運用し行政を効率化させる基礎的なインフラになると考えられ、例えば、公的年金しか所得を有しない高齢者について、年金の支払者において年末調整のような措置を講じることができれば、確定申告を不要とするなど納税手続の簡素化を図ることも考えられる。
また、最近、提唱されている給付付き税額控除の具体的検討も可能となり、年金をはじめとする各種の社会保障の受給も公平に実施されることが可能となる。
したがって、番号制度の導入に当たっては、制度の仕組み、付番方式、付番機関、プライバシーの保護等について具体的な内容を示した上で、税制と社会保障制度に共通の番号制度を構築すべきである。
1.番号制度
(1) 番号制度は、(1)真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障の充実とその効率化を図りつつ、(2)国民の負担の公正性を担保し、制度に対する国民の信頼を確保するとともに、(3)国民の利便性の更なる向上を図るために不可欠なインフラであり、可能な限り早期に導入することが望ましい。
(2) この番号制度については、本年2月以降、府省横断的な検討が開始され、7月には具体的な選択肢がパブリックコメントに付されるなど幅広く議論が進められてきた。また、本年11月には、政府・与党社会保障改革検討本部の下に「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」が設けられ、検討体制の整備も進められている。番号制度の早期導入に向け、この検討会が中心となって、国民の理解と納得が得られるようプライバシーの保護等に十分配慮しつつ、具体的な方向性を速やかに明らかにし、早急に制度設計に着手することを期待する。
(3) 税務面においては、番号制度は、納税者に悉皆的に番号を付与し、
・ 各種の取引に際して、納税者が取引の相手方に番号を「告知」すること
・ 取引の相手方が税務当局に提出する法定調書及び納税者が税務当局に提出する納税申告書に番号を「記載」すること を義務付ける仕組みとして利用される。これにより、税務当局が、納税申告書の情報と、取引の相手方から提出される資料情報を、その番号をキーとして集中的に名寄せ・突合できるようになり、納税者の所得情報をより的確に把握することが可能となる。
税務面において、番号制度がこのような役割を果たしていけるよう、「実務検討会」での議論と並行して、
・ 法定調書の拡充
・ 税務当局への提出資料の電子データでの提出の義務付け
・ 税務行政における電子化の推進と情報連携の効率化等の課題について積極的に検討を進めていく必要がある。
また、制度全体についての議論の進捗状況を踏まえ、
・ 共通番号の対象とならなかった者についての対応
・ 法定調書への正確な番号記載の確保策
・ 税務情報についてのプライバシー保護の徹底策
といった課題についても検討を進めていく必要がある。
(4) なお、検討に当たっては、番号を税務に用いる場合、少なくとも、(1)国民に悉皆的に付番されていること、(2)一人一番号が確保されていること、(3)民−民−官の関係で利用できること、(4)目に見えること、(5)常に最新の住所情報が関連付けられていること、という条件を満たす必要があることに留意する必要がある。
また、番号を利用しても事業所得や海外資産・取引情報の把握には限界があることについても、国民の理解を得ていく必要がある。
番号制度
【小委員会・専門家委員会における議論の概要】
○ 現在、番号制度については、平成22年度税制改正大綱を踏まえ、内閣官房国家戦略室に設けられた「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」において府省横断的な検討が行われており、「1年以内を目途に結論を出す」こととされているところ。
同検討会においては、国民の権利を守るための番号として、社会保障と税制を一体化し、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させ、国民負担の公正性を担保するとともに、国民の利便性の向上を図るために必要な番号制度の導入について検討が進められている。同検討会では、平成22年6月29日に「中間取りまとめ」を公表し、これについての意見募集手続も終了したところである。
税務の観点から見た場合、利用する番号については、(1)国民に悉皆的に付番されていること、(2)一人一番号が確保されていること、(3)民―民―官の関係で利用できること、(4)番号が目で見えること、が必要である。また、常に最新の住所情報が関連付けられていることも必要である。
○ 小委員会の議論においては、社会保障の充実・効率化等の国民に対して目に見えるメリットが認められ、かつ、プライバシー保護にも十分な配慮がなされるとの前提の下で、番号制度を導入すべき、という点で意見が一致した。
また、課税の適正化や、社会保障制度の充実・効率化のためには所得捕捉の精度を向上させることが必要であり、そのためには、現行の法定調書の範囲の拡大が必要である、という点で意見が一致した。
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from 2010 .12.11