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民主党政権は、2009年夏の総選挙で掲げたマニフェストにもとづき「社会保障と税の共通番号制度」の導入を目指している。
これまで、鳩山政権と続く菅政権のもと国家戦略室「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」、及び、同検討会の報告を受けた内閣官房「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」で議論をおこなってきた。
しかし、その後、内閣官房に設けられた「政府・与党社会保障改革検討本部」で、民主党側からの要望も踏まえ議論を進めることになった。
同本部は、2010年12月10日、社会保障・税に関わる番号制度導入に向け、2011年1月を目途に基本方針をとりまとめ、さらに国民的な議論を経て、2011年秋以降、可能な限り早期に関連法案を国会に提出できるよう取り組むものとするとの基本方針「社会保障改革の推進について」を決定した(同方針は12月14日に閣議決定された)。
年が明けた1月14日には、菅第二次改造内閣が発足。麻生内閣で財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)を務めた与謝野馨氏が、内閣府特命担当大臣(経済財政政策、少子化対策、男女共同参画)、社会保障・税一体改革担当に就任。与謝野氏は、自公政権下で「行政は、安心強化と信頼再構築のために、安心保障番号/カード(社会保障番号/カード)などのインフラ整備を急ぐべきである」とする報告書「安心と活力の日本へ」をとりまとめた「安心社会実現会議」の責任者。その彼が、今度は民主党政権の社会保障・税一体改革担当になったのである。
早速、1月18日の閣議後会見では、「6月までに菅内閣としての案をつくり、各党に提示する」と明言したとのこと。共通番号制度は、いよいよ現実味を帯びてきたようである。
とは言うものの社会保障と税の一体改革自体については、財源問題での不一致(税方式? 保険料方式?)や、司令塔の不在で、今後も紆余曲折がありそうだ。このままずるずると何も決まらず、何もできず、結局、実現したのは番号制度だけとなる可能性も。
・国家戦略室「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」
・内閣官房「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」
・内閣官房「政府・与党社会保障改革検討本部」
なお、当研究所の代表である黒田充の共通番号制度に関する見解については、
・拙稿「新旧政権による社会保障カード、及び、番号についての議論に関する考察」『大阪自治体問題研究所研究年報 第13号』、自治体研究社、2010年8月10日
・拙稿「共通番号制の狙いは、『強い社会保障』どころか国民に対する『強い国家』」『日本の論点 2011』文藝春秋編、2010年11月25日発売をご参照下さい。
内閣官房の国家戦略室に、平成22年度税制改正大綱(2009年12月22日閣議決定)に基づき「社会保障と税制を一体化し、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させ、国民負担の公正性を担保し適正化を図るために必要な番号制度」について検討を行うとする「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」が、2010年2月に設置された。
国家戦略室は、税財政の骨格、経済運営の基本方針その他内閣の重要政策に関する基本的な方針等のうち内閣総理大臣から特に命ぜられたものに関する企画及び立案並びに総合調整を行うために内閣官房に設けられた内閣総理大臣直属の国家機関である。
同検討会は、6回の会合を経て2010年6月29日に「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会 中間取りまとめ」を公表した。
社会保障・税に関わる番号制度の所管は、2010年10月29日より、国家戦略室から内閣官房社会保障改革担当室に変更され、同年11月に新たに「政府及び与党における社会保障改革の検討事項のうち、政府として、社会保障・税に関わる番号制度の導入を検討する」ためとして「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」が設けられた。
当初、座長は、仙谷由人・内閣官房長官(当初の委員名簿)であったが、第3回会合より政府・与党社会保障改革検討本部の決定(2011/1/21)に基づき、新入閣の与謝野馨・社会保障・税一体改革担当大臣に交代している。
2010年12月3日開催の第2回検討会にて「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会中間整理」をとりまとめ、2011年1月には「基本方針」を、3月〜4月には「要綱」を、そして6月には「社会保障・税番号大綱(仮称)」をそれぞれ策定し、2011年秋以降の可能な限り早期に法案を提出するとのスケジュールを明らかにした。
- 「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会の開催について(内閣官房長官決裁文書 2010年11月9日)」(PDF)
- 検討会 構成員(PDF)
- 「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会中間整理」(2010年12月3日)
- 概要
- 理念
・ より公平・公正な社会の実現
・ 社会保障がきめ細やか且つ的確に行われる社会の実現
・ 行政に過誤や無駄のない社会の実現
・ 国民にとって利便性の高い社会の実現
・ 国民の権利を守り、自己情報をコントロールできる社会の実現
- 効果
・ 番号を用いて所得等の情報の把握とその社会保障や税への活用を効率的に実施
・ 真に手を差し伸べるべき人に対しての社会保障の充実
・ 負担・分担の公正性、各種行政事務の効率化が実現
・ IT化を通じ効率的かつ安全に情報連携を行える仕組みを国・地方で連携協力しながら整備し、国民生活を支える社会的基盤を構築
・ ITを活用した国民の利便性の更なる向上も期待
- 目指す方向性
・ 「幅広い行政分野」での利用を視野に入れつつ、まずは「税+社会保障分野」から開始
・ 住基ネットを活用した新たな番号を使う
・ データベースについては分散管理方式とすることを前提に検討。番号についてはプライバシー保護、コスト等に鑑み、一元管理又は分散管理とすべき具体的分野について今後検討
・ 付番機関については、「歳入庁の創設」の検討を進めるとともに、「まずはどの既存省庁の下に設置すべきか」について検討
・ 最低限、「自己情報へのアクセス記録の確認」、「第三者機関の設置」、「目的外利用防止に係る具体的法原則明示」、「関係法令の罰則強化」を実施する方向で検討
- スケジュール
2011年夏頃 「社会保障・税番号大綱(仮称)」、秋以降 法案提出
- 本文(PDF)
- 検討会 議事次第・配付資料・議事要旨
- 第1回検討会(2010年11月11日)
- 第2回検討会(2010年12月3日)
「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会中間整理」をとりまとめた。
- 第3回検討会(2011年1月24日)
仙谷由人・内閣官房長官に代わって、与謝野馨・社会保障・税一体改革担当大臣が座長として出席。
有識者として、北川正恭・わたしたち生活者のための「共通番号」推進協議会代表と、足立祥代・国際公共政策研究センター主任研究員が出席し意見を表明。
- 議事要旨(PDF)
- 北川代表からの説明資料「生活者のための『共通番号』実現にむけて」(PDF)
議事要旨によると北川代表の発言は次の通り。
○ 「共通番号」導入においては、国だけに任せるのではなく、国民の側からも推進していくことが必要と考え、推進協議会を立ち上げた。今後、全国的に、国民運動を展開して盛り上げていく予定である。
○ アピール文には、「安全・安心」「国民本位」「合意形成」の3つの原則を掲げている。
○ 国民が管理する権利を持ち、国家に使わせるという視点が大事である。
○ 官民問わず活用できるよう、民間活用まで含めた導入に関する工程表を明確に示すことが求められる。
○ 番号の名称は、国民から広く公募し、慎重に検討してほしい。
○ タウンミーティングを開催し、国民の声を反映させてほしい。
○ ICカードについては、国民が、広く等しく権利を享受できるよう、全国民に配布できるよう政治主導で進めてほしい。コスト‐ベネフィットの議論もあると思うが、新しい民主主義を作るための投資として進めてほしいと考える。
- 足立主任研究員からの説明資料「社会保障・税に関わる番号制度基本方針策定に向けて」(PDF)
国際公共政策研究センターは2007年3月に設立された組織で、会長はトヨタ自動車の奥田碩氏、理事長は田中直毅氏、そして、あの小泉純一郎氏が顧問に座る。2010年7月1日に「民主主義の原理である自己統治という概念の延長線上に自己情報は自らの手で管理するという原則を据え、共通番号制度のあり方をまとめることとした」とする政策提言「共通番号制度の早期実現に向けて」を公表し、同30日には「共通番号の早期導入に向けた課題や対策、さらには将来の展望について議論する」とするシンポジウムを開催している。
議事要旨によると足立主任研究員の発言は次の通り。
○ 番号制度は単なる電子行政の推進ではなく、現状の社会構造を改革し新たな社会基盤をつくる国家的政策である。
○ 番号制度は「国民の情報を正しく利用する」ための国民と国との契約であり、国民は自己の権利を正しく行使し、公平に義務を負うという関係を明確化するものである。
○ 番号の利用範囲については、制度導入の目的を踏まえ、行政に閉じず、民-民を含め必要に応じて適用すべきである。リスクを考慮しすぎて運用効率を落とすことなく、法の規定があるところなどから民間での活用も進めるべきである。
○ 番号制度の要件は、様々なユースケースで本人確認・現況確認・情報連携などの必要な箇所などについて想定し、見い出される条件から整理して抽出するべきである。
○ 推進体制については、総理大臣の強いリーダーシップのもと大臣級の責任者の設置とその下での実行組織が必要である。
○ 番号制度により新たな社会が具体的にどのように変わり改善するのか、ユースケースを元に国民に分かりやすく説明し、理解の醸成を図ることが必要である。
- 地方公共団体調査結果(全国知事会、全国市長会、全国町村会)(PDF)
- 「社会保障・税に関わる番号制度」に係る平成23年度関係省庁予算(案)概要(PDF)
- 第4回検討会(2011年1月28日)
「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」の案を決定し、政府・与党社会保障改革検討本部に報告することを了承。
政府・与党社会保障改革検討本部は、「社会保障改革の全体像については、政府・与党が一体となって、必要とされるサービスの水準・内容を含め、国民に分かり易い選択肢を提示するとともに、その財源の確保について一体的に議論する必要がある」として、これを検討する場として、内閣総理大臣の下に、2010年10月に設置された。本部長は内閣総理大臣。
内閣官房「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」、及び、 民主党「税と社会保障の抜本改革調査会」における議論をもとに、「社会保障改革に関する有識者検討会」の検討結果を踏まえ、2010年12月10日開催の第2回会合で社会保障改革の基本方針として「社会保障改革の推進について」を決定した。
なお、この「社会保障改革の推進について」は、国の正式な方針として2010年12月14日に閣議決定されている。
2011年1月21日に開かれた第3回会合の席上、本部長である菅首相は「4月までにあるべき社会保障の方向性を示し、必要な財源を試算するよう細川律夫厚生労働相に指示」するとともに、「安定財源の確保と財政の健全化を同時に達成するため、税制改正を含む包括的な改革案を6月に取りまとめる方針」も示した。共通番号の導入については与謝野氏に「関連法案の国会提出に向けて議論の加速と国民への周知」を指示したとのこと(『日本経済新聞』2011年1月21日付け)。
2011年1月31日に開かれた第4回会合において、年金・医療・福祉・介護・労働保険の各社会保障分野、国税・地方税の各税務分野で利用できる、すべての国民一人ひとりに唯一無二の民−民−官で利用可能な見える番号(住基ネットを活用した新しい番号)を、2014年6月に付番し、2015年から利用を始めるなどとする「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」を決定。
- 「社会保障改革の推進について」(PDF)
2010年12月10日開催の第2回会合で決定された社会保障改革の基本方針。「『社会保障の機能強化』とそれを支える『財政の健全化』を同時に達成することが不可欠」であるとの認識のもと「社会保障の安定・強化のための具体的な制度改革案とその必要財源を明らかにするとともに、必要財源の安定的確保と財政健全化を同時に達成するための税制改革について一体的に検討を進め、その実現に向けた工程表とあわせ、23年半ばまでに成案を得、国民的な合意を得た上でその実現を図る」としている。
社会保障・税に関わる番号制度の導入については、下記の通り2011年1月を目途に基本方針をとりまとめ、国民的な議論を経て、2011年秋以降、可能な限り早期に関連法案を国会に提出できるよう取り組むものとするとの方針を示している。
また、改革実現に必要な「立場を超えた幅広い議論」の場として、「超党派による常設の会議を設置することも含め、素直に、かつ胸襟を開いて野党各党に社会保障改革のための協議を提案し、参加を呼び掛ける」としている。
2.社会保障・税に関わる番号制度について
○ 社会保障・税に関わる番号制度については、幅広く国民運動を展開し、国民にとって利便性の高い社会が実現できるように、国民の理解を得ながら推進することが重要である。
○ このための基本的方向については、社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会「中間整理」において示されており、今後、来年1月を目途に基本方針をとりまとめ、さらに国民的な議論を経て、来秋以降、可能な限り早期に関連法案を国会に提出できるよう取り組むものとする。
- 社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針 概要(PDF) 本文(PDF)
方針は、冒頭、番号を付ける理念について、次のように述べている。
番号制度を導入する背景には、一人ひとりが公平・公正に扱われ、納めた税金や保険料にふさわしい社会保障が的確に行われているのか、自分の権利が守られているのかといった不満や、行政手続が煩雑、不便でコストがかかり、利用できるサービスを知らないために受給機会を逃してしまうといった不公平が国民の間に生じている。
一方行政にとっても、国民各人の実情にあったサービス提供を行うための前提としての正確な本人特定ができず、真に手を差し伸べるべき人に対してセーフティネットの提供が万全ではなく、不正行為の防止や監視が必ずしも行き届かない状況がある。これを補うために多大なコストと時間と労力をかけている。国と地方の間、国の機関の間、地方の間において業務情報の連携が不足しており、国民へのサービスに振り向けられるべき財源や人的資源が重複する作業等に費消されている。
こうした不満・負担等を感じる状況は、民間サービスにおいても生じており、民間事業者も、正確な本人特定・本人確認のために多大なコスト・時間・労力を要している状況にある。
こうした事態が生じる大きな要因は、複数の機関に蓄積されている個人情報が同一人の情報であることの確認を行う基盤が存在しないためある。
であるから、情報化された社会には必要不可欠なインフラであり、既に多くの諸外国で整備されている番号制度が必要だとし、これを実現することによって、以下のような社会を実現することができるとしている。
(1)より公平・公正な社会
(2)社会保障がきめ細やか且つ的確に行われる社会
(3)行政に過誤や無駄のない社会
(4)国民にとって利便性の高い社会
(5)国民の権利を守り、国民が自己情報をコントロールできる社会
以上の理念を踏まえ、方針は、複数の機関に存在する個人や法人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤としての番号制度を構築するためには、次の3つの仕組みが必要となるとしている。
(1)付番 新たに国民一人ひとりに唯一無二の民−民−官で利用可能な見える番号(住基カードを改良したICカードの券面等に記載)を最新の住所情報と関連づけて付番する仕組み
・住基ネットを活用した新たな番号とする。法人等については商業・法人登記の申請にかかる会社法人等番号を活用する
・付番対象となる個人は、日本国民、中長期在留者・特別永住者等の外国人住民。付番、情報連携基盤を担うのは総務省
・付番対象となる法人は、会社法人等番号を有する法人、法人税の納税義務を有する人格なき社団、その他付番機関の長が適当と判断したもの。付番を担うのは国税庁
・番号を利用できる分野は、年金、医療、福祉、介護、労働保険の各社会保障分野、国税及び地方税の各税務分野とする
・現在、各分野で利用されている既存の番号は、当分の間、並存する
(2)情報連携 複数の機関において、それぞれの機関ごとに「番号」やそれ以外の番号を付して管理している同一人の情報を紐付けし、紐付けられた情報を相互に活用する仕組み
・各府省、関係機関、自治体等が保有している個人や法人の属性情報を住基ネットの保有する最新の4情報(住所、氏名、生年月日、性別)や、商業・法人登記されている最新の3情報と定期・随時に更新し、情報の最新化を図る仕組みについて検討する
・当面の情報連携の範囲は、年金、医療、福祉、介護、労働保険の各社会保障分野と国税・地方税の各税務分野とし、各機関間の情報連携は情報連携基盤を通じて行わせる個人情報保護に十分配慮した仕組みとする。また、番号制度の情報連携基盤がそのまま国民ID制度の情報連携基盤となり、将来的に幅広い行政分野や、国民が自らの意思で同意した場合に限定して民間のサービス等に活用する場面においても情報連携が可能となるようシステム設計を行う
・情報連携基盤の構築に当たっては、「IT戦略本部」で検討されている国民ID制度と連携して、技術要件等システム設計の前提となる事項や進め方について、検討・整理する
(3)本人確認 個人や法人が「番号」を利用する際、利用者が「番号」の持ち主本人であることを証明するための本人確認の仕組み
・本人確認(公的認証)の仕組みを構築するため、既存のシステムである公的個人認証及び住基カードを番号制度の導入に合わせて改良し、活用することにより、本人確認を行う
・民-官、民-民の取引場面での適切な認証の在り方について、電子署名及び認証業務に関する法律に基づく認定認証業務の活用を含めて検討を行う
また、方針は、番号制度によって実現されるサービス等について「『番号』で何ができるのか」として、社会保障、年金、医療、税務、申請・申告等について、それぞれ具体的に示している。
→ 社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針 概要(PDF)の2頁参照
→ 政府・与党社会保障改革検討本部の第4回会合配付資料 内閣官房社会保障改革担当室「番号制度で何ができるようになるか」(PDF)参照
さらに、国民一人ひとりが自己情報へのアクセス記録を確認するとともに、行政機関等からの情報提供によりサービスを受けられるよう、インターネット上にマイ・ポータルを設置する。その際、個人情報保護に配意しつつ、民間サービスの活用も視野に検討することとするとしている。これは、自公政権下で検討されていた「国民電子私書箱」に相当するものである。
個人情報保護対策としては、今後、自己情報へのアクセス記録を確認できる制度を法的に担保する規定の在り方の検討、第三者機関の在り方についての具体的検討、実効性のある目的外利用・提供の制限の明示と公益に資する個人情報の二次利用の在り方についての検討、不正な情報活用を防止するための関係法令の罰則の強化の検討、プライバシーに対する影響評価の実施とその結果の公表を行う仕組みについての検討、番号を取り扱う事業者に関する個人情報保護のあり方の検討をそれぞれ行うとしている。
今後の進め方については、「国民各層の納得と理解が得られるよう番号制度創設推進本部を設置する」、「地方自治体等とそれぞれの実情を踏まえながら、番号制度の実現に向けて議論・検討を進める」、「内閣官房において「番号法」(番号制度に関する個人情報保護法制を含む)を整備する」、「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会及びIT戦略本部企画委員会の下に、個人情報保護ワーキング・グループと情報連携基盤技術ワーキング・グループを設置する」としている。
番号制度の導入に係る費用については、より精緻な試算を行うとともに、誰がどのように負担するかについても検討する。便益については、国民にわかりやすく示すこととするとしている。
方針が掲げている今後のスケジュールは次の通りである。
平成23年(2011年)
1月 基本方針
3〜4月 「社会保障・税番号要綱(仮称)」の公表
6月 「社会保障・税番号大綱(仮称)」の公表
秋以降 可能な限り早期に「番号法(仮称)」案及び関係法律の改正法案を提出
番号制度の導入時期については、今後検討が進められる制度設計や法案の成立時期により変わりうるものであるが、以下を目途とする。
平成26年(2014年)
1月 第三者機関設置
6月 全国民に「番号」配布
(※)ICカードについては、確実な本人確認の実施や国民の利便性の向上を図る観点から、導入コストも勘案しつつ、国民への配布を検討
平成27年(2015年)
1月 税務分野等のうち可能な範囲で利用開始
以降 段階的に利用範囲を拡大
- 政府・与党社会保障改革検討本部資料等
- 第1回(2010年10月28日)
- 第2回(2010年12月10日)
「社会保障改革の推進について」をとりまとめる。
- 第3回(2011年1月21日)
「社会保障改革の推進について」のとりまと後、初めて開催された会合。新たに任命された与謝野馨社会保障・税一体改革担当大臣も出席(検討本部名簿 PDF)。
新たに与謝野氏を座長とする「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」(実務検討会名簿 PDF)、及び、菅首相を議長とする「社会保障改革に関する集中検討会議」をそれぞれ発足させることを決定(実務検討会名簿 PDF)。
会合の席上、菅首相は本日の議論を踏まえ、「この問題の重要性はもう、それぞれ十二分に御承知のとおりだと思います。これから先30年、50年経った時にあの2011年の1年から持続可能な新しい社会保障制度の対策が進み始めたと、そういうふうに言われるような結果を出すようにご努力いただきたいと思います。国民の皆様とともに議論を進めていくと、そういうことが何よりも重要でありまして、今日お決めいただいた中にもそうした国民的な議論をしていくための会合も予定をすることになっておりますので、ぜひそうした国民的な議論を進めるという観点も大事にしながら進めていただきたい」と述べたとのこと(総理の動き)。
- 第4回(2011年1月31日)
社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針(PDF)、番号制度創設推進本部の設置の設置を決定。
- 内閣官房社会保障改革担当室「番号制度で何ができるようになるか」(PDF)
概略は次の通り。
1.社会保障でできること
・高額医療・高額介護合算制度の改善 ・・・保険者と医療・介護サービス提供者間の情報連携により、立て替え払いをすることなく医療・介護サービスを受けることができる
・保険証機能の一元化 ・・・券面に「番号」を記載した1枚のICカードの提示により、年金手帳、医療保険証、介護保険証等を提示したものとみなす
・自己診療情報の活用 ・・・自分の診療情報等を容易に入手・活用できるようになる
・給付可能サービスの行政側からの通知 ・・・障害者に、本人の同意に基づき利用可能な様々な施策の情報を提供
2.年金分野でできること
・年金制度の的確な運用 ・・・基礎年金番号の二重付番や、年金手帳の二重交付の防止
・確定申告手続の簡略化 ・・・確定申告の際に、公的年金等の源泉徴収票の添付が不要に
3.医療分野でできること
・確定申告手続の簡略化 ・・・確定申告の医療費控除に必要な領収書等の添付・保存が不要に
4.税務分野でできること
・所得の過少申告等の防止 ・・・所得の過少申告や扶養控除のチェックを効率化し、税の不正還付等を防止
・確定申告の際の自己情報の確認 ・・・e‐TAXで確定申告を行う際に、必要な情報をマイポータルで確認できる
5.申請・届出等の国民負担が軽減されるもの
・添付書類の削減 ・・・各種申請・申告等に必要な行政機関が発行する添付書類の省略
- 番号制度創設推進本部
社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針(PDF)に基づき、内閣総理大臣の下に2011年1月31日に設置された政府・与党社会保障改革検討本部の構成員を構成員とする組織(本部長は内閣総理大臣、社会保障・税一体改革担当の国務大臣が主宰、事務局長は峰崎内閣官房参与)。
設置根拠である「番号制度創設推進本部の設置について」(PDF)によると、設置趣旨は「社会保障・税に関わる番号制度については、幅広く国民運動を展開し、国民にとって利便性の高い社会が実現できるように、国民の理解を得ながら推進することが重要であることから」とのこと。
- 個人情報保護ワーキンググループ、情報連携基盤技術ワーキンググループ
社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針(PDF)に基づき、「社会保障・税に関わる番号制度」と「国民ID制度」に関する共同の検討の場として、政府・与党社会保障改革検討本部及びIT戦略本部の下に設置された(ワーキンググループの設置について」(PDF))。
- 「個人情報保護ワーキンググループ及び情報連携基盤技術ワーキンググループの開催について」(PDF)
2 検討内容
個人情報保護WG及び技術WGは、次の事項について検討し、その結果及び活動状況について社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会及び高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部企画委員会に報告する。
(1)個人情報保護WG
社会保障・税に関わる番号制度と国民ID制度における個人情報保護の仕組みに関する事項(技術に係る事項を除く)
(注)消費者庁、総務省等関係府省の協力を得て検討を実施。
(2)技術WG
社会保障・税に関わる番号制度と国民ID制度で共通する事項のうち技術に係る事項
- 個人情報保護ワーキンググループ
2011年6月の「社会保障・税番号大綱」(仮称)の策定までに6回の会合を開き、「とりまとめ」を行うとしている(「個人情報保護ワーキンググループの今後の検討スケジュール」PDF)
- 構成員(PDF)
座長は、堀部政男・一橋大名誉教授。
- 第1回会合(2011年2月7日)配付資料(一部)
- 「社会保障・税に関わる番号制度及び国民ID制度の導入に伴う個人情報の保護に関する基本論点」(PDF)
番号制度の導入に伴い、「国家により国民が監視・監督されるのではないかといった懸念や個人情報の漏えい・濫用の危険性等が指摘されている」ので、本ワーキング・グループにおいては「個人情報保護の強化の在り方について、『社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針』に基づき、また、同基本方針において当面の情報連携の範囲として示されている社会保障分野及び税分野を念頭に置くこととし、個人情報の有用性やフィージビリティの観点等も踏まえ、検討する」としている。
第三者機関(独立性を担保する法的形式と組織形態、業務範囲、機能・権限)、 自己情報へのアクセス記録の確認(アクセス記録を確認できる対象範囲、確認できる項目、確認方法)、目的外利用・提供の制限等、罰則(罰則の新設、法定刑の引き上げ)、プライバシーに対する影響評価、特段の配慮が求められる分野における具体的措置を論点としている。
- 情報連携基盤技術ワーキンググループ
2011年5月下旬までに6回の会合を開き、「中間とりまとめ」を行うとしている(「情報連携基盤技術WGの今後の開催日程(案)について」PDF)。
- 構成員(PDF)
- 第1回会合(2011年2月4日)配付資料(一部)
- 「国民ID制度に関するこれまでの検討経緯」(PDF)
- 「住民基本台帳ネットワークシステムについて」(PDF)
総務省自治行政局住民制度課が作成した資料
- 「情報連携基盤技術WGにおける検討項目(案)」(PDF)
付番に関する検討事項(住基ネットの活用方法、番号桁数、番号の管理・運用方法、会社法人等番号を有しない法人等に対する付番方法、「番号」を最新の住所情報と関連づける仕組みを実現する方法等)、情報連携基盤に関する検討事項(各府省・関係機関・地方自治体等がそれぞれ利用している番号間を紐付ける方法、各府省・関係機関・地方自治体等間の情報連携[番号連携、情報連携、認証連携、民間との連携、情報の最新化等]を行う方法、アクセス記録の保持の方法、自己情報へのアクセス記録の確認方法、将来的に幅広い行政分野等における情報連携を可能とするためのシステム設計等)、本人確認に関する検討事項(公的認証の仕組みの改良・活用方法、民-官、民-民の取引場面で求められる適切な認証方法等)、マイ・ポータルに関する検討事項、その他検討すべき事項(セキュリティ対策、性能要件、拡張性確保、信頼性確保、標準化[文字コード、帳票類等]、システム最適化、導入スケジュール・費用の試算等)を列記。
- 社会保障改革に関する有識者検討会
「社会保障改革の全体像については、政府・与党が一体となって、必要とされるサービスの水準・内容を含め、国民に分かり易い選択肢を提示するとともに、その財源の確保について一体的に議論する必要がある」として、内閣総理大臣が社会保障分野等の有識者の参集を求め、2010年11月に設置。座長は宮本太郎・北海道大学大学院法学研究科教授。
2010年12月8日の第5回会合で「社会保障改革に関する有識者検討会報告〜安心と活力への社会保障ビジョン〜」をとりまとめ、同月10日開催の「政府・与党社会保障改革検討本部」の第2回会合にてこれを公表した。
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