自治体情報政策研究所IT革命・電子自治体構想と情報民主主義 6

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6.ITは義務か権利か

 政府、言ってみればIT革命政府ですが、この政府は、IT国民運動をどんどんやれやれと、盛んに国民に発破をかけています。国民運動の中心の一つが、先ほど言いましたIT講習ですが、こういう押しつけの政策は、朝、黒田先生がおっしゃっておられましたが、脅しを前提としているのですね。インターネットをやらないと、IT化をしないと、日本が沈没するぞとか、あなた自身も幸せになれないぞとか、経済的に転落するぞとか、国民を脅しているわけです。しかし、こうやり方では、私は、何事もうまくいかないと思います。お上からの押し付けでは、けっしてうまくいかないのは歴史の教訓でしょう。一人一人の国民なり、住民なりが、自らやろかなと思うような、そういう環境づくりなり合意なりを積み上げていく必要が、むしろあると思います。
 インターネットは、双方向性や平等性などの性格を生かしてうまく使えば、民主主義を進める道具にもなると言われています。大袈裟かもしれませんが、インターネットは、20世紀後半に人類が生み出した共通の財産でもあるわけです。この財産を社会進歩に生かすためには、IT化するのを義務としてとらえるのではなく、国民の権利、住民の権利だととらえて、運動をしていく必要があると思います。そのためには、一つは、例えばNPOなんかの力をかりるだとか、NPOといってもボランティアを行政が勝手に組織するということよりも、むしろ既存のボランティア団体とコンタクトをとってみるといいますか、コミュニケーションをとっていくという形の方が私はいいと思うんですけれども、そういうところも活用しながら、いかに住民合意で進めていくかということが大事ではないでしょうか。
 それからもう一つ。今日は職員の方が多いと思いますが、自治体職員というのは現場でいろんな住民と接触しているわけですし、実際に最前線で仕事をしているわけですから、何が問題なのか、どこに原因があるのかなど、よくご存知だと思います。ですから、夢物語ではなく、どういう自治体を電子化によって作っていくのか具体的な提案をすることができるはずです。こうしたことは、自治体労働者しかできないと思います。もちろん住民が、全くできないという話ではありません。しかし、現実的には専門的なことになれば、自治体労働者でないとできない部分があると思います。ですから、その辺は「ITのことはちょっと」言わずに、岡山の場合はちょっととは既に言ってられない状況ですし、職員のみなさんも「とてもそんなことは」とは考えていらっしゃらないでしょうけれども、ぜひ自分たちのものだというように捉えて、住民の権利としてどう進めていくのか、考えていってもらいたいと思います。

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