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| 住民基本台帳カード(住基カード)をめぐる事件 |
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住民基本台帳カード(住基カード)をめぐって起きた事件について、新聞報道などをもとに簡単にまとめてみました。
住基カードの成りすまし取得が頻発するのはなぜでしょうか。一つは、同じように身分証明証として一般に利用されるパスポート(戸籍謄抄本が必要)や運転免許証(一般に教習所に通うことが必要)に比べて、取得が容易(金銭的な負担も小さい)であるためでしょう。もう一つは、パスポートや運転免許証に比べて本人が取得している可能性が低く、窓口での交付申請の際に成りすましが発覚する可能性が低いためではないでしょうか。
一方、偽変造事件が起きるのは、ほとんどの国民が本物の住基カードを見たことがないため、提示されたカードが偽物や改ざんしたものであってもであっても気がつかないためでしょう。特に、改ざんについては住基カードの表面の氏名等の印字が熱転写プリンターによるものであるため、爪や砂消しゴムなどで字を容易に消せることが事件を頻発させる原因だと思われます。
・ 住基カード成りすまし取得事件 
・ 住基カード偽変造事件
住基カード成りすまし取得事件
鳥栖市で起きた事件
他人への成りすましにより、住基カードが不正に取得されていたことが「発覚」した日本で最初の事件。
2003年9月11日、佐賀県鳥栖市役所の窓口に現れた男は、自分はAであると名乗り、顔写真付タイプの住基カードの交付を請求した。持参した写真は、もちろん男のもの。
しかし、男は、運転免許証など顔写真のついた身分証明となるものを持っていなかった。
市役所は、交付マニュアルに従って、その場で住基カードは渡さずに、申請者であるAの住所宛に「照会書」を送った。
5日後の9月16日、この「照会書」を持って再び男は鳥栖市役所の窓口に現れた。
市役所は何ら疑うことなく男に住基カードを交付した。
それから5ヶ月近く経った2004年2月2日、福岡県志免町役場内で、A名義の住基カードが入ったポーチが落ちているのが見つかった。
連絡を受けた鳥栖市役所は、Aに伝えたところ・・・。
A(50歳代)は「住基カードを作った覚えも志免町に行った覚えもない」と言う。顔写真も別人だと判明。
4日後の2月6日、鳥栖署は福岡市の男(当時46歳)を有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕した。
男は、2003年9月、引っ越しの仕事をしてAと知り合った。その後、男はAに「あなたの名義の封筒が鳥栖市役所から届いたら、自分に渡してほしい」と依頼。
後日、市役所から「照会書」が入った封筒が届いたが、Aは中身を確認せずに男に渡した。
この「照会書」を使って、男は、A名義の住基カードを不正に取得したのである。
男は、住基カードを身分証明にして、銀行でA名義の口座を開設。
この口座を利用して、銀行の現金自動出入機(ATM)や消費者金融で計約60万円をAの名で借りた。
男は「住基カードのポスターを見て、他人名義で消費者金融から借金するのに使えると思った」と供述。
男は、事業に失敗して3千数百万円の負債を抱え、自分名義での借り入れができない状況だった。
2004年7月9日、佐賀地裁は懲役2年、執行猶予4年の判決を男に言い渡した。
その他の事件
- 福島県相馬市の男(59歳、2004年3月逮捕)が、自分が雇っている男性になりすまし住基カードを不正に取得し、金融機関から借金をしていた。
- 埼玉県所沢市の男(45歳、2004年10月逮捕)が、東京都豊島区の女(31歳、同)に男の妻になりすましをさせ不正に住基カードを取得させた。
- 福島県郡山市の男(40歳、2005年2月逮捕)らが、消費者金融から金をだましとる目的で、他人になりすまし原町市に虚偽の転入届と婚姻届をし不正に住基カードを取得した。
- 札幌市の暴力団員の男(23歳、2004年10月逮捕)が、少女(17歳、同)を風俗店で働かせる目的で、他人の国民健康保険証を悪用し虚偽の転居届を行い住基カードを不正に取得した。
- 名古屋市の暴力団幹部の男(57歳、2005年3月逮捕)が、同居していたホームレスの男の国民健康保険証を悪用し住基カードを不正に取得した。
- 大阪府大東市の男(64歳)が、義弟になりすまし住基カードを不正に取得し、消費者金融で借金をしていた。
- 北九州市の男(29歳、2005年10月逮捕)が、他人になりすまし、名古屋市に虚偽の転居届を提出し住基カードを不正に取得した。
- 神戸市の男(71歳、2005年10月死亡)が、知人から預かった国民健康保険証を悪用し住基カードを不正に取得した。
- 男が、他人になりすまし虚偽の転入届と養子縁組届を大阪府羽曳野市に提出し、住基カードを不正に取得した。
- 2004年11月、新潟市の男(70歳、2006年2月逮捕)が知人になりすまし、住基カードを不正に取得し金融機関で借金をした。
- 2005年8月、北九州市で男が親類になりすまし、住基カードを不正に取得し銀行等から借金をした。
- 2005年8月、北九州市で男(34歳、同月逮捕)が盗んだ健康保険証を利用して他人になりすまし、住基カードを不正に取得し携帯電話の購入を図った。
- 2005年11月に埼玉県の男(35歳、2006年1月逮捕)が親類になりすまし、愛知県豊橋市から住基カードを不正に取得し携帯電話を購入した。
- 北九州市の女(57歳、2006年5月逮捕)が不正に取得した郵貯カードを使って親類の女性に成りすまし、携帯電話を購入する目的で住基カードを不正に取得した。
- 北海道釧路市の男(29歳、2006年6月逮捕)が、顔見知りの男性から氏名と住所を聞き出し住基カードを不正取得。男性名義の郵便貯金通帳の再発行の手続きをしようとしたが未然に発覚。
- 少女(16歳、2006年7月逮捕)が、福岡市で拾った健康保険証を元に渋谷区へ偽りの転入届をし、住基カードを不正に取得。成人女性になりすましてアダルトビデオに出演していた。
- 山口県周南市の女(67歳、2006年9月逮捕)が、親類の女性に成りすまし住基カードを不正に取得し、消費者金融に出す身分証明書として使用。また、同年10月には、同人の知人の女(63歳)も別に住基カードを不正取得したとして逮捕されている。

- 東京都杉並区の男(22歳、2006年10月逮捕)が、携帯電話のサイトで養子縁組をあっせんするという人物と知り合い、姓が変われば消費者金融の借金取り立てから逃れられると考え、その人物の指示で東京都八王子市に虚偽の転入届と養子縁組届を提出し、住基カードを取得。このカードを使って、販売目的で携帯電話10台の購入契約をし、銀行口座2つを開設。

- 指定暴力団山口組系の組周辺者の男ら3人(2006年10月逮捕)が、路上生活者の男性ら2人から「仕事をあっせんする」として保険証を借用し、アパートを契約し偽の住所を設けたうえで東京都足立区役所などから他人名義の住基カードを不正に取得。住基カードでクレジットカードをつくり高級外車などを購入。

- 2006年10月、女が、診察券やクレジットカードを使って兵庫県三田市在住の女性に成りすまし、女性の住民登録を大阪市内に勝手に異動させ、同市天王寺区役所で住基カードを不正に取得。女は住基カードを使って女性名義の銀行口座を勝手に解約。

- 失跡中の福岡県警の元警察官の男(33歳、2006年12月逮捕)がインターネットで不正に売買されていた大阪市の無職男性の住民票や保険証を60万円で購入し、京都市に住民登録を異動させ2005年12月男性名義の住基カードを不正に取得。

- 2006年12月、東京都の中学3年の女子生徒(14歳)と無職少女(17歳)の2人をアダルトビデオの制作会社に紹介したとして、芸能プロダクションの社長ら5人が警視庁に逮捕された。女子生徒ら2人は、芸能プロダクションが募集していたアダルトビデオへの出演に応募するため、それぞれ20歳と19歳の姉名義の健康保険証を使って姉になりすまし、住基カードを不正に取得していた。

住基カード偽変造事件
新宿区で起きた事件
2004年2月、横浜市の男(当時56歳)は、新宿区から紛失を理由に住基カードの再交付を受けた。
その後、男は、住基カードの氏名と生年月日の記載を「何らかの方法」で不正に書き換えた。
同年3月、この変造住基カードを使って男は携帯電話を購入しようとした。
が、書類の不備を理由に店に拒否された。
男は、同年11月に、新宿署に偽造有印公文書行使、詐欺未遂などの容疑で逮捕された。
男は「東京・歌舞伎町の中国人に偽造させた」と供述。
この事件に関連して、『朝日新聞』2004年10月10日付は、総務省は「(住基カード内の)ICチップの偽造はきわめて困難だが、カードの表面については偽造の可能性は否定できない」などと話していると報じた。
その他の事件
- 伊万里市の男(24歳、2004年9月逮捕)が、住基カードに記載された氏名、住所、生年月日を何らかの方法で不正に書き換え携帯電話を購入した。
- 2005年6月、携帯電話契約の際に、偽造された東京都北区の住基カードが身分証明に使用された。
- 名古屋市の男(37歳、2005年10月逮捕)が、住基カードに記載された氏名の一部を爪で削って別人を装い携帯電話を購入した。
- 新潟県長岡市で男(47歳、2006年4月逮捕)が、東京都中野区が交付した他人名義の住基カードに自分の顔写真を張るなどして偽造し、これを身分証明書として使いアパートを契約した。
- 名古屋市の男(33歳、2006年5月逮捕)が、住基カードに記載された氏名、生年月日、住所などを架空のものに書き換え、携帯電話を購入した。
- 札幌市の男(33歳、2006年12月逮捕)と妻(23歳、同逮捕)が、住基カードに記載された氏名の一部を砂消しゴムで消して偽名のカードを偽造し、携帯電話とおまけの携帯音楽プレーヤー「iPod」各133台を同市内の携帯電話販売店28店から詐取。iPodについては同市内や千歳市のリサイクル店に転売し、計約164万円を不正に得ていた。

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