当サイト管理者による解説
質問者 松村龍二(自民党)
質問者 高嶋良充(民主党)
質問者 白浜一良(公明党)
※ 強調は、当サイト管理者による。
○委員長(小山峰男君) 住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は去る八日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。
先輩、同僚議員のお許しをいただきまして、トップバッターといたしまして自民党から質問をさせていただきたいと思います。
本委員会が七月八日に提案理由説明を行いましてはや二週間になるわけでありますが、先週はこの住民基本台帳の改正にまつわる実地を勉強したいということで、静岡県浜松市におきます広域二十二市町村西部広域行政のシステムを拝見し、また隣のその中の豊田町ではICカードをやっておるというようなことで、十七名の同僚の皆様と視察に行ってまいりまして、大変示唆を得るところがあったわけでございます。
順を追って御質問したいと思うんですが、私、この前、四月に統一地方選挙がありまして、その投票結果を待って各関係候補者にお祝いの言葉を述べに県内を回ったわけであります。八時まで投票ができるというシステムの中で、知事選挙の開票がまずありまして県会議員の開票があるということで、従来のパターンからしますと十時ごろ、九時ごろ県会議員も結果が出るということで支持者が群がっていたわけですけれども、このたびは十二時近くになるまで大きな都市の県会議員の結果が出ないということで、あすまた早朝から仕事があるのに十二時まで投票結果が出ないということではあすの仕事に差し支える、あなた、松村議員、何とかしろと、こういうような陳情を至るところで受けまして、そのような仕組みが将来できるものかどうかといった感じも持ったわけであります。
本日のテーマであります住民票のコンピューター化、システム化、これが進みますと、さらにこれが基礎になりましてそういうようなことも将来可能になってくるのではないかというふうに思うわけですけれども、これにつきましてはまた後ほど質問をさせていただきたいと思います。
それから、この住民票の基本台帳の問題は、コンピューター化時代におきます行政への適用といった問題と、それが膨大なネットでありますだけに、個人情報がしっかり保護されるかといったことが問題になるというふうに思います。今後、各党からいろんな観点から御質問があることかと思います。
そこで、私は、順番を変えまして、衆議院におかれましても大変慎重な審議を尽くされまして、そして最後の段階で修正案にたどり着かれたわけでありますが、まず冒頭、修正案を提案された方に御質問させていただきますとこの法案の全体像がある意味で浮かび上がってくるということがあるのではないかと思いまして、そのような質問をさせていただきます。
本日、自由民主党宮路理事、自由党鰐淵理事、そして公明党の桝屋理事がお見えでございます。
この住民基本台帳法の改正法案には欠陥があるわけではないけれども、これだけの大きなシステムをつくり上げようとするには国民に漠然とした不安があるとの指摘もあり、円滑に導入するためにはさらに個人情報の保護に万全を期するとされたところであると思います。住民基本台帳ネットワークの準備は進めていくわけだが、その実施に当たっては民間部門をも対象にした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えるとされたわけであります。民間部門も含めた法整備というのは、言うはやすく、行うのはなかなか難しい問題であろうかと思います。
さきに国の個人情報保護法、国の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律が約十年前にできまして附帯決議も付されてから時間がたったわけでありますが、今回住民基本台帳法審議を契機にこの問題について議論が高まり、方向が示されたことは大変すばらしいことだと思います。
政府の高度情報通信社会推進本部に個人情報保護部会を早々に立ち上げることとされ、また自由民主党、自由党、公明党・改革クラブ間で、今国会中に検討会を設置の上、法制化の検討に着手し、年内に基本的枠組みの取りまとめを行い、三年以内に法制化するとされたことは時代の流れに沿った快挙であると認識するわけであります。
民間におきます保護策は、経済活動の自由や表現の自由との関係もありまして、また民間対民間の間を律することにもなりますので、役所が行うより、ある新聞が社説で指摘しておるわけですが、政党が主導した方がいいという意見もあるところであります。
各分野を総合的に検討し方向を出していくことは大変なことであろうということは十分承知しておりますが、早速に検討会が三党の間で立ち上げられ、今日おいでの三人の地行の理事の方々がその中核にいると伺っております。せっかくの機会でありますので、三党の検討会の動きについて御紹介いただければと思います。
また、お三方における動き始めの感想あるいは抱負といったものがあればあわせてお聞かせください。
○衆議院議員(宮路和明君) 私、自由民主党の宮路和明でございます。それでは、ただいま松村委員から御指摘のございました、我が党そして自由党、公明党・改革クラブ、三党によりますところの個人情報保護システム検討会、これの検討状況について御答弁申し上げたいと思います。
衆議院の地方行政委員会におきます住民基本台帳法の一部を改正する法律案の審議を通じまして、今委員からも御指摘がございましたように、個人情報保護に関する法律の必要性が強く提起をされたわけでございます。
そこで、去る六月四日、我が自由民主党、自由党、公明党・改革クラブ、三党の政策責任者間におきまして、個人情報保護に関する法律について三党間で、今国会中に検討会を設置の上、法制化の検討に着手し、年内に基本的枠組みの取りまとめを行い、そして三年以内に法制化を図る旨の確認書が取り交わされたところであります。
そして、その確認書を受けまして、三党間で個人情報保護システム検討会、座長は愛知和男先生でございますが、を設置いたしまして、去る六月二十三日にはその第一回の会合を既に開催いたしました。その検討会の第一回会合におきましては、二週間に一遍、隔週一回の割合で検討会を今後開催していこう、そして精力的に検討をこの問題について重ねていこうということが決まりましたし、またその会合におきまして、内閣内政審議室から、政府における個人情報保護システムの検討状況につきまして説明を聴取いたしたところでございます。
なお、そのとき、政府におきましても今月中に個人情報保護に関する検討会を立ち上げるべく鋭意人選中であるという御披露もございました。今後とも、先ほど申し上げた三党の検討会と政府側との連絡を密にしていくことも確認をされたところでございます。
そして、今月七日には検討会の第二回会合を開催いたしまして、内政審議室より、米国型、EU型個人情報保護法についてヒアリングを行いました。また、昨日も第三回会合を開きまして、個人情報保護の国際動向について通商産業省よりヒアリングを行っておるところでございます。今後とも、先ほど申し上げたような日程で私ども鋭意検討を重ねて期待にこたえていきたい、このように思っておるところでございます。
先ほど松村委員からもお話がありましたように、党として主体性といいましょうか、リーダーシップを発揮して、そして附則一条二項は政府に対して所要の措置を講ずるべきであるとの責務を課しておるわけでありますけれども、これが全うできますように、私ども党としても、政府がそうした措置を講ずるべく一生懸命エンカレッジをしてまいりたい、応援をしていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
どうか、私どものこうした取り組み状況も十分念頭に置いていただきまして、参議院の先生方におかれましては、本法案の円滑かつ積極的な御審議をお願い申し上げたいと思う次第でございます。
以上で、私の答弁を終わらせていただきます。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。
今、松村委員からのお尋ねでありますけれども、三党におけるシステム検討会は既に動き出しておりまして、その経緯につきましては、今、宮路先生の方から御報告があったとおりでございます。公明党・改革クラブとして感想なり抱負ということもありましたので一言だけ申し上げたいと思うのでありますが、まさに松村委員おっしゃったとおり、言うはやすく行うはかたしという御指摘は、私もそのとおりだろうというふうに思っております。
と申しますのも、私ども、衆議院段階でぎりぎりの議論を、我が党がなかなか結論が出ずに随分各党に御迷惑もおかけしたわけでありますけれども、そうしたぎりぎりの議論をしている中で、この個人情報保護に関する法整備、これが大変大きな議論になりまして、実は我が党も今まで党内あるいは会派内でこうした個人情報保護法をぜひつくろう、民間をも含めた個人情報保護法をつくろうという取り組みを過去において何度かいたしたことがございます。それが結果を見ていないわけでありまして、その困難さといいますか、痛いほど感じている次第であります。
しかしながら、衆議院の議論でもありましたように、松村委員もマスコミのお言葉をお引きになりましたけれども、まさにこれは政治の役割だろうと。中央大学の堀部教授が、御自分が民間をも含む個人情報保護法を目指して取り組んできた経緯も参考人として御発言があり、またそれがなかなか難しいという御説明、さらにはその課題はぜひ政治に期待をしたい、こういうことまでおっしゃったわけであります。私ども公明党・改革クラブとしてもこの言葉を重く受けとめたいということで、確かに困難な作業かもしれませんけれども、まさに今回の住民基本台帳法改正案を契機としてその努力をもう一度政治としてやるべきだろう、こういうふうに私たちは決意をさせていただいた次第であります。
ちなみに、我が党も三党のシステム検討会に入れていただいておりますけれども、しっかり党内、会派内でも受け皿をつくって検討しようということで、党内にも個人情報保護に関するプロジェクトチームを早速立ち上げまして、あわせて検討に取り組んでいる次第でございます。
以上でございます。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) 自由党の鰐淵でございます。
ただいま、松村委員の御質問に対しましてはお二人の方からお話しございましたのでふくそうは避けたいと思いますが、まず第一に、この住民基本台帳法そのものの趣旨は、いかにして住民の権利義務を、スムーズに執行することによって、いわば住民の利便を向上するというところにあると私は考えております。
そのために、住民基本台帳法そのものにおきましても、非常に厳重なコンピューターに対するセーフティーガードを設けておりますし、あるいはまた秘密保持、あるいはそれに対する強い罰則規定等設けて、法律そのものも大変用心深い法律ということになっております。しかし、いろいろ衆議院の議論の中では漠然とした不安感、あるいはまたそういう情報が漏れるのではないかという懸念、こういうことがございまして、何とかこれはひとつ払拭する必要がある、こういうことで、いわば個人情報の保護システムというものを三党によって検討する、こういうことに相なりまして、ただいま三回ほどの検討会がなされております。
いずれにいたしましても、この個人情報保護制度というものは、EU型、アメリカ型、それぞれ方式も多々ございまして、どういう方式が日本にとって一番適しておるのかというのは、正直言って私はまだ勉強途中でございますから考えがまとまりませんけれども、回を重ねるごとにしっかりとした制度、方式というものを検討いたしまして、この住民基本台帳法そのものが本当に国民の皆さんの利便にかなうように、ぜひひとつ実行されていくように私どもも努力していきたい、こう思っております。
以上です。
○松村龍二君 この法案が制定されるまでいろいろ紆余曲折があったわけでございますが、平成九年六月に、それまでの国会の論議を踏まえまして、自民党といたしまして、自治省から改正試案を聴取したのを皮切りに、それらの保護方策の検討も重ねまして、平成十年二月に法案骨子が自治省から示されまして、自民党の地方行政部会では、公共団体、学識関係者、利用各省庁、マスコミの方々など関係者から連日のようにヒアリングを行いまして論議を重ね、最終的に政務調査会、正副会長会、総務会を経て決定に至ったわけであります。
この間の主な論議として、特に住民票コードが取り上げられました。権限のない者の告知要求を一般的に禁止する、実効性ある形での民間利用規制をつけ加える、契約時における告知要求の禁止、業として他に提供予定のデータベースの構成を禁止するなどの、原案に至るまでのつけ加えといいますか、さらに検討が加えられたわけであります。
そして、御承知のとおり、これらに対する違反に対しましては、都道府県知事が中止勧告、命令を出し、中止命令に従わなかった者に対しては一年以下の懲役、あるいは特に重要なことは住民票コードを随時変更できるとしたところであります。
また、公務員の守秘義務違反につきましては、従来の一年以下の懲役または三万円以下の罰金というところをあえて二年以下の懲役または百万円以下の罰金と厳しくいたしました。この罰則は、従来、契約による縛りだけであった電算業務受託者の秘密保持義務違反に対しても科されることとしたわけであります。
このような原案に、法案の改正案に対しまして、衆議院におきまして本当に慎重審議の結果、さらに民間の情報保護も加えまして情報についての保護を検討するということで、国会においてまさに立法機関が慎重に審議している証左であるというふうに思うわけでございます。秘密の保護の問題につきましては、また後ほど時間があれば質問させていただきます。
修正案の方、もしも多用であれば中座していただいても結構でございますが、応援のために聞いているということであればよろしくお願いします。
さて、私は、今からこの住民基本台帳の電算化、システム化、これがいかに必要であるかということを私なりに強調したいと思うわけです。
コンピューターというのは、戦後我が国にも導入されまして、私どもが生活の実感としてコンピューターを感じましたのは、新幹線ができまして、新幹線の特急券を予約するのに何か変な棒やら何やらを入れまして切符をやっておる、そして食い違いがないようにあれだけの乗客を日本じゅうの駅でうまくやるというようなことが私どもの目に触れた最初かと思います。
それから、私は昭和五十三年ごろ総理府の広報室というところにいたんですが、朝日新聞が大変なコンピューター化に踏み切ったということで見学に行ったことがあります。原稿をデスクがてにをはを手直ししたり、文章を縮めたりそういうのでなしに、コンピューターの画像に原稿を入れて勝手に伸ばしたり引っ込めたり形につくったりそういうふうなこと、あるいは印刷された新聞が各地区に分けられて、しかも自動的にこん包されて出ていくというようなことを見まして、大変なコンピューターの時代が来たものだなというようなことが、皆さんはそれぞれいろいろな御経験がおありと思いますが、私の実感でございます。
それから、個人的には、ワープロ、また最近ではパソコン、インターネットというようなこともちょっとかじるわけでありますが、時々ある政党のインターネットをのぞきまして、綱領とか国会における答弁とかそういうのをいろいろ拝見いたしまして、勉強をさせていただいているところでございます。
それから、国会議員にとりまして名刺というのは大変な難物といいますか、処理をすることが大変で、大事な人を別に分けてきちっと分類しておられる方もあろうかと思いますが、気持ちはあるんですけれどもついつい積み重ねられてどうにもならなくなってしまうというのが私の短期間の経験でございます。これも最近、パソコンに名刺読み取り機をくっつけまして、かちゃかちゃと名刺を通過させますと全部画面に出てくる、それを、一〇〇%読み切りませんのでちょっと手直ししているうちに思い出すといったようなことで経験しているわけでございます。
そのような例を申し上げるまでもなく、我々の生活にはもうあらゆるところにコンピューター化あるいはデジタル化といった問題が出てきているわけであります。そして、デジタル技術により高度化された情報ネットワークは空間の制約、時間の制約なしにさまざまな形の情報のやりとりを実現するものでありまして、国民のライフスタイルを変えて真のゆとりと豊かさが実現される社会へと変革をもたらすものだとある学者は指摘しております。
そして、この流れは大変に速いものでありまして、一九九五年二月に決定されました政府の「高度情報通信社会推進に向けた基本指針」、これが早くも三年後の九八年十一月には新指針に改定されているわけであります。この間にインターネットの爆発的普及があったこと、また電子商取引への本格的な実用化への機運が高まったことなどが改定の理由であります。
御承知のとおり、インターネットにつきましては、ホストコンピューターの数は、九六年が二十七万台であったのが二年後には百三十五万台、九九年一月には百六十九万台、三年で実に六倍になっておりまして、利用者数も千七百万人、世帯普及率一一%に達しております。コンピューターも一台百万円ぐらいのパソコンが今は十万円台ということであります。郵政省の予測では二〇〇五年には四千百三十六万人、四一・八%になると予想されておりまして、多くの国民が地球規模の情報ネットワークを活用する時代がやってきたのであります。
また、電子決済や電子マネーに関連した実験プロジェクトやビジネスが始まっております。ICカードで電子マネーを蓄積して使用する、ICカードを差し込んでインターネットで買い物をするといった例が身近なものになってまいりまして、国民のライフスタイルが変わろうといたしております。
アメリカはもともと広大な国でありまして日本の商取引の慣行と違う点はあろうかと思いますが、アメリカでは一般消費者向けビジネスの規模が九八年度には一兆一千億円、我が国では現在千七百億円という規模でございます。各国がこぞって情報基盤の整備に力を注ぐのもむべなるかな、我が国がこの競争に取り残されてはいけないという感を強く抱くわけであります。
このようなデジタル革命下にありまして、行政事務も当然変わっていくべきである、変わらざるを得ないわけであります。行政のみがいつまでもペーパーベースのみの事務をしていたのでは、国民に不便なだけでなくて過重な負担をもたらすと言えるかと思います。
国の行政事務におきましては、申請や届け出の電子化、ペーパーレス化を推進しようとしております。昨年度の総務庁の調査では、全省庁で八千八百二十二の手続のうち半数弱の三千四百二十三の手続が電子化可能とされております。特許の電子申請とか電子公文書をさらに推進しなければならないわけであります。
地方自治体も、地方分権時代において行政改革、地域づくりといった課題に一層取り組まなければならない。地方自治体でホームページをあけておりますのが九八年四月現在で千六百五十六となりまして、庁内LAN、コンピューターのネットをつくっているような市役所も出てきておるというようなことであります。
現在、行政改革で国家公務員二五%を十年以内に減らすということでありますけれども、これは、小さい中央政府をつくるといったかけ声とは裏腹に権限はちっとも地方へ移っていないようにも一見見えるわけであります。無理無理首を切るということではなくて、コンピューター化によって人が浮いてくる、その人を合理化することによって二五%がカットされるというようなことに向かうべきであろうというふうに思うわけであります。
そこで、行政のデジタル化、ネットワーク時代の地方自治体の行政改革、住民サービスを考えますときに、行政、特に対人サービスを支える機関として住民基本台帳を抜きにして語ることはできないわけであります。
現在、人口ベースで言いますと九九%が電算化されているわけであります。我々が年賀状をパソコン、ワープロに入れて整理しているように、住民の基本的なことは当然にコンピューター化しないとやっていけないということで、既に人口比で九九%以上が市町村で電算化されておるわけであります。
この住民基本台帳は、行政の基礎となっている、居住関係の公証を行い、住民の利便を増進し、国と地方公共団体の行政の合理化に資することを目的としておるわけであります。
そこで、質問に移りますが、まず確認しておきたいのでありますが、住民基本台帳が行政の基礎となっている点、どんな事務に活用されているのか、漠然とみんな知っているわけでありますが、改めて御説明を聞きますと、へえ、そんなこともやっているのかという点もあろうかと思います。御説明をお願いします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
住民基本台帳は、各種行政事務の基礎とすることとされております。
具体的には、一つは住民を住民基本台帳に記録することによりまして住民の居住関係を公証する、こういう役割。また二つとしては、国民健康保険の被保険者の資格や国民年金の被保険者の資格、また児童手当の受給資格などに関する事項を記録するということによりましてこれらの行政の基礎とする。また、選挙人名簿の登録はこの住民基本台帳に基づいて行うこととされております。さらに、市町村民税あるいは都道府県税の課税は原則として住民基本台帳に記録されている住民に対して行うということ。さらには、生活保護につきましては、住民基本台帳に記録された住民を原則として対象としてこれらの関係する事務を行うということでございます。
また、住民基本台帳に基づきまして、人口あるいは世帯数及び人口動態の状況を常時把握することができますので、各種の行政を適正に執行する上での基礎となるという役割も果たしているわけでございます。このほかに、基本台帳制度は、住民に関する台帳というものを統一する、また、住民に関する移動についての届け出を統一化する、こういう役割を持っているものでございます。
○松村龍二君 ただいま述べられた事務には、市町村の固有の事務だけでなくて、年金や児童手当など国からの事務や県との連携を図る事務もすべて含まれている形になっているというふうに伺いました。また、例えば選挙人名簿についても、国政選挙にも知事選挙にも使われるわけであります。
いずれにしても、住民基本台帳というのは、各種の登録や住民に関する事務の処理の基礎、地方自治の基礎中の基礎として、住民からの住所の届け出について一括してできるようにいわばワンストップサービスのベースとなっておりまして、役所の側でも、住民に関する記録を正確かつ統一的に行われる仕組みになっているわけであります。
しかし、問題は残っているわけでございます。市町村がこれをベースにした情報を各セクション、例えば住所異動などを各省各局に報告しなければならない。各中央官庁で掌握している福祉関係の資料その他、いつの間にやら死んでいたというのではこれはぐあいが悪いということで、市町村の窓口から必ず報告させる。そのような事務は、日本じゅうで上げれば本当に膨大な事務量であろうというふうに思います。
また、住民にとりましても免許やパスポートなどの届け出が必要であります。引っ越しをしなくても生存証明が必要であるということで、恩給や労災給付など継続給付を受けるには住民票をもらいに市町村に出向くことになるわけであります。
また、転勤がありますと、住民票の転入転出の手続につきましても、まず住民は転出市町村で転出届をいたします。そして、証明書をもらって転入市町村に持っていって転入届を出します。そして、転入市町村は転出市町村に通知を出す。何枚もの紙が行ったり来たりしなければならない。各市町村は九九%電算化されているのに、一たんこの三千三百ある市町村を移動するたびに全部紙が行ったり来たりするというのが現状でございます。
それから、個別の市町村ごとの居住証明を全国共通の本人確認に発展させるために住民基本台帳をネットワーク化していくことが必要であると考えます。
そこで、現在の居住証明、広くは本人確認というのでありますが、現状をわかりやすくかみ砕いてみたいと思います。
いろいろな役所の手続の際に、本人を証明するものとして住民票の写しを持っていく方法がとられております。国や都道府県に資格申請を出すときに住民票の写しの添付が要求されるわけであります。国では電子申請などと言っておりますのに、住民票だけはいつまでも紙でないといけないというわけであります。民間でも、アルバイトにつく際とか会員になる際とか、本人確認を求められるわけであります。
住民票を一々とりに行くのは面倒だということで、まとめて十部、一枚三百円として十部取り寄せておきまして、私も二、三枚は一遍持っていたことがありますが、次に使おうと思うともういつの間にやら三カ月の期限が切れているという経験を持つわけでありまして、一回一回とりに行く面倒はたまったものではない。年間九千万件ほどの住民票の写しや記載事項証明が現在日本じゅうで出ているということであります。
地方公共団体も、住民の不便に対応するために、自動交付システムを百五十七市町村が導入しております。オンラインシステムを使って住民票の休日交付をデパートなどで行ったり、通勤者のために駅周辺で住民票がとれるようにしたり、さまざまな努力、試みが行われております。
私の地元の福井県の丹南広域市町村は、先般拝見しました浜松と同じように、やはり昔から中核市町村で、就職あるいは家族の姻戚の流れ、結婚とか何かの流れが非常に関係の深い市町村等では、自然発生的といいましょうか、広域市町村の間で協議して広域交付を行うというようなことをやっております。委託などの方法でやっておるわけであります。
しかし、この前見せていただきましたけれども、届け出をいたしまして三百円なら三百円払うと、窓口で申請書をファクスで出身の市町村に送ってあげる、それで出身の市町村で間髪入れずその住民票を取り寄せてファクスでお返しする、そのときに、ファクスに仕掛けがあって、ファクスだけの公印が押される、こういうシステムがありますけれども、一番原始的なやり方である。しかも、私ちょっと思ったんですが、それだけ手間暇を多くしてファクス代とか紙代が余計にかかっているのに同じ三百円、手数料が同じというのも妙なぐあいだなと。これが日本じゅうで行われるとすると、そのお金がどこでどう生み出されているのかなといったことも感じたわけでありまして、非常に原始的な、しかし利便に迫られて広域交付が行われ始めているということであります。
また、民間では、ビデオのレンタルショップや携帯電話の登録の際にも身分証明が要求されるわけでありまして、免許証とか医療保険証がこれに専ら使われるわけであります。それで、その際にコピーをとられて渡すわけでありますが、免許証や医療保険証に掲載されている情報というのは大変な個人情報が入っているわけでありまして、そういう点でまた目的外使用であるといったことから問題があろうかというふうに思います。
先ほど申しましたように、役所のサイドも一々住民票を出したり証明を行ったりするのも大変だけれども、それ以上に住民の引っ越しとか死亡とか県を通じて中央官庁に一々報告させる。しかも縦割りの役所が、煩雑な重複があるといったことで、デジタルネットワーク社会とは余りに落差が大きいということを指摘せざるを得ないわけであります。現在これが市町村ごとにばらばらに管理され利用されているわけだが、これをつないで本人確認のための全国的なシステムをつくり、国、地方を通じた行政改革や住民サービスの向上に役立てていくのは時代の要請するところであります。そのような意味におきまして、行政のコンピューター時代の幕あけといいましょうか、必然が今回の問題ではないかというふうに思います。
そこで、いろいろ御質問をさせていただきたいと思います。
今回のネットワークシステムにつきまして、基本的にネットワークとしてつなぐ、ストック情報を使う、カードを活用するという三つの要素があると思います。第一につなぐでありますが、この改正案によるシステムは、対等な都道府県、市町村が共同して横のネットワークとして運営する分散型のシステムであり、まさに全国総合開発計画に言う地域連帯のためのソフト面での基盤、情報通信面での基盤となるものと考えるわけであります。
御質問したいのは、専用回線で市町村間を県を通じてつなぐことによって、住民はみずからの登録してあるところ以外でも住民票がとれたり、あるいは引っ越しの際に転出証明をとりに行かないでいきなり転入地に行ってもカードがあれば手続ができるようになるわけでありますが、そのつなぐ際に市町村のコンピューターを直接つながずにコミュニケーションサーバーを新たに導入してコミュニケーションサーバーを都道府県センターとつなぐようにしたのはなぜか、お伺いします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
今回のシステムにおきましては、今御指摘のように、市町村の住基システム同士を直接つなぐということとはいたしておりません。市町村それぞれにコミュニケーションサーバーといういわば通信用コンピューターといったものを設置するということにいたしておりまして、このコミュニケーションサーバーの機能で各市町村の既存の住基台帳システムとそれから今回の法律によります住民基本台帳ネットワークシステムとの橋渡しの役割を果たすということでコミュニケーションサーバーを設置するということにいたしております。
その理由でございますが、一つは既存の住民基本台帳システムにはこの全国のネットワークシステムでは使用しない個人情報も蓄積されております。それから第二に、全国の住民基本台帳ネットワークシステムは全国的に大量の個人情報を流通させるシステムでありますので、不正なアクセスを抑えるための高いセキュリティー機能を有したシステムにする必要があるということで、個人情報保護の観点からこのコミュニケーションサーバーを各市町村に設置するということにいたしているところでございます。
○松村龍二君 次に、市町村の持っている情報のうち、氏名、住所、性別、生年月日の四情報及び住民票コードとそれらの変更情報を都道府県センターの方に送り、ストック情報として活用するわけでありますが、この四つと住民票コードという情報で行政上役に立つのか、素朴な疑問でありますけれども、もっと広げないでよかったのかどうか、その考え方を教えていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) この住民基本台帳ネットワークシステムにおきましては、住民のプライバシー保護の観点を最も重視し組み立ててきております。保有の対象となります情報の範囲を本人確認のために必要かつ十分な氏名、住所、性別、生年月日の四情報プラス住民票コード及び付随情報というものに限定して法律で定めることといたしております。
本人確認情報と言っておりますが、この本人確認情報を雇用保険の給付、労災の給付、恩給、共済年金の給付などいわゆる給付行政の分野、さらには建築士の免許とか宅建資格の登録などの分野など法令上明確に規定された分野におきまして、国民生活に非常に関係の深い行政分野で十六省庁九十二事務におきまして、住所の確認また生存の確認などに活用することといたしておりまして、十分な効果があるものと考えております。
○松村龍二君 この質問は通告しておりませんけれども、我々は戸籍謄本とか抄本とか、これもよく取り寄せないといかぬ。昔の親元に本籍地を置いてありますので、それをとりに行くのに大変面倒な思いをすることがあるわけですが、このような例えば本籍、これはどうして取り上げないのか教えてください。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
住民基本台帳に記載する情報としては、本籍、戸籍の表示など確かにございますが、今申し上げましたように、本人確認のための必要かつ十分な情報ということで種々検討いたしました結果、氏名と住所と性別と生年月日の四情報、住民票コードで足りるということでございます。
センシティブな情報などにつきまして、プライバシーの保護という観点にも十分配慮して検討した結果そういう結論に至ったわけでございまして、これによりまして本人確認というものができるということで、今回は本籍は対象にいたしておりません。
○松村龍二君 先般テレビを見ていましたら、性倒錯者の方がおられて、どうしても性格的に男に生まれているのに女である、逆だったかもわかりませんが、それで病院の倫理委員会で認められて手術をした、それで身も心も全部男か女になったんだけれども、戸籍だけがもとのが残っているので困ると、こういうふうなテレビ番組を見まして、世の中にはいろんな問題があるもんだなということも感じたわけですが、氏名、住所、性別、生年月日、これは最低限のあれであると、こういう話であると承知したわけであります。
それでは、先ほどもお話しありましたが、ストック情報を国の機関などで使うには法律の手当てが要るわけでありまして、利用機関と利用目的は個別に別表で限定列挙され、使用料を払って初めて使えるわけであります。今回の改正では十六省庁九十二事務が列挙されておりますが、私としてみれば、もっと広げなければという不満もある一方、縦割りの霞が関で各省が、ニーズがあるにしても、利用料を払って使おうとこれだけ名乗りを上げたということは、ある意味で驚きでもあります。
その背景には、各省庁は、自分の持っている情報は全然見返りとして出さずに、ただ法律に書き込めば最新の住所情報をもらえるわけでありまして、このようなネットワーク、各省の持っている個人情報が集約されていないこととなっていると理解しますが、それでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、このシステムにおきましては、他省庁等が有しておりますさまざまな個人情報をこのシステムで一元的に収集して管理するということができない、そういう仕組みに組み立てられているということでございます。これは、このシステムをめぐって何か国が一元的に管理するのではないかとか、その種のいろんな議論があったわけですが、まさにそういうことをやらない、そのための仕組みでもあるということで御理解をいただきたいと思っております。
○松村龍二君 第三に、カードについてであります。
希望者に対して市町村が交付するということとされておりますが、まず初めに、なぜICカードを使おうとしているのか、その理由を確認したいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 住民基本台帳カードには、重要な秘密事項であります住民票コードなどを記録することといたしております。この場合に重要なことはセキュリティー機能でございます。カードに記録されましたこれらの情報が外部の者に読み取られたり、またカード自身を偽造されたりすることがないようにする必要があるわけでございまして、住民基本台帳カードとしては情報を暗号化して記録ができるなどの、現行技術上、セキュリティー確保機能が高いICカードを採用するということといたしておるところであります。
○松村龍二君 私は、カードの活用は三つの面があると思っております。
一番目は、このカードの表面に市町村で写真を入れたりいたしますと、これは本人確認ができる、いわば市町村が発行する最もシンプルな身分証明書として使える、従来の免許証以上にしっかりしたもの。免許証は住所を変えていないというようなこともたまにあるわけでございますが、そのような意味におきまして、最もシンプルな身分証明書として使えると。
二番目は、先般、我々視察してきたわけでありますが、カードの中にいろいろ情報が入っておりますと、権限のある者あるいは御自身が暗証番号を打ち込んでそのカードを読み出しますと、過去の身体検査の、定期健診のデータが入っているとか、あるいはもっとさらに進んだ使い方があろうかと思いますが、今、一枚のカードであっても大変な分量の情報が入りますので、そのようなふうに使えると。これはしかもオフラインであるということで、他とつながっていないわけであります。
三番目は、さらに進めて、カードを入れる端末がネットワークシステムに取り込まれている場合には、より確実な本人確認が可能になってまいりまして、ネットワーク上の他の機関とのやりとりも可能になってくるわけでありまして、これが一番進んだ形であろうと思います。
以上、整理しましたように、三つの要素、つなぐ、ストック情報を使う、カードを活用する、これらについて、住民サイド、行政にそれぞれメリットが出てくるはずでありますが、これをわかりやすく説明していただきたいと思います。
住民サイドについてはどのようなメリットが出てくるのか、行政サイドでは、地方公共団体、国に分けまして、どのようなメリットがあるのか、大臣に御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) さまざまな行政分野があるわけですが、雇用保険の給付、労災の給付、恩給、共済年金の支給、建築士の免許、そういういろんな分野でこういうものが活用されるということになります。
そうなりますと、先ほど先生からも御指摘ありましたが、住民票の写しをもらうだけでも年間九千万件ぐらいある、それぐらいいろんな場面があるんですが、まず第一に、全国どこの市町村においても自分の住民票の写しがとれるようになるということは非常に大きな利便性の向上であると思います。第二に、転入転出の手続が簡素化され、引っ越しの際に市町村の窓口に行くのが一回で済むというようなこともあります。あるいは、先ほども御指摘がありましたが、恩給などの現況証明をもらいに役所に行くことももう要らなくなるということもあります。あるいは、資格申請や受験などの行政手続の際に住民票添付の省略が可能となる、一々自分でもらって住民票を添付しなきゃならぬということはもう省略されるということにもなろうと思います。それから、住民基本台帳カードを利用することにより窓口での手続を手早く済ますことも可能になる。
そのほかいろいろありますが、このカードを自動交付機による住民票の写しの取得に活用することもできる。あるいは、希望すれば写真を張って住民基本台帳カードを身分証明書として利用することもできる。そういう、住民基本台帳カードを利用した場合には多様なサービスや広域的なサービスも受けられる。
さまざまなメリットがあるんですが、将来の方向としても、ワンストップサービスへの方向ということも、非常に展望が開けてくるということも住民サイドから見たメリットとして指摘できると考えております。
○松村龍二君 ただいま住民サイドのお話があったかと思いますが、地方公共団体、国に分けまして、行政サイドのメリット……
○国務大臣(野田毅君) 地方公共団体におきましては、恩給等に関する証明事務や各種資格等に関する住民票の発行などが不要になる。第二点目に、窓口事務の迅速化、転入転出手続の簡素化によって市町村における住民基本台帳事務が効率化できる。三点目に、窓口業務の簡素化によって窓口人員の一部を、今後、地方公共団体の役割が増大する福祉分野などで活用することも可能になる。四点目は、市町村の住民基本台帳情報について大災害のときのバックアップが可能となる。それから五点目に、将来、電子申請、ワンストップサービスの本人確認に活用が可能であるなどのメリットが考えられるわけです。
次に、国の行政機関におけるメリットでございますが、この点では第一に、本人確認情報を利用して恩給などの受給者や申請者に関する確認事務の簡素化、効率化が図られる。二点目に、受給者や資格者などの現住所等の現況や住所変更等をより確実迅速に把握が可能となる。三点目に、恩給などの過払いなどを防止することが可能となる。それから四点目に、将来、電子申請、ワンストップサービスの本人確認に活用することが可能であるなどのメリットがあるわけです。
総じて言えば、国、地方いずれも行政事務そのものが簡素化されるということ、このことが非常に大きなポイントであろうと思いますし、同時に、そのことによって浮いた人員などをほかの住民福祉向上のために回すことができる、あるいは行政コストという側面でいっても非常に効果的な部分がある、それからまた何より間違いというものを事前にこのことによって防止するという役割も期待することができるということが総じて言えることであろうとも考えております。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。
ところで、この住民基本台帳はなぜ反対があるかといいますと、個人情報が漏れるという攻撃と総背番号制だというような言葉で攻撃されるわけです。背番号といいますと、野球選手の背番号、その他スポーツ選手に背番号があるわけでありますが、国民一人一人に番号が背中に張られると思うと何か重苦しい気持ちになるということはわからぬでもないんですが、今回のシステムは総背番号制とは全然違うものになってしまったのではないか。数字が十けたの中からランダムに選ばれる、また自分が気に入らなければ違う番号に変えてもいいということでありまして、違うものになっているのではないかというふうに思います。
このコードにつきまして私なりの考えを申し上げますが、やはり住所、氏名、生年月日、性別だけではネットワークは構成できない。例えば、マツムラリュウジという名前は世の中に幾つあるかわかりませんが、余りないかなと勝手に想像しますが、ただスズキイチロウとかヤマダイチロウとか、スズキさんがおられたらお許しいただきたいと思うんですが、このような全国に多いと言われる姓名であれば、これで住所、生年月日とまた区別してというとせっかくコンピューターの長所であります検索という点で非常に非能率になるということもありますし、どうしてもコードというのは本人確認をきちんと行うための手段であって必要であるというふうに思います。
このコードは自分と秘密を守らなければならない公務員のみが知っているコードでありまして、自己証明、本人確認の精度を上げることができ、他人が自分に成り済ますことを防ぎ、身を守れるわけであります。また、カードともなればその発給は一人一枚で、旅行で使うカード等テープが張ってあるようなああいうものであれば読み取れるわけですが、ICカードであれば十分なガードがかかっておりまして、しかも暗証番号により守られているのでより確実に本人確認ができるというものであります。
現在のシステムですと、ある市から他人に成り済ましてその人の住民票を移しかえまして、そこで国民健康保険の保険証を受けたり印鑑登録を受ける、それらを使って携帯電話の申し込みや融資を受けたり、ひどいときは土地を売却したりした上でまた住民票をもとのところへ戻しておいて、なかなか気づかれることがない。こういった事例も昨年あったというふうに聞いております。
やはりシーズンともなれば大勢の人が窓口へ住民票をとりに来る。どうしても素朴な確認方法では一々確認できない。ICカードを持って示してもらえばそのような間違いも防げるといったことにもなろうかと思います。それから、ICカードは、先ほど来話に出ておりますが、福祉や保健など、各市町村がその独自のニーズに応じた住民サービスを行うことを支援するものでありますが、先般拝見してまいりましたが、まだ十二分にこなしているとは言えない感じはあります。しかし、このICカードというのは、他方では全国単位の本人確認システムとして大きな意義を持つのではないか。
将来、民間における電子商取引におきます本人であることの証明、すなわち電子認証の方法が大問題になるわけであります。将来、我が国においてこの住民基本台帳カードこそ電子認証の有力な選択肢であると考えられます。この電子認証について、私どもは余り電子認証というのは日ごろ聞かない言葉ですので、解説していただければと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 直接所管をいたしておりませんが、電子商取引をコンピューターネットワーク上で行っていく場合に、本人の確認というものをコンピューターネット上でどうしていくかというところがまず入り口の課題としてあるわけでございます。
その際に、電子認証のシステムができればそれにより本人の確認が確実に行われるということになるわけでございまして、ネットワーク上の本人の確認ができるシステムというものができますと、それは行政上で申し上げますとワンストップサービスにもつながってくるというもので、現在各方面において検討がなされている、このように承知をいたしております。
○松村龍二君 時間も少なくなってまいりまして、いよいよ煮詰まった質問をさせていただきたいと思いますが、納税者番号について触れてみたいと思います。
衆議院において議論がありまして、参議院においても公平な税制という観点から納税者番号について議論をされると思われます。この納税者番号制度というのは、簡単に言えば、公平な課税を行うために納税者番号をもとに納税者の課税情報を名寄せする制度ということになるかと思います。
納税者番号制度に関連しまして、かつて昭和五十年代後半にグリーンカード制が議論されておりました。この制度は、昭和五十五年に一たん成立したのですが、自民党などの反対もありまして、施行されることなく昭和六十年に廃止されております。私は、埼玉県に勤務したことがありまして、埼玉県にグリーンカードの建物がありまして、ここまで準備していたんだなというようなことを思ったことがあります。
私も昔は、やっぱり世の中というのはある程度自由な方がいいのかな、悪いことをする人は悪いことをしてお金をためているのも自由かなと思っておったんですが、世の中これだけ世知辛くなってきますと、しっかり納税している人とうまくやっている人と、これがしっかり捕捉できないということではやはり国民の行政に対する姿勢、関心も弱まるというふうに思うわけであります。
そういう意味におきまして、私は最近、納税者番号制度は反対どころかぜひとも導入すべきではないかというふうに考えておるわけでありますが、今回はともかく、将来的には住民基本台帳ネットワークシステムを納税者番号に活用すべきであると考えております。この点、自治大臣、大蔵省から、将来構想についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 今回の住民基本台帳ネットワークシステムの関係につきましては、これを直ちに納税者番号制度の方に転用するということはできない仕組みになっておりまして、まずどうしてもこれを転用するんだということであれば、改めて法改正をした上で法的対応をとらなければならぬということはもう御承知のとおりでございます。
そこで、問題は、この納税者番号制度そのものを導入するかしないかという議論が、まずそっちが先行することだと考えております。その点につきましては、平成十一年度の政府の税制調査会の答申におきまして、「国民の理解が更に深められるよう、」「より掘り下げて具体的な検討を進めていくことが必要」ということになっておりまして、これは実は、平成元年のころから、もう十年ほど前から大体似たようなことを言っておりますから、今御指摘がありましたように税務の側面のみならず経済の取引、いろんな角度から国民的議論を掘り下げてやった上で結論を得なければならぬということで、慎重な対応をとっておられることだというふうに見ております。
ただ、この点について今御指摘ありましたように、いつまでもそういうことのままで本当にいいんだろうか。やはりこれは、かなりの政党においても、納税者番号制度、この基本台帳システムの問題とは別として、それはそれで前向きに検討すべきであるというような、各党間においてもそういう議論がかなりなされておるというふうにも理解いたしておりますので、これはこれで真剣に検討していかなきゃならぬテーマであるというふうに考えております。
ただ、くどいようでありますが、納税者番号制度を導入するということとそれに今回の住民基本台帳ネットワークシステムを活用するかどうかということは、これは一応別問題として議論をしていただきたいというふうに考えております。
○政府委員(尾原榮夫君) ただいま自治大臣からお話があったとおりでございますが、今の納税者番号制度の状況について簡単に御説明申し上げたいと思います。
この納税者番号制度でございますが、政府税制調査会に小委員会をつくったりいたしまして検討を行ってまいりました。現在もなお検討中でございます。この納税者番号制度のまず目的をどうするかという点については、今、先生から御指摘がございましたように、適正、公平な所得課税あるいは資産課税の実現のために必要ではないか、あるいは税務行政の機械化、効率化のためにも必要ではないかというような議論が行われているわけでございます。最近、この納税者番号制度をめぐる環境でございますが、いろんなカードの普及がなされている。さらには、金融ビッグバンということで資料情報制度をどうするかというような局面の変化もございます。
いずれにいたしましても、この納税者番号制度に対しましての、前のグリーンカードのお話がございましたが、国民の受けとめ方あるいは考え方というのを十分酌み取りまして、納税者番号制度をどう使っていくのか、さらにはプライバシーの問題、さらには、例えばあるものを納税者番号制度の対象にして、あるものをしなければ、経済にえらい攪乱効果をもたらすわけでございます。そういう影響をどう考えるのか、コストと効果の関係等々について、さらに議論を深めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。
冒頭申し上げました電子投開票についてお伺いします。
自民党の森幹事長を会長といたしまして各党から参加があった電子式開票システム研究会において、電子投票、電子開票についてどういうものか議論がありまして、これは本人確認が必要となってくるわけでありますが、これにも住民基本台帳ネットワークシステムが活用できるのかどうか、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 電子投開票、これの議論は、どこからでも投票できる電子投票システムというものを導入するためには、ICカードなどによってまず本人確認が行われるということが大事でございますし、そのためには選挙人名簿の情報をデータベース化してこれをまたネットワーク化するということが前提になるわけです。そういった意味では、御審議いただいておりますこの住民基本台帳ネットワークシステムが構築されるということになりますと、そのような電子投票システムに活用できる可能性は出てくるというふうに考えられます。
ただ、これができれば直ちに電子投票システムに直結するかというと、そこはまだ、そこへ至る前に、例えば投票の方式などについて、自書式であってはこれはできないでしょうし、そういったことが、記号式という形に改めていくとか、さまざまなことが同時に検討されていかなければうまくいかないと思います。
いずれにしても、今年度、自治省の中で研究会をこの問題について設けまして、電子機器を利用した投開票などの選挙システムについて調査研究を行おうといたしております。その中で、この住民基本台帳ネットワークシステムとの関連も含めて研究をしてまいりたいと考えております。
○松村龍二君 そこで、一番大事なといいますか、この膨大な、四情報とはいえ大量に集約される四情報を引き出すインデックスとしての住民票コード、このシステムにつきましては、個人情報保護が大切であります。
先ほども申しましたように、この法案を提出するまでに自民党といたしましても大分縛りをかけて強化したという努力をいたしておるわけであります。非常に大きなシステムでありますので、また機械物でコンピューター、コンピューターを設計した人があるわけでありますから、これを打ち破る知恵、昨今のハッカーとかなんとかいうあれ、または、ピラミッドじゃありませんが、つくった人が何かそれの裏道をつくろうと思えばできるというような、もともと非常に難しい問題であろうと思います。
しかし、今度はそういうアイデアとともにシステムがこれを防ぐようにすればいいわけでありまして、専用回線や暗号化などの措置を講ずることとしているわけでありますが、どのような対応策をとるのかお伺いしたいと思ったわけであります。そして、このような対応策、技術は日進月歩である、常にこれをフォローしていく必要があると思うわけであります。
それから、制度面におけるプライバシー保護の基本的事項にどういう配慮がなされてこの法案にちりばめられてあるのか聞かせていただきたい。それから、やはり昨今起きているコンピューターの事故等を見ますと、各市町村で起きております事故を見ますと、運用面での保護措置が重要であるということかと思います。どんな保護措置を考えているかお聞かせいただきたいといったような質問をしたいと思っておったのでございますが、もう時間もございません。
大臣から、今回の法律につきまして、改正案につきまして、個人情報の保護ということについて基本的にどのようなお考えであるか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 今回の住民基本台帳ネットワークシステムを構築していくというこの御議論いただいております過程の中で、私どもとしては、今御指摘ございましたように、技術面あるいは制度面あるいは運用面等において、今日の段階で今まで他になかったようなプライバシー保護についての厳重なる保護策を講じてきて、万全の体制をとっておるというふうに私どもは考えております。
しかし、御議論していただく過程の中で御指摘がありましたように、日進月歩という技術の進歩の中で常にこれで百点満点ということはないだろう。したがって、常にそれをキャッチアップして、先取りをして対応していくという姿勢そのものも必要だし、あわせて、今回この問題と直接の関係はないにしても、プライバシー保護というものがいろんなこれからのデジタル革命が行われている環境の中で、民間部門におけることをも含めた個人情報の保護ということがより必要だという、そういう大きな幅広い角度から、あわせてこの機会に総合的に研究、検討すべきであるということを衆議院の議論の中でも指摘されました。
そういう点で、私どもも誠意を持って誠実に一緒にお勉強させていただいて対応してまいりたいと考えております。
○松村龍二君 現在、各市町村がそれぞれコンピューター化をやっておるわけでありますけれども、情報の保護という点でまた弱い取り組みという部分もあろうかと思います。この法案の成立を機に、そのような意味で日本の行政の発展がありますよう祈念いたしまして、私の質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋でございます。
きょうは、修正案提出者でございます三党の代表の方にそろい踏みでお越しいただきまして、大変お忙しいのにお越しいただきましたことに厚く御礼を申し上げておきたいというふうに思っております。
とりわけ、私は修正案の目的とか中身が余りまだよく理解できないものでございますから、ぜひ後ほどの質問の中で御教示をいただきたい、こういうふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げておきます。
最初に、この問題に対する私の個人的な認識を申し上げておきたいというふうに思っております。
今日の高度情報社会のもとでは、情報化が市民にも必要なものとして認知されているというのは十分承知をしておりますし、それは市民の皆さん方が、そのことが利便性につながっている、あるいはこれから世界の隅々まで情報をリアルタイムで享受するということに関係していくと、まさに未来に向けて大きな可能性を持っている、そういうことだろうというふうに思っています。まさに遠く離れたところから情報を素早く着実に獲得していく、それを伝達するということが今日の社会では必要不可欠になっているのではないかなとも思っているわけであります。その意味では、大量の情報を収集処理するためのネットワークシステムというものを構築することもこれまた必要かなとも思っているところでございます。
ただ、このような利点のある反面、欠点もあるのではないか。これは衆議院で私どもの同僚の古賀議員がいつも言っているというふうに思いますが、光と影があるのではないかという言葉を使われています。私もそのとおりだろうというふうに思っています。
大きく分けて二つあるのではないか。一つは、利用分野によってはこのシステムが国民を管理統制するという手段にも使えなくはない、こういうことです。もう一つは、四情報といえども個人のまさにプライバシーにかかわる部分ですから、そういう意味では、それが漏えいすることによって個人のプライバシーが侵害されるというおそれが出てくるのではないか。これらのまさに影の部分を、高度情報社会で必要不可欠なシステムに対して影の部分をどう解消し克服していくかということが私ども立法府の人間に課せられた任務かなというふうに思っておりまして、そういう観点で私はぜひ質問をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
そこで、まず自治大臣にお伺いをいたしますが、先ほど申し上げました利用分野との関連でございますけれども、今のところ法案では、国の行政機関の利用については十六省庁九十二の事務に限定をされております。しかし、これは将来拡大をされるおそれがあるのではないかという心配も一方ではあるわけです。そのことに対して自治大臣に、今後拡大をされることはないのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) これは本人確認情報を利用することができる分野は法律で明確に定めておるわけでありまして、これをさらに他の分野に広げようという場合には法律の改正ということがなければできないということになっております。これが前提でございますから、それをどうするかということはまさに議会でお決めをいただくということになろうかと思います。
○高嶋良充君 わかりました。利用分野を拡大する場合は法改正が必要だ、こういうことですから、現時点では利用分野を拡大するお気持ちは持っておられない、持っておられたらこの法案の中に入っておる、そういうふうに理解させていただいてよろしいですね。
ところで、これは事前にコピーをお渡ししておりますけれども、七月七日の朝日新聞に自由党の小沢一郎党首が経団連で講演された記事が載っております。そこで、本当にこういうふうに言われたかどうかということも含めてお聞きをするわけですが、その記事では、「住民基本台帳法改正案について「政府は安全保障や治安維持には使わないと言う。そこに使わないと何のためにやるんだ。正面から「治安の維持に必要だ」「プライバシーを守るために厳重な乱用禁止の規定を設けます」と言えばことがすむ」」、こういうふうに述べられて、安全保障や治安維持のために活用すべきだという考え方を示された、こういう記事が載っているわけでございます。
この発言に対して、まず修正案を提出されております自由党としての考え方を同じ党の鰐淵理事にお願いいたしたいと思います。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) ただいまの御質問につきましてお答えをいたします。
私どもの小沢党首の発言については、私も新聞で知っている程度でございますが、基本的には今回の改正法律案におきましては、国の機関等が本人確認情報を利用、提供できるのは御案内のとおり十六省庁九十二の事務に限定されておりまして、党首が申されたと言われる治安維持のためには利用できないということになっているわけでございます。
したがいまして、本法律案に対する党の正式な考えは今述べたとおりでございます。こういったことについては既に党首も、党の最終意思決定機関であります常任幹事会においても了承しておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○高嶋良充君 党の決定がある、こういうことでございますから、現時点では治安維持に活用しない、そういう党の方針だ、こういうことで理解してよろしゅうございますか。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) はい。
○高嶋良充君 ありがとうございます。
それでは、自治大臣にこの問題で再度お尋ねをいたしますけれども、小沢発言の記事をよく読ませていただくと、これは政府に対して言っておられる、いわば政府の決意を求めている、こういうふうに受け取れるんですが、政府は、「正面から「治安の維持に必要だ」「プライバシーを守るために厳重な乱用禁止の規定を設けます」と言えばことがすむ」、そういう言い方をされているということは、政府がそういうふうに言えばいいんだ、こういうことを述べられているというふうに思うんですが、政府として、この問題に対する大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 治安の維持にこのシステムを利用するというお話があったようなんですけれども、政府としてはそういう考えは毛頭ありませんし、私は小沢党首がちょっと誤解しておられるんじゃないかというふうに見ております。実際問題、このシステムを治安の維持に活用するというやり方はちょっと想定できないんです。また、そういうことはあってはならないことである、そういう考えは毛頭ないということは申し上げておきたいと思います。
○高嶋良充君 小沢さんは、治安の維持に使うために、プライバシーを守るための厳重な乱用禁止の規定を設ければ使える、こういうふうに言っておられるんです。逆に読めば、厳重なプライバシーを守るための保護措置を規定すれば、それは幾らでも利用拡大できるんではないかというふうにもとれるわけですね。
修正案との絡みでぜひ公明党の桝屋理事にお尋ねをしたいんですが、そういうことを裏返して、個人情報保護法を制定すれば利用分野はどんどん拡大すべきだという受けとめ方がされてくるということになれば、個人情報保護法の制定そのものがあだになってしまうんではないかというふうに思うんですが、修正案提出者の真意をお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。
高嶋委員のお尋ねでありますが、包括的な個人情報保護法、これは今からの議論になると思いますが、もしそういうものができればかえってそれがあだになるんじゃないか、利用の分野を拡大するということになるのではないか、こういう御指摘をいただいたわけでありますが、考えようによってはそういうことが言えるのかもしれませんけれども、ちょっとその質問に驚いておるのであります。
我々は、実は衆議院段階で、この法案ができるまでにも随分事前に、これはもう経緯は詳しく申し上げませんが、自治省において随分この住基法の改正案については検討をされておりまして、検討会あるいは中間報告等もなされながら今日法案になっているわけであります。その過程において、私どもはやはり、おっしゃるように利便性と、それから光と影という話がありましたけれども、その影の部分、それはまさに一つの要素としては利用の分野ということでありますから、そのことを私ども全く高嶋委員と同じく大変に神経を使いながら議論をしてまいりました。
その中で我が党は、ほかの党もおっしゃったようでありますが、当初は、この法案の形は利用目的については法令によるというようなこともあったわけでありますけれども、いや、それはだめだ、きちっと法律に明記すべきだというようなこともその過程においては主張させていただきながら、そうした形になったわけでありますけれども、利便性と同時に個人のプライバシー、あるいは国家が国民を管理する、統制するという側面も確かに御指摘のようにあるわけでありますから、そこはやはり利用分野については慎重に検討すべきであるというふうに思っております。
そういう意味では、個人情報保護法、これはまた後ほど議論が多分あると思いますが、私たちは何としても個人情報保護、民間をも含む個人情報保護法はこれはこれで必要だという議論をしたわけでありまして、それはイコール利用分野の拡大につながるということではないというふうに考えております。
○高嶋良充君 ぜひ、利用分野の拡大については慎重な取り扱いをお願いしておきたいというふうに思いますが、再度、自治大臣にお伺いします。
先ほどの小沢発言のマスコミ記事が載ってから、国民の皆さん方が、やっぱり将来治安維持等々に使われるのではないかという、最近、盗聴法の問題とかいろんな法案の絡みがありますから、そういう心配をされている方もおられます。
この間、こういうことも出されていました。
道路上に設営されている警察の監視カメラ、あるいは街角や企業や銀行やスーパーの中の防犯カメラ、それらに蓄積された個人情報の利用が犯罪の捜査などにどんどん拡大するのではないかという不安がある、こういうふうに言われているわけですね。これはデータマッチングすればという話ですけれども、そういう問題であるとか、この間ある自治体に寄せていただきましたら、そこの助役さんがこういうことを言っておられました。今、自衛隊が隊員募集をするときに市町村に住民基本台帳の閲覧を要請していますね。その閲覧に対して市町村は、住基法の十一条の一項でそれを認めているところもあるし、しかし十一条四項によって、不当な目的に使用されるおそれがあるということでこれは認めない、そういう形をとっておられるところもありますね。それで、今後もし防衛庁にもそういう利用の範囲が拡大をすれば、それはもう簡単に十八歳になった人の氏名、住所、すべてがわかるわけですから、隊員募集、隊員拡大にどんどん入れるではないか、そういうことを心配されている自治体の関係者もいるわけであります。
この法案の中には、今言われておるように、警察庁や防衛庁は今回は含まれていない、こういうことですが、犯罪捜査の問題とか、あるいはこの種の防衛庁と自衛隊隊員募集にかかわる住民基本台帳等々の問題が今後浮上してくる可能性もございますので、これはもう答弁は要りませんので、将来の利用分野拡大の問題についてはぜひ慎重を期していただくように御要望を申し上げておきたいというふうに思います。
そこで、かなり質問項目を提出しておりますが、八十分という時間でございますので、きょうは修正案提出者に来ていただいていますので、できるだけその辺を重点にさせていただくということで途中を飛ばしますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。六項目め、七項目めについては、質問通告しておりますが、これは後日にさせていただきたいというふうに思います。
そこで、自治省にお伺いをします。
八番目の項目なんですけれども、自治省の試算で、システム導入の初期投資に約四百億円、年間経費が約二百億円かかる、こういうふうに試算をされています。先ほど、新しいシステムによってどういうメリットがあるのかという松村委員の質問に対して自治省の方からお答えがありました。これは、引っ越しの際とか、住民票の写しがどこでもとれるとかといういろんな利点を出されておりましたけれども、そういう利点だけで、あるいはそれらの程度の手続を簡素化するだけで全国のネットワークをつくるのに四百億円、運用に毎年二百億円かける意味があるんだろうかという問題です。
今まさに行革の時代、こう言われていて、地方自治体はもう地方行革に邁進をしておるわけです。さらに追い打ちをかけるように地方財政の危機が襲っているわけです。そういう状況の中でむだではないかという意見がかなりあるんですけれども、その辺について自治省はどうお考えなのか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
このシステムの構築にかかるコストについては今お話しのとおりでございます。これに対しますベネフィットにつきましては、数値化が可能なものについて、一定の仮定のもとでございますが、仮定計算で節減時間あるいは人件費などにより試算をいたしますと、毎年行政サイドで約二百四十億円、それに加えまして住民負担の軽減といたしまして約二百七十億円を見込んでいるところでございまして、コストに見合うベネフィットがあるものというふうに考えております。
なお、数値化いたしておりませんベネフィットの例といたしましては、例えば共済年金、労災、恩給の過払い防止が可能になる、また主婦とか高齢者等が住民基本台帳カードを身分証明書として活用できる、また市町村が独自に住民基本台帳カードを活用した場合には、福祉とか保健とか医療とか救急支援、それから窓口業務の改善といった各種の行政サービスに活用できる、また災害が万一生じた場合に、住民基本台帳データがやられたときにそのバックアップに活用ができる、また将来、電子申請、ワンストップサービスなど幅広い分野で本人確認に活用が可能といったものが数値化いたしていないベネフィットの例でございます。
○高嶋良充君 今、行政局長から御答弁をいただいたようなことは今まで聞いておりますから、そういう内容だけで六百億円も使うのはむだではないか、こういうふうに申し上げたんです。
この間、私も視察で静岡県の豊田町へ寄せていただきました。あそこも住民カードをつくっておられるわけですけれども、当初の投資に一億八千万円、こう言っておられました。そして、年間二千万円かかるんだ、こういうことのようです。あれだけの情報、そして利用されておる住民の皆さん方は約四分の一程度ということでございますから、非常にむだだと。ただ、全員が利用したらかなりまた費用対効果の関係も上がってくるだろうという部分はあります。しかし、それだけの情報で果たして費用対効果で効果が生まれるのかというと、僕はやっぱり問題があると思うんです。
そういう観点からいくと、先ほど利用分野の関係で申し上げましたけれども、これだけの費用をかけてやる以上は、国民の統制やそういう危険なところに使うという、利用分野を拡大するというのは私は大反対なんですけれども、もっと利便性を増すようなところに活用するということも想定をしてこの問題を議論しないと、僕は費用対効果の問題だけであればこれはやめておいた方がいい、これはだれが見てもそういうふうに言われるというふうに思うんですけれども、この費用対効果の点から余り意味がないのではないかというふうに思っております。
そこで、自治大臣にお伺いをいたしますけれども、自治大臣は四月二十日の衆議院地方行政委員会で新藤義孝議員の質問に答えて、まずスタートをさせていただいた上で、法的な手当てをしながら具体的に展開してまいりたいというふうに答弁されていますね。これは四つの情報に限定するコード番号の利用範囲を拡大していく意向を示したものというふうに私は受け取っているんですが、その真意はどうでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) これは先ほどの御質問に関して、今回の法案において九十二の事務ということに限定をして利用分野を定めている。したがって、それを広げていくというような場合には当然のことながら法改正を伴うんです。したがって、国会における御論議の結果でなければ利用分野を拡大することはないんですということは確認をしたところでございます。
そういう意味で、この法案はいろいろもっと広げるべきであるとかいうような御議論がある場合に、当然のことながらそういった法的手当てがなければ具体的な展開はできませんということの意味でもございます。
その点、今回、給付行政あるいは資格付与に関する分野ということでこの利用の範囲を我々は考えておりますので、それ以外の先ほどいろいろ御議論ございましたことまでは想定をいたしておりませんでしたので、いろんな御議論がある場合には当然法改正ということがなければできないということの意味でもあります。
○高嶋良充君 ということは、法改正がされれば利用分野はやっぱり拡大をした方がいいというふうに、私は大臣はそういうふうに思われているのかと思いますが、もう一度。
○国務大臣(野田毅君) 今から九十二以外はもう全部だめなんですということを限定してしまうのはどうかと。ですから、それぞれの行政事務の中で、各省庁においてこういったものをさらに広げた方がより事務の効率化、簡素化にもつながっていく、あるいはいろんな事務の適正な執行といいますか、間違いをできるだけ少なくしていくとか、いろんなことがそれぞれの行政の中でお考えになった際に検討されるべきものであって、これから先も九十二以外は絶対だめですよということを私から言い切るのはいかがなものか。むしろ、いろんな行政サービス分野の中で、特にサービス行政の世界はこの種のものが多いと思うんです。
そういった点で、余り限定的に考えてしまうのはいかがなものか。そういう意味で、この点は具体的にそれぞれ各省において利用できるところは大いに利用してもらった方が私はいいと思っています。ただし、それが実際にどうかというのはこの国会でお決めをいただくということでございます。
○高嶋良充君 ということは、利用拡大という面からいえば、先ほど言っておるような国民の統制に係る部分等々は別にして、住民あるいは国民の利便を向上させる、あるいは行政サービスにつながる、あるいはそのことによって行政コストが節減できる、そういう分野であれば、今後法改正をすれば利用拡大していってもいいという意向を持っておられる、そういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(野田毅君) 基本的な趣旨はそういうことです。
○高嶋良充君 では、そこでお伺いをいたしますけれども、これは先ほどの松村委員の御発言とも重複をいたしますので大体の意向は先ほどのあれでわかっていますが、再度簡単にお答えをいただきたいと思います。
納税者番号制度にこの住基システムを活用するということについては、将来、今のような住民サービスの向上につながるとかいろんな観点からそういう法改正がされれば、これは活用をする方がいい、そういうお考えを持っておられますか。
○国務大臣(野田毅君) 先ほど松村委員の御質問にお答え申し上げたとおりでございまして、この住民基本台帳ネットワークシステムの問題とそれから納税者番号制度の問題は切り離してぜひお考えをいただきたいと思っています。
問題は、将来、納税者番号制度を、政府税調においても十年この方御検討いただいておりまして、まだ結論が出ておる状況にはございません。これを実際にやるとなれば、主税局長から先ほども御答弁がありましたが、いろんな角度から検討をしてもらわなければならないテーマであります。その上でこれをやるべしという結論が出た場合に、具体的な手法として、この住民基本台帳システムによる住民票コードナンバーを活用するというのも一つの方法かもしれないし、あるいはその他の、今までの検討の中では社会保険番号を活用するのも一つの方法かもしれない、いろんな議論があることは御承知のとおりであります。そういう全体的な中で、いわば全くその可能性をゼロだと言い切ってしまうのはいかがなものかとは思いますが、しかし、断定的にこれが納税者番号制度導入への第一歩であるという位置づけにはならないというふうに考えております。
この点で、納税者番号制度をぜひ入れるべきだと、しかもそれにこれを活用すべきだという議論が人によってはあるのかもしれませんし、またそれはだめだという議論があるのかもしれませんが、そこは、納税者番号制度導入をぜひというところをきちんと踏まえた議論がまず行われて、それから後の話になるのではないかというふうに思います。
○高嶋良充君 先ほどの松村委員のときの御答弁と今の御答弁を突き合わせてみますと、大体、納番制とこの住基の問題については真剣に検討していくテーマと、これは松村委員のときに言われていますが、しかし一応別問題だと、こういう前提にして、しかし可能性はゼロではない、こういう今の答弁もあるわけでございますが、衆議院の審議のときにはいざ知らず、今回参議院で審議に入った段階、きょうからは、きょうからはというよりも衆議院が通過した時点からは私は一応別問題ということではなくなったのではないかなというふうに思っています。これはまた後で申し上げます。そういう観点で以降の質問を若干続けさせていただきたいというふうに思います。
そこで、大変この修正案の実現に努力をされました公明党の桝屋理事にお伺いをいたしますけれども、衆議院において附則第一条に第二項を追加するという修正、「所要の措置」、こういうことでございますけれども、加えられました。先ほども若干前の質問のところで聞きましたけれども、その目的等々を含めて、なぜ修正が必要であったのかということについてもう少し具体的にお伺いをいたしたいというふうに思います。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 今回の衆議院段階における修正の必要性についてのお尋ねでございますが、先日のこの委員会で修正案の提案理由を申し述べさせていただいたわけでありまして、基本的にはあの三点に尽きると思っておるのでありますが、いま少し我が党の、我が会派の気持ちを語れというお尋ねかなというふうにも理解をするわけであります。
先般、宮路議員の方から申し上げたポイントは、この法案そのものは可能な限りのプライバシー保護対策が講じられているけれども、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念があると。それから二点目が、急激な情報化社会、ネットワーク社会の進展の中で、諸外国との比較からも、民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備を早期に進めていく必要性が高まっている、そういうこと。さらには、今回の住基ネットワークは地方公共団体が主体となって進めるものでありますから、全国民を対象としたこのネットワークシステムを円滑に導入するためにその条件整備としてというような説明を申し上げたかと思っております。
もう少し我が党、会派の気持ちをお話しさせていただきますと、さっきもちょっと言いましたけれども、実は衆議院段階では、ほとんどの党が結論をお出しになった中で、本当に我が党は随分迷惑をかけてぎりぎりの議論をさせていただいたわけであります。私ども公明党・改革クラブとしましては、先ほどの高嶋委員の議論をずっと聞いておりまして、ほとんど同じ気持ちだなという思いがしているのであります。私どもも、今回の住基のネットワークシステム、この住基法の改正というものが、今後行政の高度情報化が進むというその中にあって、やはりインフラ整備として必要であろうということは考えつつも、たとえ四情報たりといえども、全国一律のネットワークシステムをつくるという以上は、国民の間で個人情報の流出、さらには悪用の危険性を指摘する声が随分出ておりますし、また委員会でもそういう審議があったということから、このネットワークシステムを運用する前提として、私どもは、特に国、地方、そして民間を含めたそうした個人情報を保護するシステム、法整備というものをどうしてもやるべきだというふうに考えて、このことをずっと政府・与党にも申し上げ、修正案の提出に至ったというふうに理解をいたしております。
○高嶋良充君 かなり詳しく説明をいただきました。私は、一般論としては非常に理解ができるというふうに思います。ただ、この問題との関連でなかなか理解できないということをまた後で申し上げたいというふうに思います。
そこで、衆議院の修正時点での地行委員会、六月十日ですけれども、そのときにわざわざ小渕総理まで委員会に出られて答弁をされていますし、自治大臣も答弁をされています。その中で修正内容の「所要の措置」について、自治大臣の答弁と総理の答弁を読めば大体その意味がわかるわけですが、それを教えてほしいと思ったんですが、時間がありませんから私の方で読み上げますので、それで間違いないかお聞かせください。
まず、自治大臣答弁はこう言っておられます。
「所要の措置」とは、第一に、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えること、第二に、第一のシステムの整備状況を踏まえ、住民基本台帳法におけるさらなる個人情報保護措置を講ずるため、所要の法改正等を図ること、第三に、地方公共団体が適切に住民基本台帳ネットワークシステムを運用することができるよう、自治省として個人情報保護に係る指導を十分に行うこと
そして、小渕総理はこのように答弁をされています。
包括的個人情報保護法の具体的イメージが十分明らかではありませんが、民間部門をも対象とした個人情報保護のあり方につきましては、政府全体として、総合的に検討し、法整備を含めたシステムを速やかに整えてまいる所存でございます。
こういうふうに答弁されていますが、間違いございませんか。
○政府委員(鈴木正明君) そのとおりでございます。
○高嶋良充君 では、自治大臣にお伺いします。
自治大臣が答弁されているところの第一の部分と、それから小渕総理が答弁されている「民間部門をも対象とした個人情報保護」というところから推察をすると、この個人情報保護法というのは民間利用も含めた包括的個人情報保護法を新たに制定する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(野田毅君) 一本の法律としての包括的な個人情報保護法という限定はいたしておりません。そういう意味で、民間分野における個人情報の保護をも含めた具体的な法律の体系としてどういうやり方がいいかということをも含めて対応していかなければならぬという意味でございます。
○高嶋良充君 ちょっと意味がわからない。私の直感的な受け取り方では、ちょっと後退をされているのかなというふうに思いますが、努力をされてきた公明党の桝屋理事にお伺いします。
公明党としては、衆議院で富田さんの発言もございますけれども、あるいはこれは新聞紙上でしか読んでいませんが、坂口政審会長のコメント等を含めて、民間利用を含む包括的な個人情報保護法がまさに所要の措置なんだと、そういう理解をされているというふうに聞いたので、そういう担保として理解していいのでしょうか。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 先ほどから自治大臣の答弁もあるわけでありますけれども、私たち公明党・改革クラブとしては、小渕総理の衆議院における御答弁というのは、私たちが目指している方向をほぼ達成するであろう、こういう期待を持って、そのように了解をして衆議院段階を経てきたわけであります。
今もお尋ねがありましたけれども、私どもの党の坂口政審会長の話もいただきましたけれども、今、委員は包括的個人情報保護法とおっしゃったけれども、その意味するところというのが、法律の形というものがどういうものか必ずしも定説、どのように理解していいか私も悩むところであります。私たち公明党がぎりぎりの議論をしたというふうに申し上げましたけれども、私どもの坂口政審会長は、国と地方自治体そして民間、まずこの分野の中で漏れがあってはならぬということからスタートしているわけでありまして、今三党でシステム検討会も始まっておりますけれども、まず検討分野を漏れなく検討した上で、そしてその結果として一体的な法整備を含めたシステムというものを前提として考えていこう、こういうことで今議論を進めているところであります。
なお、これからどういうふうに議論をしていくかということでありますけれども、ちょっと長くなりますけれども、一つはやはり国における個人情報保護法なるものは既にあるわけでありまして、加えて今回住民基本台帳法が改正をされる、そして地方自治体においてはさまざまな条例という形もありますし、さらには民間部門においてはさまざまな自主的な取り組みも既に行われているわけであります。さらには、個人情報保護の法整備を考えるときに、先ほど報告もありましたけれども、EU型の形もあればアメリカ型の形もある、そんな中でどういう形が一番我が国に適しているのかということも含めまして総合的に検討していこう、その結果どういう形になるのか、そこは年内かけて基本的な枠組みについて我々は議論していこうということで今議論している最中でございます。御理解いただきたいと思います。
○高嶋良充君 考えておられる中身は大体わかりました。私は、衆議院での修正の目的、内容は新聞紙上でしか読んでいない部分もございますけれども、一般的に言われる民間利用も含めた包括的な個人情報保護法、世界のパターンでいえば、先ほどEUというか欧州とアメリカを言われましたけれども、私は欧州型のまさにオムニバス方式と言われる統合方式が基本的には民間利用も含めた個人情報保護法を指すものだとばかり思っておりましたので、分野別というふうに、先ほどちょっとアメリカ型と言われましたけれども、アメリカ型というのは分野別ですね、この分野別では私はまだまだ問題点があるのかなというふうに、それでもないよりはましですよ。
ただ、連合等を含めてサラリーマンがこの住民基本台帳に、今は反対ですけれども、当初の賛成方針の中には、納税者番号制度をこの住民基本台帳でやるんだ、そのためにはその条件整備として民間利用も含めた包括的な個人情報保護法がセットなんだと、こういうことで労働団体の関係は賛成の方向になった。そういう意味では、今回の修正というのはかなり評価できたんですけれども、しかしそういう部分がまだ全くこれからの議論で、統合方式になるかどうかもわからないと。そういう部分からいくと、これは中身的にはまだまだ成熟をしていないし、今の段階で議論を一緒にするというのは非常に難しいんではないかな、こういうふうに思っていますが、しかしそういうことも前提にしながら、あえて質問をさせていただきたいというふうに思います。
そこで、桝屋理事にもう一度お伺いしますけれども、この改正案では民間利用は禁止をされていますよね、この住民基本台帳法そのものについては。しかし、なぜ民間利用を含めた包括的個人情報保護、保護法とは言いません、個人情報保護の法整備が必要だというふうに言われたのか。先ほどの答弁では、まさにこれが基本的に成立の前提になるんだ、そういうふうにも申されましたね。だから、民間利用を禁止しているのに、なぜ民間利用を含めたプライバシー保護法が必要なのか、そこの部分をお教えいただきたいわけです。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 先ほどから何点かお話もいたしておりますけれども、今回の住基法の改正案、我が党は随分前から取り組みをし、先ほどの法令を法律に変えるとか、そういう強い要請もしながらやってきたわけでありまして、ある意味では今回の住基法の改正で現時点における可能な限りの個人情報の保護という措置は行われている。
特に、今御指摘のありました民間の部門、これは禁止されているわけでありますから、そこは当初の形と違って、随分形としては、私はまさに可能な限りの措置という状況であろうというふうに理解をしているわけであります。
では、何でおまえのところは民間を対象に考えるのか、いいじゃないか、こういう話でありますが、しかし今回の法律案によりまして住民基本台帳ネットワークシステム、今回の法改正に基づきますこのネットワークシステムの案というものが、コンピューターネットワーク社会が急速に進む我が国の中において個人情報保護の観点から大変国民の関心を呼んだことも事実であるわけであります。
特に、私ども先ほどから説明していますように、公明党・改革クラブとしては、六十三年に制定されました国の個人情報保護法、これは国の機関だけあるいは電子情報だけを対象としているものでありますし、民間を含めた包括的なそういう法整備がないという状況がある。これが諸外国に比べてはおくれているという認識を持っているわけであります。したがって、一番大事なのは、やっぱり社会全体としてネットワークプライバシーとも言うべき概念あるいはその社会的な価値観が全く醸成されていない。したがって、日々マスコミには個人情報が漏えいするというような事件が報道されるわけでありまして、あるいは名寄せ屋がばっこしている、こういう状況があるわけでありまして、これは何とかしなきゃいかぬ。
おっしゃるとおり、民間は大丈夫なんだけれども、しかしこの法律を契機に、長い間政府が検討してきてなかなか難しい、先ほど一番最初の御質問がありましたけれども、なかなか困難な作業であるけれども、包括的な個人情報保護法制、こうしたものにこの法律を機会にぜひ取り組みたい、このように我々は考えたわけであります。
○高嶋良充君 私がどうも理解ができないのは、住民基本台帳ネットワークシステムという法律の改正の中にいわば、十分であるかどうかは別にして、プライバシー保護が盛り込まれているという部分ですね。その法律となぜ一緒に修正の中に一般法である包括的な個人情報保護措置というのを設けなきゃ、保護措置ということであればこれはある程度理解できるんですが、また後でも内政審議室に聞きますけれども、あれは基本的に保護措置だけれども、法整備をしてそれは法律としてやっていくと。当然これは一般法になる、そういう考え方だろうというふうに思うんですけれども、それはさておきまして、自治省にお伺いします。
今、桝屋理事からも出されました一般的な部分と、まだまだこの法案のプライバシー保護に対する不安が残っているということを述べられました。総理も、六月十日、そういう答弁をされていますね。プライバシーの保護に対する漠然とした不安、懸念が残っているとの指摘があった、だから必要なんだ、こういう言い方をされています。
自治省は、私どもにも、全委員の皆さん方が事前に御説明をもう何回も受けられているというふうに思っていますけれども、個人情報保護には万全を期したというふうに説明をされていたというふうに思います。五点ほどいつも挙げられていましたね。情報を暗号処理するんだ、二つ目にはネットワークを外部と遮断する防護策をとっているんだ、三つ目はシステムに従事する公務員などに通常より厳しい守秘義務と罰則を科すんだ、民間利用はすべて禁止をしているんだ、さらに指定情報処理機関に個人情報を保護するための委員会を設けたいと。
この委員会の部分については、我々も今言われているような委員会ではだめだということを以前から言っていましたけれども、しかし上の四点については非常に評価しているんです。だからそれによって、かなりそれは公務員にとっては厳しいけれども、当然プライバシーの保護という観点からいえばそれぐらいの重罰を科すことも必要だ、そういう観点に立って評価をしていたんですが、そういう意味からいくと、自治省は、プライバシー保護がどうもこの修正案との関連からいうと不十分ではないのか、一般的に現在そういうことになってきているというふうに思うんですけれども、その点について再度お伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) プライバシー保護措置が不十分かというお尋ねでございますが、今御指摘がありましたように、制度面、システム技術面あるいは管理運用面において、十分な保護措置を講じ、または講ずることといたしております。
具体的には、制度面では、この本人確認情報を利用できる機関あるいは目的というものを法律で具体的に明定する、それから関係職員に対する安全確保措置及び秘密保持を法律上義務づけている、それから国の機関等が目的外利用することを禁止している、民間部門において住民票コード利用を禁止しているという措置を講じております。
システム面でも、プライバシー保護措置といたしまして、専用回線を用いて送信する本人確認情報を暗号化する、あるいはICカードや暗証番号によるコンピューターを操作する者の厳重な確認を行う、またはコンピューター同士で相互認証を行う、こういうシステムを入れているし、またデータ通信については記録管理を行うという措置を講ずることといたしております。
運用面も非常に重要な点でございますが、情報保護管理者を設置する、安全確保のための委員会の開催、監査等の管理体制に関する措置、こういった措置を講ずる、また個人情報保護意識の向上あるいは安全、正確性の確保などのついての研修に関する措置を講ずる。
このようにして、制度面、システム面、運用面のいずれの面においても十分に本人確認情報等を保護することといたしております。そういう考え方でございます。
○高嶋良充君 もう一度お伺いしますが、それで十分じゃないですか。どうでしょう。
○政府委員(鈴木正明君) 今ほど申し上げましたように、今回の改正案におきましては、本人確認情報の厳重な保護措置を講じておりますので、その意味では住民基本台帳ネットワークシステムを導入する前提として包括的な個人情報保護法の制定を要するものではない、このような認識を持っておりまして、その旨も御説明をしてきているところでございます。
○高嶋良充君 そのとおりですね。総理もそういう答弁をされたと思います。だから、今回の改正法案については、十分な個人情報保護を講じているので包括的な個人情報保護法の制定とはいわば直接的に関係ない。総理の言葉をかりるとこういうことです。住民基本台帳システムを導入することの前提として包括的な個人情報保護法の制定を要するものではないとの認識を持っておる、こういうふうに答弁されています、これは共産党の春名議員に対する答弁ですけれども。今の局長答弁もそういうことだろうというふうに思います。
では、なぜ法案の修正の中にその問題が盛り込まれたのかということが私は不思議でならない。先ほどから申し上げている趣旨はそこなんです。
自治大臣が修正案の「所要の措置」のところで答弁されている、三つありました。あとの二つは、これは先ほどからも出ていますように、宇治市で公務員が外に漏らすというようなことがありましたから、そういう意味ではそれらの部分について保護措置をきちっとしておかなければならない、また現状の法案よりもさらに厳しくしていく方向というのは私は理解ができるというふうに思います。ただ、それらはこの運用の中とかあるいはやむなくば法案の保護措置のところを修正して強化をすればいい、こういうことですから、それで事足りるというふうに思うんですが、わざわざ民間利用も含めた包括的な個人情報保護の法整備を修正案に盛り込まれたということは、なかなか今までの答弁では私は納得ができない。
そこで、私なりに解釈をさせていただくと、民間利用も含めた個人情報保護法が住基法改正との関係でぜひ必要だという理由があるとすれば、それは、将来この住基法を民間利用も行わせていくという目的がそこにあるのではないか。目的というよりもそういう意図、意思が働いているのではないか。そこの部分なんですけれども、その辺はどうでしょう。
○国務大臣(野田毅君) ああ、そういう見方もあるのかなと思ってちょっと聞かせていただいたんですけれども、ざっくばらんに申し上げて、私どもはこの住民基本台帳ネットワークシステムを導入する前提として、今、局長から御答弁申し上げました制度面あるいはシステム面、運用面で我々が今日考えられる対応としては万全の対応をとったという思いがございます。したがって、この新しいシステムの導入に関連して、そういう手当ては今特に必要とすると考えていないということは繰り返し衆議院でも申し上げてきたわけです。
しかし、それにしても、技術の側面において日進月歩の世界の中だし、実際にこれが具体的に実施に移されるまでの期間にもどんどん技術が進歩するじゃないか、だからその間にも必要な見直しをしてちゃんとそれを先取りした手当てをしていくということは必要ではないかということは一つございました。
それからもう一つは、この問題とは別にさまざまな分野で民間部門におけるいろんな個人情報の漏えいの問題等々もありまして、この法案とは別の問題としても、個人情報保護について別途この問題と切り離した中ででもやっぱりさらなる手当てが今のままでは不十分なので必要ではないかという議論が、ちょうどこの審議に連動してそういう角度からも必要じゃないかということもございました。
それから、たしかある先生は、専用回線でやるんだからいいんです、あるいはファイアウオールがあるからいいんですといろいろやっていたんですけれども、しかしそれにしても公衆回線のどこかでちょっと入ったそこから入ってくる余地だってあるのではないかというようなたぐいの話にまでなりまして、ともかくもうどんなことがあっても遮断しなきゃならぬというような議論もございました。
そういう中で、デジタル革命による急速なネットワーク社会の進展の中で、この法案だけに限らない、もう少し幅の広い意味での個人情報保護のための体制というものが必要ではないかという議論、こういったことが両々相まちまして、それはこれからの高度情報社会の中で、光と影という御議論もありましたが、まさにそういった部分をきちんと手当てしていくということがないと、本当に健全な高度情報ネットワーク社会の進展のためにはやっぱり不可欠の部分であるという意味で、個人情報に関しての保護システムをあわせて検討していくべきであるということで我々も理解をいたしたわけであります。
率直に言って、さっきの角度からの御指摘、民間分野に対する利用をふやすためにそういう議論をしているという問いかけは全く、今言われて、ああそうか、そういう視点もあったのかと思って改めて驚いたんですけれども、我々はそういう角度があったからこういう三つの中の第一の部分について申し上げたつもりではございません。
○高嶋良充君 自治大臣は昔から答弁にたけた方でございますし、政策的にも非常に優秀な方でございますから、私の民間利用という部分をかなり拡大解釈して百倍ほど変えていただきましたけれども、私の真意、ああいう形で申し上げましたが、最初から一貫している真意をもう一度申し上げますと、私は何も包括的個人情報保護法の制定を否定しているわけではないのです。僕は必要だというふうに思っています。ただ、今回の住民基本台帳法改正案には必要ないのではないかというふうに言っているわけです。これは総理も必要ない、こういう言い方をされています。それなのになぜ修正案に入れたかというところなんです。これはもう民間利用すべてにとは言いません。私は、勘ぐるところただ一つだけ思い当たる節があるわけです。
それは、自治省行政局長の私的諮問機関でありました住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会報告書、この法案のもとになっているものですけれども、そこで出されていたのは先ほどから出ている納税者番号の問題なんです。将来的にネットワークシステムを納税者番号制度で活用することは可能だという報告書が出されました。ただ、現時点では源泉徴収事務の際に情報が民間に流れ出すというおそれもあるし、あるいはそういう情報保護に対して万全ではないという、まさに環境整備が整っていないという現状で納番制については見送られた、これは私の観測ですが、というふうに思うんです。
そういう研究会報告で納番制についての活用の報告も出されたけれども、自治省としてはそれを棚上げした。しかし、民間利用も含めた包括的個人情報保護法、これが制定されるとするならば、この法律が一番納番制に適しているのではないか。これは私の主義ですけれども、そう思っているんですが、そういう観点からいけば、個人情報保護法をこれと一緒に制定されるということは、私は議員になる前からそれを団体として要望していた方ですから、非常にいいものだというふうに思っておるんです。
しかし、納番制を全く抜きにしてこれだけやるという理屈は全くどこにも立たない。納番制に対して反対する人もいっぱいいるわけですから、自営業者の皆さん方を含めて。サラリーマンは大半が賛成ですけれども、自営業者の皆さんは反対です。だから、そういうことを逆に隠して、もう環境整備だけを先に整えてしまおうという意図があるんではないかというふうに勘ぐられている自営業者の皆さん方もいて、弁護士や人権問題をとらえられている、民主党もそうですけれども、そういう部分の反対と同時に、今納番制を隠してこれでやってしまおうとしているんではないか、そのために附則修正をつけたんではないか、そういう部分が逆に自営業者の中にも出てきておる。これは逆に、こんなことを言ったら悪いですけれども、政府の基盤を支える皆さん方のところにも出てきているという部分があるわけです。
だから、私は、その皆さん方を安心させるためにも、やっぱりこの参議院の審議の中では納番制とセットでこの問題を議論してほしい、そういうことを国民の前に明確にして審議を行っていくということの方がいいんではないかというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 率直に言って、納税者番号制度を実際にやるのかやらぬのか、やる場合にはどういうやり方をするかということがまだかっちり決まっていない段階で、この辺が個人情報保護のシステムとどういう関係になるのかという議論をするのは少し先走り過ぎではないかという思いが私自身いたしております。
ただ、ざっくばらんに、これは主税局長がおられますから余り私からとやかく言う必要はないとは思うんですが、二十年来私も国会議員として長い間この問題に取り組んできたという思いがございますが、その中で感じますのは、自営業者がこの納税者番号という問題についていろいろ理屈をつけますけれども、要は自分のお金の動きを税務署に全部把握されるのはおもしろくない、この一点に尽きていると私は思うんです、率直に言って。ですから、そうであれば、プライバシーの保護がどうのこうのとか言ったって、これはちょっと違う次元じゃないかという実は感じがいたすんです。これが一点です。
それから、いま一つ、大体判こ社会という問題とも関連があるんでしょうが、ただ日本の場合は、長い間金融あるいは証券あるいは預金なり、そういう中で、欧米とは違う、サイン社会でなかったものですから、その種の架空名義なり他人の名義なり家族の名義なりというようなことでいろいろあった。そういった点で、国内だけであればまた別だったんですが、どんどん国境の垣根がなくなって金融資本の移動が全世界的にどんどん自由にということになれば、もしそうなった場合に一体資金シフトをどういうふうに考えるのか、それが経済全体の中にどういう影響を及ぼすのかということもゆるがせにできない実は検討課題の一つなんです。おとなしく言えば、経済取引に与える影響といえばそういうことなんですけれども、しかしざっくばらんに言えばそういう部分もあるので、そういう点で、かなり政府税調が前向きに踏み込んでから逆に多少何となく手戻りになって慎重になっているというのは、私は後者の部分が非常に強いというふうに思っているんです。
そういうようなこともあって、納税者番号制度を入れることの是非について、やっぱりそこはそこでこの住民基本台帳システムの問題と切り離してきちんとした論議をしないと、何か話がちょっとおかしな方向に入ってしまうんじゃないか、私は実はそう思うんです。
そういう点で、必ずしもこれは連動するものではないんだ、仮に納税者番号制度をやっぱりいろんな角度から見てやるべきだということが決まれば、じゃその場合にその番号というものはどういうものを活用するのか。こっちの住民票コードナンバーを活用することにするのか、あるいは別途年金番号なりそっちの方を引っ張ってくるようにするのか、これはアメリカなりスウェーデンなりそれぞれやり方が違うわけですから、そういった議論があって、その中でこれを活用するんだということになったときに、また今御指摘のような議論が一方で出てくるかもしれないということであって、私自身、今御指摘の、答弁しました修正の段階で、三つの項目の中の第一項目で、民間部門も対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることということについて、納税者番号制度との脈絡は全く実は頭の中になかったということは正直に申し上げておきたいと思います。
○高嶋良充君 全く脈絡なかったということですから、そういうことであれば、私はこの法案については賛同できない、こういうことをはっきり申し上げておきます。いずれにしても、大蔵省に来ていただいています。先ほど、松村委員の質問にお答えされていますから、重複する部分は避けます。
納税者番号制度の共通番号の問題等々について検討委員会を設けられてやっているということですが、問題点がずっと挙げられました。その中で、一つプライバシーの問題を言われていました。今回制定されようとしている民間利用も含めた包括的な個人情報を、法じゃないですが、整備ができればプライバシーの問題はクリアできるというふうにお考えですか。
○政府委員(尾原榮夫君) 納税者番号制度を検討するに当たりまして、プライバシーの問題というのも数多くある中の一つの問題であるというふうに認識してございます。
これまでの検討過程でまいりますと、実はどうしても税務当局側と納税者の間で納税者の一種の個人的な情報を言っていただきませんと税務行政ができないわけでございます。しかし、それは言っていただいても、実は税務管理の場合には守秘義務がございまして、懲役二年というふうに守られているわけですが、これが仮に納税者番号制度に移行した場合でも、税務当局と納税者サイドの間での情報にはプライバシーという問題は起きないんですということがみんなにわかっていただかないと、プライバシーという概念が非常にあいまいなといいましょうか、漠然と受けとめられているというようなこともございますものですから、そういうところをきちっと理解していただく必要があるだろう。
あるいは、先ほども住民基本台帳番号の問題でも御審議がございましたように、そういうネットワークで結ばれた場合に税務資料が外に絶対漏れないということが担保されるのかというようなことがプライバシーというところの問題でこれまで検討されてきた問題でございます。
したがいまして、直ちに個人情報保護法、どのような内容かということを私どもまだ承知しないわけでございますが、今までの議論の経過を申し上げますと、そういうのがプライバシーの議論でございます。
○高嶋良充君 内政審議室からお越しをいただいていますが、先ほども松村委員が質問されて、三党からはどういう保護整備をするのかということについては大体お聞きをしていますので、内政審議室で今度総理を本部長とする高度情報通信社会推進本部の中に個人情報保護検討部会を設けられる、こういうことが出されています。これはマスコミ報道ですから事実かどうかわかりませんが、その中で検討されるのが包括的な個人情報保護法ではなしに分野別だ、こういう記事が、これは朝日新聞ですけれども出ているんですが、それらの関係、それとその部会と三党との検討会とはどういう関連になるのか、その点をお聞かせいただきたい。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、今月中にと考えておりますが、高度情報通信社会推進本部のもとに個人情報保護検討部会を発足させていただきたいと考えております。
これにつきましては二つの流れがございまして、一つは、もともと政府といたしまして高度情報通信社会推進に向けた基本方針というものを定めてございます。平成七年に定めたものを平成十年十一月九日に改定をいたしまして、電子商取引というものを加味した改正をいたしまして、それが政府のもろもろの高度情報通信社会にかかわる施策の基本になってございます。その中の一つにプライバシー保護のことがうたわれてございます。
そこで述べられている基本的考え方は、一言で申し上げますと、先生が今おっしゃったような、どちらかというとオムニバス方式ではなくてセクトラル方式、EU型ではなくてアメリカ型ということを念頭に置いたことでございます。
ただ、申し上げたいのは、いずれにしましても、ネットワーク社会においてプライバシーがきちんと保護されている、実効性を持って保護されているということが大事なんで、そのために日本の場合にどっちの方式が望ましいかという議論から初めなければならぬと思っております。
一応、基本方針ではそれはオムニバス方式ではなくてどちらかというとセクトラル方式、民間におけるガイドラインに基づく自主規制というものも活用しながら、全体として法整備を含めたシステムというものが有効に働くということをイメージしているのが基本方針のところでございますけれども、検討部会においては、それというふうに出口を決めて議論していくということではないということでございます。
それからもう一つの流れは、今ここで御審議なさっている住基法の附則の問題でございまして、ここにおいて法整備を含めたシステムということを総理が答弁されておる。あえて法整備を含めたシステムと言っておって、包括的方法と言っていないというところに意味があると私どもは認識しておりますが、いずれにしましても、それにつきましても、最後は要するに実効性のある、ガイドラインに基づく自主規制と言っても、それが確実にプライバシーの保護に実効を上げていないということであればそれはだめでございますので、いかにその実効性を担保することが必要かというようなことも含めまして、そういう幅広い見地から検討していきたい。その際に、当然三党における検討会とはよく意見交換を踏まえつつやっていきたい、こういうふうに考えております。
○高嶋良充君 時間があれですから最後になります。言いっ放しの部分がありますが、それはお許しください。
今、内政審議室長の答弁の中でセクトラル方式、分野別方式で検討している、こういうことでした。
三党の、とりわけ公明党さんの考え方は僕はそうではないと思うんです。公明党さんの方では、国、地方、民間などすべてを対象にする法整備、こういうふうに言われています。オムニバス方式、統合方式というのは、まさに一つの法律で国、地方、民間などすべてを対象にするというのがオムニバス方式です。それを想定されておるし、マスコミにもそういうふうに出て、公明党の坂口政審会長もそれだ、こういうふうに言われて実現されたものだと私は評価をしていたんですが、そうでないとするならばまたこの評価も半減するのかなというふうに残念でなりませんが、これは公明党さんに頑張っていただきたいというふうに思っております。
そこで、最後に申し上げておきます。
住民基本台帳と納番制度の問題であります。これは昨年三月十六日、自治省が説明のときに使われている、いろんな多くの社説が昨年出ていますけれども、その中の一つに、三月十六日の日経の社説ですけれども、こういうことが出されています。「住民基本台帳番号の議論をきっかけに、納番制度についても活発な議論が展開されることを期待したい。納番制度が導入されれば、住民基本台帳番号制度も将来は民間に開放されることになる。民間も含めた包括的な個人情報保護法の制定についても真剣な検討を行う時期である。」、そういうふうに言っているわけです。納番制導入は住基と保護法が三点セットだ、これはだれが見ても言えることだといううふうに思っているわけであります。
そういう意味では、住基法改正案と個人情報保護法の必要性は私は直接関係ない。しかし、官民にわたる包括的な個人情報保護法の必要性はかねてから指摘をされてきたことですから、ここで公明党が努力をされて、その問題が、副産物という形と言ったら怒られるかもしれませんけれども、まさに副産物という形で修正がなされたわけですから、これを機会に、サラリーマンが強く要求をしている、個人の資産や所得を正確に把握して脱税や課税の漏れを防ぐ効果があると言われる、まさに不公平税制の是正の切り札だと言われる、そういう納税者番号制度に道を開いていくべきではないかということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(小山峰男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後四時まで休憩いたします。
午後零時四十一分休憩
─────・─────
午後四時二分開会
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言願います。
○白浜一良君 いよいよ審議が参議院においても始まったわけでございますが、今回の住民基本台帳法の改正は、当然今日の情報化時代といいますか、即応した形で改正案が出されたわけでございますが、もともとは住民登録制度であったのを昭和四十二年に基本台帳法として整備をされた。当然住民サービスという視点を持って当時も改正されたということを伺っておりますが、それまではばらばらに登録制度であったものを四十二年に法整備されて、この法律そのものが今日までどのように住民サービスまた住民への利便性という面で活用されてきたのか、この辺をまず御説明を、局長で結構ですからしていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
住民基本台帳制度でございますが、今お話しのように、それまでの住民に関する台帳というものを一元化する、またさらに住民の異動に関するいろいろな行政分野での届け出というものを一本化するということで住民基本台帳制度というものができたわけでございます。その目的は、市町村において住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定めることによって、住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資するというところにあるものと認識をいたしております。
○白浜一良君 今の説明では余りよくわからぬわけで、どういう項目が整備されて、どういう点で活用されているか、ちょっと具体的におっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 住民基本台帳で特に住民票の記載事項といたしましては、大きく二つの事項に分けられると思います。一つは住民に関する各種の行政事務の処理のために共通的に利用される基本的事項というものと、もう一つは個々の行政事務の処理のために利用される個別事項との二つに大別されると思います。
それで、基本事項についての記載項目でございますが、氏名、生年月日、男女の別、住所、世帯主の氏名及び世帯主との続き柄、戸籍の表示などがあります。また、個別のそれぞれの行政事務の処理のために利用される個別事項といたしましては、例えば選挙人名簿への登録の有無ということでございます。それから国民健康保険の被保険者の資格に関する事項、それから国民年金の被保険者の資格に関する事項ということで、被保険者の種別とか被保険者となった年月日などでございます。また、児童手当の受給資格に関する事項ということで、児童手当の支給を開始した年月日などの記載があります。
このように住民基本台帳をベースにして、選挙人名簿への登録については住民基本台帳を基礎とする、あるいは国民年金、国民健康保険につきましても住民基本台帳への登載というものをベースにして事務を行う、こういうふうに連携がとれて処理が行われてきているということでございます。
まとめて申し上げますと、住民が居住関係の公証に活用できるという面と、もう一つは、住民の住所変更などに伴う選挙とか国民健康保険、国民年金、児童手当などの各種の届け出につきまして、別々の届け出を要しないで一つの届け出で済ますことができる、こういったメリットが生じている、このように考えております。
○白浜一良君 私の伺ったところでは、その他政令で定める事項というのがあって、実は市町村税とか都道府県税の課税とか、学齢簿の編製等々、そういうことも記載されていて、実際、先ほど説明がありましたように、児童手当とか保険とか、そういう住民へのサービスの提供という意味で随分合理化された形で整備されたんだと、このように理解していいですか。
○政府委員(鈴木正明君) 今お話しのように、学齢、学校の関係、あるいは市町村民税あるいは都道府県民税などの関係も御指摘のとおりでございます。
○白浜一良君 だから、私、これは四十二年の法改正のときの整備された事項から言っているわけでございますが、要するに、なぜこれを確認のために言ったかといいますと、何のために今回改正をするんだということが余り国民の皆さんによく理解されていない面がある、そういった面でいろいろ御懸念をお持ちの方もいらっしゃるので、今回の法改正も、住民サービス、行政の合理化、こういう大きな二つの柱で意味があるんだとこれを自信を持って言っていただかないと、ここがむにゃむにゃしていて何か危ないのと違うかとか、そういう話ばかり。ちょっと私関西弁なんで恐縮でございますが、そこが私はよくないという意味で四十二年の大幅な法改正を、本法の基礎をつくられたときの趣旨、また今日までどのように住民に利便性を与えているかという面で私は今確認をさせていただいたわけでございます。
四十二年以降もう三十数年たっているわけでございますから、当然だんだんコンピューター化されてきますよね。合理化という面、また便利さという面ではどんどん機械を導入される。当然であるわけでございますが、現在の時点でどのぐらい電算化されているんですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
平成十年の四月一日現在でございますが、住民基本台帳を電算処理している市町村の数でございますが、三千二百五十五の市区町村のうち三千五十三団体でございまして、全体の九三・八%の団体で電算処理と。人口比で申し上げますと約九九%をカバーしているという状況でございます。
○白浜一良君 ということで、それだけ市町村単位でどんどんコンピューターを導入して、迅速性、合理性という面で進めてこられた。いよいよそういう個々のコンピューターをネットワーク化して、より一層の住民へのサービス、また行政の合理化を図っていこうという趣旨で今回もう一段の法改正を考えられた、こういうふうに私も理解しているわけでございますが、それでは今回の法改正で住民サービスという観点からどういうことが便利になりますか。ここをちょっと具体的におっしゃってください。
○政府委員(鈴木正明君) 今回のこのネットワークシステムの導入によります住民サイドから見た場合のメリットでございますが、一つは住民票の写しでございます。全国どこの市町村においても自分の住民票の写しの交付が受けられるという点が第一点。それから第二点は、資格申請や受験などの行政手続の際に住民票の添付を要することとされることが多いんですが、それについての省略が可能となる。それから、住民基本台帳カードというものを利用した場合には、市町村の独自に行います多様なサービスや広域的なサービスが受けられる。また、希望すれば住民基本台帳カードを身分証明書として利用することができる。また、カードの発行を受けた場合には、成り済まし提出などの不正行為を防止することができる。このようなメリットがあると考えております。
○白浜一良君 わかりました。それぞれ便利になるということでございます。
もう一つ、行政の合理化という観点からは、これは試算でしかないでしょうが、どのぐらい行政コストを削減できるとお考えになっていますか。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムを導入した場合の効果でございますが、数値化可能なものにつきまして、一定の仮定計算で節減時間をベースに人件費などにより試算をいたしました場合には、行政側で毎年約二百四十億円の効果が出るというふうに見込んでおります。また、加えて住民サイドでは、負担軽減として約二百七十億円を見込んでおりまして、コストに見合うベネフィットがあるものと考えております。
○白浜一良君 そういう説明だからあかんのや。要するに、もうちょっとやっぱり内容を、こういう点がこうなってこのぐらいというふうに言ってくれないと、それは試算した金額だけはわかるけれども、そこをもうちょっと丁寧に説明されないとわかりづらいから、できるだけわかる範囲で具体的に言ってくださいよ。
○政府委員(鈴木正明君) 舌足らずで失礼いたしました。
このシステムを導入した場合の行政側のベネフィットでございますが、先ほど申し上げましたように、転出転入の手続が一回で済みます。従来は転出地に行って、また転入地に行くということが一回で済みますので、そういった時間が省略される。それから、それによって行政側としても窓口事務が簡素化される。それから、行政、いろいろな手続に対して住民票の写しの交付が必要なくなりますので、そういった面で写しの交付件数が減ることによりまして住民基本台帳事務の合理化が図られる。それから、住民票の写しの交付につきましても、この省略によって窓口事務の簡素化が図られるというベネフィットが考えられます。
住民サイドの方では、住民票の写しの広域交付によりまして役所に行く時間というものが短縮される、場合によっては午前中休んで行くところを昼休みに職場の近くで行けるということで、時間が節約できるといったことのメリット。あるいは転入転出手続の簡素化によりまして、一回で済みますのでそのメリットが出る。また、行政手続において住民票の写しの添付が必要なくなりますので、その分、役所に行かなくて済む。またさらには、例えば恩給とか年金などの受給者が年一回生存証明ということで現況確認に役場に行きますが、そういうことも省略されますのでそのメリットがある。そういうことで、先ほど言いましたように、合わせまして行政側で約二百四十億円、住民側のベネフィットとして二百七十億円というものを見込んでおります。
○白浜一良君 私、聞きましたけれども、ぺーぺーはいただいているんで、別に聞く必要はないんですが、はっきり具体的に説明してほしいから局長にお聞きしたわけでございます。いろいろそういう行政の合理化、コスト削減という視点、住民サービスの向上、利便性の強化という観点で今回の法改正をされる。今いろいろ御説明をいただきました。
ただし、今回の法改正でいろんな問題点が指摘されているわけでございますが、大きく分けると私は二つあると思います。
一つは、よくかつても言われて今も言われているわけでございますが、いわゆる国民総背番号制になるんじゃないかと。国に国民が一元的に管理されるんじゃないか、コンピューターをシステムで全国的にネットワーク化しますから、こういう危惧がある。これは衆議院段階でもたびたび議論をされてきているわけでございます。
大臣、申しわけございませんが、もう一度背番号制じゃないんだと。先ほど私が言ったような四十二年以後の経緯、また今日のそういう電算化が進んでいるという上でのもう一段の改正、住民サービスの向上と行政の合理化という観点で今回されたんだという趣旨だとは思うんですが、一つはそういう懸念があると。そういう国民の声に対しまして、そうじゃないんだという説明をまず求めたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 一般に国民総背番号制という言葉で表現されるイメージというのは、国が国民一人一人を一元的にその個人に関する情報を集中管理して、言うならコントロールの対象にしていこうというそれに対するアレルギーといいますか、そういったものをみんなが受けとめている、こういうのが一般的な国民総背番号制ということに対するイメージではないかというふうに考えるんですが、そういう点からいいますと、この住民基本台帳ネットワークシステムというのは地方公共団体の共同のシステムであって、国が一元的に管理するというようなシステムではないということが第一点でございます。
それから、保有される情報というのは、本人確認のための氏名、住所、性別、生年月日というこの四情報、それから住民票コード及び付随情報のみということでありまして、さまざまな個人情報を一元的に収集管理するというようなことを認めない仕組みになっているということでありますから、その仕組みにおいても、それから発想ということにおいても根本的に異なるものであるということを申し上げることができると思います。
○白浜一良君 重ねてお伺いしますが、六十一年に本法を改正されたときに、これも簡単な説明の問答集が出ているわけでございます。このときも同じような、それは市町村単位で電算化していくという、そういうことに関して質問がされまして、住民記録の電算化を進めることは、住民情報が市町村の枠を超えて国または都道府県において集中管理されるようになり、ひいては国民総背番号制につながるのではないか、こういう仮説の問いを発して、答えとして、今、大臣がおっしゃったことと関連いたしますが、基本的にその事務処理は市町村の範囲内に限られており、住民記録の電算化についても基本的に市町村内部の事務処理の効率化や住民サービスの向上等を目的とするものであって、設問のような目的に利用されることはないものである、こういうふうに説明をされておるわけでございます。
重ねて、局長はこのことは御存じだとは思いますが、このときも質疑がいろいろあったと思うんですが、今また同じような懸念がされているわけでございますが、このときの問答集も含めて、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムは、市町村が住民基本台帳制度を運営するという制度の基本的な枠組みというものは維持しながら、その上に住民サービスの向上といった住民の利便を増進するという目的、また市町村等の行政の合理化に資するという目的と、そのために全国的に市町村の区域を超えた本人確認ができるような仕組みを付加するというものでありまして、その意味では住民基本台帳法の目的に沿っているものでございます。
このシステムによりまして、それぞれの市町村が住民票の写しというものの広域交付が可能になり、また転出転入事務など住民基本台帳事務の効率化に役立って、その結果、住民に対するサービスの向上が図られるものだというふうに考えております。
したがいまして、当時の考え方のいわば延長ということで、このネットワークシステムを構築することによりまして市町村内部の事務処理の効率化あるいは住民サービスの向上を目的とするということでは、住民基本台帳事務の電算化のときの考え方と矛盾しないものと考えております。
○白浜一良君 はい、わかりました。
それで、関連して、こういう懸念もあるんです。
いわゆる全国センターをつくられる、それを自治大臣認可の公益法人でされる、こういうことでございますが、そういう市町村の事務処理の効率化という面で言いましたら、都道府県連合とかそういう形でやるべきではないか、それはどちらが実効性があるのかよくわかりませんが、こういった趣旨の懸念もある。それは、国が一元的に管理されるということで反対というか、の考えから、そういう議論もあるわけでございますが、この点に関してはいかがですか。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正法案におきましては、いわゆる指定法人方式をとっておりまして、都道府県の事務のうち一定のものについては都道府県知事は指定情報処理機関に事務を行わせることができるということで、お話しのように、自治大臣が指定する法人に事務を委任することができる、こういう方式をとっております。
御指摘の、お話に出ました広域連合等としないで指定法人方式を採用したということにつきましては、自治法の広域連合ということになりますと、全国的な全団体の参加のもとでの手続がございますので、都道府県間の調整が整わずその設置ができないということもあり得るということでございまして、事務を委任したい都道府県知事が委任するという指定法人方式の方が適切であろう。それから、広域連合等の場合には、委任先ができたとしても、個人情報保護措置などの面で適正な運営が確保できるかどうか不安定な面が残るために、委任の受け皿というか条件、法律において指定法人の要件を規定しまして法的な措置を十分に講ずることが適当であるという点と、あともう一つは、専門技術を有する者が行うということが望ましい事務でございますので、事務の効率性、正確性、安全性の点から、そういう専門的な人が行える指定法人方式がよいということで、この方式をとることといたしたものでございます。
○白浜一良君 わかったようなわからないような御説明でございますが、それはそれで理解をします。
それで、これもちょっと余談になるんですが、先ほど言いましたように、まだ全部市町村で電算化していないですね。電算化を取り入れていない自治体は、今後それをどういうふうに今後の事務的な手続の流れとしてされるんですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
御指摘のように、住民基本台帳自身をまだ電算化していない団体がございます。その主な理由といたしましては、導入に関する庁内の体制が十分に整っていない、あるいは件数が少ないため手作業による事務処理で十分に対応できる、システムの導入及び維持管理に要する経費負担が困難である、このような理由が考えられます。
今回のネットワークシステムにおきましては、それぞれの市町村が住民基本台帳自体を電算化することは必ずしも必要不可欠とは考えておりません。しかし、電算化を図ることによって事務の簡素化や迅速化が図られ、住民のニーズに対応した行政サービスが可能となりますので、今後とも住民基本台帳の電算化を積極的に推進してまいりたいと考えておりますが、電算化していない団体においては、このネットワークシステム導入の場合には、このコミュニケーションサーバーに直接データを打ち込む、この方法によって対応可能でございます。
○白浜一良君 最後におっしゃったのは、別にない市町村があっても、電算化していなくてもできるということですか。
○政府委員(鈴木正明君) はい。
○白浜一良君 なるほど。
それで、これも国民総背番号制じゃないかという一つの大きな懸念。もう一つの大きな懸念は、個人の情報がいろいろな形でインプットもできる、四項目されておりますが、だから大変プライバシーの侵害に当たるのではないか、こういうことがもう一つ大きな懸念としてあるわけです。当然この法律立ての中にプライバシーの保護というのを埋め込まれているという、それはお立場はお立場でしょうが、まず、それを伺いましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 今回のシステムにおきましては、プライバシー保護というものに重点的に取り組んできたところでございます。制度的な面あるいは技術的な面、さらには運営面についてプライバシー保護の措置を講じております。
制度的な面では、本人確認情報を利用する機関あるいは利用目的、事務につきましては法律で具体的に規定を行うということ、また関係職員に対しましては安全確保措置、また秘密保持の義務づけを行う、それから提供先、国の機関等がこの情報を受けた場合には目的外利用することを禁止する、民間部門においては住民票コードの利用を禁止するということでございます。
技術的な面では、専用回線を使い、また本人確認情報の送信については暗号化の手法による、そのほかシステム面での相互認証など、プライバシー保護措置を講じております。
また、運用面におきましても、情報の保護管理者の設置あるいは安全確保などのための委員会の開催など、管理体制に関する措置を講じるとともに、個人情報保護の意識の向上あるいは安全、正確性の確保などについての措置というものも講じることといたしております。このような形で厳格に本人確認情報等を保護することといたしております。
○白浜一良君 一応、法律立てとしてそういうふうに配慮をされているということでございますが、民間のそういういろんな個人情報が非常に流出しているという事故がたくさんございますし、本年も京都の宇治市で住民基本台帳のデータが流出したという、あってはならないことでございますが、そういうことも起こり得るわけで、大変、プライバシーの保護、個人情報の保護というものが大きな懸念にもなっております。これは、最も民主主義国家として大事な、人権を守るという観点でも大事なことであるわけで、この点が衆議院でさまざまに議論もされたし、最終的に修正案をまとめる段階で御苦労をされた、このように伺っております。
きょうは、衆議院の方からも修正案の提案者の皆様にお忙しいところ来ていただきまして、長時間の本会議の後お疲れでございますが来ていただきましたので、どのような経緯で衆議院段階で修正案がつくられていったのか、この点をまず御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(宮路和明君) この点につきましては、午前中の御議論の中でもお話があったところでございますけれども、私ども衆議院では、三十時間を超える熱心な審議を夜も昼も朝もということで一生懸命やらせていただいたわけであります。
その中で、特に午前中もお話がございましたように、個人情報の保護、プライバシーの保護ということがとりわけ大きな論点になったわけでございまして、そこで、一つにはそうしたプライバシーの保護ということについての漠然とした不安といいましょうか、懸念というものがあるということでございましたし、それから我が国として、役所が、政府機関が持っておりますコンピューターの情報処理については、プライバシーの保護という面での法制は一応できておりますが、民間あるいは地方自治体についてはそういうものが全くない。
そこで、これから高度情報化社会がどんどん進んでいく中にあって、これで果たして欧米諸国と比べた場合にいいのかといったような問題点。そしてまた、自治大臣の方からも御答弁がありましたように、これからこの住民基本台帳法の改正案を施行するまでの間においても技術の進歩が日進月歩行われていく、あるいはまたプライバシーの保護ということについての国民の意識といいましょうか、そういうものも高まっていく。
そういうこと万般に思いをいたすときに、やはり附則の第一条第二項に示したような万全を期するための個人情報保護についての措置というものを講ずべきである、やっぱりそういう御意見が強かったわけでありまして、そこを踏まえて衆議院の段階でそのようなことを盛り込んだ附則を追加するという修正をさせていただいた、こういうことでございます。
○白浜一良君 よくわかります。
この修正案の中に、「所要の措置を講ずるものとする。」とありますが、今の説明でもいいんですが、ここにいわゆる所要の措置というのは具体的にどういう内容だとお考えになっておりますか。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) ただいま宮路筆頭理事の方からも若干お話がありましたが、私ども、所要の措置というのはほぼ三点において考えておるところでございます。
その第一点は、民間部門を対象といたしました個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えるというのが第一点。第二点は、一番目に言いましたシステムの整備状況を踏まえまして、住民基本台帳法におきますさらなる個人情報保護措置を講ずるため所要の法改正に持っていく、これが第二点。第三点は、地方公共団体が適切に住民基本台帳ネットワークシステムを運用することができるように、自治省といたしまして個人情報保護にかかわる指導を十分に行う。以上の三点を大体所要の措置と考えておるわけでございます。
○白浜一良君 よくわかりました。
今回の法案審議を通して、今回のいわゆるネットワークシステムだけではなしに、民間部門のそういう個人情報の保護ということも含めて検討される、これは画期的なことだと私は思うわけでございまして、自民党、自由党、公明党三党で実りある成果を期待するわけでございますが、既にそういう協議を始められておると伺っておりますが、どういう状況でしょうか、どの辺まで来ているんでしょうか。ちょっとその点の説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(宮路和明君) 私ども、三党間で六月四日に政策責任者間における確認書というものを取り交わしまして、そこで個人情報保護に関する法律について、三党間で今国会中に検討会を設置の上法制化の検討に着手し、そして年内に基本的枠組みの取りまとめを行い、三年以内に法制化を図るというような趣旨の確認を行っておるわけでありまして、それに基づいて早速六月二十三日に第一回の個人情報保護システム検討会を開催いたしました。
そして、その後二回、三回とやってまいっておるわけでありますが、これを大体隔週置きに一回開催して、目下のところ、政府の方から我が国におけるプライバシー保護システムについての検討状況のヒアリングを行ったり、あるいはまた海外におけるシステムについての勉強を行ったりいたしておるところではございますけれども、先ほど申し上げました年内に基本的な枠組みを取りまとめるということにいたしておりますので、これから精力的に検討を重ねて、そうした目標を達成し、そして三年以内の法制化に向けて一生懸命頑張ってまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○白浜一良君 どうもありがとうございました。大変大きな作業でございますので、御尽力されて、実り多い、いい成果を期待したいと思います。それで、もう時間もないので、恐縮でございますが、ありがとうございました。
これに関連して、きょう総務庁に来ていただいているのですが、実は六十三年にも、これは国が持っているいわゆるコンピューター情報ですか、を保護するという面で、個人情報保護法が制定されたわけでございますが、今後この本格的な個人情報保護法の整備を三党で協議されていくわけでございますが、これとの関連性はどうなりますか。
○政府委員(瀧上信光君) 総務庁の方で所管をしております行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律は、国の行政機関が保有する電子計算機処理された個人データを対象としております。
御承知のように、総務庁は国の行政機関の運営等についての総合調整機関でございまして、民間部門をも対象とした個人情報保護対策のあり方についての対応策ということを申し上げることはなかなか困難でございますが、今後の検討の中で、国の行政機関の保有する個人情報保護対策に関連する何らかの組み直しとか、そういったような必要が生ずるとすれば、総務庁としての立場から適切に対応してまいりたいと考えております。
○白浜一良君 ちょっと確認しますが、当然民間は、担当されているそれぞれ所管の各省庁の思いもあるでしょうから、そこで検討を開始されていくと思うんですけれども、それはそれでいいんですが、総務庁所管になっているいわゆる国のコンピューター情報の管理の保護法は、当然これ改正されるんでしょうね。当然でしょうね。そういうことを聞きたいわけですよ。
○政府委員(瀧上信光君) それは、今回の一連の検討の結果を踏まえて、必要あればということでございます。
○白浜一良君 必要あれば改正されると。それで結構でございます。
それともう一つ、大臣、ちょっと確認したいんですが、プライバシーの保護という面で、地方自治体でもいろいろそういう条例をつくっていらっしゃるところがたくさんございます。ちょっと調べていただいたんですが、千四百七団体ですかが条例があって、全体の四割程度と、こういうふうに伺っておりますが、これとの関連性というか、この法整備される中でこことの関連性というのはどうなるでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 市町村の条例でオンラインの接続を例外なく禁止しているというような団体があるわけですが、これが大体五百六十五団体ぐらいあるわけです。こういう場合には、今回のこの法律の規定によってその条例で定めております禁止規定が解除される、それは条例よりも法律が優先をする、こういうことですから、この点は問題はないというふうに考えております。いずれこれは、個別に条例自身について、そういったことの整合性も頭に置いて必要な見直しをしていっていただく方が適切であろうというふうには考えております。
○白浜一良君 もう時間がないので最後にいたしますが、大臣、建前論としてはそうなんでしょう、当然法律の方が優先しますからね。
ただ、それぞれ住民のニーズに従って市町村で定められた条例であるわけで、それぞれに議会も持っておりますし、当然市町村民の声を反映させてそういうものがつくられたわけで、今回の法改正の趣旨とは当然違うわけでございますけれども、それはそれでやっぱり住民のニーズとして大変大事なわけです。この辺は丁寧な作業、手続をしないと、単に法律が条例よりも優先するんだという、そういう建前論だけでは──これは十分各市町村にも御説明されて、それぞれの議会でも十分本法改正の趣旨を理解してもらって、今回の修正案という流れもあるわけで、含めてこれはよく御理解をそれぞれ自治体でやってもらうことが一番大事だ、そういう建前論でばっと行ってはいけないと、私は特にそう思うわけでございますが、最後にその点に関する所感を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 全く御指摘のとおりでございまして、今、一応法的な姿のことだけ申し上げたんですが、実際にはこういうプライバシーの保護の重要性を考えて条例を制定しておられるわけです。そういった点で、今回の法律ではこういうふうになるんですよといろんな具体的な事柄をきちんと詳しく御説明をして、その上でできるだけ理解をしてもらわなきゃいけない、その努力は御指摘のとおり鋭意していかなければなりませんし、そのようにいたしたいと考えております。
○委員長(小山峰男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。