自治体情報政策研究所パソコンとインターネットと、市役所の『明日』 5

← 前へ  ↑ 戻る  次へ →

5 住民票コードと住基カード

 数年後には、読者のみなさんも含め国民のほとんどは、住民基本台帳カード(「住基カード」)を持たなければ、日常生活が送れなくなるでしょう。
 住基カードは、2003年8月以降、希望する住民に対して、市町村から交付されるもので、住民票の広域交付などのサービスを受ける際に必要となります。住基カードには、キャッシュカードと見た目は変わりませんが、8000字程度の情報を記憶できるICカードが使われる予定です。
 政府は、この大きな記憶容量を使って、図書カードや介護保険証、健康保険証、診察券などの機能を住基カードに持たせることを計画しています。また、クレジットカードなどの決済機能の付加も考えられています。経済産業省は、2001年秋から、全国21の地域で数百万人を対象に、こうした方向での住基カードの配付実験を始めています。
 ところで、小泉内閣は構造改革のための「骨太の方針」で、社会保障番号制の導入を検討するとしています。効率性の点から住民票コードが流用されるでしょう。また、財務省は課税漏れを防ぐとして納税者番号の導入を長年試みてきましたが、住民票コードを使えば、やはり解決するでしょう。住民票コードは、国民の個人情報を管理する国民総背番号として、多方面から期待されているようです。
 もっとも、住民票コードが行政の持つあらゆる個人データと結び付けられるのは当然の成行きです。住基カードに多様な機能を持たせるには、一つの番号をキーとして個人情報をデータベース化するのが効率的だからです。
 どんなに便利でも政府に番号で管理されるのは嫌だ、カードなど要らないという方も多いと思います。しかし、残念ながら、住民票コードの付番そのものを拒否する術は、我々国民にはありません。また、健康保険証の機能が備われば、住基カードの交付を拒否することも、できないでしょう。特に、公務員は、住基カードに職員証としての機能をも持たせようと財界では考えているようですから、辞めない限り無理なようです。

← 前へ  ↑ 戻る  次へ →