![]() | パソコンとインターネットと、市役所の『明日』 9 |
政府の計画では、2003年度までに、全国の自治体は、総合行政ネットワーク(LGWAN)によって結ばれ、LGWAN経由で中央省庁の霞ヶ関WANともつながります。
LGWANを使えば、「紙」の文書に比べ到達時間が短縮され、発送の手間も軽減されますから、文書が増える可能性があります。特に、政府から自治体に送られる文書の増大が危惧されます。
文書は正式な公文書に限りません。「お尋ね」や「お知らせ」と題した私文書のような電子メールが市役所に政府職員などから、毎日、続々と送られて来るかも知れません。電子メールは宛先が一ヶ所でも、3300でも手間は変わらないからです。出す方は気軽でしょうが、受け取る方は右往左往しかねません。
LGWANには、行政情報を載せる掲示板システムも考えられています。自治体への情報提供を掲示板で済ませ、自治体が知らないままに何か事が起きた時、見ないやつが悪いと、政府から言われるかも知れません。
政府が自治体を通じて集める統計も、LGWANを使えば、政府側の手間やコストは大幅に削減されます。そのため、調査項目が、今以上に細かくなる可能性があります。もっとも、政府がこうして集めたデータを自治体が自由に閲覧できる保障はありません。
LGWANには自治体間の電子メールも流れます。しかし、政府がメールの内容をチェックすることも考えられます。市長どうしや、議員間の、また他市職員とのメールに、政府批判の文言を挟むことは避けた方が良いでしょう。
LGWANは、情報の交換、共有と言いながらも、現実には、政府が自治体への指示命令を敏速に伝える伝令管に、また、自治体の情報を吸い上げるスポイトになる危険な可能性を持っていると言えます。
なお、自治体を管理するLGWANは、国民を管理する住民基本台帳ネットワークと同じく、総務省の外郭団体である(財)地方自治情報センターが運用します。ここに、何か肌寒いものを感じるのは、筆者だけでしょうか。