住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会での審議 

←前へ  戻る  次へ→

第145回国会 地方行政・警察委員会 1999年7月8日

当サイト管理者による解説
 野田毅自治大臣より、住民基本台帳法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨説明が、また、修正案提出者である宮路和明(自由民主党)より衆議院における修正部分についての説明が行なわれる。


○委員長(小山峰男君) 住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野田自治大臣。
○国務大臣(野田毅君) ただいま議題となりました住民基本台帳法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資するため、住民票の記載事項として新たに住民票コードを加え、住民票コードをもとに市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理及び国の機関等に対する本人確認情報の提供を行うための体制を整備し、あわせて住民の本人確認情報を保護するための措置を講じようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたします理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、住民票コードに関する事項であります。
 住民票の記載事項として新たに住民票コードを加えることとし、市町村長は、住民票に、転入した住民については転入前の住民票コードを、初めて住民票が作成される住民については全国を通じて重複しない住民票コードを記載することとしております。
 また、住民は、住民票コードの記載の変更請求をすることができることとしております。
 第二は、住民基本台帳事務の簡素化、効率化に関する事項であります。
 住民は、住所地以外の市町村長に対して、自己または自己と同一の世帯に属する者の住民票の写しの交付を請求できるものとしております。
 また、住民基本台帳カードの交付を受けている住民については、住所異動をする際に転出地の市役所や町村役場に出向いて転出証明書の交付を受けることを不要にする手続を設けることとしております。
 第三は、本人確認情報の処理及び利用等に関する事項であります。
 市町村長は、住民票の作成などを行ったときは、本人確認情報として、その住民票に記載された氏名、出生の年月日、男女の別、住所、住民票コード及びこれらの変更情報を都道府県知事に電気通信回線を通じて通知するものとしております。
 都道府県知事は、別表に掲げる国の機関等から別表に掲げる事務の処理に関し、住民の居住関係の確認のための求めがあったときに限り、本人確認情報を提供するほか、一定の場合に本人確認情報を提供することとし、さらに、みずからの事務の遂行のために本人確認情報を利用することができることとしております。
 また、都道府県に本人確認情報の保護のための審議会を置くこととしております。
 第四は、指定情報処理機関に関する事項であります。
 都道府県知事は、自治大臣の指定する指定情報処理機関に本人確認情報処理事務を行わせることができることとし、これを行わせる際には、市町村長から通知された本人確認情報を電気通信回線を通じて指定情報処理機関に通知することとしております。
 また、指定情報処理機関に本人確認情報の保護のための委員会を置くこととしております。
 第五は、本人確認情報の保護に関する事項であります。
 市町村長、都道府県知事、指定情報処理機関及び本人確認情報の受領者である国の機関等について、本人確認情報の適切な管理のために必要な措置を講じることを義務づけ、また、定められた目的以外での本人確認情報の利用または提供を禁止するとともに、本人確認情報の電子計算機処理等に従事するこれらの職員に対し本人確認情報に関する秘密保持義務を課し、これに違反した場合に、通常の公務員の秘密保持義務違反よりも重い罰則を科すこととしております。
 また、民間において住民票コードが利用されることを制限するため、住民票コードの告知を要求することを禁止する規定を設けております。
 特に、契約に際して住民票コードの告知を要求することや住民票コードの記録されたデータベースを構成することを禁止し、これらに違反した場合に、都道府県知事が勧告、命令を行うことができることとし、命令違反について罰則を科すこととしております。
 さらに、自己の本人確認情報の開示と苦情処理についても、所要の規定を設けることとしております。
 第六は、住民基本台帳カードの交付に関する事項であります。
 住民は、市町村長に対し、氏名や住民票コードが記録された住民基本台帳カードの交付を求めることができるものとし、市町村は、この住民基本台帳カードを条例で定める独自の目的のために利用することができることとしております。
 最後に、本人確認情報の提供を受けることのできる国の機関等やその事務、都道府県知事が本人確認情報を利用することができる事務などを別表に掲載することとしております。
 以上が住民基本台帳法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(小山峰男君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員宮路和明君から説明を聴取いたします。宮路和明君。
○衆議院議員(宮路和明君) ただいま議題となりました住民基本台帳法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容について御説明申し上げます。
 政府原案におきましては、住民基本台帳ネットワークシステムの情報保護に関し、市町村長、都道府県知事、指定情報処理機関及び国の機関等は本人確認情報の安全確保措置を講じることとし、定められた目的以外での本人確認情報の利用または提供を禁止するほか、関係職員等に秘密保持義務を課すことといたしております。
 また、何人も自己の本人確認情報の開示を請求することができ、苦情処理についても本人確認情報保護委員会及び都道府県審議会が設置されるほか、民間において住民票コードが利用されることを制限するため、住民票コードの告知要求及び住民票コードの記録されたデータベースの構成をいずれも禁止するなど、民間部門を含めた個人情報保護に関する対応が講じられているところであります。
 しかしながら、法案の審議の中で政府側からは、現時点で可能な限りの個人情報保護措置を講ずるなどの説明が繰り返しなされましたが、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念が残っていることも事実であります。
 また、急激な情報化社会、ネットワーク社会の進展の中で、民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備を早期に進めていく必要性が高まっているとの御議論が地方行政委員会においてあったところであり、諸外国においても何らかの民間部門をも対象とする個人情報保護に関する法整備がなされているところであります。
 今後、地方公共団体が主体となって全国民を対象にしたこのネットワークシステムを円滑に導入していくためには、このようなプライバシー保護に対する不安や懸念を払拭し、国民の十分な理解を得る必要があります。
 このため、法施行に当たっては、個人情報の保護に万全を期するための施策の充実を図ることが不可欠であるとの認識から、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党の三会派共同により修正案が提出され、本委員会におきまして修正を行ったものであります。
 その修正の内容について申し上げますと、政府原案の附則に新たに「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」との一項を追加するものであります。
 以上が衆議院における修正の理由及び内容であります。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(小山峰男君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

←前へ  戻る  次へ→