![]() | パソコンとインターネットと、市役所の『明日』 4 |
全国どこの市町村の窓口でも、自分の住民票が取れる。引越しの際には、転出元の市町村の窓口に行く必要はなく、転入先の窓口だけで済む。国や都道府県への申請時に住民票を付ける必要はなし。こうしたサービスを実現するための住民基本台帳ネットワークシステム(「住基ネット」)の構築が、2002年8月の稼動に向けて、全国規模で進められています。
住基ネットは、市町村と都道府県、そして(財)地方自治情報センターの各コンピュータと、これらを結ぶ通信回線からなります。住基ネットには本人確認情報(氏名、生年月日、性別、住所、住民票コードと、これらの変更情報)が流れます。住民票コードは、住基ネット構築に際して、個人を特定するために全国民に新たに付けられる11桁の番号です。住民票コードの全国民への通知は、2002年の8月に、市町村が行ないます。多くの住民は番号が付けられることを知りませんから、全国の市役所で、大きな混乱が起きる可能性があります。
ところで、総務省は、住基ネットの構築費として03年度までに約320億円を、さらに運営経費として以後毎年180億円を支出するとしています。また、人口16万のある地方都市は、住基ネットへの参加に約1億円がかかると計算しています。もっとも、この中には、人件費が含まれていません。総務省の示した予算額には、自治体の経費全てが含まれているわけではないようです。全てを入れれば、もう一桁上になるのではとも言われています。
一方、この地方都市で交付される住民票の写しは市民一人当り年間0.6件、転出者は毎年全人口の4%程度です。自治体によって差はあるでしょうが、大きくは変わらないでしょう。では、なぜ、政府は、この程度のサービス向上のために、多額の経費をかけようとするのでしょうか。それは、住基ネットを個人情報の集約・管理と、インターネット上での個人認証に使おうと考えているからです。住民票の広域交付などは、付け足しのようなものです。