住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会での審議 

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第145回国会 地方行政委員会 1999年5月13日

衆議院議事録

当サイト管理者による解説
 質問者 土肥隆一(民主党)
 質問者 古賀一成(民主党)
 質問者 白保台一(公明党)
 質問者 桝屋敬悟(公明党)
 質問者 春名直章(日本共産党)
 質問者 知久馬二三子(社会民主党)
 質問者 鰐淵俊之(自由党)
 質問者 滝実(自由民主党)
 ※ 強調は、当サイト管理者による。


坂井委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
土肥委員 おはようございます。民主党の土肥隆一でございます。
 住基法の中身についていろいろと細かく質問者が続いているわけでございまして、我が民主党も、きょう十時半からまた全議員集会をやりまして、この法案の取り扱いについて二回にわたって総会を開くということでございます。そういう中で、まだ結論が出ておりませんので、古賀筆頭によればあと四ページか五ページあると、もっとあるんですね、という話でございます。
 さて、今回の住基法、住民基本台帳法の改正といえばああそうですかということですけれども、よくよく中を考えてみればやはりさまざまな問題点がある。よく政治家は哲学論争だの宗教論争だの言いますけれども、やはりこれも一種の人生観というか個人観、個人の価値観みたいなものを含んでいると思うんです。
 チャップリンがつくりました「モダン・タイムス」という映画が昔ございました。これは、近代工業化社会、そしてベルトコンベヤーに乗って労働者が作業をしなきゃならない、その悲哀を描いた映画でした。彼はひたすら金づちをたたくだけの仕事をしておりまして、とうとう大きな歯車に巻き込まれてしまってぐるぐる巻きになるというふうな映画でした。その次は行き過ぎて、自動給食機みたいなのに座らされまして、口をあけると自動的に口の中に食事がどんどん入ってくるわけですね。そして最後、口をふくんですけれども、その機械がまた壊れて、口ふき機が彼の顔をたたくわけですね、盛んに。とんでもない目に遭うという。
 私も学生時代に、高校生でしたかの時代に見たんですけれども、今、日本の工業化社会、最も先端的な工場を持ち、そこにも労働者が働いているんですが、完全にロボット化ということによりまして、今度は人間も要らないというわけですね。
 そういうことを思い出しながら、実は住基法というのは、もう既に世の中に深く浸透している情報化社会のいわば行政版、そして、地方自治体は九〇%を超えるところの電子計算機による電算化というのが浸透しておりまして、いよいよ国家として、それぞれの省庁はもう完全な電算化をしているわけですけれども、国家として行政として、表向き、あるいは何といいましょうか、むき出しにという言葉を使ってもいいかと思いますが、それを国家管理のもとにというか、国家的規模で実施しようということだろうと思います。
 そうすると、やがて百年もたてばこれは普通の社会になるかもしれません。電子取引から電子マネーから、学校体制もなくなって、教育体制、小学校や中学校に行く必要がなくて、もう学校は行かないでいい。全部コンピューターの前に座っていればいい。病院にも行かなくていい。仕事も、会社に行かなくていい、全部電算機相手に仕事をする、コンピューター相手に仕事をする、そういう時代が来るでありましょう。
 そういう時代がいよいよ来るという意味での覚悟はしなきゃいけないのですけれども、覚悟というか、そういう状況というのは避けられないことでありますけれども、いよいよ日本の行政体系の中にもそうした統一的な、まさに時代をかいま見せるような、将来をかいま見せるような状況が起こるんだなというふうに思うわけであります。
 しかし、この技術、コンピューターシステムというのは本当に確立された技術なのかということをやはり考えざるを得ないわけであります。私が空想をしてみますと、一体、日本の中央、地方の行政の体系の中で電算機がどういうふうにつなげられて、そこに職員が配置されてさまざまな仕事をしているのか。
 私、一つここに論文がありまして、これはどなたがお書きになったんですかね、「住民基本台帳事務のプライバシー保護における問題と住民基本台帳法改悪」と書いてありますからその方面の論文だと思いますが、コピーでございますのではっきりわかりませんが、おもしろいのは、一体、市町村でどれくらいの人が今コンピューターに向かって仕事をしているかということで、彼は、住民三千人に一名の割合で住民基本台帳事務に従事しているのではないか、そうすると全国で四万二千人弱の職員が今コンピューターに向かって、住民基本台帳だけですよ、その仕事をしていると。
 それで、四万二千人という数字が当たっているかどうか、これは自治省に質問しても答えられないと思うのですが、そうすると、国はどうしているんだ、国はどうするんだということになるわけであります。
 私は自治省に、十六省庁九十二事務でどれくらいの事務量でどれくらいの人が今コンピューターに向かうだろうか、あるいはコンピューター化する前にどれくらいの職員数が張りついているんだろうかと素朴に質問しましたら、そんなのは回答できないということでいまだに回答が来ておりません。できないんだろうと思います。きのうも大分押し問答したんですが、一晩ではとても無理ですという話で、それは無理だろうということになったわけであります。
 そこで私は、今九十二事務だけれども、今後、法改正が必要とはいいながら、この十倍ほどの、あるいは百倍ほどのと言っていいか、住民基本台帳で本人確認が必要な事務というのは十倍以上になるのではないかと思うわけであります。それも自治省は答えてくれません。
 しかしながら、今にしても九十二事務が、この住民基本台帳法が通りますと、一体化されますと、いわゆる全国センターにアクセスするわけですね。すると、地方では四万二千人ぐらいかかわっている。みんな大体、役所に行きますと自分の机に全部コンピューターを持っているわけでありますから。そこにアクセスするいろいろなチェック機能、かぎというのは必要ですけれども、膨大な数がコンピューターに向かう。そして、四情報とはいいながら、いわば国民の管理を、管理というか国民の動向を一挙に把握するということになるわけであります。
 そこで、自治省にお尋ねいたしますが、どうでしょうか、十六省庁九十二をまとめられた経過、そして、なぜ九十二なのか、なぜ十六省庁なのかをお答えいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このシステムは、お話しのように、本人確認情報、住民票コードと住所、氏名、年齢、性別、この情報を、あと付随情報でございますが、全国的に利用できるようというものでございまして、昨年法律をお出ししまして、その前の年に、構想のいわば試案というものをお示ししたわけでございます。
 そういったことを踏まえまして、この法案を作成するに当たりましては、事前にそれぞれの制度を所管いたします関係省庁ともお話し合いを行いまして、御要望も伺い、十分に調整を図った上で、利用機関及び利用事務、利用目的というものを別表で書くということで、別表を作成いたしたものでございます。
 その後、省庁間の最終的な調整ということで、改正法案の閣議決定を経て、国会提出に至ったものでございます。
土肥委員 そうすると、どうですか、九十二事務、十六省庁に、例えば厚生省ならば厚生省のいろいろな事務の中で本人確認事務が幾つあるか知りませんけれども、それの一つ一つに当たっておたくはどうですかというような交渉をして、ぜひ参加させてくださいというような話を、どのような方法で、そしてどういう交渉を経て、どういう検討を経て九十二事務に落ちついたのか、もう少し詳しくお話しください。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このシステムの基本的な骨格について御理解をいただいた上で、この本人確認情報というものを利用していただくということにつきましては、主として、継続的に行われるような給付行政、また、資格付与にかかわる分野で国民に関係の深い行政事務などを掲げるということにいたしております。
 自治省といたしましては、この法案を作成するに当たりまして、事前に各制度を所管する関係省庁の御要望を伺いまして、お話し合いをし十分に調整を図った上で、別表において対象機関、対象事務を決めまして、法案作成に至った、こういうことでございます。
土肥委員 十分に調整したとおっしゃいますけれども、その辺に私は疑問を持つわけです。例えばコスト計算なんかは話し合われたんでしょうか。ちょっと質問にありませんけれども。
鈴木(正)政府委員 各省庁においてこのシステムを利用する場合につきましてですが、このシステムの方から提供することが可能な事務、九十二事務でございますが、各省庁の要請、要望というものを踏まえて決定をいたしているところでありまして、費用対効果などの検討につきましては、私どもの方では、各省でどのように行われたかは承知をいたしておりません。
土肥委員 それでは、今回の市町村から全国センターまでつなぐ、そしてそれを省庁がつなぐというシステムをお話しになって、この部分は、例えば市町村と県センターの間はバッチシステムですよ、あるいは省庁とそれから全国センターの間は、まだファイアウオールなのかあるいはバッチシステムなのかわかりませんが、こういうものですがどうでしょうかというふうな、システムのお話もしたんでしょうか。
鈴木(正)政府委員 このシステム自体は、市町村に設置されましたコンピューター、それから各県のコンピューター、それと指定情報処理機関のコンピューターを相互に専用回線で結んでいるという構成でございます。
 他方、お話のございましたコミュニケーションサーバーと既存の住民基本台帳システムとの情報交換、あるいは国の機関などへの本人確認情報の提供、こういったときには、磁気媒体、フロッピーディスクなどを通じたバッチ処理を行うことも想定をいたしております。これは、個人情報保護を第一に考えて、かつ即時的な事務処理にも大きな支障が生じないという接続方法と考えております。
 全国センターの方から本人確認情報を提供するに際しましては、各省庁のコンピューターシステムとの互換性などの問題もありますが、データ交換に支障がないように、十分に調整を行っていくということで考えております。
土肥委員 それでは、自治省の九十二事務にまとめ上げられた中に入っております、私の大変親しい厚生省だけきょうはお呼びしております、本当は十六省庁全部呼びたいところですけれども。
 厚生省にお聞きします。
 まずは、二省お願いしております。一つはいわゆる援護法の関係で、戦傷病者戦没者援護法の担当はこれに参加しております。それから、巨大な年金を扱っております社会保険庁は相手にもしないというような感想でございます。言いにくいところは、役所同士ですから言えるところだけ言っていただければいいんですが、なぜ援護局はこの戦傷病者戦没者援護法だけを申請したのか、ほかに申請したいものが厚生省の中になかったのか。なぜ申請したのかの理由として、例えばコストなども含めて、あるいは事務量なども含めて御説明いただいたらありがたいと思います。
炭谷政府委員 まず、厚生省の中におきまして、私どもの援護法の関係で住民基本台帳ネットワークシステムを利用させていただくということにいたしたわけでございます。後ほど御質問があろうかと思いますけれども、社会保険関係を除きまして、厚生省におきまして国みずからが継続的な給付決定をしているというものは、援護年金が代表的、多分これあたりしか頭に想定されないわけでございます。
 そこで、私どもの援護年金の関係についてこれを利用したという理由でございますけれども、私どもの援護年金は、遺族の、受給者の方々が亡くなられた場合とか、また、扶養をされている方が亡くなられた場合などは届け出ていただくということになっております。ただ、届け出されずに過払いになるケースも多うございますので、私ども、毎年四月に受給権の調査、いわゆる生存の有無の確認ということをしているわけでございます。ただ、これは何分にも、援護年金の方々は高齢で、平均年齢八十歳を超えていらっしゃるという状況でございますので、私ども、できるだけこれを簡素化したい。また、援護年金の受給者の方々からも要望が非常に強うございます。そのような観点から、できるだけこれを簡素化したいという方向で思っておりました。
 そこで、この住民基本台帳ネットワークを使いますと、先ほどの生存の有無の確認というものにつきまして、私どもの台帳と突き合わせることによって簡便にかつ正確に行うことができる。一方、受給権者の方々から煩わしい生存の確認というものが簡素化もしくは廃止ということができる便利を考えまして、このようなシステムを利用させていただくということにいたしたわけでございます。
土肥委員 ちょっと局長、コストはどうなんですか。往復はがきで出して五万人とおっしゃったのですか、それで、そのコスト計算について自治省と話し合われたんですか。
炭谷政府委員 私どもも、行政をやる以上、費用対効果というものは非常に重要な要素だと思っております。はがきの場合、その往復ということを考えますと、最低百円という形になろうかというふうに思います。また、そのほか、印刷コスト、事務経費を考えると、一件当たりの価格は相当高うございます。
 それに対しまして、今回のシステムを使いますと、私ども、まだ正確な一件当たりのコストというのは決まっていないということだろうと思いますけれども、大体、それよりもはるかに少ないコスト、一件、その二割から三割というような比較的少ないコストでいただける、確認できるというふうなコスト計算も頭に想定いたしております。
土肥委員 まだこのシステムは確立していないのですから、料金体系というのはまだ出ておりませんからね。コスト計算までするのはなかなか大変だろうけれども、そういう話があったのでしょう。従来のものよりも八割安でできますよというような話があったのかもしれません。
 今、局長は、継続的に本人確認をしなければならない事務は戦傷病者戦没者の援護法だけだというふうにおっしゃいましたが、調査室が出しましたこの資料によりますと、これは住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会報告書添付資料、こうなっておりますが、住民票の添付が必要とされる主な行政手続として、社会保障関係は十何本上がっているのですね、全部援護局がやっているわけではなくて、厚生省全体の話でありますけれども。もし一つだけとおっしゃるならば、ほかは聞かなければいけないのですが、それくらいにしましょう。
 そうすると、厚生省には自治省から、援護局なら援護局に話が来たのでしょうか。それとも、厚生省全体で話が来て、振り分けて、それぞれ内部で検討して手を挙げたのでしょうか。その受け手側の経過をお知らせください。
炭谷政府委員 自治省の方から私ども官房の方に、具体的に申しますと政策課というところに協議がございまして、各局にそれぞれ利用できるものがないかどうかということの検討が各局レベルでなされたわけでございます。そして、私ども社会・援護局では、それを利用するに適当だというような判断をし、他局はそれぞれの判断においてされたというふうに理解いたしております。
土肥委員 社会保険庁にお願いします。
 被保険者数七千万人。受給者数、これは三千万人ぐらいいるのでしょうか。巨大な事務を一本化いたしまして、基礎年金番号を打ちまして処理をしていらっしゃいます。
 この住民基本台帳ネットワークシステムに参加しなかったのはどういう理由なのか。仕事の内容、コンピューターシステムの中身も若干触れていただいて、なぜ参加しなかったのかという理由を御説明ください。
宮島政府委員 お答えいたします。
 社会保険庁の方におきましては、今、記録の管理ということにつきまして、現在、公的年金制度の加入者の記録につきましては、これまで各制度ごとのそれぞれの年金番号によって別々に記録が管理されてきたという状況がございました。
 そうしたことが、業務の適正化、あるいは効率的に進めるという意味で非常に不都合がございましたので、年金事業運営の適正化、効率化を図るということを進めるために、こうした各制度ごとの別々の年金番号というものを、すべての公的年金制度において共通して使用する基礎年金番号というものの導入を進めてまいりまして、平成九年の一月からこれを導入したところでございます。
 これによりまして、各制度を通じた生涯の加入記録をまとめて把握するということが可能になりましたし、また、制度を超えて移動した場合の資格取得の届け出が漏れたという場合であっても、未届け者に対して届け出の勧奨を行うということも可能になってきたわけでございます。
 こういう形で、社会保険庁におきまして、今、先生御指摘のように、被保険者数約七千万人、年金受給者数約三千万人という非常に膨大な情報を保有して、年金業務のための独自の業務処理システムを行っているところでございますけれども、先ほど言いましたように、基礎年金番号というのは平成九年一月に導入いたしまして、約一年間かけて付番を行ってまいりまして、今回ようやく軌道に乗ってきたという段階にあるところでございます。
 一方、住民基本台帳ネットワークにつきましては、こちらも約一億二千万という非常に膨大な情報を住民票コードによって運営するというものと承知しているところでございます。
 お話がございましたように、住民基本台帳ネットワークを年金業務に活用するということにつきましては、双方、非常に膨大な情報を連動させるということでございますので、効率的な方法なり、先ほどから話もありましたように、費用対効果、こういったものについて十分な検討が必要かと思いますので、そういう上での検討を行った上で対応していきたいというふうに考えているところでございます。
土肥委員 大臣、今、五万人の援護局の取り組みと、一億人を集めた年金番号のコントロールをしている年金局の話が出たのですが、いわば一億二千万と一億ですから、これは巨大なネットワークを持つわけでありまして、むしろ、今、私の素人考えでは、社会保険庁がそれだけのものをやっているのならそっちへ乗せた方が安いのではないか。それぐらい思うぐらい。大きいのは乗せられないということになって、あるいは、本人確認をそんなに一々住民基本台帳からとらなくても自分のところでできるのだというところは乗らないということなのですね。
 こういう状況というのは、私、自分でちょっと行政的に整理がつかないのですけれども、そういうものが幾つもあっていいのかどうか。そして、できないものは全部外していってできるだけというと、何か小規模な、あるいは雑多な仕事には向いているけれども大きいシステムには向かないというふうに感じられるのですが、大臣、もし御答弁なさるならなさっていいですが、局長でも結構ですが、どうでしょう。その整理をどうしたらいいのかということですね。局長に答えてもらいましょうか。では、局長、お願いします。
    〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 住民基本台帳システムの利用につきましては、この法律案では九十二事務ということでございます。
 先ほどお話ししましたように、その中心は継続的な給付行政の場面で、今ほどお話がありましたように、特に生存確認などについて活用の効果が大きいということで、継続的な給付行政の面。それから、資格付与、あるいは試験などのときに住民票の添付を必要としているという面がありますので、その分野で本人確認情報の提供による効果が大きいという、二つのものを中心として今回の法律案に盛り込んでおります。
 お話しのように、年金業務につきましては、今年金関係の情報は、私どもは四情報、住民票コードプラス付随情報だけに限っておりますが、それ以外の年金業務に必要ないろいろな情報を、全体的に年金業務ということで、基礎年金番号のもとに管理されているということでございます。
 厚生年金、国民年金、いずれも継続的な給付行政という面では適用可能なものでございますので、社会保険庁の方で御検討されて、このネットワークの利用についてということでお話がございますれば、私どもの方としては十分それに対応して検討してまいりたいと考えております。
土肥委員 最後のところ、大変興味ある発言でございまして、今後も社会保険庁と相乗りする可能性はあるのだという話でございます。
 そうすると、例えば年金関係でいいますと、この一覧表、九十二事務の中で、国家公務員共済組合だとかあるいは私立学校共済事業団だとか農林共済など出ておりまして、共済関係のボリュームならば今すぐ乗れますね、今後社会保険庁の厚生年金業務も住民基本台帳と相乗りできることになると今行政局長おっしゃったわけでございまして。
 そうならば、ますます将来は巨大なコンピューター行政というのが実施される、そしてそのコンピューター行政の中に国民はすっかりおさまりまして、日々の生活をしていく。四情報とはいえ個人情報ですから、国税庁などにも聞いてみたいところでありますし、警察庁にも聞いてみたいところでございますけれども、警察庁などは一つも出していらっしゃらない。それから、防衛庁は何か一つだけ出していらっしゃると思いますけれども。
 したがって、九十二事務というのはまず第一歩です。今後はできる限りの行政事務に、本人確認が必要な場合、あるいはあえて言いますならば、このコード番号を使って一元的な行政事務を行う可能性もあるのかということをお聞きしたいと思います。
    〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このシステムは、住民基本台帳に基づきまして、そのうちの四情報と住民票コードと附属情報を最新の正確なものを提供できるというシステムでございます。それぞれの行政分野で、この情報を厳格な個人情報保護の措置のもとで御活用いただくわけでございます。
 当然、住民基本台帳法に定める目的の範囲内での利用ということでございますが、今ほどお話ししましたように、継続的な給付行政、あるいは資格付与の行政の面では活用がされるものであると考えております。
土肥委員 コード番号の活用はどうですか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 この住民票コードは、本人確認のためのいわば、住所、氏名、年齢、性別、付随情報、変更情報です、それを簡易に引き出すためのいわばインデックスのコードでございますから、コードもその他の四情報も、それぞれの行政分野で法律改正により認められた目的のために使われるということでございます。大いに役立つ分野としては、継続的な給付行政、あるいは資格付与の行政手続面で効果があるのではないかと考えております。
土肥委員 私が言いたいのは、例えば年金番号とこの住民基本台帳のコードと、一緒のものにはできるんですかできないんですかということです。技術的にできるんじゃないですか。
宮島政府委員 私どもの年金業務については基礎年金番号という番号を使っておるわけでありますけれども、政府全体を見ましても、各行政分野において、それぞれ独自の業務番号を使って今事務処理を行っているという状況でございます。
 したがいまして、そういった各行政分野の業務番号を統一化するかどうかということについては、行政事務における業務番号のあり方をどうするかということについての十分な議論がなされるべき問題ではないかというふうに考えております。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 住民票コードでございますが、各行政分野ごとの独自の番号制度というものがあるわけでございますが、それについて、それぞれ独自のものを持つことは行政の簡素効率化の観点から適当でないという考え方もあろうかと思いますが、一方、個人情報の観点からは、住民票コードがあらゆる行政分野に共通して利用されるということは問題であるという御意見もあるわけでございます。
 現在、この住民基本台帳法に基づく住民票コードにつきましては、それをそれぞれの行政分野で、例えばパスポート番号もありますし、運転免許証番号もありますし、今は基礎年金番号もありますが、それと私どもの住民票コードとは両立し得るものと考えております。
土肥委員 だから、ここには技術の専門家がいらっしゃるかどうかわかりませんけれども、コンピューターの専門家、そういう乱数表で十けたのコード番号というのは、いわば機械的にできるわけでありまして、ボリュームからいっても、十けただと何倍できるのかな、幾つの可能性があるんですかね、何億という番号の割り振りができるはずでございます。そうなりますと、先ほど免許証のこともおっしゃいましたけれども、全部統一番号にする可能性は技術的には可能だというふうに思うんですが、どうでしょうか。
鈴木(正)政府委員 住民基本台帳のコードにつきましては、基本的な考え方といたしまして、行政内部とか公的部門で使う秘密番号ということでございます。民間利用させないということでございますから、そういう面では、基礎年金番号、免許証番号、それからパスポート番号とは異なっておりますので、そういうことで、住民票コードと今申し述べました番号とを統一するということは考えておりません。
土肥委員 いや、ですから仮定の話で、今そんなことを言うと自治省も大変お困りになろうから私が言いますけれども、十けたで足りなければ十二けたにして、十一けたでも十二けたでもいいんですが、行く行くは、技術的にはまさに国民総背番号といいましょうか、それは可能なわけでありましょう。したがって、私どもが死んだ後、後世の人たちが、それもよかろうということで、統一番号で生きていこうよと。
 そして、これはフィリピンでしたか、電算機で入れさせるために、候補者にコードナンバーをつけたんですね、一一七一は土肥隆一と。そうすると、土肥隆一と言わないんですよ。一一七一、一一七一と言うんですね。みんな番号で投票するわけですから、名前を覚えなくてよろしい。恐らく識字率の関係もあって、コード番号で選挙をしたことがあるので、これも一度やってみて、どんなものかと、おもしろいんじゃないかと思うんです。将来のコンピューター社会を想像させる。
 また、もう既に地方自治体でやっている選挙人名簿、これは自治体の独自の、要するに住民基本台帳の中に入っているわけでありまして、それも電算化されているわけでありまして、瞬時に、今有権者は何人いるというようなことが細かく町内別にも出るようになっておりまして、そういう中でありますから、将来はそういう社会になるだろう。
 したがって、私はやや腰の引けた議論をしておりますが、それはやはり、このとき住基法を私どもがこの国会で通すことによって、恐らく将来の日本の、今は行政におけるネットワークというものが確立されようとしている入り口に立っているわけであります。それだけに、私は慎重な論議を要求している次第でございます。
 九十二事務というのは、恐らくとりあえず出した数字じゃないのか。本人確認をしたいけれども、もう一つしたい、もう一つというのは例えば続柄でありますとか、それから、もう少し入らないと困るというのは家族構成、もっと本格的に言えば本籍みたいなものですね、それも入ると便利ねと。そうすると、もうほとんど本人確認の必要は住民基本台帳で仕上がりますから、これはまた法律改正が必要だとおっしゃるのはわかりますけれども、いわば四情報プラス幾つかのものが入ると、どっと中央省庁も参加してくるんではなかろうか。
 そして、コード番号というのはけた数を多くすればそれだけボリュームが大きくなるわけですから、どんな番号にも、どんな行政事務にも応用できるというものだろうというふうに考えます。ですから、今私どもが住民基本台帳法の審議をしているこのとき、いわば行政における電算化、そしてネットワーク化ができ上がってしまう。
 先ほど言いましたように、地方では今でも四万二千人ぐらいの人がコンピューターに向かっている。そして、中央行政では、これは何万人になりますか、やはり万単位の人がコンピューターに向かっている。そして、アクセスするときには不正防止が、あるいは危険防止がいろいろとなされるでありましょうけれども、そんな五万、八万、十万という人がかかわっている仕事をコントロールできるはずがない、私はそう思うんであります。
 ですから、安全ですよ、このネットワークシステムは外に漏れることはありませんと幾ら言ったって、膨大な数の人たちが取り組んでいるコンピューターをどうやって、一番過ちを犯しやすいのは人間なんですね、コンピューターは壊れたらそれは過ちですけれども、コンピューターの責任じゃないわけで、それを扱う人たちが五万、十万となってきたときに、一体この安全システムというようなものが可能なのかどうかということであります。これは自治省も可能だというふうに言い切れないと思うんでありますね。
 私は、大変難しい話だな、こう思うわけでありまして、究極のところ、ごく狭い事務の範囲だったらセーフティーネットが張れるわけでありますけれども、便利なもの、コンピューターというのは便利なんですから、多角的、多面的に使うべきものでありまして、フルに使おうと思えば事務が膨大にふえるということになります。そうした中で、果たして不正なアクセスを防止できるのかどうかということであります。
 ちょっと技術的なことをお聞きしますが、私はこの組織図を見ておりまして、ネットワーク図を見ておりまして、コンピューターの特性を生かせば、市町村から中央センター、そして各省庁、全部オンラインで即時に検索できてアクセスができるようにするのが常識だと思うんですね。それを、磁気テープでございますとかあるいはコミュニケーションサーバーをつけて都道府県で一度管理して、それをまた全国センターに持っていくというふうな、何かこのシステムはまだ確立していないんじゃないか。この市町村にある四万三千台のコンピューターを市町村コミュニケーションサーバーに入れて専用回線で都道府県のセンターに持ってくるという技術、一体これは確立された技術なんですか、お聞きいたします。
鈴木(正)政府委員 今回導入をいたします住基システムでございますが、コミュニケーションサーバーと市町村の既存の住基台帳システムということにつきましては、その間は直接接続しない方向で検討を進めているということで、その具体的な方法としては、今お話のございましたフロッピーディスクなどの磁気媒体を通じてデータ交換を行うという方法、もう一つは、ファイアウオール的機能を介した上で回線による接続を行う方法などを想定いたしております。実際にどのような接続方法を採用するかについては、十分慎重な検討をいろいろな観点から行った上で決めていきたい、こういうふうに考えております。
土肥委員 要するに、市町村の住民基本台帳電算システムとコミュニケーションサーバーの間には、磁気テープ、つまりフロッピーディスクを使わざるを得ないような各種多様なコンピューターシステムを持っておって、それを一気に都道府県専用回線につなぐことはできない。
 恐らく、私の考えでは、フロッピーディスクなんというものを持ち歩くこと自体が非常に危険でありまして、落としたり、なくしたり、とられたり、よく小学校の先生が通知表をどこかへなくしちゃったとか、車の中に入れたらとられちゃったとかというような話があるように、かえってそれは危ない話でございまして、まだ技術的に、フロッピーディスクを持ち歩くというような概念は何かやはりコンピューター社会の合理性には合っていない。いや、そうではなくて、技術的に無理だと言うからそういう幾つかのバリアができてしまっているというふうに私には感じられるのでありまして、これは五年後に確立する技術かもしれませんけれども、その辺も指摘しておきたいと思います。
 そこで、あと一つ、二つお願いしたいんですが、市町村ではコンピューターに関する個人情報保護条例というのを、これはオンライン禁止事項として、国とのオンラインを禁止しているのが五百七十二団体、オンラインをやっている自治体の四三・六%、国とのオンラインの制限をしているのが四百八団体で三一・一%あるんですね。合計しますと、国とのかかわりでオンラインはだめですよというのは九百八十団体、七四・七%。これは相当な高い率だというふうに思うんであります。
 このことについて、自治省は、本法の三十一条ですか、都道府県を指導するんだと、国または都道府県の指導というところで三十一条があるんですが、この一条でもって、あなたたちが今まで言ってきた、国とのオンラインはだめですよというふうな内部規定を一瞬のうちにほごにしてしまうような話になるんでしょうか。いかがでしょうか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 地方公共団体でも個人情報の保護条例の制定というものが、プライバシー保護の重要性の認識が深まるにつれて毎年度ふえてきております。その中で、お話しのように、オンライン接続禁止の規定を設けているところがございますが、年々、一律的な禁止条項については減ってきている、こういうことでございまして、従来から、一律的な禁止条項については十分見直しをしてその必要性について吟味をするようにということで、地方団体にお願いしているところでございます。
 それで、お尋ねの点でございますけれども、条例でオンライン接続を例外なく禁止しているというケースもあるわけですが、この住民基本台帳法に基づきまして、本人確認情報の送受信につきましては、十分な個人情報保護措置を講じた上でこの法律で規定を置いておりますので、条例の禁止規定が解除される、こういうふうに考えております。
 その他の個人情報の送受信につきましては、それぞれの地方団体の条例の禁止規定は従来どおり効力を有するものである、このように考えております。
土肥委員 だから、その四情報についても国とオンラインをしないということになっているわけです。ですから、それはどうやって説得するのですか。もっと言えば、つまり地方が考えた電算化の危険性というものは、国にアクセスすることもやはりよくない、一つの価値観なんですね。今、住民基本台帳の問題は価値観までもぶつかっているわけですよ。私の価値観と自治省の価値観はかみ合っていないわけですね。民主党の中でもまだ価値観がぶつかり合っているわけです。そういう中で、地方の価値観と国の価値観とをどう調整するのですか。法律的に、一方的に三十一条でやるのですか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このネットワークシステムは、いわば市町村と都道府県が連携して、市町村の区域を越えて本人確認情報を提供するというシステムを構築するものでございます。そのために、必要な限りで必要な範囲内で限定して、四情報プラス住民票コードと付随情報、これにつきましては全国的に相互に通知し合って本人確認情報が提供できるようにシステムを組むものでございますので、そういった面では、先ほどお話しいたしましたように、オンライン接続禁止の規定条例を持っておりましても、その点についてはこの法律の規定を置くことによりまして解除されるものと考えておりまして、それ以外の個人情報の保護については、なお条例は有効に効力を有している、このように考えております。
土肥委員 では、もう地方自治体とは詰め切ったのですか。これから詰めるのですか。地方自治体が持っている条例、条例は改正しなければいけませんから、それは詰め切っているのですか。これから説得なさるのですか。それだけ聞いて終わります。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 条例と法律との関係でございますが、法律的な解釈は今ほど申し上げたところでございますが、この法律を成立させていただいた後には、それぞれの市町村において、条例の法律との整合性をとった整備が図られるということが望ましいと考えております。
土肥委員 終わります。
坂井委員長 次に、古賀一成君。
古賀(一)委員 前回、逐条質問をさせていただきまして、大変多くの質問が逐条だけでも残っておりまして、きょうは時間をいただきまして再度その続きをさせていただきたいと思うのですが、その前提として、通告は前回しておりませんが、これからの質問をするに当たって、ぜひ基本的認識をお聞かせいただきたいことがございます。
 それは、この前も申し上げましたけれども、いわゆる一般回線とつなげば情報というものは漏れる、専用回線同士の中でも問題はあるのですが、とりわけコンピューターというのは一般公衆回線と結んだときに情報というのは漏れるものだ、もうそれは鉄則であるというか、まず間違いなく覚悟してかからねばならぬという話を、私はコンピューターのプロからくどく言われたのですね。
 この点についての認識。専用回線じゃないのですよ、いわゆるコンピューターというものは公衆回線と常時つないでおけば情報というものはとられる、あるいは壊される可能性がある、この認識について、自治省は基本的にどう思っておられるのか、それをまずちょっと。これは質問通告しておりませんでしたけれども、お聞かせをいただきたいと思うのです。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このネットワークシステムの中におきましては専用回線でつなぐということで考えております。
 それで、外との関係でございますが、その具体的な方法につきましては直接接続しないという方法でございまして、一つはフロッピーディスクなどによる磁気媒体を通じてデータ交換を行う、もう一つはファイアウオール的機能を介した上で回線による接続を行う、そういった方法を想定いたしておるところでございます。
古賀(一)委員 いや、このシステムどうのこうのではなくて、いわゆるコンピューターというものの存在は一般公衆回線とつなげば漏れるというその指摘に対して、そう思ってこの法律体系をつくってあるかどうかというのは極めて重要なことであります。
 今、専用回線を使うとかディスクを持っていくとかそういう話がありましたけれども、そういうことは私は聞いておりませんで、いわゆる一般公衆回線とコンピューターをつないだ場合に情報が漏れる危険性が高いというか、あるプロの指摘によれば、絶対漏れると考えよという指摘を受けておるわけでありまして、そういう認識でおられるのかどうか、それを本当は聞きたいわけです。専用回線だから大丈夫というのは、専用回線はいいのです、一般公衆回線と結んだ場合の危険性の認識を再度はっきりお聞かせいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 先生の御指摘というものを十分踏まえまして、実際にどのような接続方法を採用するかにつきましては、これからいろいろな観点から慎重な検討を行った上で、法案成立後に地方団体間の協議によって決めていく、こういうふうに考えております。
古賀(一)委員 私は前回の質問で、いわゆる市町村間のつなぎというものはどうなるのだろうか。それは専用回線という規定はなかったわけで、この前ディスクを持ち運ぶどうのこうのという議論があったのですが、私は、実際は、コンピューターの特性からいって、まあ、山奥の何とか村からある住民が都心部に行ったからその関係のディスクを送るとかいうようなことはもうあり得るはずがない、それは恐らく一般公衆回線しかない、そういう運用になるのではないかということを大変恐れておるわけです。
 つまり、公衆回線と結んだときそこが穴となって、結局全体のシステムにアクセスしてくる者がいるのではないかということを大変恐れておるわけで、私は、今の御答弁でいいますと、そういうことのないように今からという話ですけれども、これはいわば本質部分で根本的なこのシステムの危険性ということにつながる問題でございまして、それははっきり申し上げておきたいと思います。
 もう一点、基本認識をお聞かせ願いたいのです。
 前回も申し上げましたけれども、これからの質問に関連するのですが、いわゆる住民票コードという数字が、今回各省庁あるいは各市町村あるいは市町村の執行機関というものに、媒体は別としましてどんどん伝わっていく。その場合、いわゆる名簿屋さんといいますか情報屋さんの話を聞きますと、一件一件がばらばらにあるのであればそれは名簿としての価値はないけれども、それが一覧表示、つまり、先月の全国で亡くなった方々の一覧表、つまり恩給ですね。恩給局には、これはデータは流れるわけですね、法律上。
 こういった一覧表示が、コンピューターの画面、あるいはそれからプリントアウトされて紙に印刷されたときに、これは実は大変な価値を持つデータになるのです。私は、一覧表示というものをつくったときに、これはいわゆるハッカーなり名簿屋さんなり、そういうもののターゲットになる、これが怖いということをこれまた聞いたのですが、そこら辺はどういう認識で自治省は、この法案をつくられるときに、一覧表示というのは大変危険だ、役所に九十二事務について提供するのだけれども、この一覧表示というのは大変危険な存在になるというその認識について、自治省はどうお考えか、まずお聞かせ願いたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このシステムは、いわば本人確認情報、住民票コードと、それと一緒になった形での氏名、住所、性別、生年月日というものは、非常に保護の必要性のある秘密性の高いものという考え方を持っております。
 この前提といたしまして、電子計算化、高度情報化ということが前提となっているわけでございますので、お話しのようにコンピューター処理ということで予想されるわけでございます。そういった面で非常に、住民票コード及びそれとつながった氏名等は秘密性の高いもの、こういう認識を持っておりまして、お話しの市町村、都道府県、指定機関、それから情報を受け取る側の市町村、都道府県それから国の機関等、及びそれらにかかわります委託を受ける受託業者、そこの従事する職員については、守秘義務をかけまして罰則で担保し、事業者に対しましては、安全確保措置を法律上義務づけている。
 このようなシステムをとっているところでございますが、お話しのように、当然従事する者の意識の向上あるいはそれをチェックする体制等は必要なものでありまして、十分その点については今後意を図ってまいりたいと考えております。
古賀(一)委員 私は、私の今の質問にはっきり答えていただいていないように思います。また別の何か答弁だったと思うのですが、今の答弁だけをとりましても、いわゆる窃盗あるいは殺人については刑法上こういう罰則を設けております、したがって大丈夫ですと言っているに実は等しいわけですね。それが一件一件の、あるいはごく限られた情報で済むのであれば、それは罰則で担保、犯した場合は厳罰を加えられますよで済むのですが、コンピューターというのは、いわゆる瞬時にして極端に言えば膨大な情報をとれるというところに、実は、罰則で済まない怖さというか危険性があるわけでありまして、私は、そこを前回の質問からくどく言っておるわけであります。
 そこで、具体的に私は、今の局長がおっしゃいました問題を、逐一条文に従ってこの前の続きでやらせていただきたいと思うのですが、今の答えに関連するのですが、三十条の三十三という条文がございます。本人確認情報の提供を受けた市町村や都道府県の執行機関あるいは国の機関は、電子計算機処理を行うに当たり、本人確認情報の安全確保の措置を講じなければならない。安全確保の措置。こういうさっぱりとした条文であるわけです。
 つまり中央省庁に、あるいは各執行機関に十六省庁九十二の事務を毎日オンラインで結んで、日々膨大な情報を指定情報処理機関から流すのですね。そのときの受け皿の方が、実は、本人確認情報の安全確保の措置を講じなければならないという、この程度の文言で処理されておるわけです。私は、冒頭申し上げました、つなげば漏れるというところの検討が、全国センターは専用回線です、もう一生懸命自治省がPRをしておられた、それはそれでいいと思う、しかし、肝心のつないだ各省庁がいわゆるこの程度の規定であった場合に、あるいは罰則は設けているとおっしゃるでしょうけれども、恐らく全国センターからコンピューターにつながれ、あるいは会計処理もある、手紙を出さなければならぬ、つまり印刷担当の文書課にもコンピューターをつなぐ、会計課にもつなぐということで、各役所は省内のコンピューターと絶対、これはもう常時つなぐと思うのですね。そうすると、そのコンピューターは、実はほかの公衆回線と間違いなく私はつながれておるということになると思うのですね。
 だから、これはいわゆるLAN等によるコンピューターとの接続の禁止とか、あるいはこの前も申し上げましたけれども、確たる専用回線という縛りを設けておるのか。そこら辺の、いわゆる市町村、県、全国センターじゃなくて本当の末端で使うそういう各省庁、これとの関連でのいわば情報漏えい対策、これが本当に万全であるかということが、私は一番のこの法律のポイントの一つだと思うのですね。
 ここら辺は、安全確保の措置を講じなければならない、この程度の記述なんですけれども、私はそれで済む話ではないと思うのです。これは自治省としてどう説明といいますか、万全の措置であるということをどう説明されるのか、お聞きをいたしたいと思います。これは一番重要なところですから、大臣にお答えいただければ、よろしくお願いいたします。
野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、この第三十条の三十三第一項というのは、安全確保の措置を講じなければならないということの規定であります。
 これのいわば担保措置みたいなことをどうするかという御質問であろうかと思うのですが、ここで規定しております市町村長その他の市町村の執行機関、都道府県知事、あるいは国の機関等、こういった機関というのは、情報保護管理者の設置とか、あるいは安全確保等のための委員会の開催、アクセス制限、電子計算機、端末機等のオペレーションの管理に関する措置などの管理規程を設けるべきであります。そうした安全確保措置についての情報を、自治省としても地方公共団体に提供していく考えでおります。
 ただ、これはそれぞれの管理規程について、自治大臣が承認とか事細かな指示ということまでやるべきかどうかということについては、また別の問題もあろうかとは思いますが、基本的なそういった大事な点について、この法案が成立しました後に、施行までの間にそういった安全確保措置のための管理規程の内容についても、情報交換を徹底してやっていきたいというふうに考えております。
古賀(一)委員 今の大臣の答弁は、結局、地方公共団体に対してはということで、恐らくそれはやられると思うのですね。問題は各省庁であります。自治省と横並びの関係になります各省庁にも膨大な情報が流れていく。
 前回の質疑のときに、春名議員の質問に対して、要するに服務規律の世界だというような感じの御答弁があったと思うのですが、各省庁でどういうコンピューターの入力、管理、ネットワーク、あるいは他回線との接続をやっているかを、これはやはりしっかり――自治体はいいですよ。自治省の命令一下、このようにやれと言って済むのですが……(発言する者あり)いや、それも問題なんですよ、それも問題でありますが、とりわけ中央官庁のこの膨大な事務について、実態は今どう行われておるのか。
 NTTのあの事件があったわけですけれども、あれも氷山の一角でありまして、恐らく山ほどあると思う。それが中央官庁の場面でしょっちゅう起こるようなことがあったら大変でありますから、私はきょうは社会保険庁のお話も若干聞いたわけでありますけれども、あるいは国税庁、恩給局等々、どういうコンピューターの接続なり、服務の実態になっているかというのは、これはつなぐ以上、このシステム全体の危険性がそこから増大するわけでありますから、私はしっかり聞きたい、かように思っております。
 では、次になりますが、中央省庁、本人確認情報の受領者というものは事務の遂行に必要な範囲で本人確認情報を利用または他に提供することができる、いや、できるというか他に提供するものとする、こう書いてあるのですね。これはどういう意味なのでしょうか。
 要するに、恩給局が全国情報センターから情報を毎日もらう、それを受領者というものは利用または他に提供することができる、こう書いてあるのですけれども、これはどういう具体的な様相を想定されておるのか、私はちょっとわからないのです。利用または提供するものとする、これはどういう意味でございましょうか。
鈴木(正)政府委員 三十条の三十四、本人確認情報の提供を受けたところでございますが、そこにつきまして、受領者は、その者が処理する事務であって、この法律の定めるところによって、当該事務の処理に関し提供を求めることができることとされているものの遂行に必要な範囲内で、受領した本人確認情報を利用し、または提供するものとし、当該事務処理以外の目的のために受領した情報の全部または一部を利用し、または提供してはならないというふうに規定をいたしているところでございます。
 この趣旨は、法律で定められた事務の処理に関し、その遂行に必要な範囲内で利用し、または提供するということを明らかにしたものでございます。
古賀(一)委員 いや、だからそれを具体的に。極めて抽象的な書き方であって、あえてこういうことを書いてある意味も私はわからないのですが、その条文を今局長はお読みになっただけなのですが、答えになっていないと思うのです。例えば恩給業務の情報が入りますね、市町村が全部情報を入れてくる、全国センターに集まる。例えば、今週亡くなった人はこれだけですよ、では恩給を停止しなければならぬ、そういうのに使うというのはわかるのですけれども、他に提供する、これは本当にどういうことなのか。
 つまり、冒頭申し上げましたように、恐らく間違いなく、何県の何町の何とかさんが亡くなった、その一件表示だけではなくて、先月の恩給業務から、恩給を渡さなければならぬ人からこれだけの人が亡くなったから、要するにそれを削除しなければならぬという一覧表示というのは絶対につくられると思うのです。それが会計課なのか、あるいは何とか局なのか、全部行くと思うのですね、全部情報がつながれている。そうなると、これはまさにプリントアウトもされる、住民票コードがずうっと書いてあったこの名簿がこの条文によって他に提供までできるということになれば、もう各省庁、あふれ返ると思うのです。
 だから、この前、理事会だったですか、我々国会議員だってそういう名簿が欲しい、選挙になると法定はがきも出す、その前の後援会のあれも出す、そうしたら都市部などは特に三割戻ってくる、これは何とかならぬかね。そうなれば、一番リアルタイムでの、あの人はもう亡くなっている、あの人が生まれた、あの人が成人をしたという情報は全部ここにあるわけで、何とか欲しいなと国会議員でも思うのですよ。
 それは、もうこのコードさえあれば、例えばあるカード会社に我々申請するときに、年収幾らと書いてあるものもある、これはもう絶対、外車とか高級車を売っているディーラーから見れば、ぜひ欲しい。それが亡くなっておるかどうかというのは、この住民票コード、番号で全部データマッチングすればわかる。だから、できるだけ住民票コードが入った情報を集めよう、これがDM、ダイレクトメールとかあるいは名簿屋の基礎情報の基礎情報だ、こうなってくるんじゃないかと思います。
 ところが、この規定によりまして、幾らでも、恩給局にアクセスするか、あるいはどこそこの省にアクセスするか、要するに、市町村でリアルタイムに生まれた、成人した、亡くなったというのが間違いなく正確にあらわれた情報というのがこんな一覧表示で、しかも他に提供することができるという形で規定してある。これに対して私は物すごい危機感を覚えるわけですね。
 もしこれが住民票コードや氏名、いわゆる本人確認情報、これの一覧作成、提供を意味するということになれば、私は、これはもうデータマッチングのえじきになると思うのです。だから、そういう一覧表示を禁止する意味をこの規定は持っておるのか。逆に言えば、利用、提供と書いてありますから、もうどんどんやって構いませんよ、仕事に関係するのはと読めるのですが、これは大変な危険性をはらむ問題だと私は思います。
 この今の私の認識について、どう思われますか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 先ほど舌足らずだったかと思いますが、この規定は、法律で定めている事務の処理に関して、その遂行に必要な範囲内では利用、提供できる、それ以外の目的のためには、目的外利用は、利用、提供してはならないという趣旨を定めたものでございます。したがいまして、この規定は、データマッチングの禁止ということにもなるわけでございます。それが、法律に規定された目的を超えてデータ照合が行われるという場合には、この目的外利用に該当し、禁止されるということでございます。
 恩給のお話が出ましたが、恩給行政の面では、やはり生存確認ということで、恩給当局において受給者の方が亡くなったという情報を正確に早くつかみ、過誤払い等がなく、その事務も軽減させるというような趣旨でございますので、恩給当局から外に提供するということはこの法律の目的の範囲に入っておりませんので、そういうことはないと思います。
古賀(一)委員 時間が来ましたけれども、ちょっとこれに関連してもう一点だけ、指摘だけでもいいのですが、質疑をして終わりたいと思います。
 私は、基本的に言うと、認識が非常に甘いのではないかと思うのです。これを待っている名簿屋というのは、恐らくこの法律を見て、ここにアクセスすればこれだけのデータマッチングの基礎資料が集まると絶対思うと私は思うのです。
 その中で、とりわけ、これは中央省庁に対しても大変私は甘いと思うのです。ところが、もっと甘いのは、これはもう次の質問にしますけれども、指摘をしたいと思うのですが、三十条の三十六、本人確認情報の電子計算機処理の委託を受けて事務に従事する者、つまり、指定情報処理機関というのは、委託をするつもりなんですね。どこかにこの業務を投げるのです。それを予定して条文が構成されております。
 ここに、全国センターの電算処理の事務を受けた者がみだりに他人に知らせることを禁止しております。みだりにということは、どうなんですか、それは一覧表示をしょっちゅう机の上に置いて、これをとられたら、みだりにじゃないですよね。一億二千五百万人の国民の基礎情報というものを全国のシステムで集めて、しかも専用回線だ何だと言って、安全だといって集めておいて、実際は、都道府県知事も全国センターに丸投げすることが想定されています。それを受けた全国センターも業務を委託する。その最後の一番重要なところで、要するに、みだりに情報を他人に知らせちゃいかぬ。
 みだりに知らせる人なんていませんよ。問題は、うかつに流れることがいかに怖いかということを今までずっと指摘したわけでありまして、私は、この点、きょうはもう約束の時間を超えましたので、答弁は次回いただきますが、こういう問題も入っておりまして、大変システムとして甘いのではないか、私はこういう気がいたします。
 では、答弁をいただきます。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 簡潔にお答えさせていただきますが、この従事者、電算機の処理の受託者につきましては、知り得た本人確認情報に関する秘密、それから本人確認情報の電算機処理等に関する秘密、これについては漏らしてはならないと秘密の確保措置がございます、これは前の条文なんですけれども。それで、それ以外でも、この電算機処理等に関する事務で知ったことについてはみだりに知らせてはならない、こういう規定を置いておるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
古賀(一)委員 今のに対してまた反論といいますか、詳しく聞きたいこともございますが、次の白保先生がお待ちでございますので、これできょうの質問は終わりたいと思います。
 以上です。
坂井委員長 次に、白保台一君。
白保委員 質問に入る前に、大臣、昨日は、私ども、二〇〇〇年サミットの決定で稲嶺知事とお伺いいたしまして、そして国家公安委員長として安全と成功を約束していただきまして、ありがとうございました。
 それはそれとして、質問に入りたいと思いますが、私、この質問は、参考人の皆さんに質疑をしたのを除けば初めてでございますので、これから深めていく意味で、基本的な話に終始するかと思います。
 議論がずっと進んできて、いろいろ聞いておりますと、だんだん疑問が深まってくるというか、そういう中で、コンピューターに詳しい人はコンピューターの問題等をいろいろと伺っていきます。また、行政事務に詳しい方は行政事務の問題等を含めていろいろとやっていく。非常に細かいことも出てまいりましたが、これは当然のことだろう、こう思うわけですね。人間が自分のことについて、周辺でさまざまなことがありますし、みずからのことについてはみずからが考え、処していく、これはもう当然のことですから、生活というのはさまざまなことがあるわけで、それにかかわる一番基本の問題を議論しているわけですから、いろいろなことがあって、いろいろなことの質問が出てくるのだろう、こう思います。
 したがって、聞けば聞くほど疑問が深まっていきますから、もう一回また話を戻すような形になりますが、なぜそうなのかという話をこれからまた伺っていきたい、こういうふうに思います。
 まず、住民基本台帳ネットワークシステムと地方分権との関連について、これまでも幾度となく質問が行われてきました。視点を変えてお伺いしていきますが、このシステムが地方分権に逆行するとの質問に対して、国は、国が本人確認情報に関する事務を執行するものではなく、また、都道府県知事の委任により、事務処理の効率性、正確性の確保のために指定情報処理機関に事務を担わせるものであり、このシステムは市町村と都道府県が連携して構築するものであって、地方分権の推進に資するものである。突然、地方分権の推進に資するものである、こういうふうに出てきて、繰り返しこれは答弁されてまいりました。
 ただ、自治省が説明に来られて見せていただいたいろいろな概念図を見ていますと、横に、市町村があって、都道府県があって、そして国があって、こうなっていますけれども、よく見ていますと、また皆さんの議論を聞いていますと、本当に横なのかな、これは縦じゃないのかな。九十度、こうあるものをこうした方がいいんじゃないかな。そうすると、集権的とまでは言いませんが、集約していく、そういう形になっておって、分権というような感じを私自身は受けないのですね。これは私自身の受けとめ方ですから。ただ、概念図を見ていますと、これは横よりも縦だな、こういう思いを非常に強くしています。
 そして、先日の参考人の質疑の際にも、岐阜県の梶原知事は、国に手助けはしてもらうけれども決して口は出してもらいたくない、こういうことを言っておられましたが、岐阜県のように研究が進んで実際にやっておられるような、そういうところはいいんでしょうけれども、そうでないところとさまざまあるわけでありまして、市町村の固有事務であるこの問題を、効率化のために市町村自体から行動があるならそれは別として、先ほどもお話がございましたけれども、決まったら話し合いをしていくというようなことがありました。したがって、これは国からおろしていく、そういう仕事だな、国にまた集約していく仕事だな、こういう認識を私自身は持っておるのですが、大臣に、その辺の、私自身が確信的にこう思っておる、この思いを解きほぐしていただけるかな、こう思いますが、いかがでしょうか。
野田(毅)国務大臣 私も、ひょっとしてそういうような発想が世の中になされるのではないか、そんな思いもありまして、自分なりに、どういうふうに納得するかと思って、いろいろ頭の中で構築してみたのです。
 この仕組みというのは、市町村、それからその市町村の所属する都道府県、この間で、都道府県が基本的に県センターというものをつくって、そしてその地域内の市町村との間でネットワークを構築する。そして、今度はそれぞれのキーになる都道府県のセンターがそれぞれ横の連絡の中でネットワークをつくっていく。しかし、それではいろいろな国の事務の中で、例えば名寄せをしていく、そういう本人確認をしていく中で不便じゃないかという中で、いわば都道府県のセンターからの依頼を受けて、言うなら委任を受けた範囲の中で、言葉は悪いかもしれませんが、下請的な形として、全国センターのところに事務が委託される。
 そういう委託を受けた事務の範囲の中でやっていくわけですから、実質的な指示命令系統的なことでいうならば、むしろ、全国センターが都道府県のセンターに指令を出して事務が処理されていくということではなくて、逆ではないか、委託をされていくんじゃないか。あくまで、その事務の処理の正確性、迅速性ということから全国センターというものの必要性があるのであって、そこは全然違うんじゃないかというふうに私は頭の中で整理しておるわけであります。
 それから、これは金融機関における信用金庫でも、全国のいろいろなそういうのがある、そういう中でお互いこの電気通信の世界の中で、どこかである種のいろいろなネットワークがある中で、結んでやっていく。そういう中で、指示命令系統、いわゆる権限的なものの上下関係というものはないわけです。そういう意味で、この全国センターと、それからそれぞれの市町村なりあるいは都道府県なりの電気通信、専用回線に基づくネットワークという中で、いわゆる通常の行政の世界における権限の上下関係的な話は全くないことでありますから、そういう意味では、何といいますか、中央集権的な話とかなんとかという、そもそもそういう次元の世界ではないのではないかというふうに私は整理をいたしておるわけです。
 むしろこのことによって、それぞれの市町村のいろいろな事務あるいは都道府県の事務というものがより迅速に事柄が処理されて、住民の利便の上でもより向上されて、いわばそういったことに費やされていた時間が、より効率的でより重要な知的な、あるいはその他の経済活動なり文化活動なり、いろいろなところにその精力を振り向けることができるということ自体が、地方分権なりそういったことに大いに役に立っていくのではないか、私はそのように整理をいたしておるわけです。
白保委員 ちょっと話が変わりますけれども、実は、いよいよ地方分権法の審議が始まろうかという、そういう時期ですね。そんな中で、この分権法の問題について、学者の皆さん方がいろいろと我々にも言ってきております。この分権法は、まさに地域が地域の判断によって地域の方向性を決定していく極めて重要な問題である。これはそれで結構です。
 ところが、逆に、この学者の皆さん方がおっしゃる、注意を喚起している中に、地方自治法改正案の第二百四十五条の五というのが出てまいりまして、是正要求の提議というのがありまして、その是正要求の提議が、これまでは、法に違反するあるいは公益を害していそうなものがあった場合には内閣総理大臣が是正要求の提議をしてやっていく、こういうことであった点も、今度は各大臣がそういったこともやるようになっていく、むしろそれぞれの大臣が力を持つようになってくる。
 こういったことがあって、極めて、分権とはいいながら集権的な方向に行くのではないかという心配をする人も――私がそう思っているかどうかは別ですよ、こういう意見等もあって、根っこに、分権は進めていくけれども、やはりきちっと抑えるところは抑えておかぬといかぬな、こういう思いがあって、これは、あってはですよ、あってはいけないな、こんな思いも私自身は持っています。
 そこで、今、国が地方の下請的な形でもってこの事務処理の中でやってもいいのではないかという話もございましたのでお伺いしますが、この点について、先ほど局長の答弁にもありましたが、法成立後にそれぞれの市町村の皆さん方とは打ち合わせをしてやっていくのだという御答弁が先ほどありましたね。そこでお伺いしたいと思いますが、ここに至るまでの間の地方の意見聴取の問題ですね、地方の皆さん方の考え方、こういった問題についてはどれほどなされてきたのかということをお伺いしたいと思います。
 これは、平成八年十二月五日に、我が党の富田委員の質問で、住民基本台帳ネットワークシステムの法案化の進捗状況について聞いた質問に対して、当時の松本行政局長は、いずれにしても、これは地方公共団体の自主的なシステム、できるだけそういう形が望ましいと考えておる、したがって、地方公共団体との調整を初めとする準備を進めつつあり、そういうものを見た上で判断していく。こういうふうな答弁が進捗状況の中でなされておるわけでございます。
 政府の方としては、研究会や懇談会には地方公共団体からも参加しているし、また、地方六団体からも早期実施の要求が出ている、こういうふうな答弁をされているわけでございますけれども、法案の構想から提出、今日に至るまで約五年、長い時間が流れてきたわけですから、先ほど申し上げましたように、法成立後にお話ししますよという話ではなくて、その以前に、この提出に至るまでの間に、地方公共団体あるいはまた市町村等の皆さん方との意見聴取、こういったことがどのようになされたのかということを具体的に教えてもらいたいと思う。六団体ではないですよ。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。地方団体との関係の御質問でございます。
 お話しのように、基本的には、地方団体の意見聴取につきましては、研究会でいろいろ構想を検討する場に入っていただいております。地方団体の実務者、市町村の担当課長さんの方に入っていただいております。また、大臣主宰の懇談会を三回いたしましたが、その際には、地方公共団体の長の方にも御参加いただきまして、忌憚のない御意見を伺っているところでございます。
 お話のございましたように、平成九年六月には、法律を出す約一年前でございますが、住民基本台帳法の一部改正の試案というもので、全体のネットワーク構想の骨格がわかるものをお示しいたしております。それから、法案提出に当たりましては、二月に骨子というものを公表いたしております。その場合に当たりましても、地方団体を初め各方面の御意見を伺っております。
 さらに、三月に国会提出しました法案等につきましては、参考資料を都道府県を通じて市町村の方に配付をいたしておりますし、自治省において市町村の首長さんあるいは議長さんに対して直接送付する情報手段がありますので、そこにも概要を載せて紹介をいたしております。また、都道府県担当者の方に対する説明会を開催いたしておりまして、あわせて全市町村からこのシステムに対する御意見などを伺っている、このようなことでございます。
白保委員 一部、市議会等あるいは東京二十三区の区議会、こういったところは決して今局長がおっしゃった話で納得しているとは限りませんね。だから、皆さんはお話しをされて、いろいろと、こういうのですよああいうのですよということはやったかもしれませんが、それに対する意見、厳しい意見とかそういったものは、あっても出てこないのではないですか、この法案。今、これだけのことはやりましたという話ではないのですか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 お話しのように、地方団体にいろいろな機会を設けまして、この構想の御説明、法案の御説明もしてまいりました。その際、実務担当者の方からいろいろ御質問、御要望、検討項目等もいただいております。数百項目にわたります。その中でお答えして解決しているものもございますし、法案に盛り込んでいるものもありますし、なお今後、法案成立後に詰めていくというものもございます。それらについては十分慎重に検討を重ねてまいりたいと考えています。
白保委員 私自身が、かなり厳しい意見があるなというふうに感じています。ですから、なおこれは地方の意見等はしっかり聞いていかなければいけないなという思いを強く持っております。
 話を進めますけれども、今度は、国民のコンセンサスの問題が一つあるのだろう、こう思いますね。最終的には個人の人権にかかわる問題になってくるわけですから、国民のコンセンサスを得る必要というものは一番大事な部分だろうと思います。
 この委員会で平成九年二月二十五日に松崎委員が質問されていますが、その中で、システム導入に向けて、国民の意見の集約状況、こういう質問をされています。これに対して、国民の世論調査等の形で取り組んだわけではないが、大臣の懇談会という形で各界各層の、例えばマスコミや地方公共団体の方々の意見を伺うという形で、そういう方々を通じて国民の皆さん方の御意見等を反映させていると思っているとの答弁がなされました。
 この間も、参考人の皆さんのお話をお聞きしましたら、市町村長や知事の皆さん、首長の皆さん、全く問題ない、一〇〇%大丈夫だ、完全だというような感じの答弁をいただきますと、逆に心配になるのですね。この民主国家で、一〇〇%大丈夫だなどという話がどこにあるのだ。選挙をやって一〇〇%、無投票ならともかくとして、もらう人なんかいませんから、そういう中で、余り無理に大丈夫だなどと言われると、かえって心配になってくるわけです。
 それで、またマスコミ等も、一部マスコミを全部が全部読んでおるわけではありませんから、キャンペーンを張ったから大丈夫だなどということを言われますと、その新聞を読まなければいけないのかなと、心配になってくるわけですけれども、そういうことだけでは国民のコンセンサスは得られていない、こういうふうに私は思います。
 ですから、ネットワーク懇談会の意見の中にもさまざまあるわけですよ。その中の幾つかを紹介しますと、「このようなシステムを導入するということについては、まだ、国民的な議論になるまでには至っていないのではないか。」ネットワーク懇談会の意見です。「コストベネフィットという観点からだけではなく、なぜ、今このシステムが必要なのかという基本的な疑問を持つ人が多いのではないか。」という意見だとか、「個人情報保護のあり方がどのようなものになるかが国民に明らかになっていないときに、スケジュールで物事を進めていくと消化不良を起こすから、時間をかけてじっくり検討すべきではないか。」こういう意見もありましたね。
 それから、「これから国民の関心を高めて、番号の是非を問うというような国民的論議まで進まないと、この議論は恐らく終着点が見えないと思う。よほど国民の日常の生活面と密着した形での議論が必要ではないか。」あるいは「行政の効率化という面は分かるが、住民サービスの面で自分自身にどれだけメリットがあるのか、あるいはイニシャルコスト、ランニングコストも含めての情報、それから民間情報も含めてのプライバシー保護についての政府としての基本的な姿勢、コストの面などいろんなことを含めてもっと自分自身の問題として考え、そのような疑問に答え、議論をしていく場というのが、まだまだ不足しているのではないか。」「きわめて慎重にやってほしいと思う。」というような慎重意見も多数見られているわけでございます。
 先般、こちらでチャイルドシートの導入の問題で議論をしたわけですが、警察庁はインターネットでパブリックコメントを求めておる、そういうことをやっています。この住民基本台帳をやろうというのであれば、政府としても、そういった手法等も講ずるべきではないのかなということも考えますし、これまでコンセンサスを得るためにどういうことをやってこられたのか、このことも具体的にお伺いしたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 ネットワークシステムを構築する過程におきまして、今お話のございましたように、広く国民に周知するという精神で私どもは取り組んできているところでございます。
 研究会自身は平成六年から発足、検討開始をいたしておりますので、法案提出まで四年間かけて検討してきたところでございます。中間報告は平成七年の三月にまとめまして、平成八年の三月にはネットワークシステムの研究会の最終報告書を取りまとめ、それも公表をいたしております。それを踏まえまして、大臣の主宰のもとに、広く有識者の方から御意見を伺うということで懇談会を行いました。その御意見は、今述べられたことも含めまして、慎重論、賛成論、積極論、いろいろございますが、それを概要という形でまとめて、これも公表をいたしております。
 そういった事柄につきましては、その都度、新聞などマスコミでも大きく取り上げられてきているということでございます。また、あわせまして、自治省のインターネットのホームページへの掲載を行いまして、広く国民の方に御理解いただけるように努めてきております。
 また、これらを基礎にしまして、国会での御論議は、先ほどございましたが、突然法案ではなくて、やはり手順を踏んで慎重な議論が必要だということで、御指摘も踏まえまして、また各方面の御意見を踏まえた検討を行ってきて、改正試案というものを平成九年六月に世に公表しております。内容的には、プライバシーの保護の担保措置というものを中心といたしております。また、番号が生涯不変という考え方から変更請求可能、あるいは、全く理由を問わず変更請求可能という形にしてきております。
 その他いろいろな御論議というものを踏まえまして、慎重な手順を踏んで、法案提案ということまでさせていただいておるわけでございます。四年間かけまして、幅広く、さまざまな検討を行って、各方面に対しても十分に自治省の考え方をお示ししてきているという点を御理解いただきたいと思います。
白保委員 いろいろと答えていただいて、ああ、そうかなと思っていますが、一生懸命、皆さんにわかっていただくために頑張る、その精神で頑張るというのは、精神といっても当たり前のことなのですけれどもね、精神論ではなくて、具体的にどうするかという問題になってまいりますと、非常に大変なのです。
 実は、私のところでは空港問題で大変な思いをして、二十年も空港ができなくて、あっちへ持っていったりこっちへ持っていったりしてやっていますけれども、地域の人たち一人一人に話をしていって、物事を決めていくというのは大変なのですよ。これはまた、みずからの生活にかかわる基本の問題をわかっていただこうということですから、ある意味では、地方へ出かけていって住民対話をやるくらいでなかったら、本当はできないのではないかなと思うくらいの大事な話なのですよ、この話は。
 そして、コンセンサスを得るということを今申し上げましたけれども、余り急がない方がいいのではないか。いろいろな疑問が出てくるのは何かというと、公務員の不祥事がいっぱいあるものですから、これを預けて本当に大丈夫なのかというような心配等もございますので、そういった辺をまずはきちっと正していかなかったならば、国民の信頼というものは得られていかないのではないかというふうに思います。
 時間もだんだん参りましたので、もう一、二点伺います。
 システムの目的が住民側のメリットなのか行政側のメリットなのかということが議論を聞いていても余りよくわからない、こういうことで、もし住民側のメリットということだったら、ほかの方法があるのですね。
 実は、ワンストップ行政サービスシステム、郵政省が今実験をやっておりまして、これを今拡大しつつあります。昨年は、石垣島と竹富島とやったのですよ。郵便局は島々に全部ありまして、その郵便局から役所に要求をして、郵便局を通じてやっていくということでもって、実験をやっていました。非常に評判がいいものですから、そういうことで、結局拡大をしまして、一つの島しかやっていなかったのですが、島が幾つも分かれていて一つの町をなしたり、村をなしているところなどというのは、まさに郵便局のワンストップ行政サービスシステムというのが非常に効果的に機能するなという感じを持っています。
 ですから、役所に何度も何度もカードを持って通うのではなくて、むしろ島々にいて、みずからの家のそばにある郵便局からいろいろな書類を請求する、こういうようなことを今郵政省が試験的にやっておりまして、去年は一島だけやりましたけれども、全国的に三地域くらいやっていましたが、自分のいる場所から、役所に出かけないでそれぞれの地域からやっていく、そうしたら、むしろ住民側のメリットはこっちの方が高いのではないか、こういうふうな思いもあります。
 ですから、そういう面でいえば、このシステムの目的が住民側のメリットなのか行政側のメリットなのかといって、住民側のメリットであるというならば、カードではなくて、そっちの方がこれから先うまく機能していくのではないのかなというふうな感じがしているのです。その辺の郵政省との関連がありますか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このシステムは全国的な本人確認のシステム、情報というものを提供することでございますので、電子申請、お話のワンストップサービスというものに活用することが可能だと。お話しの、郵政省とのお話でございますが、ことし実験事業を郵政省と共同で数カ所でやろうということでお話しをいたしております。
 行政のワンストップサービスは、当然市町村行政においても重要な課題だろうというふうに思っておりまして、そのため、あるいは電子申請というようなことについては、このネットワークシステムを基礎としたいわば住民票カードというものが、オンライン上での確実、迅速な本人確認を可能とする必要不可欠なツールになり得るもの、このように考えております。
白保委員 時間も参りましたので、大臣、最後の質問になるかと思いますが、住民基本台帳法第一条は、市町村において住民の居住を公証し云々、こういうふうに来ているわけですね。そうしますと、そういった中で日弁連の意見等もありますが、市町村において住民の居住関係を公証し住民に関する記録を正確かつ統一的に行う現行住民基本台帳制度に、この異質なネットワークシステムを、単に情報の正確性や導入コストの面から最適であるとして導入しようとするところに無理があるのではないか、そういう意見があります。
 したがって、この住民基本台帳法だけの改正ではなくして、目的規定から外れたような感じがあるわけですから、そういったものを基本として、もっと周辺の法整備等も含めてやっていった方がいいのではないか、これだけでやっていこうとするのは無理があるのではないか、こういう意見がございます。私もこんな感じを受けておりますが、最後に大臣の見解を。
野田(毅)国務大臣 確かに、住民基本台帳ネットワークシステムの導入に当たって、個人情報をどうやって保護していくかということは極めて大事なテーマであります。また、先ほど来いろいろな話がございまして、どうやってデータマッチングをさせないようにするか、あるいはどうやって目的外の利用なり、あるいは情報が漏れないようにするのか。技術的な、専門的な点からのアプローチ、あるいは法制度面、あるいはそれを扱う人間、いろいろな角度からの個人情報保護のための体制を整えていかなければならぬ。このことは私どもも一番大事なテーマだと思っております。
 技術的な側面においては、今日の高度情報通信社会の中で、本当に日進月歩の勢いで技術的な側面は進んでおりますので、したがって、この法案を成立させていただいた後においても、その進歩に応じたいわば防御システムというものをきちんと構築していかなければならぬ、これは大事なテーマだと思っております。
 そういう点で、ある種の科学技術の進展というものと人間活動の中における利便性というもの、これはなかなか率直に言って難しいテーマがあろうと思います。ある種の危険性、車が発達することにおいても、事故の危険性というのは一方で持ちながら、やはりこれは不可欠な存在になってきている。
 そういう意味で、今度の住民基本台帳ネットワークシステムそのものについても、これだけ高度情報通信社会がどんどん進展していく過程の中で、では何もしなくていいのかというと、そういうわけにいかない。先ほどお話がありましたが、こちらのサイドだけで安全のシステムを構築するというのじゃなくて、一方で、先ほどもお話がありましたが、国なりなんなり、これを利用する側においても、情報の漏えいということは、国の事務遂行そのものにとっても、あるいは年金、恩給の給付事務そのものにおいても、その情報が漏れるということは、自治体サイドといいますか、市町村サイドから大変ゆゆしき問題であるというだけでなくて、より本質的に、厚生省なりなんなりの、恩給なり年金の給付事務サイドそのものにおける情報が漏えいするということは、より重要なテーマになるわけです。
 そういった点で、そういうような個人情報保護という問題について、本当にトータルとして、片方サイドだけでやるのではなくて、これから全力を挙げてさらに継続的に取り組んでいかなければならぬテーマであるというふうに考えております。
白保委員 時間が来ましたから終わりますが、人間の尊厳というのは取りかえられませんので、そのことは慎重であらねばならないということを申し上げて終わります。
坂井委員長 次に、桝屋敬悟君。
桝屋委員 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。引き続き、質疑を若干の時間をいただいてさせていただきたいと思います。
 きょうの審議を聞いておりまして、あるいはまた今の白保委員の質問、あるいは大臣のお話を聞きまして、随分議論も今までしてまいりましたけれども、まさに大分論点は見えてきたなという気はしておりますが、私も我が党の理事として大変に悩んでおります。
 議論すればするほど、我が党内でも、今の大臣の御発言のように、プライバシー保護ということを、余りそこだけに視点を置いて考えて、新しい仕組み、制度というものに踏み出す、それをちゅうちょすることはどうなのかと、慎重にやはり前へ進めることも考えた方がいい、こういう意見もありますし、いやいや、議論すればするほど問題が出てくる、やはりプライバシー保護という観点で、いろいろな議論の中でまだ解決ができていない部分もあるようであります。
 あるいはまた、現在のコンピューターシステムといいますか、高度情報社会の技術というものは日進月歩変わるわけでありまして、少し近未来も考えながら個人の情報の安全確保ということを考えると、果たしてこの一歩を踏み出していいのだろうかという議論も片方であるわけであります。
 我が方三人のメンバーがおりますが、私は何とか前へ進めたいな、もう一人は、いやいやとんでもないと、今白保さんがまさにその間でお悩みになっているような、こんな質問だったのかなと思ったりいたしました。何を言いたいかといいますと、やはりこれは審議を尽くさなければならぬし、審議には時間がかかるなということを私は率直に申し上げたい、こう思っているわけであります。
 そんなことを感じながら、二点ほど時間の許す限り議論をしたいのですが、一つは、さっき議論がありました、白保委員からあった話をそのまま引き継ぎたいと思うのですけれども、先日も私議論をしました我が党内で大きな議論の論点になっておりますICカード、住民票カードの話であります。
 このカードに二つのファクターがある、機能として二つのファクターがある、そしてICチップは八千字ぐらいの利用価値があるわけで、そこを利用しよう、いや、それを利用することが怖いという両方の議論があるわけであります。この前、局長からの御答弁の中で、ICカードがもしなかりせばこのネットワークシステムはどんな影響が出るのかというと、魅力が半減をする、端的に言いますと。このネットワークシステム、全国共通の本人確認システムをつくるにはこのICカードはぜひとも入れたい、こういう御説明をいただいて、効用としてはわかったわけであります。
 なお、近未来までも想定して、今白保委員からワンストップサービスという話がありましたね、私は、これは住民のメリットという観点では確かに必要なことだろう。お役所へ行って、時間もないので余り事例は出せませんが、私も介護の現場で、あるテストをしたことがあります。これは大臣にもぜひお話をしたいんですけれども、テストといいますか、新しい試みをやったことがあります。
 それは、サービスを受けるのに市役所あるいは役場に行かなくていい、利用のたびに役場に行かなくていいような仕組みを導入したことがあります。その一点だけでサービスの利用はぐっとふえたということがありまして、いかに市民、国民が行政側の窓口に行くということに抵抗があるのか、それを省いただけで利用はうんと伸びたということがあります。そういう意味では、ワンストップサービスは本当に大事だろうと私は思っております。
 あるいは、ICカードがなくても、今市町村の窓口ではワンストップを施行されておられる。総合窓口制度といいますか、一カ所に行けばそこで全部行政サービスとしてサービスを展開するような取り組みもあるわけでありまして、私は、ワンストップサービスをできることならぜひやってもらいたいな、やりたいという気持ちを持っておるわけであります。
 そういうワンストップサービスを考えた場合に、このICカードというのはどういう効用、意味を持つのか、その辺の御説明を、ちょっとわかりやすくいただけないかなと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 住民基本台帳カード、ICカードでございますが、行政のワンストップサービスあるいはお話の電子申請ということで、自宅からオンラインで申請できるようにするということを導入するに当たりましては、このシステムを基礎としたICカード、住民カードがありますと、オンライン上における確実かつ迅速な本人確認というものが市町村の区域とかかわりなく可能となるということでございまして、今後ワンストップサービスを進める上でやはり必要不可欠なツールになり得るものではないか、このように考えております。
桝屋委員 今の局長の御答弁で、将来のワンストップサービスを展開する上で今回のネットワークシステム上のICカードが重要なツールになり得るという話なんですが、ICカードがなかったらワンストップサービスというのはできぬのでしょうか。
 ワンストップサービス、これは電子申請と今一緒に言われましたけれども、これは話がようわからぬのですよ。ワンストップサービスと電子申請、それから、さっき白保さんがおっしゃった、離島におけるいろいろなワンストップサービスというような仕組みを考える中で、これはこれからのことかもしれませんが、ICカードがあるとどういうことが具体的にできるのか。アバウトな表現ではなくて、私たちにわかるように、本当に私もわからないんです。ICカードがあったらどういうふうにできる、なかったらこんなことできませんよというような御説明をぜひ教えていただきたいなと思っているんです。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 ワンストップサービスあるいは電子申請と言っていることでございますが、行政機関に対する申請あるいは届け出などの手続をオンラインを通じてできるようにするというのが基本的な考え方だろうと思います。具体的にどういうふうな形で実現していくかというのはこれからの検討にまつ部分も多いわけですけれども、基本的にはそういうことだと思います。
 その際に、本人の、どこのだれであるという認証、確認をどのようにするかというところがポイントで、難しいところでございまして、ICカード、この住民基本台帳カードによりましてそこのところがクリアできる可能性があるんではないかということで、私どもとしても、そういうことでその検討を進めるということで取り組んできているところでございます。
桝屋委員 そうしますと、今はそういう状況でないのでしょうが、例えばさっきの白保さんの例でいきましょうか、離島の部分で、その島にたまたま役所がない、そうすると、電子申請も一緒にしての話のような気もしますので、例えば本人が役場に行かずに電子申請をする、その場合にどうしても必要になるのが、本人確認をどうするか、本当にその人かどうかという確認ができないと電子申請なりということはできないということでありますから、その場合はどうなんでしょうか。
 例えば、将来コンピューターを使って我が家のコンピューターから電子申請をする、まさにワンストップサービスで、もう役場へ行かなくてもいろいろな申請ができるという仕組みまで恐らく考えられているんでしょうが、その場合に、ICカードというのは本人確認情報のために必要という御説明ですから、それはどうでしょうか。
 例えば、我が家のパソコンの横にICカードを読み込ませる機械か何かあって、その情報が役場と一緒に、行政側に行くんでしょうか。そういうことになるのか、ちょっと私、イメージがわからないので、もうちょっと詳しくその辺を。今はまだないでしょうが、将来的にそうなった場合に、例えば我が家のパソコンに、申請側のパソコンにICカードを読む機械、それをみんなつけるような、そんな時代が来るのか、そんなことは技術的に今可能になっているのかどうか、もう一回御説明いただきたい。
    〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このネットワークシステムにつきまして、今後の、将来の展望ということでのお話でございます。
 それで、ワンストップサービスあるいは電子申請というのも、これからの技術あるいはシステムの進展にまつという部分があるわけでございまして、お話しのように一番近い近未来の場合ですと、役場なり行政機関の窓口のところで端末を置いて、そこでワンストップあるいは電子申請という手続をするということもあります。それからさらに発展して、職場、家庭の端末から手続が行えるという幾つかの段階になっていくだろうと思います。
 そういう中で、いずれにしても、本人確認の手段というものが重要になってくるわけでございます。
 例えば、今だと自動交付機などは、カードはいろいろな形で、ICかどうかという議論はありますが、本人確認のカードがないとうまくいかないということでございまして、一番近い段階では、住民基本台帳のカードというものがそういう住民票の写しの自動交付というものに活用できるということが、近い将来の問題でございます。さらにそれは、お話しのようなワンストップ電子サービスということにつながっていくためのいわば基礎的な手段を提供する、し得るものだと考えております。
桝屋委員 余りこればかりやるわけにいきませんが、まさにこの仕組みの中で、我々も、ICカードが怖いなという部分と便利だなという部分と両方感じているわけです。まさにその二つの意見がありまして、ICカードといいますか、住民票カードの売りの部分で使われる言葉の中に、ワンストップサービスや電子申請ということがあるわけです。それは今の局長の御答弁では、これからの技術の革新といいますか、そうしたこと、あるいは今後の検討をまたなきゃならぬところも大分あるんだなということは理解できるんです。ただ、では、一般の国民に、我々にどれほどメリットがあるのかということを議論するときには、少し見えにくいな、そこの売りの部分をわかりやすく御説明いただく努力も必要かな、この制度を理解していただく上では必要かな、こんなふうに思っております。
 今御説明のありました我が家というのは簡単にはいかないんでしょうけれども、例えば今既に市町村でやっております住民票の自動発行、この機械あたりは結構高いようでありますけれども、そうしたことでは恐らくICカードは本人確認の有効な手だてになるだろう、こんなふうに思っておりますので、そういう意味ではこれを利用していろいろな手が打てるなとは私は理解しているわけであります。
 もう一問だけしたかったんですが、意見だけ申し上げて終わりたいと思うのですが、先日の議論の中で、今回の自治省がお考えになっている仕組みというのは、本人確認情報と住民票コード、この四情報プラス一、これの全国共通のネットワークシステムというのは、現在の国の持っております個人情報保護法、このレベルから見ても十分なレベルだ、むしろそれ以上のレベルだと胸を張ってお答えになりました。私もつぶさに今一つ一つ検討しておりますが、その御答弁が間違っているというところまではまだ自分も感じないぐらい、確かによくできていると思います。
 ただ、逆に言いますと、現在の個人情報保護法、国のパブリックの部分の個人情報保護法と、今回の住基のネットワークシステム、このセキュリティーのレベルが、胸を張って自慢されるのを見ると、見れば見るほど、この差というのは何だろうという気が実はしております。
 それで、朝倉参考人の意見陳述でもありましたけれども、今の年金なんというのはもうやり放題じゃないか、法の世界にも入っていないよというようなことがあって、その部分を私はもう一度検証しなければならぬだろうというふうに思っているわけでありまして、これは実は大臣ともっと議論したかったのですけれども、時間がなくなりましたので、次の機会にぜひ議論させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上であります。
山本(公)委員長代理 次に、春名直章君。
春名委員 たびたびの登場で御苦労さまでございます。私に言ってもしようがないのですけれども。
 議論すればするほど矛盾が浮き彫りになっていまして、それで、一昨日の質疑の続編的なことを最初にやらせていただきたいと思っております。
 指定情報機関の機能、このシステムの仕組みがやはり中央集権的にならざるを得ないのじゃないかということについての質問であります。
 その材料として、三十条の七の二項のコードの割り振りという問題について、先日局長にお尋ねをいたしました。後で議事録を読み返してみまして、私の質問に直接にはお答えになっていないことがありますので、改めてお聞きをしたいと思います。
 指定情報機関が県ごとのコードの割り振りを行う、ただ、それは乱数でランダムにやる、機械的にやるということである、そういうお答えをしていただきました。それで、私が聞きたいのは、その作業のやり方はそうだと思いますけれども、その最初に県ごとに割り振る権限、それが指定情報機関という公益法人に与えられているのかどうかということであります。最初に割り振る権限のことです。それが指定情報機関に与えられているのでしょうか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 指定情報処理機関は、先ほども御答弁がありましたように、いわば都道府県が、全国的な業務で一つでやった方がうまくいく、効率的でもあり正確でもあるということで委託する、下請機関というような性格でございます。
 県の方からこの指定機関に委任する、こういう仕組みをとっておりまして、お話しの三十条の七の一項の規定で、都道府県知事は県内の市町村ごとの住民票コードを指定して通知するという事務があるわけですが、これを指定機関に委任できる、行わせることができるという規定がございます。
 この規定によりまして、都道府県知事が指定情報処理機関に委任した場合には、市町村ごとの住民票コードの枠を配分し、市町村ごとに指定するということは、これで指定機関ができるということになります。
春名委員 私、お聞きしているのは、条文はそうなっていまして、協議と調整を知事が行って、その委託を受けて指定情報機関が割り振る、そういう条文になっているのです。そこを今説明されたのですけれども、そこで聞きますけれども、国が例えばそれをやるということであれば、国は都道府県を超える統治体ですから、それはわかる。しかし、御説明では、国はそれはやらないんだ、指定情報機関がやるんだと言われるわけです。
 都道府県の区域を越える調整というのは、都道府県ではできません。ある県知事が全国的に四十七都道府県の割り振りをする権限など、持っているはずがありません。できないことを委託することはできないと思うのです。
 県知事が委託するというふうに言われるんだけれども、そもそも県知事には、その委託する権限がないと思うのです。そうすると、都道府県を越えてダブりを調整したり、最初に割り振りをしたりするという、その権限は一体どこから委託をされているものなのか。私はそこのところがわからないのです。そこをきちっと説明していただきたい。
鈴木(正)政府委員 住民票コードにつきましては、都道府県知事が市町村にコードを割り振る。そうすると、お話しのように都道府県間の調整が必要ですから、これは二項ですけれども、都道府県間で協議をして、それで調整をして、隣の県とダブらないように番号を割り振って、それをもとにして各県内の市町村に指定する、こういうことで整理をしております。
 その都道府県知事の権限を、都道府県が指定情報処理機関に行わせるという仕組みでございまして、それによりまして県間の調整、それから市町村間の調整、ダブらないということで可能になるわけです。
春名委員 同じ答弁をされているように思うのですけれども、都道府県の間で調整をするということであれば、もっとイメージ豊かに言いますと、四十七都道府県知事が一堂に集まって、こことこことここをこういうふうにコードをいただきます、そういう話し合いをするのですか。そんなことしないでしょう。実態は、それぞれの都道府県知事が、この条文に基づいて指定情報機関に委託をする、割り振ってくださいと。調整という権限も含めて委託をするという話になると思うのですね。そうでしょう。
 しかし、そのときに、その指定情報処理機関というのがイコール国であれば、国が県ごとの、県域を越えて調整をするという権限は当然ありますけれども、指定情報機関というのはそんな権限はないわけですね、国ではないというふうにおっしゃっているのだから。国だと言えばすごくはっきりするのですけれども、そういう権限を持っているということで、ああ、いいのかなと思うのですけれども、指定情報機関にそういう権限を与えていく、そこがえらい矛盾しているなといいますか、解読不可能といいますか、私、どうしても説明が理解できないわけなんですね。
 きのうレクを聞いたときには、議長に一任すると。議論をいろいろ知事がやったけれども、どうもうまく調整できないので、最後に議長に一任をするということではないかと思うというふうな説明をされていたのですけれども、一任された議長が割り振る権限というのが、そこが問題だと私は思っているわけであります。それは国ではないとおっしゃるから非常にややこしくなるんだと思うのですけれども、そこのところを私にわかるように御説明していただけませんかね。
鈴木(正)政府委員 御質問の趣旨がよくとらえられていないのかもしれませんが、住民票コード自身は意味のない十けたの数字でございますので、それを四十七都道府県あるいは三千を超える市町村に割り振るというのは、ある意味では機械的な作業でございます。
 基本的には、法律の立て方としては、それは都道府県の事務ということで三十条の七で整理をしているわけでございまして、その事務を指定情報処理機関に都道府県知事が行わせるという規定を置いておりまして、この規定によって、知事が行わせるという行為がありまして、指定情報処理機関ができるということでございます。都道府県間の調整それから市町村間の調整、調整というか、数字がダブらないように、それから通知ということになるわけでございます。それで、具体的な指定は市町村長の仕事、こういうことでございます。
春名委員 法文上はそうなっているのはわかりますけれども、もう一回言っておきますけれども、県と県との間を調整する、その権限というのは一つの都道府県知事にはないので、私は、そこのところが矛盾ではないかと。そこを、分権システムだということから、やはり都道府県が主体、主人公だというふうに醸し出したいがためにといいますか、こういう法文上の仕組みになっているのじゃないかというように私は思えてならないわけであります。
 それから、次の角度ですけれども、三十条の七の一から六項までの仕事、県の仕事ですね、それから三十七条の二項の仕事、これは指定情報機関に委託できるという仕組みになっています。
 これも大分議論がされてきたわけですけれども、一昨日の討議の中で、あたかも委託が期待されている事務について、非効率にはなるけれども、法律上は県でも独自にやれます、こういう御説明をされてまいりました。これも分権システムという印象を醸し出すための答弁だと思いましたけれども、しかし、実態は決してそうはならないと思うのですよ。四十七都道府県がすべて委託をするように、まず自治省が御指導されると思います。期待しているなどという生易しいものではなくて、法文上、これこれが委託をできると明記をし、そうした方がうまくいく、期待する、こういうふうに自治省が言われれば、全県が委託をするということに当然ならざるを得ないと思うのですね。期待をされているという言葉かもしれませんけれども、運用上はもう実際それを予定してこれは組まれていると考えてよろしいですか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このネットワークシステムは、いわば広域的な地方公共団体であります都道府県が主体的に運営して、市町村と都道府県が連携して構築していくという意味で、分権的なシステムというふうに考えております。
 都道府県の事務のうち、一定のものにつきましては、一般的な専門技術を有するものに集中させて行った方が事務の効率性とか正確性、安全性の観点から望ましいということで、改正法案では指定情報処理機関に一定の事務を行わせることができるというふうに規定をいたしておりまして、都道府県が指定情報処理機関に一定の事務を委任することを可能としているということでございます。
春名委員 非常に薄く見せるといいますか、一定の事務をそういうことができるように法律上しておるという説明なんですけれども、これまでの議論の中で、やはり四十七都道府県が委託すべきものは委託するという方向が強烈に期待されているということだと思うのですね。そうしなければ非効率になりますよという御説明も当然されるでしょう。もっと率直に言えば、こういう条文があるということは、その書かれている条文すべてが、委託されるということを前提にしてこのシステムはやはり組まれてきていると言わざるを得ないと思うのですね。
 それで、期待どおり県が委託した場合は、結局、県センターがやる仕事は何が残るのでしょうか。これは条文にも少し書いてあるわけですけれども、四十七都道府県が全国センターに必要な法文上書いてある仕事を全部委託した場合、県センターは一体何をやるのでしょうか。
 例えば、私の高知県では、八十二万人の人口の小さな県ですけれども、県センターというのは、それぐらいの人口だったら、残った事務を行うのにどれぐらいの職員が必要なんでしょうか、専属スタッフは必要になるのでしょうか。また、そのセンターはどこに設置をするようなことが想定されているのでしょうか。
 県センターはどういうものになるのかということ、そこら辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 指定情報処理機関に都道府県が事務を行わせる、委任するという場合においても、都道府県の役割というものはかなりのものがございます。
 一つは、県内の市町村についての本人確認情報を保有するという機能がございます。さらに、住民基本台帳に正確な記録が行われるように区域内の市町村に対して必要な協力を行うということで、訂正すべきものがわかった場合には市町村に連絡するとか、そういう必要な協力を行う。さらに、県内のネットワークシステムの適正な運営、管理を行うための市町村間の連絡調整を図るといった機能がございます。
 従事する職員については、定かに何人と言うわけにはまいりませんけれども、この機能は多分、一般的には県庁の中で行われるだろうというふうに考えております。
 さらに、指定情報処理機関はいわば都道府県の共同受け皿というか下請機関でございますから、都道府県知事は、指定情報処理機関に対して必要な報告を求めたり、立入検査を行ったりする監督権限も持っているところでございます。
春名委員 今のお話でも、県センターというのはそれなりの仕事を幾つかするのでしょうけれども、今までの議論と法文を読んだ私の印象では、やはり大部分の仕事が全国一つの指定情報処理機関に、率直に言って、どなたかおっしゃっていましたけれども、丸投げされるような仕組みと。そしてコードの割り振りの問題でも、実際の権限は知事にそういうものがあるわけないのであって、そういう問題もある。だから、どうも一元的に管理をしていくシステムにおのずからならざるを得ない仕組みになっているのじゃないかということを指摘しておきたいと思うのです。
 もう一点、本質的質問を行いたいと思います。そもそも、すべての国民に共通番号をつける、それがどういう意味を持つのかということであります。これは根源的な問題でありますけれども、今まで既に、運転免許番号だとかパスポート番号だとか基礎年金番号だとか、そういう目的別の限定番号が使われてきました。今回は、国民すべてにコード、共通番号をつけるということになります。
 そこで、自治省のお考えを聞いておきたい、ただしておきたいのですが、今まで使われている限定番号と今回の共通番号の導入の違い、どういうふうにこれを御認識しているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 住民票コードの性格の問題ともかかわるわけでございます。各行政分野ごとのコードの番号と住民票コードとの関係といったことでもあろうかと思います。
 行政分野ごとの独自の番号制度をそれぞれ設けることについては、ある意味では、行政の簡素効率化の観点から適当でないという考え方もあります。他方、個人情報保護の観点から、住民票コードがあらゆる行政分野に共通して利用されるということは問題であるという考え方もあります。したがいまして、各行政分野においての住民票コードの使用については、それぞれの考え方あるいは住民基本台帳法の趣旨、目的、それからそれぞれの制度の趣旨などを十分勘案して、慎重に、また適切に判断されるものだと考えております。
    〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕
春名委員 私の質問にはお答えになっていないわけです。
 限定番号というのは、幾つかの一定のサービスを受けるということで、それを前提にして、自分にはこれこれこういう番号がついているということが認識をされるということになります。それぞれの分野の問題に限定されるわけですね。しかし、今度の共通番号、住民票コードというのは、人間が生まれればその人に番号がつけられるわけです。親が確認することはもちろんありますけれども、幼い子供たちにはこれはわかりません。そして、自分が納得していようがいまいがつけられるということになるわけです。そしてこの番号は、すべてのものに共通して使われていくということが言われているわけであります。そういうことをどのように認識するかという問題だと思うんです。
 今の議論では、限定番号とそれぞれ限定的につながるのは効率的でない、他方、共通番号は少し問題があるかもしれない、そういういろいろな議論があるのでそれぞれ勘案してやらなければいけないと言われているんですけれども、そういう次元の質問をしているのではなしに、そういう今までの限定番号と、赤ちゃんからお年寄りまで、亡くなるまで共通番号が全員につけられるということとは質的に違うと思うんですよ。
 その違いというのは一体どういう問題なのか、そこのところはどういう御認識をされているのか、私は非常に根本的問題のように感じますので、その点をもう一度、質問の趣旨に沿ってお答えいただけませんでしょうか。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 この住民票コードは、住民票に記載されております情報の中から氏名と住所と性別と生年月日と、本人を確定するために必要な情報、これにいわば到達するために住民票に付されるコード、こういう考え方をとっているところでございます。お話しのように、例えば、先ほども御答弁申し上げましたがパスポート番号、それから免許証番号、それぞれ行政分野であるわけでございますが、この住民票コードとお互いに排除し合うというような性格のものとは考えておりません。
春名委員 今回のこの共通番号はやはり多目的の利用を前提にしているというのが、この間の議論でどんどん明らかになってきているんですね。ドイツでは、住民基本台帳番号制度というのを導入しようとしたときに、これは個人の人格権を侵害し、憲法違反に当たるという判断すら下っている判決があります。ですから、そういう角度の問題として私はきょう問題提起をしております。
 今度の改正というのはそういう性格を持つものである、そういう認識で当たるべきではないかと私は思います。だからこそ慎重に、国民の納得を得た上で、早急にやるべきではないということを改めて申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
坂井委員長 次に、知久馬二三子君。
知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。
 私も、一昨日からかけまして、本当に、議論が深まれば深まるほど疑問が多くなってきますし、不合理な点もたくさんあるなということを痛感しておるところでございますけれども、既に多くの委員の方から質問がありましたけれども、まだ少し不明確と思われますものを重ねて質問させていただきたいと思います。
 まず、第三十条の十から二十八までは指定情報処理機関の規定になっています。この指定情報処理機関は、今回の住民基本台帳ネットワークシステムの実務の中心的な役割を果たすことになっています、このことはよくわかっていることなんですけれども。鈴木行政局長のこれまでのお答えでは、指定情報処理機関は地方公共団体が出資する公益法人ということですが、これは全国で一つだけのものでしょうか、あるいは複数の機関が存在することになるんでしょうか、その点が一つ。
 全国で一つの機関に四十七すべての都道府県が委託することになると、都道府県の主体性はなくなることになり、地方分権を形骸化することになります。また、個人情報が高度に集中管理されるものになるんではないかということを思うのでございますが、この点についてまずお伺いいたします。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 この改正法案におきましては、自治大臣が指定情報処理機関を指定するに当たっては、その基準として、ほかに指定を受けた者がないこと、こういうふうにしておりますので、指定情報処理機関は全国で一つに限られるということで、複数の機関が存在することにはならないということでございます。
 それから二点目でございますが、指定情報処理機関に対しましては、事務処理の効率性、正確性の確保のために全国的組織が一括して行った方が適当であるという事務を都道府県知事がその判断で委任できることといたしておりますので、知事の判断に基づいて事務を委任するということでございます。
知久馬委員 先がたも春名委員さんがおっしゃったと思いますけれども、本当に都道府県の事務というのが、どういうようなことがされるのかということも何かここでははっきりしないと思いますし、先がた言いましたように、横でなくして、本当に縦の流れというか、集中管理的なことになっていくんではないかという点に大変危険性があるんじゃないかということを私は思っております。
 では次に、三十条の十五、指定情報処理機関における本人確認情報保護委員会の性格もあいまいです。ここでは、本人確認情報の保護、三十条の五の第一項についてだけ規定してありますが、指定情報処理機関が管理する他の情報、国、その他への本人確認情報の提供状況など、ないしは指定情報処理機関が行う他の業務などについては調査審議事項に入るのでしょうか。
 また、この保護委員会は、指定情報処理機関の代表者に対して意見陳述を行うことにすぎない委員会となっており、委員の任命についても指定情報処理機関の代表者によるとされていることから見ても、第三者機関としての独立したチェック機能を期待できるものかどうかということが大変疑問であると思うのでございますが、この点についてお伺いいたします。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 本人確認情報保護委員会のお尋ねでございますが、学識経験者を委員として構成される第三者的な機関でありまして、国の機関等への本人確認情報の提供など、本人確認情報に係る事務処理を客観的にチェックするものでございます。具体的には、この機関における本人確認情報の技術的な保護対策を講ずるに当たって、広く専門的立場から意見を述べたり、また、住民の方から寄せられましたさまざまな苦情、相談に適切に対応するために意見を述べることができるということを予定いたしております。
 お話しの指定情報処理機関が本人確認情報以外の業務もなし得るという形になっておりますので、そういう業務を行っている場合に、他の業務に関する情報等は本人確認情報に係る事務とは関係ありませんので、調査審議事項には該当いたしません。こういうことでございまして、この保護委員会というのは、本人確認情報に係る事務処理を客観的にチェックする、こういう役割を持つものでございます。
 それから、二点目でございますけれども、今お話がございましたように、学識経験を有する者を委員として構成する第三者機関ということでございます。いわゆる指定法人方式をとっておりますから、いわば一般的な委員会の方式として、こういう保護委員会の仕組みをとっているところでございます。
 当然、この委員会が十分に機能することによって、本人確認情報の保護が図られるものと考えております。
知久馬委員 この点につきましては、やはり十分なチェック機能を期待できるような形をとらなければならないと思います。
 私は、基本的なことになるのですけれども、最初にも言いましたように、本当にこの住民基本台帳、今回の法改正の件につきましての基本的なことというのは、ずっと言われていますように、住民の利便性ということと本人確認と言われるのですけれども、本当に地方の中で実際に事務をしている者にとってみれば、このことが、やはり私は、国の執行機関等に利用されるだけじゃないかなということを感じておるところでございます。
 最後ですけれども、自己の本人確認情報の開示を定めた三十条の三十七についてお尋ねいたします。
 指定情報処理機関は国の行政機関ではなく、当然、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の適用を受けません。この機関は各都道府県との委託、受託の関係にすぎないため、都道府県条例に基づいた自己情報の開示請求も困難な場合が想定されます。また、指定情報処理機関の保有する本人確認情報へのアクセスの状況も含めて本人に開示できるよう、この住民基本台帳法において規定すべきであると考えますが、御見解を賜りたいと思います。
野田(毅)国務大臣 この改正法案では、まず第一点、指定情報処理機関に対する本人確認情報の開示請求や、情報の訂正などの申し出ができることになっているということ。
 それから、第二に、本人確認情報の提供先、そして利用事務については、個別に別表に列挙いたしておりますということ。
 第三に、国の機関等への情報提供の状況については、毎年報告書により公表されることにしておりますこと。
 こういう点が規定をされておりますことから、御指摘の点については制度的に明確になっておるものと考えております。
知久馬委員 時間が来ましたが、でも、私は、時間が少ないものですから、まだまだ多くの質問等をしたいと思いますので、どうか慎重な審議を委員長の方によろしくお願いしまして、終わりにいたします。
 ありがとうございました。
坂井委員長 次に、鰐淵俊之君。
鰐淵委員 大変長時間、御苦労さまでございます。
 当委員会では、これまで、参考人の質疑六時間を含めまして、既にもう二十時間以上にわたる議論がなされ、大変活発な議論、そして充実した議論になっておる、このように私は評価をいたしております。したがいまして、もう論点もかなり集約されてきたようにお見受けしますし、私としては、そろそろ総括する時期に来ている、このように思います。したがいまして、幾つかの論点を整理いたしまして、ひとつ大臣、局長の御答弁をお願いしたいと思います。
 まず第一点目は、このシステムと地方自治との関係でございます。
 くしくも本日、地方分権一括法案が本会議にかかりますが、この住民基本台帳ネットワークシステムは、基礎的自治体である市町村をベースとしたものでございます。この精神を貫こうと努力しているものであると私は考えます。
 外国の例におきましても、御案内のように、国に一括して多くの情報を集め一元管理しておりますが、今回の案は、都道府県に四情報と住民票コードを送り、都道府県が連携してネットワークシステムを構築するというものであります。その際、四十七の都道府県がお互いに協議しながら業務をこなしていくというのは大変でございますので、自分たちが出資した公益法人に一定の業務を委任することとしたわけでございます。委任することができるということですから、しない県があってもよいわけであります。
 二点目は、都道府県や全国センターが保有する情報を、四情報と住民票コードに限定した点であります。
 これも、市町村が持っている多くの情報をできるだけ集めるということではなく、行政を遂行していく上での必要最小限の情報に限っているわけでありまして、この情報は、既にもうだれが請求しても開示する情報であります。したがって、個人情報保護の観点から大変重要なことであるということも考えられます。この情報だけでは足りないという議論もありましょうが、私自身が行政に携わった経験からしますと、行政事務を行うに当たり、この本人確認情報は、住所の確認、それから生存の確認など、大変有効なものでありまして、本人の確認システムとしてネットワーク化された場合、十分にその威力を発揮するものと私は期待しております。
 三点目は、保有情報の利用方法についてであります。
 これまでの当委員会における審議を踏まえ、法律で利用機関及びその事務について、個別に限定列挙という形で法律の別表に規定した点であります。とかく行政は、立法府の制約を免れ自由に情報を活用しようとするわけですが、ここまで立法府にゆだねるということは、大英断であると評価いたします。
 今回、法律の別表に十六省庁九十二事務が掲載されておりますが、縦割り行政と言われる中で、これだけのものがこのシステムに集まっております。これは各省庁が保有している情報をネットワークには送らない、すなわち、このシステムでは情報集約が行われないという仕組みになっているからこそ、これだけの各省庁が認めたのではないかと思います。
 四点目は、罰則の関係であります。
 一般の守秘義務違反に対しましては、懲役一年以下または三万円以下の罰金という罰則が公務員法に定めてありますが、今回の法案では、それを二年以下の懲役または百万円以下の罰金としております。ほとんどの公務員は誠実に公務に取り組んでおります。しかし、このシステムの安全性を制度面、技術面、人的な面から担保する意味で、涙をのんで重い罰則規定を置いたものと思われます。しかも、この罰則を受託業者まで対象としたことは、これまた画期的なことであると思います。
 五点目は、民間利用を禁止している点であります。
 住民票コードは他の番号と異なり、あくまでも民間には示さず、本人と法律で定められた機関のみが知り得るわけでありますが、仮に住民票コードの任意の告知までも罰するということにすれば、それは弁護士会も言っているように、構成要件をきちんと定め、むやみに罰則を設けるべきでないとの趣旨に反すると思われます。今回の法案の民間に対する罰則適用はまどろっこしいかもしれませんが、むやみに罰則を設けるようなものではなく、段階を踏んだ上で懲役刑まで踏み込んだものです。このことは大きな前進だと思われます。
 次に、民間を含めた個人情報保護法についてであります。
 先日の参考人質疑におきまして、堀部参考人は、個人情報保護の法的対応の方式として、官民を一括したヨーロッパ型オムニバス方式、官と民を分けるセグメント方式、アメリカに見られるような、官民のそれぞれで分野別にきめ細かく規制していくセクトラル方式という三つの方式を示しております。
 今回の法案は、民間の利用を禁止し、行政サイドの個人情報保護を定めておりますが、それでも民間で利用した場合の措置まで踏み込んでおります。もちろん、行政側を律している一般法である行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律が改定され、あるいは民間についての一般法が制定され、その内容が本法案を上回るものであるならば、今回の特別法たる住民基本台帳法もそのレベルに引き上げるべきであると考えます。
 とかく一般法はその規制が甘くなるわけで、手続規定にとどまる場合もあります。住民票コードをそのまま納税者番号にする民間に使わせるとするならば、民間の個人情報保護法がしっかりと必要なわけですが、繰り返しますが、今回の法律は民間利用を禁じているので、民間の個人情報保護システムはこの法案の前提とはならないと考えます。
 いずれにしましても、この法案の審議を通じ、民間を含めた個人情報保護の議論が高まったと位置づけたいと思います。
 さらに、ICカードについてですが、これは質問をいたします。
 今回のカードは、市町村が希望する住民の申請に対して発行するものでありますが、これに四情報と住民票コードを記憶させるに当たり、セキュリティーの観点からICカードとするものであります。その際、カードの余裕がある部分について、さらに市町村の条例に定めるところによる住民が選択した情報を記憶させることが可能となってくるわけです。これまで出雲市を初め、先進的自治体において大変な苦労の末にチャレンジがあったわけですが、先日の五色町、あるいは広域的に利用しようとした岐阜県の取り組みに対し、敬意を表し、住民基本台帳を扱う市町村がその利用について大いに期待しているものと受けとめたところでございます。
 そこで、第一点お伺いしますが、先進的な地方公共団体が苦労して進めているICカードシステムについて、その地方公共団体の苦労、意見、新しい発想をよく酌み取っていただきたいと考えますが、その点、いかがでしょうか。
 最後に、大臣にお伺いいたします。
 住民基本台帳のシステムは、毎年三千億円、四万人がかかわって維持しているわけであります。現在では全国のほとんどがコンピューター化されておりますので、実際、住民票には番号が付されて処理されております。これをネットワーク化していかに活用するかといったことは、市町村にとっても、国にとっても、そして住民サービスの向上の観点からもどうしても必要なことだと私は思います。
 さまざまな議論があることは承知しておりますが、まさに未来を切り開くため、私たちは前進しなければならないと思います。二十一世紀の高度情報化社会における行政インフラとなる住民基本台帳ネットワークシステムの構築は、今行うべき大切な構造改革であると思いますので、この点につきまして、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
 以上です。
野田(毅)国務大臣 数々の激励を含めた意見、それから御質問をいただいて、ありがとうございます。全く同感でございます。
 そこで、二点ございました。一つはICカードに関連する御質問であります。
 現在、全国で先進的にICカードシステムを導入している地方団体では、高度なセキュリティー機能や記憶容量を生かして、証明書の自動交付などの窓口業務のみならず、福祉、医療などの分野できめ細かな住民サービスが提供されておるものと認識いたしております。そういう先進的な取り組みを進める中で、各地方団体がいろいろ苦心されている点があるということも十分承知をいたしておるところでございまして、こうした貴重な経験を生かして、今後、全国の市町村が住民基本台帳カードを活用したサービスを円滑に展開していくことができるように配慮をしてまいりたいと考えております。
 二点目でございます。
 二十一世紀の高度情報化社会における行政インフラとなるこの住民基本台帳ネットワークシステムの構築というのは、まさに今行うべき大切な構造改革だ、こういう御指摘でございます。
 全く同感でございまして、特に二十一世紀の行政情報化のインフラであるこのネットワークシステムが現時点でまだ存在していないということが、既におくれていることではないかと考えておりまして、プライバシー保護策を徹底的に講じながら、このシステムを一刻も早く導入してまいりたいと考えております。
鰐淵委員 ありがとうございました。終わります。
坂井委員長 次に、滝実君。
滝委員 自由民主党の滝実でございます。
 本日の質疑の最後を承らせていただきまして、若干の問題について質問をさせていただきたいと思うのでございます。
 今、この住民基本台帳のネットワークの基本的な性格につきましては鰐淵委員が総括をされたところでございまして、私は基本的に鰐淵委員の総括に賛同をさせていただくものでございます。
 この委員会でも、かつてスウェーデンにおける個人データの御紹介がございまして、そしてその中で、スウェーデンのデータ検査院の長官が日本に来て、講演の中で、スウェーデンの個人情報番号制度を日本に導入しないことが必要だとお述べになったということがこの委員会でも紹介をされました。そして、私も、その中身をつぶさに調べますと、確かにそういうことをおっしゃったことは間違いないのでございますけれども、スウェーデンの場合と日本のこの今回のネットワークは基本的に性格が異なるということもあわせて御紹介をいただきたかったなという感じがするわけでございます。
 スウェーデンの場合には、個人情報システムは一九六八年に構築されているわけでございますから、かなり早い時期に個人番号制度ができ上がっているわけでございますし、しかも、それを管理するのは国の機関、データ検査院が管理をする、こういうようなこともございます。実際にはスウェーデン国民住所ファイルという機構が管理をするわけでございますけれども、データ検査院もそれにかかわる、専ら国の機関がこの問題にかかわるわけでございます。
 そして、何よりもこの日本の予定しております制度と違いますことは、スウェーデンの場合には二つ違いがございまして、一つは、このデータ検査院の免許を受けた場合には個人ファイルが民間機関でもできる、こういうシステムになっているわけですね。なおかつ、この個人番号を統括するスウェーデン国民住所ファイルという機構につきましては、各省庁から随時、照会に応じて情報が提供されていく、したがって、民間にもこういった情報が随時流れている、こういうことでございますから、今回の政府のこの基本的なシステムとはまるで違うわけでございます。
 そういう観点から見てまいりますと、この今回の制度は実は世界に例のない個人情報システムだろうと思うんです。極めて制約、限定的なシステム、しかも、たびたびこの委員会でも強調されておりますように、専ら基本的な性格は、地方団体が主体性を持つ制度であるというところが、私は基本的に世界に類例のない制度だというふうに認識をいたしているものでございます。
 そこで、ただ、今までの委員会の中で必ずしも答弁が明瞭でなかったという点も一、二ございますので、きょうはそういった点をひとつ最後の締めくくりとしてお尋ねをしておきたいと思うのでございます。
 一つは、きょうも話題になりましたけれども、いわばこのネットワークそのものは専用回線を使うということを、やはりもう一度はっきりさせておく必要があるだろうと思うんです。前回の委員会ではその点が不明瞭だった点もありますので、今回、改めてそういうような御質問がございました。
 やはり基本的なネットワークそのものは、専用回線、よく言われますように防火壁、防火壁の中は専用回線でございます、こういうことになるわけですね。ところが問題は、防火壁の外のところがどうなるか、そこのところなのでございますけれども、これは条文上ではなかなか表現しにくい点があろうかと思います。条文上の表現としては、専ら個人情報の管理を徹底するとか、そういうことにならざるを得ないわけでございますけれども、ここのところはきょうの質疑でも出ておりましたけれども、防火壁の外側のところが、現在のこの種の個人プライバシー保護と申しますか、個人情報管理の一番のポイントだと思うのでございます。
 そこのところは、民間には流出しませんから、これを利用する各地方団体、各省庁がこの趣旨を徹底して、きめ細かなマニュアルを早急に関係者でもってきちんと練り上げる、それを公表する、これがやはり一番の点だろうと思うのでございます。
 そういうような角度から、これを利用する各省庁、各地方団体のマニュアルの徹底につきまして、これは行政局長で結構ですから、ひとつその決意のほどをお述べいただきたいと思うんです。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 このネットワークシステムの内部は、御指摘のとおり専用回線のみを用いるということでございます。それから国の機関等への提供方法につきましては、ネットワークシステムと外との問題でございますので、基本的には、具体的な方法としてはファイアウオールを介してオンライン接続を行う方法や、磁気媒体を通じてデータ提供を行う方法などが考えられます。
 活用するそれぞれの国の機関等の事務の特性、日常的に本人確認の必要があるかどうか、即時性が求められるかどうかなどに応じまして、受領者であります国の機関等の責任において適切な措置が講じられるべきものと考えておりまして、法律に定めます安全確保義務というものが十分行えますように、またセキュリティー措置が講じられるように、私どもとしても十分努力をしてまいりたいと考えております。
滝委員 きょうも厚生省が来てお述べになりましたけれども、例えば各種の年金、この制度を利用する年金も、従来は、例えば年一回の現況確認ということで年一回一斉に処理されていたものが、現在ではどうもそうではない、暫定的にそうではないというような事務の取り扱いになっておりますね。それに今度のこのシステムが利用されるということになりますと、年一回なのか、あるいは随時この情報が関係機関に、照会に答えて流れていくのか、そういった具体的な事務のやりとりにさかのぼってやはりマニュアルをつくっていただきたい、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、二番目の問題で、都道府県センターの問題が本日も議論になりました。都道府県センターというのは、これがやはり今回の、従来にない、住民基本台帳の中で初めて都道府県が顔を出すことになった画期的なシステムであるわけでございます。これは技術的な理由で都道府県センターが出てくるわけでございますけれども、この都道府県センターがこのシステムの軸になるわけでございますけれども、法文上、私もちょっと不勉強なものですから教えていただきたいと思うんです。
 例えば、都道府県センターがあっても、他の都道府県との連携というのは法の条文ではどうも必ずしも明らかでないような感じがいたします。全国センターに委託をした場合には、都道府県間の連携は全国センターがおやりになる、こういうような条文の立て方なのでございますけれども、隣の県との連携、そういった点について、実際問題として、都道府県センターは条文上どういう根拠でできるのか、それが一つでございます。
 それからもう一つは、災害の場合に全国センターの回線が切れた場合に、都道府県センターがネットで結ばれているわけでございますから、全国センターが回線ダウンしたときに都道府県センターのネットが利用できるのかどうか、条文上どうもよく読み取れないところがございますので、その二点について御説明をいただきたいと思うんです。
鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
 この法案の別表で規定をいたしておりますいわゆる十六省庁九十二事務に関します本人確認情報の提供につきましては、指定情報処理機関に県が委任している場合が通常ですが、その場合には指定情報処理機関が単独で行う、国の機関等には指定情報処理機関が単独で行うということでございまして、その場合には都道府県間で直接行われるということはないものでございます。
 また、都道府県相互で直接本人確認情報のやりとり、提供が行われるのは、条例で定めて「他の都道府県の執行機関であつて条例で定めるものから条例で定める事務の処理に関し求めがあつたとき。」これは都道府県相互で定めた場合です、その場合に限られます。そういうことでございまして、その場合の情報提供につきましては指定情報処理機関に事務を委任できないということで、都道府県独自で条例に基づいて行うものについては都道府県で行うということでございます。
 また、災害時のバックアップにつきましては、このネットワークを組む際には、いろいろな経路の構成におきまして、一カ所でシステムがダウンしたときには他から情報が送信できる、こういう仕組みにいたしておりますので、都道府県の方でバックアップ機能を果たすということがあります。
滝委員 そこのところはやはりこれもきちんとしたマニュアルをつくっておいていただく必要があるように思いますので、これについても御検討をいただきたいと思うんです。
 それから、全国センターの問題について一つだけ、簡単にお尋ねしたいと思うんです。
 先ほども、住民票コード、番号のつけ方について何で全国センターに権限があるのか、こういうようなことでございましたけれども、これは極めて機械的な話ということで私どもは理解をさせていただいているわけでございます。
 基本的に番号は十億種類あるわけです、十億の番号がある、既に。十けたですから十億の番号があるわけです。ですから、十億の番号が宙に浮いているわけでございますけれども、その番号を各市町村、各県に配分するには、これは極めて機械的、例えば住所とか年齢とか性別とか、そんなことは推定できないように乱数表でもってすべておやりになるということでございますから、だれがやってもいい、ただしだれかがやらなきゃいかぬから全国センターが割り振る、こういうふうに理解をすべきものでありまして、これは特に権限があるとかないとかという問題ではなくて、空中に浮いている雲を乱数表によって、それで割り振った、こういうことだろうと思うんです。
 そういうことからいきますと、実は全国センターも都道府県センターも、これはルーチンのワークは、機械を保守管理するという意味においてはルーチンの管理は、それは毎日あるだろうと思うのでございますけれども、けんけんがくがくの議論をしなきゃならぬようなことはまずないというような性格のものだと思うんです。したがって、都道府県センターにしろ全国センターにしろ身軽な組織機構でやる、ただし機械のスペースは要る、こういう性格のものだろうと思うのでございます。
 そういう中で、全国センターの指定先、これは改めて法人を設立する、事務所も新しくするということについては、私はそれはむだなことではなかろうかなというふうにも思うのでございますけれども、この辺について今まで自治省から御答弁がありませんので、これが最後でございますので、ひとつ大臣から基本的な考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
野田(毅)国務大臣 指定情報処理機関のあり方については、まことに今御指摘のとおりでありまして、いわゆる権限に絡むような話ではなくて、機械的な事務処理をだれかがやらなきゃならぬということを委任を受けて代行する、そういう性格のものでございます。これは全国知事会から、指定情報処理機関、この全国センターについては、行政改革の流れも勘案し新たな組織を設けず既存の法人等の組織で対応できる仕組みを検討されたいという意見を、平成九年の三月にいただいておるところでもございます。
 指定情報処理機関の指定に当たっては、法案成立後に、法律上の指定の基準を踏まえ、全国知事会の御意見も勘案しつつ、既存の法人の中から指定をしていきたいと考えております。

滝委員 とにかく、大変大仕掛けなシステムであることは間違いないのでございますけれども、そういう中で、ともすると都道府県センターにしろ全国センターにしろ、センターそのものが大仕掛けのような印象をぬぐえませんので、できるだけセンターそのものの物理的な存在としては簡素に、こういうことでお考えを徹底していただきたいと思うわけでございます。
 時間がありませんので、最後に、総括的に大臣に御決意のほどをお述べいただきたいと思うのでございます。
 きょうも御紹介ありましたように、プライバシーの保護、個人情報の管理システムとしては、法文上の制度としては恐らく相当な高いレベルであろうかと思いますし、システムそのものも、世界の先進諸国に比べて、類例のない、極めて限定的に、いろいろな反省のもとにつくられたシステムだろうと思うのです。
 問題は二つあるだろうと思うのです。一つは、やはり地方の分権、地方団体が主体性を持つという運営のあり方について徹底を期していただくということが一つ。それからもう一つは、先ほども申し上げましたけれども、これを利用する地方団体、そして国の機関がこのシステムを担当者の末端に至るまで十分に徹底していただく。この二つが何よりも肝要なことだろうと思います。
 そのためには、やはりそれぞれについてマニュアルをつくっていただいて、マニュアルをやはり公表してもらう、マニュアルづくりについてもいろいろな意見、衆知を集める、こういうようなプロセスを経ていただく、これがやはりこの制度の命だと私は思いますので、この点について、最後に大臣から御決意のほどをお願い申し上げたいと思うのです。
野田(毅)国務大臣 まことに御指摘のとおりでございまして、特にこの安全性の問題について、それを実際に運用していく人的側面について、あるいはその運用管理のあり方について、きちんとした管理運営上のマニュアルをつくっていくということは非常に大事なことであるというふうに考えておりまして、この法案を成立させていただいた後、執行過程に入る前の段階においても、本当にそれぞれ自治体の関係者の皆さんの意見をも十分聴取をしながら、万全を期してまいりたいと考えております。
 そして、いま一つ御指摘ございましたように、少なくともこの地方自治体の行政事務の遂行の上において、いわゆる行政情報化という側面からいうと、既に日本はおくれてしまっているのではないかという危機感もある、そういう中で、これの実効が上がるように、地方分権が結果としてこのことによって大いに増進ができるようにこのシステムを運営してまいりたいと考えております。
滝委員 大臣の決意をお聞かせいただきまして、本当にそのとおり、よろしくお願いを申し上げたいと思うのでございます。
 それから、最後に注文を一つだけ申し上げておきたいと思うのです。
 先ほど来、地方団体への徹底がどうも不十分ではないかという御懸念の表明もございました。こういうふうな法案をつくるときには、国会でまだ成立していない法案について説明をするというのは行政府として僣越である、こういうような意見もあるものですから、なかなか周知徹底は言うべくして難しい点もございます。しかし、重要な法案でございますので、国会審議と並行して、やはり地方の皆さん方にも納得してもらうだけの説明は並行しておやりになった方がよろしいかと思いますので、一つだけ御注文を最後に申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

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