当サイト管理者による解説
質問者 細川律夫(民主党)
質問者 古賀一成(民主党)
質問者 桝屋敬悟(公明党)
質問者 富田茂之(公明党)
質問者 春名直章(日本共産党)
質問者 知久馬二三子(社会民主党)
※ 強調は、当サイト管理者による。
○坂井委員長 これより会議を開きます。
第百四十二回国会、内閣提出、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川でございます。
野田大臣には、参議院の審議の後でまたこの委員会で審議に御出席をいただきまして、大変お疲れのところと思いますけれども、あとしばらくの間御辛抱をいただきたいというふうに思います。
これまで、この住民基本台帳法の改正案につきましては、いろいろな質問あるいはまた参考人の意見聴取などにおきまして、問題点がいろいろと明らかになりつつある段階ではないかというふうに思います。そういう意味で、大変国民に関係のある大事な法案でございますから、問題のあるところについては細かくちょっと質問もさせていただきたいというふうに思います。きょうは、私は、特にこのネットワークシステムがつくられたときの経費、そしてまたベネフィットの問題について的を絞りまして、この点についてお聞きをいたしたいと思います。
私の手元には二つの資料がございます。一つは、平成八年の十二月に出されました住民基本台帳ネットワーク懇談会の意見の概要に添付をされました資料でございます。ここには、システム構築に要する経費と時間的な節減効果に関するものが記載をされております。もう一つの資料というものは、平成十年の三月にこの法案が提出をされましたときにつくられた資料でございまして、これも経費とベネフィットについてまとめられたものでございます。
この平成十年の資料でいきますと、ネットワークシステムの基本的な導入の経費、いわばイニシアルコストというものが約三百九十五億円、そして、システムが稼働をいたしました後毎年要する費用というものが百九十八億円ということになっております。経費はこのようになっております。ベネフィットの方は、行政側が約二百四十億円、住民側が二百七十億円、計五百十億円ということになっておりまして、稼働二年目には採算がプラスになるというような試算でございます。
つまり、この資料でいきますと、コストベネフィットの面からいたしましても、システム導入には大きなメリットがあるという主張でございます。
しかし、この二つの資料を読んでみますと、一年三カ月の間に大きく数値が変わっているところが見られます。まず、毎年要する費用は、二つの資料によりますといずれも百九十八億円、こういうことになっておりますけれども、しかし、その内訳が大変異なっております。
少々の違いというのではなしに、例えばハードウエアリースの費用というものが、平成八年度の費用では一年間で百三十四億円かかる、こういうことでありますけれども、この法案が出たときに出されました平成十年の資料でいきますと、これが何と九十三億円に減っております。
それから、ソフトウエアリース費等、これもまた非常に変わっております。名前がソフトウエア保守料等というふうに変わっておりますけれども、二十九億円が六十二億円と、約倍にふえているところでございます。しかし、その合計の一年間の費用というものは、どういうわけかこの二つの資料でぴったり百九十八億円、こういうふうになっておりまして、この資料を比べますと、まことにこれは不自然と言わざるを得ません。
それで、どうしてこういうような科目間の移動が生じたのか、また、合計はどうしてこんなにぴったりするのか、中身が変わっていて、何で合計だけこんなにぴったり合うのか、まずその点についてお聞きをいたします。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、平成八年の十二月段階の試算例とそれから法案を提出した平成十年の三月段階の試算とは、数値、項目に若干の差異がございます。
ちょっとお話し申し上げておきたいことは、これらの経費の試算は、いずれもネットワークシステムの基本的な導入経費とそれから年間経費につきまして、一定の前提のもとで行ったものでございます。試算につきましては「全体経費及びその内訳は、必ずしも精査されたものではない。」という注も付されたところでございます。まず、こういった試算であるということを御理解いただきたいと思います。
そこで、お尋ねの点でございますが、具体的にシステム稼働後毎年要する経常的経費、このうち平成八年十二月段階の試算では、ハードウエアリース料というものの中にハードウエアの保守のための経費というものを含ませておりました。これを三月段階の試算では整理し直しまして、移動しています。その点で数字が動いております。具体的には、保守に関係する経費というものを一つに整理するということで、ソフトウエア保守料ということで、この中にハードウエアの保守のための経費とソフトウエアの保守のための経費などまとめまして、整理しています。
ハードウエアの保守のための経費をハードウエアリース料からこっちの保守料という項目に移動させた、こういうことで、主として内訳の整理のために項目間の数値の入りくりをさせたというために、結果的に経費の合計額の変更自体はなかった、こういうことでございます。
○細川委員 そういうふうに言われますと、それでは、ずばり通信回線料、これは平成八年の資料でいきますと三十五億円、平成十年のこの法案が出てきたときには四十三億円、通信回線料というので三十五億が四十三億になっている、これはどういうことでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 この点につきましては、八年の十二月時点と十年の三月時点とのタイム的な違いによりまして基礎的数値に変動が出てきていますので、それを積み上げたもので変わってきております。
○細川委員 それでも、三十五億が四十三億になるというのはちょっと理解できません。
それでは、例えばこのハードウエア費というのが平成八年の資料では百三十四億円となっておりまして、この内訳は、全国センターが六億、そして都道府県センターが四十四億円、市町村が八十四億円、こういう内訳で百三十四億円、こうなっておりますけれども、それでは、平成十年の方のハードウエアリース料、これは保守料の方を減らしたということで九十三億、こういうことになっておるようですけれども、これに関しての、例えば全国センターあるいは都道府県センター、市町村という内訳はわかりますか。どういうふうな内訳になるのか。
通告しておりませんでしたから、もしわからないということならばそれで結構。わかれば教えてもらいたいし、わからなければまた後で教えていただいても結構ですけれども。
○鈴木(正)政府委員 場所別といいましょうか、それぞれの機関ごとでどういうふうに負担するかということは、八年十二月の段階でも、注にございますように、かなり前提を置いて整理している点がございます。
それで、今の段階の数値については、全く今はわかりません。
○細川委員 平成八年のときには、それぞれ一年間に要する費用として合計百九十八億円の経費を出して、そして、それのそれぞれ場所別経費として、全国センター、都道府県センター、市町村の負担割合も出されているわけでありますから、これは早急に、一体どういうふうに場所別の負担になるのか、計算をして、また後で御連絡をいただきたいというふうに思います。
次に移りますが、これは、このネットワークシステムを導入することによる費用の件でお聞きをしておりますけれども、私の方から見ますと、当然計算されてこの費用に入っていなければいけない、そういうものがあるけれども、資料を見ましても全く出てこないところがございます。それについてお聞きをいたします。
この法案では、各都道府県に本人確認情報の保護のための審議会を置いたり、あるいは中央には指定情報処理機関が設置をされるというような、新しい機関が設置をされます。また、法案の中では、苦情処理だとかあるいは開示請求に対しての新しい事務が生じるということになっているわけなんですけれども、そういう新しい機関ができたり、あるいは新しい行政事務が生じる場合、そういう場合は当然行政コストとしてふえるということになりますから、それが計算をして計上されなければいけないと思いますけれども、私が見た限りでは、そういう経費というものは資料の中には入ってきていない。
そこで、一体なぜこういう経費が入っていないのか、また、そういう行政コストというものは一体どれくらいの見積もりなのか、試算があるならば教えていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
このネットワークシステムの構築に要する経費につきましては、システムの基本的な導入経費、それから、システム稼働後、毎年要する経常経費ということで試算を行っておりますので、委員御指摘の都道府県における審議会あるいは指定情報処理機関の運営経費等については、この試算の中には含んでおりません。
この試算につきましては、一定の前提のもとで行ったものでありますのでどうぞ御理解を賜りたいと思いますが、都道府県の審議会あるいは指定情報処理機関の態様、規模というものは現在未定でございます。今後、都道府県あるいは関係情報処理機関が関係機関と協議をしながら決定していくこととなってきまして、それによって所要の経費が算出されてくる、こういうふうに考えております。
それから、苦情処理、開示請求に係る事務経費というものもあるわけでございますが、これらの事務経費を一概に今の段階で見積もるというのはなかなか難しいという性格のものでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○細川委員 今答弁がありましたけれども、しかし、この法案の中には先ほど言いましたようなそういう新しい機関が設置をされるとか、あるいは当然その行政コストがふえるというような、そういういわゆる当然のコスト増のところが含まれていないということ、今の段階ではなかなかまだそれが計算できないというような答弁では、まことにこのコストの試算自身がずさんな試算ではないかというふうに思われてもやむを得ないのではないか。あるいはまた、逆に考えれば、コストを低く抑えるためにわざわざそういうものを載せなかったのではないか、そういう作為があるのではないかというふうに考えざるを得ないわけでありまして、どうも今の答弁では納得がいかないところでございます。
それでは、次に進ませていただきますが、二つの資料の相違の二つ目は、ベネフィットに関するものでございます。
平成八年のこの資料でいきますと、時間の節減効果で時間のみをカウントしているのに対しまして、この法案が出たときには、この十年の資料によりますと、貨幣価値に換算をいたしているところでございます。それによりますと、行政側では、転入手続の簡素化などによりまして節減時間を算出して、それに公務員の平均の時間給を乗じて、そこで一定の額を出しております。住民側の方では、手続の時間などが省略されることによります節減の時間を算出して、それに住民時給といいますか、時給千円というものを乗じて計算をいたしておりますし、また、往復にかかる交通費も具体的に計算をされているところでございます。
そこで、私疑問を感じますのは、住民側の計算でありますけれども、通常、貨幣に換算をされるものは経済的な行為でありまして、具体的な経済効果をもたらすもの、それが貨幣に換算をされるのではないかというふうに思います。
例えば、専業主婦が市役所に手続に行く、あるいは高齢者が役所に行く、そういう時間が減ったとしても、では国民経済に及ぼす経済効果というものは、これはゼロじゃないかなというふうに思います。例えば、パートの労働者が仕事を休んで住民票の写しをとりに行くとかいうようなことにつきましては、これだったら具体的な、経済的な利益を生む場合もあろうと思いますけれども、そういうのは例外的だろうというふうに思います。
そういう意味では、利便性というものを貨幣単位で表示をしよう、つまり、意図はわからないわけではないですけれども、しかし、本来の経済行為と異なる現象をベネフィットの中に組み入れる手法というのは疑問があるわけでございます。
また、行政側についても同じでありまして、例えば住民票の写しを交付する事務が半分になれば、では職員が半分になるかというと、必ずしもそうではない。例えば、駅前窓口なんかできめ細かい事務をやっているような、そういう自治体の場合なんかは、事務が半減したからといって、では職員を半分にしていいかというと、これは必ずしもそこまで結びつかないのではないか、それには時間もかかるだろうということでございます。
したがって、私は、このシステムを導入することによって利便性が増すことについては、これは否定はいたしませんけれども、しかし、ベネフィットの試算の前提には大きな難点もあるというふうにも思います。
そこでお聞きをいたしますけれども、経済効果と結びつかない試算が、そもそも意味があるのかどうなのか。それから二つ目に、行政事務の節減が、比例して人件費の節減になるのかどうなのか。これについて、政府の見解を求めたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
このシステム導入によるメリットとして、今お話のございましたように、行政側の職員あるいは住民サイドの、このシステムの導入による節減時間というものを、こういった職員あるいは住民の時間当たりの標準的な人件費などを用いて、いわば数値化可能なものだけを仮定計算で試算した、こういう試算でございます。
それで、お話しのように、住民の利便性の増加が経済効果と直接結びつかないのではないかという御指摘でございます。一定のコストを要する事業について、その便益をどう評価するかといった御議論だと思います。
例えば、私どもでは、住民側、行政側ともに一定の時間節減効果が見込まれるというふうに試算しておりまして、こうした時間を、住民サイドにおきましては他の活動に振り向けることができる。また、行政側においては、一例として、窓口人員の一部をマンパワーが必要となる部門、福祉部門など新たな行政分野へ活用するということが期待できるということで導入のメリットがある、こういう考え方をとっております。
○細川委員 このシステムの導入をすることによってベネフィットの効果がたくさんあるんだということで、どうも無理にいろいろ計算をしているような、そういうふうに受け取ります。
それで、細かくなって恐縮でございますけれども、また二つの資料についてお伺いをいたしたいと思います。この二つの資料を比べますと、例えば平成八年の資料でありますと、行政の転入手続にかかる時間が十分、こういうふうにしてあるのに対して、平成十年の資料では十三・二分になっております。それからまた、転入の手続、これは往復も含めました住民側の手続、これも六十分から七十分にふえております。こういう、そんなに時間もたっていないといいますか、間隔もない二つの資料。しかも、自治省さんが関与されている中でこういう算出をする資料の根拠が違ってきているというのは、どうも解せません。
八年の資料では十分であったものが十三・二分になる。それから、住民側の時間が六十分から七十分になる。したがって、そういう長くなった分だけベネフィットがふえる、こういうことになってまいりますから、そういうのを無理にやっているのではないかというふうに思います。
例えばこれは、十分が十三・二分になることによって四億五千万のあれが違ってくるのです。六十分を七十分、十分ふやすことによって二十億六千万がふえるわけなんです。これを合わせると、これだけでも二十五・一億がふえるということでありまして、細かいことになって恐縮でありますけれども、何かこのシステムを導入することによってこういう効果がたくさんあるんだ、ベネフィットの数値がふえるんだ、どうもこういうことを無理にやっているのではないかというふうに思わざるを得ないのです。これはどうしてこういうふうになるのでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
行政手続に要する時間につきましては、窓口事務の実績などを勘案いたしますと、基本的に十分ということで試算をいたしております。
平成十年三月の資料でございますが、まず転入手続の点でございますが、これは、実は転入側の市町村と転出側の市町村でそれぞれ事務がございまして、それぞれのところで、この新しいシステムによりまして時間効果が、節減効果が出てくるということでございます。それらを合わせまして十三・二分ということで試算をいたしております。
また、往復七十分という点につきましては、役所までというか、窓口までの距離とか移動方法とか、これも一定の前提を置いていますけれども、そういうことで、役所までの往復も含めた住民側の手続時間につきまして、平成八年では一時間と見ておりましたが、往復時間を一時間、それから、窓口で要する時間は十分ということで合計七十分ということといたしまして、新たに節減時間を試算している、こういう内容でございます。
○細川委員 どうも納得がいきませんね。
細かく申し上げている時間がございません。どうも私の感じでは、わざわざふやしているのではないかということで、非常に疑問がございます。
また、この後質問もしようかと思ったのですけれども、細かいことになりますけれども、交通費なんかについて二百円というようなことでも、では、一体どういうことで二百円というふうにしているのかとか、こういうことまで考えますとなかなか難しい。あるいはまた、住民票の写しの交付の省略の件数が一千万件、こういうふうになっておりますけれども、別表の十六省庁九十二事務で果たして一千万件もあるのかどうかはっきりしない。今、私の調査をしているところではそんなにない、一千万件もないというように思います。
そういうことで、まだまだ質問もしたいところでございます。
この点につきましては、例えば地方自治体でコンピューターが既に導入をされているところ、あるいはこれから導入しようとするところ、いろいろありますけれども、そういうところでこのシステムができることによって百億円の節減ができていく、こういうようなことにもなっておりますけれども、果たしてそうなのかどうなのかという疑問も大変ございます。
そういうもろもろの問題点、あるいはよくわからない点、これらについてまだ質問もしたかったわけですけれども、時間が終わりますので、最後に委員長の方に申し上げたいのは、いろいろな疑問もございますので、さらに審議時間もおとりをいただいて、それぞれの問題点について慎重な審議、質問時間もとっていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○坂井委員長 次に、古賀一成君。
○古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。
もう三度目のこの法案についての質問でございますが、まだまだ疑問点はたくさん多いという思いでいっぱいでございまして、今、細川委員の方から、コストベネフィットといいますか、費用対効果の点でも質問がございまして、横で聞いていて、私もちょっと合点がいかないという感じがしておりました。
きょうは、私は一時間の時間をいただきまして質問をするわけでございますが、どうして今から質問するような質問をするんだというところを、前提をまずはっきり申し上げておきたいと思うのです。
私は、この法案については、いろいろな論点が冒頭の質問で申し上げましたようにあるのですが、この段階でちょっと整理してみますと、いわゆる一方的に行政が情報を集める、市町村から都道府県へ、都道府県から全国センターへ、こういう流れが構築されるという案でございました。その場合、個人情報保護法制というのが本当に確立しているのだろうかという点、むしろこれが先ではないかという問題認識がございます。
二番目に、コンピューターシステムとネットワークの信頼性、これはなかなか我々素人にとっても不気味というか、わからない面でありますけれども、コンピューターの専門家にいろいろ聞いても、この世界はまだ未知の世界という答えが返ってきます。そういう面で、一億二千五百万人の住民に、国民に番号をつけていわば集約化するというシステムというのは本当に大丈夫だろうか。とりわけ、高度の漏えいによってデータマッチングが起こって、いわゆる個人情報が至るところで集約化され、横行するのではないかという心配が二番目でございます。
三番目には、地方自治の本旨、地方分権の流れに反しないだろうかという感じが、この法律を読ませていただいたときにございました。
四番目に、ICカードの御提言がありますけれども、このカードがどこまで生活の利便性に役立つのだろうか、行政による個人情報管理の第一歩ということになりはしないだろうかという疑念がございます。
五番目に、これはいろいろ論議をされるところでございますが、本システムの導入を契機に、いわば将来の法改正によって、本人確認情報以外の情報への利用拡大とか、ひいては納税者番号制度の導入とか、いろいろな意味での中央主導の制度にこれが使われることはないのだろうか、こういう基本的な疑問といいますか、思いが実はあったわけでございます。
そういうことで、きょうは、ICカードの実態論であるとか、あるいは政策論とかシステム論を質問しようと思ったのですが、その前に、やはり歯どめになるのは法律の条文でございますから、やはり条文をしっかり、自治省からペーパーをたくさんいただいておりますけれども、それが条文上、本当に確実に担保されているかということを、やはり最後のよりどころは法律でありますから、見なければならぬということで、実は連休のときに見ました。
そうしましたところ、今まで聞いておった説明が、必ずしも条文にはあらわれていない。つまり、運用に任されている。省令に任されている。そうした場合、これは、今後、便利だ便利だということで、省令、政令で任された分野はどんどん拡大するではないかというようなこともございまして、きょうはしっかりとこの法文にのっとった質問をさせていただこう、こういうつもりで用意をしたわけでございます。合計三十三問あるわけでありまして、一時間では終わらないと思うのですが、きょうはできる限りのところまでいきたいと思います。
そして、その前に、おとといの新聞、あるいはきのうの新聞を見られたらわかるとおり、NTTの職員によるいわゆるデータの漏えい、こういうものがあったのですね。今まで、どちらかというとネットワークは専用回線で大丈夫、そういうシステム論をやっておったわけでありますが、実際のところは、情報の専門家に聞くと、全部やはりヒューマンファクター、ずばり人間の弱さ、そういうところから漏れているのですね。それがまさに今度のNTTの漏えいにもなったわけでありまして、あれだけのお金をもらっている。
あの新聞を見たときに、NTTの職員が電話番号情報を流して金をもらう、あるいは将来、この制度がしっかりしていなければ、市町村の職員、本人確認情報を提供という事態が大いに起こるだろうと私は思うのです。それを踏まえて、条文上、これがどこまで担保されているかということを今から質問させていただきたいと思うわけであります。
まず第一点でありますけれども、今の細川委員の質問に関連すると思うのですが、法第十二条の二第一項に「自治省令で定める書類」という記述がございます。この書類を出せば、住民基本台帳カード、例のICカードを出さずとも、実は住民票の写しがとれるのですね。つまり、既存のある資料を出せば、カードなしに住所地以外の市町村でも住民票の写しがとれるという制度がもう既に用意されておるわけでありますけれども、これは、どういう資料を出せば、住民基本台帳カードがなくても他県、他市町村でとれるのでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
十二条の二は、いわゆる住民票の広域交付の規定でございまして、住所地市町村以外の全国どこの市町村でも住民票の写しがとれる。その際に、今お話のございましたように、住民基本台帳カード、または自治省令で定める書類ということでございます。それは、運転免許証など本人を確認するに足りる書類とする予定でございます。
詳細につきましては、今後検討してまいります。
○古賀(一)委員 私は、これまでの受けた印象で、このICカードを含む住民票カードを持てば、これで初めて他市町村でとれるというふうに思っておったのですが、大半の成人が持っております免許証でも、実はカードなしでもとれるということなんですね。そうしますと、先ほどのコストベネフィット論といいますか、時間便益の算定に、カードは持っていて、前の市町村に行かなくてもいい、免許証でも今の制度でも済む、そうなれば、そのコストベネフィットといいますか、いわゆる便益にどこまで入っているかという疑問も生じますけれども、時間がないのでそれはもう聞きません。
二番目であります。
二十四条の二、第二項から第五項に政令で定める事項というのがございまして、転出の場合、住民基本台帳カードを持っていても、カードの交付を受けていても、付記転出届は必要だという規定になっております。そして、今度転入届をするときに住民基本台帳カードを添えて出せば転出証明書不要、こういう構成になっております。
僕がここで特に聞きたいのは、引っ越しをする、転入地に行く、カードを持っています、カードを見せていわゆる手続を終わった場合、そのカードというのは発行市町村、つまり転出地に戻さなくていいのでしょうか。そこら辺、引っ越した場合、カードはどこに残るのか、それを教えていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
引っ越した場合に住民票カードが出ていた場合ですが、住民票カードは引っ越し先の、転入地の市町村に返す、こういうことにいたしております。
○古賀(一)委員 そうしますと、前の転出地の市役所なりから発行してもらって、そのカードに――その前に聞きますけれども、このカードは、カードを発行してもらう人はもちろん任意だ、申し出によって発行するのですが、お金を取るのですか、そのコストはだれが負担するのですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票カードにつきましては、一定の実費につきましては住民の方に負担していただくということで考えております。
○古賀(一)委員 結局これは国民総カード形態にならないように、ある理由によってやはり任意だという仕組みになっていますから、それはそれでいいと思う。しかし、だから今度は、ただじゃやれませんよ、金を取るということになるのですね。そうなりますと、そのカードは、申請者は金を払っているわけですから、当然その人のものだと思うのですね。それが、転出したときには引っ越してきた先の市町村に戻すということになるのですね。これもちょっと私は疑問に思います。
問題は、例えば前の市町村で、条例によって医療福祉カードに使います、献血の経歴も、あるいは五色町の例によればアレルギー体質があるなしというような情報も、個人の情報を入れているわけですよ。そうなると、八千字のICメモリーに入った情報を引っ越し先の市町村が取り上げるということになると、ICメモリーのカードというものの個人情報はだれのものかという根源的な疑問に行くと私は思うのです。これは極めて重要な問題だと私は思う。ICカードをお金を払って住民がもらった、便利に使った、しかし引っ越した。そうしたら、そのメモリーは次の転入地の市町村が取り上げる。そうなれば、カードの中のメモリー、記録、それはだれのものかということが問われると私は思うのです。
これは非常に重要な問題でありまして、そこから漏えいの問題とか、疑念というか心配も生まれるわけで、これは私は、そもそもカードの、とりわけその中のメモリーの情報の所有権というものはだれにあるかというのをはっきりさせる必要があると思うのです。私は、できるならば大臣の責任ある御答弁をいただきたいわけですが、それはこだわりませんが、政府側の答弁をいただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 住民基本台帳カードは住民の任意の請求に基づいて市町村長から発行されるというものでございます。御指摘のカードの所有権の問題でございますけれども、この点につきましては、今後、市町村それから都道府県等と十分に検討していくという問題と考えております。
○古賀(一)委員 自治省が市町村、都道府県と協議したら、自治省が圧倒的に強いのはもう目に見えておるわけでありまして、これはむしろ当事者の相談事というよりも、最大の当事者というのは市町村じゃないと思うのです。それを便利だということを信じて使う国民、住民が当事者なんですね。それはこの国会で、この法律の中ではっきりと論議をして位置づけをすべきだと思うし、自治省と都道府県が相談して決めるというような話ではないと私は思います。
この点、論点がはっきりしましたので、私は次の問題としてとっておきます、納得したわけではありません。これはしっかり自治省の方も、これは重要な――私は、軽んじていると思うのですよ、ある程度そのメモリー内の情報というものを軽く見ているのじゃないかという気がこの条文を見てしたものですから。だからこそ、メモリーの情報が今度いわば自由自在に使われ、自由自在に破棄され、あるいは取り上げられ、私は、これはこの制度の根幹部分にかかわる問題だと思って質問したわけであります。論点ははっきりしましたのでもうこれ以上追及しませんが、次に移りたいと思います。
次に、二十四条の二、第四項に言う政令で定める事項というのがございます。これはどういうものかといいますと、転出地市町村が転入地市町村に通知する事項でございます。
これは確認でございますけれども、どういう事項を通知するということを政令で決めようとしておられるのか。これも場合によっては非常に重要なファクターを含みますので、政令事項ではございますが、あえて質問させていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この規定は、引っ越しをした場合に、転入届があったときの段階の規定でございます。ここで、政令で定める事項といたしましては、住民票コード、それから現在転出証明書の記載事項として規定することになっておりますが、その事項を予定いたしております。
○古賀(一)委員 これは政令で決めることになっているのですね。だから、今の御答弁で今はいいと思うのです。ただ、これは法文上の縛りからいえば政令で定められるわけで、私が危惧をいたしますのは、例えばA市町村に住んでいた、ここで医療カードとしてこれを活用していた、B市町村に転入した。そうした場合、B市町村でも同じシステムで医療の情報をICカードに入れることをやっています。だから、ぜひそれはB市町村といいますか、これは運用に入れば、市町村間でICカードの、そういう前の市町村で入れていた医療情報、医療はまだいい方ですよ、いろいろな情報もあわせ送ってくれという話に法文上なり得る仕組みになっている。
だから、これが便利であるからこそ、どんどんそういう政令で定める事項で、その他両市町村で合意した事項なんということで、そういう個人情報が、私は、この法文上からいえば将来拡大していくおそれもあるので心配をしておるわけで、これはもう少し、政令で定めるという、政府部内というか省庁内部で自由になる事項でいいのかなという心配を持ちますが、この指摘に対してどうお考えでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 この規定は、先ほど申し上げましたように、引っ越しをした場合に転入地の方に転入届を出す、その場合に、転入地の市町村と転出地の市町村の間で情報のやりとりをしているわけです。そこのところをネットワークでやろうというものでございまして、基本的には、転入転出の手続ですから、一番そこのポイントは、現在転出証明書でやっている事項というのが重要情報であります。それに住民票コードが今度入りますので、住民票コードと現在の転出証明書の記載事項というものを予定しているわけでございます。
お話しの、ICカードの中の市町村が条例に基づいて独自にやっている部分につきましては、これは全国的な事柄でもありませんし、ここで独自でやっている部分についてはこの二十四条の二の規定するところとは全く違いますので、その面の御指摘は当たらないんじゃないかと思っております。
○古賀(一)委員 そうしますと、両市がともに条例で目的として医療情報というのを書いていた場合、この法律の条文とは離れて、前の市長さんに、転入地の市長さんというか市が、医療関係情報をぜひください、送ってくれということは、今のお話ですと法律上は関係がない、できるというふうに私は聞こえたのです。そうなると、これは個人情報がいろいろ市町村間で動き回ることになると私は思うんですね。これはかなりゆゆしき事態ですが、これは条例でありますから知らないということで済むのかと思いますが、いかがでございましょうか。
○鈴木(正)政府委員 お尋ねの、ICカードを活用して市町村が周辺の市町村と連携をして住民の福祉のために行政サービスを行っていくということはあり得ると思いますが、その情報をこのネットワークに乗せてやるということは予定しておりませんので、できないと思います。
○古賀(一)委員 今のはこの法律上のシステムではできないというふうに明言していただいたと理解して、次の質問に移ります。
それで、これまでの説明の中で一番心配されるのが、いわゆる市町村から県、県からいわゆる指定情報処理機関、こういうところに行く、移るところで情報の漏れがないかという、つまり専用回線の論議だったと思うんですね。専用回線でありますという話を聞きまして、この前は、大山先生に専用回線で本当に大丈夫ですかと聞いたわけでありますが、法律上こういう規定になっているんですね。
例えば、二十四条の二第五項、三十条の五、一項、二項などなどは、電気通信回線を通じる通知というのが法律上明記されておるわけですが、この明記がない規定もあります。それは後ほど申し上げます。電気通信回線を通ずる通知というのが、これは専用回線であるという縛りになるのか、私は、法文上、一般公衆回線だって電気通信回線じゃないかと思うんですが、法律上それは担保されていないと思うんですが、どう判断すればよろしいんでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
お話しのように、専用回線は通信相手を特定できますので、不特定多数の利用を前提とする公衆回線に比べてセキュリティーが高いということでございまして、このネットワークシステムにおきましては、セキュリティー確保の観点から、現段階においては、電気通信回線としては公衆回線ではなくて専用回線を用いるということにいたしております。
お話しの点でございますが、その各規定において電気通信回線と規定をしておりまして、専用回線といたしておりませんが、これは技術的ということもありまして法律上規定されていないということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○古賀(一)委員 これはもちろん内閣法制局を通ってきたあれでございまして、この法システムのいわば売りといいますか、アピールのポイントで、専用回線、大丈夫です、こういうことになっておるんですが、法文上はこれは読めないと私は思うんですね。それは極めて重要なことでありまして、仮に専用回線が高いとかいっぱいだとか、そうなると、結局、この法文上は専用回線と書いていませんから、電気通信回線である一般回線をとりあえず使った、それで漏れた、でもそれは法律違反ではない。自治省のパンフレットに書いてある事項とはそごは来すけれども、法律違反ではない、こういうことになるんじゃないかと思うんです。
これは極めて重要な事項でありまして、私は、これは法的縛りをはっきりと書くべきじゃないか、かように思います。これは重要な点ですから、もう一度御見解をお聞きしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
今ほどお答えしました考え方によりまして法律上規定はいたしておりませんが、専用回線でやるということで、何らかの措置を自治省としては考えてまいりたいと考えております。
○古賀(一)委員 これは、実は後ほどの質問にも絡むので、とりあえずペンディングで置いておきます。説明は承りました。
それでは、次の質問でこれが絡むのですが、他の市町村や他の執行機関への本人確認情報の提供というサービスがあるんですね、法三十条の六であるとか幾つもございます。これは電気通信回線を通ずる通知という規定がないんです。つまり、市町村、A市とB市の回線。これは本人確認情報については縛りがあるんですよ、その他のものについては、市と県のものはあるんです、これは電気通信回線とはっきり書いてある。県と国も、国といいますか、中央もはっきり書いてある。
しかし、他の市町村、つまり、市町村間や他の執行機関、教育委員会だあるいは公安委員会だ、そういう委員会に本人確認情報を渡す場面がこの法律では想定されておるんですが、たくさんあります。この回線については電気通信回線という縛りが、この言葉すらないわけでありますけれども、これはやはりディスクを持っていく、ファクスでも構わない、こういうことでいいのか、この書き分けた趣旨、それをお聞かせいただきたいと思うんです。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この規定は、市町村長が、他の市町村長またはその他の執行機関に対しまして、条例で定めるところによって本人確認情報を提供する、こういう規定でございます。この場合、市町村の判断によりまして、電気通信回線だけでなくて、フロッピーディスクなど磁気媒体などによりまして本人確認情報を提供することがある、それも想定されます。したがいまして、電気通信回線を通じて提供するというふうには法律上規定をいたさなかったところでございます。
いずれにしても、市町村の当該条例においてセキュリティーが十分確保できるように、本人確認情報の提供方法を定めるように要請をしていきたいと考えております。
○古賀(一)委員 わかりました。何で書き分けてあるんだろうと思って疑問に思っておったところ、これは、つまり市と県あるいは県と全国センターはもう一定のラインだから専用線ということでできる。しかし、三千三百余の市町村同士が結ばれるときは、これは専用回線でやるとコストも膨大、専用線もないかもしれないというような概念で、横の連携、市町村の連携、情報連携といいますか、情報提供はあり得べしだけれども、それは電気通信回線という縛りを設けない、こういう御説明だったと思うんですね。だからこそ、これはディスクでもいい、縛りがないということになれば、これは一般公衆回線でもいいというふうになると私は思うんです。
それで、一番の問題は、要するにこのコンピューターの問題というのは、一般公衆回線とつなげば必ず漏れる、その世界であるところに問題があるんです。だから私は非常に心配しておるわけで、一般公衆回線とつなげば必ず漏れる世界がこの世界なんです。自治省の御提案された方式は専用回線とおっしゃるけれども、市町村間の連携とかほかにもあるんですよ、肝心なところでいうと、何と公衆回線で結ばれている。ここにこのシステム全体にシステム的甘さがあるし、ここから必ず情報漏えいが起こると私は思うんです。つなげば漏れる。
そういう面で、私は、この条文については、条文というよりも、市町村間が一般公衆回線でもつながれるというこのシステムについては極めて多大なる懸念を表しますし、何とかしなきゃならぬと思います。これはコンピューターのプロに私が聞いても、この前の大山先生はICチップの専門家だったんですけれども、ネットワークについてはさほどでもなかったと私は思っていまして、そう言ったら失礼かもしれませんが。この点は、本当にもう一回、自治省の方も責任を持ってコンピューターのプロ、ネットワークのプロに、こういうシステムでやった場合に漏れないかというのは、後ほど申し上げる中央官庁との関係もそうなんです、絶対慎重に検証されるべきだと私は思います。
次を申し上げます。こういう規定があるんですね。三十条の六に、他市町村への本人確認情報の提供義務、こういうのがあるんです。要するに、他の市町村へ、求めに応じて本人確認情報を提供しなさい、こうあるんですが、これは法律でそういうふうに決めちゃうんですね。
ところが、これまでいろいろ議論がありましたアクセス禁止条例というのが営々としていろいろな自治体で、おびただしい自治体で議会で論議され、市民団体と議論し、人権の観点から要望を受けたりしてでき上がってきているわけですね。
それが、この条文で本人確認情報については他市町村へ提供義務を課すということになった場合、私は、何かアクセス禁止条例のじゅうりんというか地方自治そのものを何か否定するような感じにもとれる。これについて条例をつくれと法文上書いてありますから、そうすると、自治省が本条の条例制定のひな形をつくって、まあどうせやるなら全国一律がいいじゃないかということで全国一律の市町村間ネットの条例案なるものをつくって、それができ上がってくるならば、いわばこれは、今まで営々として築かれてきた市町村の自発性によるいわゆる個人情報保護の試みというものを、この一条の条文で否定することになるんじゃないかと思うんですね。
私は、この条文は非常に問題だと思う。いかようにお考えでございましょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この三十条の六は、住民基本台帳は、御案内のとおりに市町村が一番責任を持ってやってきている分野でございます。そこにおける新しい本人確認情報というシステムを付加するわけでございますが、市町村においてまさに自発的に、自主的に市町村同士で事務の処理のために使うという場合に、市町村が、市町村の執行機関で条例で定めるものから条例で定める事務のためにやりましょうという場合に、条例の手続によりまして本人確認情報を提供する、こういう仕組みを設けまして、いわば市町村が自主的にほかの市町村と連携してこの制度を活用できる、こういう仕組みでございます。
お話のように、現在、アクセスを禁止している条文、条項を持っている個人保護条例を市町村で制定しているところもございます。それとの調整の問題でございますが、この他の市町村への本人確認情報の提供については、市町村みずからが条例で定めるところに提供するということでございますから、他のアクセス禁止条例とこの他の市町村への条例の関係は、同一市町村内における両条例の関係でございます。したがいまして、その市町村において適切に、整合性がとれるように整理をされるべき問題と考えております。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
○古賀(一)委員 でも、これだけ自治体のアクセス禁止とか個人保護条例というのが来ておるのに、この条文ははっきりと、同じ市町村内じゃなくて他市町村にあるものについて「提供するものとする。」この「提供するものとする。」というのは義務規定なんだろうか、「条例で定めるところにより、」とありますが、ここら辺の読み方もありますが。
今のお話ですと、自治体が任意にそれぞれ話し合って条例同士を突き合わせてやればいいというお話のようですが、少なくともこの条文を盾に自治省が全国的に指導していく、その提供の仕方、項目というものを今後指導していくということがあると、まさにこの前参考人で、推進派である岐阜県知事、梶原拓知事が、特にあれはICカードの分野でありましたけれども、地方自主、それがもう最優先だ、全国レベルの統一は許すけれども、それはいわば下請だ、中央が下請を受けるんだ、こういう精神をおっしゃったと思うんですけれども、私は、この規定を根拠に自治省が全国の統一ルールをつくっていくというようなことがあったらいけないんじゃないかと思うんですね。
それはない、自治体間の条例と条例の突き合わせによって任意に行われる、地方自主である、それは確認をいただきたいと思うんです。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。そのとおり考えております。
○古賀(一)委員 そういう政府の答弁をいただきましたのでもう深くは申し上げませんが、たくさんあるものですから本当はもっと言いたいんです。
そこで次に、重要なところで、これまで全国会議員が説明を受けたものは、例の住民票コードの安全性であります。これがいわば名寄せ、ひいては名簿づくり、そしてひいては関連するいろいろな個人情報の流布と販売、こういうのにつながるわけで、問題は、この住民票コードの問題でございます。
御説明によると、これは偏りなく、あるいは固まりなく、乱数によって全国、一億二千五百万かもっと多いのかもしれませんが、ガラガラポンで、まぜこぜにした乱数でいわゆるコードをつくる、それをまたまぜこぜにして、はい、これは北海道、これは福岡、これは東京と、まぜこぜにしてばらつかせたまま、つまり偏りがないまま渡して、そして今度は、もらった県がぐじゃぐじゃにして、柳川市だあるいは世田谷区だと渡すということになっているんですね。それはそれで説明を聞いたんです。それならば、この下三けた目と四けた目は都道府県をあらわすとか下何けたは市町村番号をあらわすということがないから、この番号そのものが持つ価値というのは非常に下がるから、名簿屋あるいは名寄せ屋、コード番号探し屋がばっこしないだろうと思ったんですね。
だから、それはそれで私は納得しておったんですが、法律にはどこにもそういうことが書いてないんですね。これは極めて重要な仕組みだと私は思うんですが、これは、乱数により住民票コードをかくしかじかの方法で割り振るということを法律上はっきり書くべきじゃないかと思うんですね、三十条の二の規定でございます。
私は、今言ったような安全性というのが法文上は担保されていないと受けとめたわけでありますが、法律の明文を置くべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この住民票コードの作成というんですか、あり方については、これまでかなり慎重な御議論を経てきております。研究会報告でも、「コードは、住民に身近な行政主体である市町村が、あらかじめセンターにより発行された重複しない乱数群の中からランダムに設定することとすべきである。」ということで、さっき委員が御指摘のようなことで、その数字自体からは全く読み取れないという性格のものとして考えております。
今回の改正法案におきましては、住民票コードをランダムに設定することについては法律で明確に規定しているわけではございません。この報告書の趣旨を踏まえて、プライバシーの保護の観点ということから住民票コードはランダムに設定することといたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○古賀(一)委員 大臣、本当にこのコードについては、コンピューターの威力といいますか、現に名簿屋さんがばっこしているというようないろいろな状況がございます。しかし、私は、この中で唯一の救いというわけじゃないけれども、乱数でやる、そういうシステムでやるということは、それを聞いて一つその部分については安心した面があるんですが、これは法律上は今のように担保されていない。
私は、今後とも、これは便利になると、何とかまた変えようじゃないかという声が民間から、将来あり得る話だと思うんですよ。この質問のときに、いろいろな意見がありました。納番に導入すべきだ、もっと拡大しよう、こういう話もありました。そうなってくると、今度国税当局から、こういう番号じゃ困る、法律上は規定がないじゃないか、じゃこういう番号にしようじゃないかという話もあり得ると私は思うんですね。
したがいまして、この導入に際して、やはりこの乱数のシステムというか、ここまで配慮した番号のシステムについては、今後とも必ず乱数によるそういうプライバシー保護を最優先としたナンバリングをするということを、大臣の御答弁としてもいただきたいと私は思いますが、いかがでございましょうか。
○野田(毅)国務大臣 ランダムに設定するということは大変重要な意味があるということで御評価をいただいたわけですが、確かに法律の条文上での表現にはないんですけれども、今局長から答弁申し上げたとおり、当初からそういうランダムに設定するということを前提としてこの制度を組み立てておるということでありますので、これからもその趣旨をきちっと踏まえて運営をしていくということで御理解をいただきたいと思います。
○古賀(一)委員 大臣から答弁をいただきましたので、議事録にも載りますし、それはそれで前に進みたいと思います。
次に、たくさんあるんです、時間はどんどん過ぎますので、次を申し上げますが、この法案をずっと読んできたときに、じわじわと、これは地方自治とか地方分権とはいいながら、しかも市町村が一生懸命、転入転出、あるいは亡くなった、生まれたで入れているこの情報なんだけれども、どうも、市町村は何か入力の端末装置みたいな感じが私はずっとこの条文を読んできたらしてきたんです。その点について私は幾つか質問をしたいんです。
まず、市町村が固有事務として入力したこれら情報を都道府県知事は利用できる、そしてまた、入力したわけではない都道府県の他の執行機関にもこれは提供できる、こうなっているんですね、三十条の八の一項、二項でございます。こういうたぐいが実はたくさん県と全国センターとの関係でも出てくるんですが、コストはどうなるんでしょうか。つまり、市町村が一生懸命入れたものを通信回線で都道府県に送る、都道府県センターは国の機関に送る。国の機関が都道府県から金をもらうよ、手数料をもらうよという規定はあるんですが、むしろ情報をもらった方は、市町村さん、情報をくれてありがとう、これだけ使わせてもらったから手数料を出しますよという話はどこにもないんですね。
少なくとも金の流れでいえば、私はこれは市町村は単なる無償の入力装置みたいな感じがしてならないんでありますけれども、これは市町村に対する財政措置というか、あるいは都道府県あるいは全国センターから市の方にはどういう資金がどういうふうに流れるんでありましょうか、お答えいただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
このシステムはいわば市町村の区域を越えた本人確認のための制度ということでございまして、市町村の間の連絡調整を図りながら、かつ広域的かつ統一的な処理を行うということで成り立つものでございます。そういう意味では、市町村と都道府県が連携してこのシステムをつくり上げて運営をしていくということでございます。都道府県は広域にわたる事務とかあるいは統一的な処理を必要とする事務などを担うという位置づけでございまして、都道府県をこのシステムのいわば運営主体ということで考えているところでございますので、都道府県においても、法律とか条例で規定するところによりまして、この本人確認情報を利用することができる、こういうことでございます。
それぞれ、市町村の住民基本台帳処理に要する経費、都道府県のこれに伴う経費については、所要の財政措置ということも講じてまいらなければならないと考えております。全国センターの経費などにつきましては、都道府県が交付金を支出するという規定も明らかにしているところでございまして、そういうことでこのシステム全体の運営管理を行っていく、こういう考え方でございます。
○古賀(一)委員 市町村あるいは都道府県にも財政措置という話がございましたけれども、それは具体的に地方交付税措置ということでございましょうか。
○鈴木(正)政府委員 このシステムの運営管理にかかります経費につきましての財政措置につきましては、交付税措置も含めまして、それぞれの団体がこの運営で支障がないように検討していく、こういうことでございます。
○古賀(一)委員 ところが、市町村とか都道府県が、とりわけ市町村ですよ、これについてはこの法文の明文の規定なしに措置をするとおっしゃるけれども、国の場合はしっかりこれは規定してあるんですね、都道府県から交付金をもらえます、手数料ももらえますと。全国センターはしっかりと金をもらう規定がこの法律には全部規定してある。しかし、一番苦労して一番膨大な量の作業を強いられる市町村については規定がなく、今のような答弁である。私は、ここら辺は何か、これは全国センターをつくるために、全国センター最優先で組み立てられたようなにおいがぷんぷんすると思うんですね。これはちょっとおかしいと思う。
それはこれだけじゃないので、後ほどもう一回蒸し返しますけれども、その前に、この質問通告に従って、条文を追ってやっておりますので質問したいんですが、本人確認情報の保護にかかわる審議会というのが、都道府県三十条の九、国三十条の十五とございます。このメンバーあるいは責任分野といいますか、これは、一億二千五百万の国民のプライバシーにかかわる情報、これをコンピューターでこれだけ集める、それの最大の問題は、個人情報が保護されるかというのが最大の問題ですよね、このシステムの裏の部分では。それについて審議会を設けると書いてあるけれども、極めてさっぱりとした条文なんですね。
過去の審議会を見ますと、審議会をしっかり条文で書いた法律も山ほどあります。大半の法律はそうですよ。審議会を置く、審議会の構成、資格、いろいろなことが、国民に実害のない審議会でもほとんど明確に規定してある。これは国民の情報を集めてその国民の情報保護が問題になる。その保護の審議会でありながら、この程度の書きぶりでこんなにさっぱりとした規定でいいのだろうか、本当に保護する気持ちがあるのだろうかというのを、私は、昔やっておりましたけれども、一人の法律家として思います。
これは私は、むしろもっとオンブズマン的第三者機関というか、本当にこれを守る、そういう機関を置かない限り、同じ身内ですよ、全国都道府県、市町村、みんな身内の中で情報だけ集めて、なあなあで結局、そのときにしかるべきところから情報が漏れていって、このシステムはやはりおかしかったということになると思う。
そういう面で、私はこれを、もっと強烈なといいますか、強烈とまで言いませんが、もっときちんとした、本当に国民の本人確認情報等の保護を図り得る第三者機関というふうに位置づけるということが必要であると思いますが、いかがでございますか。
○鈴木(正)政府委員 この三十条の九の条文でございますが、都道府県の審議会の規定でございます。
お話しのように、都道府県がネットワークのいわば運営主体ということでございますが、やはり個人情報の保護ということが非常にこのシステムの運営上かなめでございますので、この法律で、都道府県には個人情報の保護のための審議会を条例で定める、こういう規定を置いているわけでございます。都道府県がそれぞれの地域の実情あるいは行政機構の管理の観点から自主的に定めるということが望ましいわけでございますが、現在、都道府県で個人情報保護条例というものも制定されつつあります。その中で審議会というものを持っているところもございますが、まだまだという状況でございます。
それで、この法律において、都道府県の審議会の具体的な役割としては、直接書いておりますのは、住民票コードの民間利用の禁止との関連で、契約条件として住民票コードの提示要求禁止違反、またはデータベースの構成禁止違反に対して、勧告して命令をかけるという場合にこの審議会の意見を聞くということが規定されております。
そのほか、御指摘の三十条の九のところで、本人確認情報の保護に関する事項というものを調査審議する、あるいは、自主的に必要と認める事項について建議するということとされているところでございます。
先ほどお話に出ましたが、都道府県が条例で個人確認情報を利用する場合には、そういった条例の必要性、やり方などについても、この審議会で御審議、御議論があるものと考えているところでございます。
○古賀(一)委員 今、局長の方は、三十条の九の都道府県の方を言われました。これは条例ということで、都道府県の自治ということで、このくらいでいいのかもしれませんが、国の方が三十条の十五でありますけれども、これは条文はもうちょっと多うございます。
私は、まさに党内でも賛否両論あります。要するに、個人のプライバシーというのが便利なコンピューターを使ってどうなっていくんだ、大丈夫かというところに最大の懸念と反対論の論拠があるわけでありまして、そういう面から見て、この程度の意の用い方で本当に大丈夫かなという思いがありますし、我々はまだ今後の審議と党内での論議の中で、もっと強烈な第三者機関というかそういうものの必要性をもう一回検証して、提言を場合によってはさせていただく、こう思っております。
それから次に、野田大臣に御質問をいたします。
指定情報処理機関というものがございます。これの位置づけ、とりわけ市町村等自治体との関係というものは、何か地方自治の本旨から見て極めて構成に無理があるといいますか、そういう感じがしてしようがないのですね。
これはやはり自治体の固有事務だ、しかし、それを何とか全国統一でやりたい、しかも情報も中央官庁に流したい。そういうニーズを住民基本台帳法という法律の体系に持ってきたところに、何か無理があるような気もするのですね。これを言うと、この法律改正案の根底が崩れるのですが、そこで、できるだけその無理の分野というものを解きほぐしていくといいますか、こういうことが必要だと思うのです。
この指定情報処理機関については、こういう規定になっているのですね。自治大臣が指定する者のみに行わせること、しかもこれは唯一、独占の機関なんですね。そして全都道府県知事は、自治大臣が指定した唯一のこれに処理を行わせる、こういう構成になっているのですね。要するに一言で言えば、自治大臣が指名したところ一つに任せるという構成をとっているのですね。
最初からそう書けばいいものを、これは実は、下から積み上がってきたんだという構成をとらぬといかぬ。そこで、だれでもいいというわけにいかぬ。ある都道府県知事が、いや、おれは自分の同級生でこういうコンピューターのうまいやつがおるから、あそこに頼むぞということはできない、こうなっているのですね。できないわけですよ、自治大臣も二つは指名できませんから。そういう構成になっておるので、これは非常に無理がある。
これはあわせて聞きますけれども、自治大臣が指定する、基準にのっとって指名する、こうなっております。具体的には公益法人だと言っている。財団法人ですよ。民法法人です。これは具体的にどこをお考えなんでしょうか。ここまではっきり、唯一の者、自治大臣が指定する者、全都道府県はここに指名しろ、公益法人だ、条件がたくさんあるわけですが、具体的にはどこに指定をお考えでありましょうか。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○野田(毅)国務大臣 従来から、住民基本台帳事務というのは市町村の団体事務とされてきたところであるわけでありますが、住民基本台帳ネットワークシステムというのは、市町村が住民基本台帳制度を運営するという制度の従来からの基本的な枠組みを変更することのない形、そういう中で、全国的に市町村の区域を越えた本人確認ができる仕組みを付加するものであるという考え方であります。
そこで、このため、このシステムというのは、広域的な地方公共団体である都道府県が主体的に構築をし、運営をし、市町村と都道府県が連携して構築をするという、いわば分散的あるいは分権的なシステムであるという形で考えられておるわけであります。
また、このシステムでは、都道府県の事務のうち全国的なものについては、各都道府県が個別に行うよりも、本人確認情報に関する事務を処理するための全国的な組織が一括して行う方が、効率性やあるいは正確性という観点から適当であるという考えのもとで、指定情報処理機関を設置することとしたわけであります。都道府県知事の委任によってこの指定情報処理機関に事務を担わせることにいたしたということであります。
以上であります。
○古賀(一)委員 時間が来ましたのでこれで終わらなければならぬのですが、ただ、私がこういう質問をした趣旨をもう一回最後に確認をさせていただきたいと思うのです。
この制度なりシステムは本当に大丈夫だろうか。それを担保するのはまず法律である。それで見たところ、これだけの問題が出てきた。法律で担保されていない、政令で変えられる、あるいは政令にも書く予定がない、実質上そうする、こういう話がまたたくさんある。私は、きょうは七ページ分のうち三ページしか終わっていませんので、あと四ページ、半分も行っていないわけであります。
あと、中央官庁と九十二事務、十六省庁と結ぶという規定があります。ここも、私は情報が必ず幾らでも漏れていく体制になろうと思っているのですね。そういう問題、あるいは、名寄せとかコードを集めてデータベースをつくることについて罰則をかけます、懲役だったですか、という話がありますけれども、これについても、恐らくこの規定では、もう名寄せ屋さん、名簿屋さんは大喜びで幾らでもするような法律の立て方になっている等々、制度として法律として十分に検証しなければならぬ問題が本当に多いなと私は思いました。
加えて、法律が完璧、システムが完璧であっても、人間が悪さをするという問題、実質上どうなのかという問題、もっと大きい問題が実はあるわけでありまして、今後、特に中央省庁、社会保険庁であるとか、あるいは自治体であるとか、あるいは恩給局であるとか、これが具体に本当にどういうふうにつながれ運用され、恩給局がどういう入力をしているか。というのは、データがどんどん漏れていくかどうか。結局私は一覧表示を省庁がどんどんつくり始めたら全部漏れると思うのですね。
そういう問題についても山ほどまだ残っております。中央省庁、とりわけ社会保険庁、恩給局あるいは国税庁、そういうところの実務担当者を今後また、この法文の質疑の後、ぜひあわせ検証する必要がある、私はこう思っておりますので、委員長に今お願いを申し上げます。
以上です。
○坂井委員長 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋委員 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。本日は二回目でありますが、先日の参考人質疑を受けましていろいろな問題が明らかになってまいりましたし、あるいは、ただいま古賀委員の質疑を聞いておりましても、あとまだ四ページぐらいあるとおっしゃっていましたが、それぞれ重要な案件でありまして、私どもも大変にあとを聞いてみたい気がしております。
そういう意味で、今古賀委員が最後の方で言われた部分から引き続き、別に連携しているわけじゃありませんが、質問をさせていただきたいというふうに思います。
それで、先ほど古賀委員が議論されました話なんですが、今回のこの住民基本台帳ネットワークシステム、このシステムの中で、本人確認情報を行政機関が利用するということが認められている、それは大変重要な問題でありますから、結果的には今回は法案の形では法律の中で九十二事務を明確にしようということになったわけであります。それは、私は当然法律で規定をするべきだというふうに考えているわけでありますが、その場合、今回のネットワークシステムの中で、例えば都道府県あるいは国の機関がこの本人確認情報を利用する場合、具体的にどういうふうに利用するのかというシステム上の問題を古賀委員がおっしゃっていました。大変心配だという御指摘もありましたので、重ねて確認をさせていただきたいのです。
例えば、県でいきましょうか、県当局、都道府県がこの本人確認情報を利用したい、これは当然ながら、利用する場合は法律で定められた者しか利用できないわけですね。それを利用する場合は具体的にどういう利用の仕方になるのか。これはシステムの問題として伺いたいと思うのです。
例えば、県がこの法律で定めた、例えば恩給の事務でもいいです、これを利用する場合は、具体的に――私はかつて生活保護の電算化の事務を大変苦しんでやったことがあります。そのときバッチでやりました。オンラインで結んでいないということですね。その都度磁気テープにして、情報を利用する場合は持ち込んで利用する。要するにオンラインで結ばないという経験をして大変に苦しんだことがありますけれども、ここはどうなんでしょうか。
利用する場合は、国の機関でも県の機関でもいいのですけれども、これはこのネットワークシステムにどのようにつながるのか、その具体的なイメージを、ちょっとわからないもので、オンラインで結んでもいいのか、あるいはその都度バッチでやるのか、そこはどういう法律の規定になっているのか、確認をさせていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
利用する場合の技術的な方法につきましては、いろいろな観点から慎重な検討を十分に行った上で決定していくというふうに考えております。
具体的なお話でございますが、一つはオンライン接続を行う方法あるいは磁気媒体を通じてデータ提供を行う方法などが考えられると思います。いずれにしましても、この法第三十条の三十三において、情報の受領者、もらった方は本人確認情報の安全確保措置を義務づけられております。技術的にも、個人情報の保護を第一に考えて十分なセキュリティー措置を講じていく必要があるというふうに考えております。
○桝屋委員 そうしますと、法律に定められた事務、九十二事務について考えてみても、それについてはやはりオンラインしてもいい、オンラインは禁止されていない、二つの方法があるという御説明でありましたから、オンラインもできるという御回答だと思うのですね。
私は、この事務は、今回のネットワークシステムが仮に法案が成立して制度が始まれば、恐らく現場でどういうふうに役人が考えるかといいますと、少なくともバッチはもうごめんだと、バッチということは多分ないのだろうと思うのですね。それは当然ながらオンラインで結んでいこう。もちろん今の九十二事務というのは定例的な、給付事務であったりあるいは資格付与の事務でありますから、バッチでも可能だろうと私は思いますが、であればバッチでなければだめだ、オンラインはだめだという規定もできるわけでありますけれども、いや、そこはオンラインで結ぶことも制度的にはオーケーになっているわけですね。
そうしますと、私は、現場では必ずオンラインで結ぼうということに多分なるのだろうと思うのですね。オンラインで結んだ場合、そこも大変心配ではあるのですが、今度はその利用する、例えば恩給でも、県の恩給の当局の立場になってみますと、恐らく恩給の事務を県でやる場合も、国でもそうでしょうが、そこはそこでまたデータベースを持っているわけですね。ほとんどの場合は多分電算化されているわけですよ。
そうしますと、この住民基本台帳ネットワークシステムとは別の、もちろん九十二事務それぞれのデータベースというのがあるだろう、もっと言いますと、そのデータベースはもちろんいろいろな事務でオンラインで結ばれている可能性がある、LANが組まれている可能性もありますね、一カ所でやっているわけじゃありませんから、それぞれの事務所、出先の事務所とオンラインで結ばれている可能性もある。
そうしますと、そこの住民基本台帳ネットワークシステムではない九十二事務で、許されたその事務の中を見ても、データベースで動く情報はどんな情報かといいますと、例えば、表にしましたら表頭にどういう情報が並ぶかというと、恩給であれば恩給の関係の事務は項目は皆並びますね。受給権者から恩給の資格に関するデータがだっと並ぶと思うんですね。その横に、この住民基本台帳ネットワークシステムが始まれば、これが利用できるわけですから、本人確認情報が、住民票コードと四情報と表頭に並んだ表が当然ながらできるわけですね、九十二事務に関しては。これはやってもいいだろうと思うんですね。その九十二事務の中のデータベースの中にいろいろなデータがオンラインで結ばれて動いていくだろう。
これは私、やられるんじゃないかという心配があるんですね。先ほど、完全なセキュリティーをという話がありましたけれども、現実にその情報というのは、四情報プラス住民票コードまで入った一覧表が、その部分の事務の中で縦横無尽に動いていく事態になるのかな、こう思っているんですが、そこは私の理解は間違っておりますか。
○鈴木(正)政府委員 個人確認情報を受領した国の機関等で電算処理している場合には、お話のようなデータ処理というのでしょうか、ということは行われることはあり得ると思います。
○桝屋委員 局長の説明で、先ほどから、データ受領者については当然そのデータのセキュリティーを完全にしろ、こういう今回の体制にはなっていますけれども、私は、今回の住民基本台帳ネットワークシステム、これは専用回線を使って本当に外と遮断をされた本人確認情報、これの全国統一のシステムだ、こういうふうに理解をしておりますから、その部分についてはある程度やれるのかな、また、将来の高度情報化社会の中でこういう仕組みも必要かなと思っているんです。
逆に、それを利用するという立場になりますと、今言ったみたいに、たとえセキュリティーについて完全を期しなさいよ、こういう形にしたとしても、現実には、県のいろいろな機械、先ほど言った恩給のデータベースにしても、いろいろなところへLANでつながっている、そこについては、このネットワークシステムが新しく始まれば、これを使う以上は、より今まで以上にセキュリティーをがっちりしなきゃいけませんよということにはなっているんだけれども、現実につながっている、どこで電話回線でアプローチできるかわからない。
幾らネットワークシステムをがちっとつくり上げてみても、この住基のネットワークシステムをいかにがっちりつくり上げてみても、例えばファイアウオールという話がありましたけれども、これなんかは本当に外との遮断といいますか、ハッカーを防ぐという意味では極めて私は有益だと思いますけれども、それまでのセキュリティーが、例えば九十二事務、いろいろなところでおやりになる、その端末まで本当にきちっとできるかというのが甚だ心配であるわけですけれども、そこは大丈夫でしょうかね。
○鈴木(正)政府委員 国の行政機関等につきましては、御案内のとおりに、現在、国の個人情報保護法がございまして、その適用を受けておるわけでございまして、安全確保措置がとられているところでございますが、この住民基本台帳法の新しいシステムによりますと、お話のように、この個人確認情報も利用されるわけでございますから、それにつきましては、法律上、安全確保措置を義務づけておりますので、それできちっとした対応をとっていただけるものと考えております。
○桝屋委員 もう少し具体的に伺いますと、住基のネットワークシステムとそれから九十二事務についてはオンラインができるということを確認しましたね。オンラインは禁止されてない。そうすると、今度はこちら側のこのネットワークがオンラインで外とつながっている可能性があるわけで、これは絶対つなげない、つながりませんよ、少なくとも、こっちのラインにも四情報は流れるわけでありますから、そこから外には絶対オンラインで結んでいませんよということが果たして言えるかどうか。
これがオンラインで結ばれていないのであれば私はハッカーも大丈夫だと思うんですけれども、そこは本当に心配だなと思うんです。そこはオンラインで結べない、どんな端末も、担当者のパソコンも外とはつながってない、つながることを禁止しているという状況になっているかどうか、もう一回確認をさせていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 御指摘の点につきましては、この法律が成立いたしまして、このネットワークシステムを現実にどう技術的に組んでいくかということとかかわってくるわけでございますが、御指摘の点も十分踏まえて、そのプライバシー保護ということを念頭に置いて、今後十分詰めていきたいと考えております。
○桝屋委員 時間もないので整理しますけれども、この住民基本台帳ネットワークシステム、私は、ある意味では、個人的には、我が党内はまだまとまっておりませんけれども、できることなら何とかしたいという気持ちもあるんです。今まで自分が随分苦しんできましたから。だけれども、住民基本台帳ネットワークシステムというのは確かにがっちりガードされている、ただ、今の九十二事務をつぶさに自分が想定してみても、オンラインで結べる、バッチならまだいいんですよ、オンラインで結べる、そのオンラインで結ぶところのそちら側のネットワークがあるわけでして、ここががちっと遮断されてあれば、言われるとおり確かなセキュリティーがあるな、こうは言えるわけでありますけれども、もう、ちょっとのすきもねらって入ってくる。
先ほどNTTの情報漏えいの話がありましたけれども、この情報というのは価値があるわけでありますから、物すごい価値に貨幣価値を生むわけでありますから、必死になってこれをねらう人がいるという、これを考えると私は大変に心配をいたします。
それから、二点目でありますけれども、要するに、確かに住民基本台帳ネットワークシステムはがっちりガードされているけれども、九十二事務についてはつながったところは穴があいているような気がしますよ、こういう御指摘を今申し上げたわけであります。
それから、続きまして住民票カードの問題でありますが、今回の一連の議論、それから参考人の質疑を聞いていましても、カードについてはなかなかまだ理解されてないなという気がいたします。それで、この住民票カード、ICチップ、石村参考人も盛んに言われていましたけれども、このICチップが大変に危惧されているわけであります。
それで、例えばこのICカード、今回の法案ではICカードについては二つの機能を持たせている。一つは住民基本台帳の本人確認情報、この四情報プラス一、これの整理のされる部分と、それ以外に市町村が条例でもってさまざまな機能を付加しようという、この二つの側面があると思うんです。
いずれにしても、八千文字も入っていくような大変な容量のあるICチップ、それが何に使われるかというのは、やはりだれが考えても大変心配なわけでありまして、あの部分だけ、このICカードをこの法案からそっくり外したら一体どういうことになるのか。ICカードは後でもいいじゃないかという気もしないわけではないわけでありますけれども、今回のこのシステムの中でICカードがもしなくなればどういう形になるのか、これをちょっと伺いたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民基本台帳カードをこの制度の中からなくした場合でございますが、転出転入手続のいわば簡素化、転出市町村に行かなくて済むということが、それが図れなくなるというのが第一点でございます。
そのほか、やはりこのカードを利用いたしますと本人確認が簡易迅速にできますので、それによる行政のメリットあるいは住民サイドのメリット、例えば住民票の広域交付のときに活用できるとかいうことがございます。それから、窓口での手続がカードが使えればスピードアップされる。また、将来的には自動交付機などの場合にそのカードというものが本人確認の手段として活用できる。
それから、あと、カードにつきましては、基本的には、その仕様というものは、発行市町村と名前ということを基本形といたしておりますが、住民の方の要望によりまして、写真つきの身分証明書になるような、氏名、住所、年齢、性別で写真がつくという様式も考えておりますので、相当、主婦の方などでは身分証明書として使えるといったこともございます。そういった点ができなくなってくるということでございます。
○桝屋委員 私は、現在の技術的な面でICカードの高いセキュリティーの能力というのは、自分自身が長きにわたって研究してきましたので、そこは理解しているつもりなんですが、先ほど言いましたように、全国統一の本人確認情報のこの整理の部分と市町村が条例でもっておやりになる部分、これはそれぞれICチップの中で違うキーがきちっと設置されて、暗証番号等も皆用意されて、それぞれがセキュリティーを持っているということだろうと思うのです。
ちょっと順番を変えて聞きますと、市町村が条例でもっていろいろな、福祉カードあるいは健康カードとかさまざまな住民サービスを付加してこの制度を運用する、そういう事態を想定したときに、この前五色町の町長さんは、何ら問題ありません、絶対大丈夫ですと、あそこまで言われると、逆にちょっと心配になったわけではありますけれども。
いろいろなサービスの形態が考えられますけれども、住民はICチップにあるものを、自分の情報がどんなふうに入っているのかというのはどういう形で閲覧できるのか。これは、同僚の富田委員の方からも、プライバシーの保護、いわゆる個人情報のコントロール権という話で一度議論をさせていただいていますけれども、どんなふうに閲覧できるか。これはなかなか簡単なことではないのだろうと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。両方使っている、条例をつくっていろいろなカードに使っている、そういう市町村において、この前ちょっとそこは聞けなかったものですから、それは、閲覧についてはどんなふうにお考えですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民基本台帳カード記録事項は、この法律案では、住民が閲覧できるということとはいたしておりません。
まず、全国ベースの、全国共通で使う部分でございますが、この中の情報というのは、いわゆる四情報プラス住民票コードでございます。これにつきましては、基本情報ですから、本人の方はコードは御存じですし、必要な場合には住民票の写し等によりまして確認ができるということでございます。
市町村の条例で定めるところによって独自で市町村が活用される、いわば付加的な活用のものにつきましては、条例に基づきまして、いわばカード内の専用エリアに付加情報を記録して利用するということでございます。これは基本的には条例の分野の問題でございまして、付加情報を記録してこのサービスを受けるかどうか、住民の方でこのサービスを受けるかどうか判断して選択されるわけでございますので、それについて法律で閲覧ができる、こういうふうな規定には、なじんでおりませんので書いていない、こういうことでございます。
○桝屋委員 その場合、当該市町村が条例でその閲覧の内容について規定をすることは可能ですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
市町村がどのような行政サービスに活用するかというのは、かなりいろいろな場面があろうかと思います。それからまた、個人情報の保護の観点からどういうふうに条例であわせてやっていくかということはありますが、それは一般的には可能だ、こういうふうに考えております。(桝屋委員「できるということですね」と呼ぶ)はい。
○桝屋委員 今できるというお答えがありましたけれども、もちろん市町村の判断でそこは任せていいのだろうと思うのですけれども、大臣、これは、この前我々は参考人質疑をやったわけでありますけれども、ICカードについては、このICカードを活用した福祉カードとかさまざまな形というのは、実はまだ市町村行政に定着をしていないのですね。
決して私はうまくいっているとは思いません。これは、私自身が現場で長きにわたって苦労してきましたから、よくわかるのでありますが、私も一度もうまくいったという経験がないものですから。それは何で苦しんだかというと、やはり、今言ったみたいに個人のプライバシーをどう守るか、個人のプライバシーと行政サービス、これをどうバランスをとるか。特に保健、福祉、医療の分野になりますと、医師会、ドクターの御判断や、あるいはその医療情報等で、例えば本人の疾病をどこまで、当然書き込むわけでありますから、それを本人が閲覧できるかどうか、プライバシーの保護というところでは相当突っ込んだ研究をしなければならぬ。
しかし、これを全国統一でできるようにするわけでありますが、まだ全国的にも二十、三十、百という数字にはなかなかならない状況の中でこの制度を始めれば、私は、国としても相当のサポートをしないと、制度設計あるいは今申し上げたプライバシーの保護等の観点から、これは便利なものじゃないか、やろうじゃないかといって、利便性だけを、あるいは行政の観点だけでもってこれをどんどん進めていくと、大変怖いことになるのではないかという気がいたします。
そういう意味では、今のICカードの現状からしますと、これは全国でやろうと思えばどこでもできるようになるわけでありますから、場合によっては三千三百通りがあってもいいわけでありまして、便利さだけを追求するのじゃなくて、まさにプライバシーの保護という観点から相当行政としてこれはサポート体制をつくり上げていかないと、それぞれの市町村では混乱が起きるのではないか、こう思うのでありますが、大臣、いかがでありましょうか。
○野田(毅)国務大臣 私も技術的、専門的なところはよくわからないのですけれども、ただ、今までそれぞれ市町村の中で、何とか住民の利便の問題、あるいは行政の効率性、簡素化といったニーズにどうやってこたえていくかという中で、随分苦労をしながら一生懸命努力をしていただいている。
既に二十五以上の団体がこの問題に取り組んで、さらに新たに取り組むというようなところもあるわけですが、御指摘のとおり、やはり個人情報の保護という非常に致命的に大事なテーマについて、その懸念というもの、いろいろ専門的な話を聞くと、うん何となく大丈夫かなと思いつつ、一方で懸念というか、そういう、情緒的世界と言うと言い過ぎかもしれませんが、専門的にわかればわかるほど心配な人もあるし、わからなければわからないなりに心配がある、そういうような中で、しかしそういうことだけ言っていてもなかなか物事は進展しない、そのはざまの中でいろいろ御努力をいただいている。
それだけに、やはりこの点について、御指摘のとおりバックアップしていくような、そういうような環境づくりなり、対応というものがぜひ必要だな、そのようにも思います。やはり物事というのは、一つ一つそういった懸念を乗り越える、その作業をしていかなければならぬ。そういう意味でのバックアップということは大変大事なことだというふうに思います。
○桝屋委員 実施までに、たとえこの法案が通っても五年かかるので、その間で作業を、そういうお気持ちかもしれませんが、最初に私が申し上げたように、ICカードについては緒についたばかりだというが、いやいやそうじゃない、本当に苦労して行き着いていますよということもちょっと申し上げましたけれども、これは自治省だけでやったってだめですよ。特にICカードは、今導入の準備が進んでいます介護保険あたりでは、ぜひこれは便利だから使おうということになろうと思うんですね。一気にどっと進んじゃう。そうすると、私は、本当にプライバシー保護という観点では乱暴なところが出てくるんじゃないか、そこから制度の信頼を失うということになったのでは大変なことになる。
そういう意味では、自治省だけではなくて政府を挙げて、私は、きょう政府を挙げて取り組んでもらいたいことをお願いしたいと思いましたが、時間がもうなくなっていますが、特に厚生省も含め政府全体として考えていかなきゃいかぬことがたくさんあるだろう、私はこう思っております。
最後にもう一問だけ。先ほど指定情報処理機関の話が出まして、一体どこなんだという話もありましたけれども、明確なお答えはありませんでしたが、この中に置かれる本人確認情報保護委員会の設置、これについては、私は、果たしてチェック機関として大丈夫なのかなという懸念を持ちます。
堀部参考人がもともとおっしゃっていたのは、プライバシー保護について、やはり独立した、場合によっては政府から独立したようなチェック機関が必要だ、こういうことを堀部先生はずっとおっしゃっていたわけでありまして、そういう意味では、今回の法案の書きぶりは「指定情報処理機関の代表者の諮問に応じ、」もちろんその前に、この本人確認情報保護委員会の委員というのは指定情報処理機関の代表が任命するわけでありまして、その上で、代表者の諮問に応じて「本人確認情報の保護に関する事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める意見を指定情報処理機関の代表者に述べることができる。」私は、ほとんどチェック機関としては機能しないのではないか。
どういう人が本人確認情報保護委員会に入ってくるのかということも定かでありませんし、本当に、先ほどから、県が委任をするものだという話がありましたけれども、県の代表者がちゃんと入るのかどうかということも含めてよくわかりませんし、本人確認情報保護委員会、この機能については甚だ今のままの法案では私は心配であるというふうに懸念を感じております。
大臣がずっとおっしゃっているように、将来この法案を広げようと思えばまた国会で審議すればいい、こうおっしゃっていましたけれども、果たして国会で審議するような材料をきちっと審議していただけるような場が、恐らくこれでは全くそういうものではないと思いますし、私はそうしたものをぜひ政府としては考えなければいかぬのではないか、こんなことを最後に申し上げたいと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 政府全体として高度情報化社会における個人情報保護のあり方について総合的に検討するときが来ているという総括的な御指摘、この点については、まさに民間部門も含めて個人情報保護のあり方について総合的な検討をしなければならぬというのは、今日の社会状況からその要請が高まっておって、まず重要な課題であるということを基本的に認識をいたしております。
今回のこの住民基本台帳ネットワークシステムにおいては、住民票コードの民間利用を禁止し、その違反に対し、行政命令をかけ、さらに罰則を設けるといった内容を含んだもので、今回の改正法が民間における個人情報の議論を高める契機になるということを期待をいたしておるわけです。これを一つの契機として、今御指摘のありました、自治省だけでなくて政府全体として個人情報保護の問題についてもしっかりと総合的な検討をしていかなければならぬ、このことは、私としても、政府全体として検討すべきテーマであるというふうに考えております。
○桝屋委員 きょうのところはこれで終わります。ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党・改革クラブの富田でございます。四月の二十七日に引き続きまして、前回ちょっと質問で触れなかったところを何点かお尋ねしたいと思います。
先ほど来、古賀委員また桝屋委員の指定情報処理機関の質問がございましたが、後ろで聞いていましても、何を言っているのか全然わからない。いつも明快な回答をされる大臣もどうも答弁を何かほかの方向へ持っていかれているのではないかなというふうな気がして聞いておりました。また、古賀委員の質問の最中も条文を何度も読んだのですが、幾ら読んでも、何を言おうとしているのか、三十条の十から指定情報機関の条文が何条かあるんですが、何度読んでもイメージが全然わいてこない法文なんですね。
これまで自治省の方から、中間報告が出て以降いろいろな御説明をいただきましたけれども、そのときにはたしか、都道府県センターと全国センターという二種類あるんだというようなところから始まって、この法案では一つにまとめてしまったのかなという感じがするんですが、大臣、先ほどの大臣の御答弁ですと、分権分散型のシステムなんだというふうに言われているんですが、これがもし本当に全国に一個しかない機関だとしたら、それで本当に分権分散型のシステムと言えるのか。参考人質疑の際にも、梶原知事は、自分たちが、地方自治体がいろいろやっていることをつなぐようなシステムは必要だけれども、自治省の方からいろいろ言われたくはないというような意見も言われていました。
そういうことを考えますと、この指定情報処理センターというのが全国に唯一、本当に一個しかなくて、自治大臣は一つしか指定しないということですと、ずっとこれまでの自治省の説明とかまた参考人の梶原知事の意見等から考えますと、ちょっと地方自治体が期待しているセンターと違うのではないかなというふうに思えるんですが、一体この指定情報センターというのはどういった性格、また具体的にどういうものを指定されようとしているのか、今ある既存の組織をどれか指定するふうなことを予定しているのか、そういったあたりをぜひ明確に教えていただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
まず、このネットワークシステムにおいては、指定情報処理機関が全国センターということでございますが、都道府県センターというものも当然予定をいたしております。ネットワークは、都道府県のネットワークと全国のネットワークと二つ、二段構えでございます。それで、都道府県内の市町村をつなぐネットワークが都道府県センターを経て、都道府県のネットワークをつなぐものが全国ネットワーク、こういう御理解をいただきたいと思います。それで、都道府県センターは都道府県が管理運営する、全国センターは全国の指定情報処理機関が管理するという考え方でございます。
それから、先ほどの都道府県が委任するということでございますが、法文上は、やはり地方自治ということを踏まえまして、委託することができるということにいたしておりますから、法律上は、全都道府県が委託しないということもあり得るというふうに構成をいたしております。ただ、事柄の性質上やはり全国的なところで一本化して処理した方が効率の面でもいいという仕事を全国センターに委託するわけでございますので、できることならば全都道府県が委託するということを期待をいたしているということでございます。
それから、都道府県センターは全国一つでございます、その点では一つでございます。
それは、指定基準につきましては法律でその指定の基準を規定いたしているところでございまして、指定機関の申請によりまして、この基準に合った適切なところを指定する、こういうのが基本的な仕組みでございます。
○富田委員 今、局長は多分言い間違えられたと思うのですが、全国センターが一つということですよね。今、都道府県センターが一つというふうに最後の答弁で言われたのですが。
そうすると、各都道府県が市町村の情報を集め、センターを持っていて、この法文の規定では、委託することができるというできる規定だということで、では、例えば私の住んでいる千葉県の都道府県センターが全国センターに委託しないというふうになった場合に、それはシステム上、どうやって千葉県の都道府県センターが全国のネットとつながるようになるのですか。ちょっと今の御説明では、そこが欠けてしまうように思えるのですが。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
システム上は、県内の市町村のネットワークが県センターの方に行きますから、県センターは、県センターとずっと全国でつながっていきますから、それはシステム上は可能でございます。それで、国の機関等への情報提供は、全国センターに委任したところの情報は全国センターから提供される、委任しないところは都道府県から提供される、こういうことになります。効率性においてはかなり落ちるということでございます。
○富田委員 そうすると、全国センターがなくても、各都道府県センターが直接国の機関とネットワークで結ばれればいいことであって、何のためにこの指定情報処理機関という全国センターがわざわざ法文でこれだけの条文をつくって設けられるのか、今の局長の説明ではよくわからないし、こんなものは要らないのではないか。梶原知事さんが言っていたように、都道府県センターがそれぞれネットワークを持ってきちんと情報を交換できるようになればいいのではないかというふうに思えるのですが、そこは、この指定情報処理機関というのをわざわざ法文上設ける意味というのはどこにあるのですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この全国センター、指定情報処理機関というものは、全国的な本人確認情報システムを処理する場合に、専門的な機関が一つのところで処理した方が効率的であるという分野、住民票コードの配分など、機械的なものもございます。それから、ネットワーク構成上、今お話ししましたように、四十七の都道府県がそれぞれ保管、提供すると非常に効率性の面でも落ちるということで、効率性の観点から全国センターというものがあった方が適切であるということで、それにふさわしいものを都道府県が委任するということで構成をいたしているものでございます。
○富田委員 余計わからなくなってきたのですが、効率的だとか、そういう説明はそれはそれでいいと思うのですけれども、法文上で見ますと、三十条の十の一項の一号等で、住民票コードの指定とかその通知を指定情報処理機関がやるというふうになっていますよね。そうすると、委託しない都道府県は、都道府県センターがやるわけですよね、ここに書かれていることを。それが全部できるということになったら、こんな指定情報処理機関などは要らないのではないか、まず一つそう思いますし、これを全国的にやった方がいい、効率的なんだということで指定情報処理機関をつくるというなら、これをなぜ国の機関にしないのですか。わざわざ公益法人のようなものを自治大臣が指定する、何でこんな複雑なシステムにするのかよく理解できないのですが、そこはどうですか。
○鈴木(正)政府委員 このネットワークを支えます全国センターのあり方でございますが、全国センターは、地方公共団体が出資する公益法人というものに、さらに所要の法律で基準を定めて、いわゆる指定法人方式ということでございます。
それで、その業務の内容につきましては、一般的な法人監督につきましては、自治大臣が制度の所管大臣として監督いたしますが、本人確認情報の内容面にわたりますことは自治大臣は関与をしないという仕組みでございます。
国の機関でやったらどうかという御指摘でございますけれども、一つは、国の行政機関あるいは特殊法人ということについては、行革の点から議論をしなくてはいけないという点が一つと、それからもう一つ、お話しのように、分権の観点からやはり地方団体が主体の運営主体というものの方が適切ではないかということで、指定法人方式にいたしております。
○富田委員 指定法人方式にすると、こういうことになりませんか。法律上は公益法人なんですから、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、この対象になりませんよね、多分。情報公開条例を持っている都道府県でも、都道府県の機関ではないですから、この条例の適用もない。そうすると、個人情報保護というふうに考えた場合、この指定情報処理機関を経由することによって、個人情報の保護がわざわざ図れないような機関をこの法律で設けるように、そういうふうになっているとしか思えないのですが、そこはどうですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
お話しの、行政機関の保有する電子計算機処理に係る、要するに、国の個人情報保護法でございますが、この保護の対象となるのは、国の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報であるということで、御指摘のように、公益法人であります指定情報処理機関の保有する本人確認情報は対象にならないというふうに考えております。
しかしながら、本人確認情報の保護につきましては、この住民基本台帳法におきまして国の個人情報保護法を上回る保護措置を講じているところでございます。
以上でございます。
○富田委員 また何か答弁をはぐらかされた感じがするのですが、実際に、既存の何かを指定しようとしているのか、あるいは市町村に本当に出資させて新たな公益法人を、自治省の指導なり誘導して何かつくろうとしているのか。仮にそれで新しくつくった場合、新しく自治大臣に指定された指定情報処理機関というのは、どうも今の説明を聞いていると、自治省の天下り先用に何かこの法案でいきなり入れてきたというふうにしか私には思えないのですが、それはどうですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関につきましては、この住民基本台帳法の法律といわば国の情報保護法との違う点を申し上げますと、第三者機関としての本人確認情報保護委員会を設置するということを規定しております。また、管理規程の策定、それから役職員のみなし公務員規定、秘密保持義務、本人確認情報の安全確保措置の実施義務などを規定することといたしているところでございます。
それから、どういう機関が指定情報処理機関になるのかということでございますが、これは非常に個人情報を扱うわけでございますから、それに対する事務を処理するだけの合理的かつ効率的なものでなければいけないということで、都道府県が基本財産の全部または一部を拠出している法人ということで、その中から本人確認情報の処理を行うとする法人からの申請を受けまして、その能力、組織、職員の体制など、法律に定める基準にのっとりまして指定を行うということでございます。
○富田委員 何かまだよくわからないのですけれども、今言われたような規定が確かにあると思うのですね。
先ほど、桝屋委員の方も質問していましたけれども、本人確認情報保護委員会、全然これはチェック機関というか、保護能力がないのじゃないかというような指摘もありましたし、この法文を読む限りでは、日弁連の意見書が指摘しているように、目的外利用とか外部提供について国民に通知されることもないし、違法な本人確認情報流出をチェックする方法も全くないのですね。
また、その本人の側が開示とか訂正等を要求した場合に都道府県知事や指定情報処理機関が応じなかった場合のその救済手続とか、本人確認情報を消去してくれというような規定も全然整備されていないのですよね。
わざわざこういう指定情報処理機関、私から見たらちょっと不透明な機関だと思うのですが、こういう規定を置くのであれば、今私が指摘したような日弁連の意見書にかなり詳しく書いてあるようなこういう救済手続をきちんと置いたらどうですか、こんな機関をわざわざ設けるのであれば。そういう救済手続をきちんと置けば国民の納得も得られると思うのですけれども、このままでは一体どういうものがそういう指定情報処理機関になるのかも全然わからないし、不透明過ぎると思いますけれども、どうですか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関に対する自己の本人確認情報の開示請求につきましては、それが適正な手続に従ってなされれば、請求の事由を問わず開示するということといたしておりまして、三十条の三十七で、何人も、磁気ディスクに記録されている自己に係る本人確認情報について、その開示を請求することができる、それから、指定情報処理機関は、前項の開示の請求があったときは、書面により開示をしなければならないという規定を明定いたしております。
また、自己の本人確認情報の訂正の申し出でございますが、これに対しましては、遅滞なく調査を行い、その結果を当該申し出者に通知するということとされております。三十条の四十でございます。一部の訂正、追加または削除の申し出があったときは、遅滞なく調査を行い、その結果を当該申し出をした者に対し、書面で通知するものとする。
これを受けまして、指定情報処理機関あるいは都道府県知事は、この訂正の申し出を契機といたしまして、法に規定されている市町村長への通報などの措置がとられまして、市町村に通知する、それで市町村における住民票の記載が訂正される、その結果を受けて指定情報処理機関が保有する本人確認情報も訂正される、こういう流れで訂正についての手続が規定されているということでございます。
本人確認情報の消去の問題につきましては、国の機関などの受領者などにつきましては、不要となった情報についての消去ということを含めまして、本人確認情報の安全確保措置を講じる義務が課せられている、このように考えております。
○富田委員 今、条文を読まれたのですけれども、そういう条文があるけれども、その条文どおりに都道府県知事や指定情報処理機関がしなかったときにどうするのだという話をしているのですよ。わざわざこういう規定を設けるのだったら、そういうところまで今回きちんとすべきだというふうに言っているのですが、条文を読まれて答弁されたのではもうどうしようもありませんので、もう時間も来ましたから、最後に、民間利用禁止について一点ちょっとお尋ねしたいのです。
先ほど野田大臣も、民間利用の禁止規定がきちんと置かれて、罰則まで設けられているのだから、この法案はほかの法律と違ってかなり配慮された法案だというふうに言われていましたけれども、ただ住民票コードの提供を求めることを禁じているだけであって、任意提供は禁じられていないわけですよね。この任意提供を受けた者に対する制裁が設けられていませんから、結局、任意提供があったということでこの住民票コードが利用される危険がかなりあるんじゃないか。これは日弁連の意見書も具体的に指摘しています。
前回参考人で来ていただいた斎藤参考人の「プライバシー・クライシス」の中にも、そこの部分が本当に危ないんだということで、罰則規定はないのも同じだ、罰金が科されるまでに相当の手続と期間が必要になって、しかも、その中止勧告の前提である都道府県知事の認定も認定基準もあいまいだ。仮に手続が罰金まで至ったとしても、この間に住民票コードを利用してつくられたデータベースなどの廃棄を命じる規定がない。もうやりたい放題でやれちゃう。
罰金五十万ですからね。どれだけ数を盗み取って、いろいろなことをやれる、民間利用でもできるわけですよね、実際。やられちゃった場合にどうするかというその保護規定が欠けているというのは、これは民間利用を禁止しているんだと幾ら言ってもそこの部分がぽっと抜け落ちているんじゃないかと思うのですけれども、そこについて何か新しい規定を設けるとかそういうことを考えられませんか。最後にそれだけお聞きしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
今回の改正法では、住民票コードの民間利用はできないというルールを法律上明らかにするということで、住民票コードの告知の要求をすることができない、こういうふうにしているところでございます。
民間利用につきまして、私人の行為をどの段階から禁止できるかということだろうと思います。この点につきましてはなかなか難しい問題でございます。私人の行為というものをどの段階で悪質なものとして規制をするかということで難しいわけでございまして、現在の法案の考え方は、かなり外形的な行為としてその悪質さがあらわれてくるというところで、例えば、契約に際しての告知要求、あるいは第三者のためのデータベース構成、こういう段階でそれがあらわれてきた、明らかになったということで制裁措置をかけていく、その手法も、罰則で担保された行政措置で対応していく、こういう考え方でございます。
住民の方が自分のコードを自発的に告知する、どういう形かなかなか難しいし、個人の生活というのが非常にさまざまな状況がございますので、任意提供そのものに係るものについて規制あるいは制裁措置というものを一律に科していくということはなかなか難しいものがあるのではないか、このように考えております。
○富田委員 住民が自発的に告知するとはとても考えられませんので、やはり難しい問題だとは思いますが、ここをきちんと考えないと、民間利用の禁止と幾らうたっても実際は実効性に乏しいんじゃないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
○坂井委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 私、もうきょうで三回目の質問になりまして、頭の中がプライバシー情報とコンピューターで爆発しそうになっているのですけれども、先ほどの議論を聞いていて、非常に問題が多いなというのを改めて実感した次第です。それで、指定情報処理機関の問題についてまず最初に伺いたいと思います。
富田委員も質問していましたけれども、この指定情報処理機関の重要な仕事に、住民票コードの割り振りというのがあります。法案の三十条の七の一項、ここで、都道府県知事が各市町村にコードを割り振って指定する。それから同二項では、あらかじめ他の都道府県知事と協議をして重複しないように調整する旨のことが明記をされております。
それで、この二項なのですけれども、局長にお聞きします。この協議をして調整を図るということの前段に、自治省令で定めるところによってこれを調整、協議するとしたためられております。この自治省令の中身なのですけれども、例えば、あなたの県はこの番号からこの番号までこの範囲で使いなさい、そういうことを示すようなことになるのでしょうか。県ごとの割り振りですね、それをどのようにやるのでしょうか。自治省令にそのようなことを明記するのでしょうか。この自治省令というのは何を予定しているのでしょうか。その点をまず聞かせてください。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票コードは、先ほどお話しいたしましたが、乱数でランダムに出してくる数字でございます。それを何らかの基準で全国の数字を市町村ごとに配る形になります。県ごと、市町村ごとに配りますから、人口比例ということでしょうか、大体の数字が出ますから、それを配分するという機械的なことになります。
したがいまして、省令では、都道府県間の住民票コードの調整か、手続関係のことを規定する予定でございますが、詳細は今後検討していく、こういうことでございます。
○春名委員 法案では、都道府県から委託を受けた指定情報処理機関が協議、調整をして割り振るとなっております。そうですね。三十条の十以降に委託される中身が全部示されていまして、コードの調整、コードの割り振りも、県知事から委託を受けて割り振るということもこの指定情報機関がやるということになっています。県知事が自分の県の市町村にコードを割り振るというのは私も理解できるんですけれども、県を越えてコードを重複しないように割り振るという仕事を指定情報機関がやるということになるわけであります。
もしそれをやらせるのであれば、そのような権限といいますか、それはどこに根拠があるんでしょうか。つまり、県の中で分けるのは県知事ということになりますけれども、全国を乱数であっても割り振りをするわけでしょう。その権限というのを指定情報機関に与えるんですか。そういうことをやっていいんでしょうかというか、その根拠ですよね、そこの点をちょっとお聞かせいただきたい。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票コードは十けたの意味のない数字のものでございます。それがずっと出てくるわけで、そのグループができるわけでございます。それを、いわば都道府県、市町村ごとに区切るというか配分する、こういう機械的な作業でございます。
都道府県間でダブらないように調整する、都道府県の中で市町村とダブらないように調整するということでございますが、それを全国センターで一本で市町村ごとにダブらないようにするということにした方が効率的だということで、都道府県が三十条の十でその作業を委任する、こういう構成にいたしております。
○春名委員 私がこれを聞いているのは、先ほど、このシステムは分散分権的システムなんだということが繰り返し言われているんですけれども、先ほどの質問でもありましたけれども、全国指定情報機関が一本だけ決まるわけですよ。そこにほとんどの業務が委託されていくわけです。四十七都道府県全部やっていただきたい、期待しておるというふうに言われているわけですね。そして、その第一の仕事に、住民票のコードの割り振りもその機関がやるわけなんです。だから、これはまさに中央集権そのものなんですよ。
それで、最初に県ごとに割り振る番号までこの機関がやるという、その根拠は、これは要するに、結局国がやるということではないんですか。その意味は違うんですか。私はそういうふうに、この中身から見ると、非常に危惧したといいますか、受けとめてしまったんですけれども。そのことを聞いておるわけなんですけれども、それはどうでしょう。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関は、地方公共団体が出資する公益法人のうちで、法律で定める基準を満たすもので指定していく、こういうことでございます。国の機関ではない構成をとっておりまして、いわば地方団体のサイドの、地方団体が出資している公益法人が主たる性格を持つ、こういうものと考えております。それで、三十条の十で、都道府県知事はそこに「次に掲げる事務を行わせることができる。」ということで、都道府県知事が行わせる場合に指定機関がこの処理を行う、こういう仕組みにいたしております。
○春名委員 どうもやはり中央集権的なイメージがぬぐい去れないので、私も指摘をしておきたいと思います。
ただ、これだけを話すわけにいかないので、次に、法案とプライバシー権の問題について、自治大臣に認識をお聞きしていきたいと思います。
先日、参考人質疑がありまして、いろいろな議論がありました。私もそれを逐一聞いていたんですけれども、その中でやはり、今も議論がありますけれども、この法律はプライバシー権を守る仕組みが極めてあいまいだと日弁連の方も解明をいたしました。それから、堀部教授なんですが、社会的な基盤整備と一体にこういうシステムは取り組む必要がある、できれば包括的プライバシー保護法も一緒にできればよかったけれども、それはなかなか難しいと判断した、こういう御発言もされていたんですね。
それで、局長にはこのことは富田委員がお聞きしたんですけれども、自治大臣の御認識なんです。プライバシー権というのは、現段階で、自分自身の、自己の情報をコントロールする権利だということまで、そういうものを含んでいるんだということが通説になっていると行政局長はお認めになっておるんですけれども、自治大臣自身は、プライバシー権の中身ですね、そういう御認識があるのかどうか。また、そういう角度に立ったときに、権利を守る最大限の措置がこの法案に明記されていると言えるのかどうか。その点の御認識をまずお聞きをさせていただきたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 プライバシー権についてどこまで概念的に規定するかというのはなかなか難しい問題があって、率直に言って、私が余りここで主観を交えて言うのはどうかと思います。局長が申し上げた程度のところまでは共通認識でいいと思うんですね。
問題は、特にこの法案との関係でいうと、いわゆる民間利用がどんどん進んでいくということになれば、それが個人情報の保護ということに極めて抵触してくるんじゃないか、そこのところが一つの大きなチェックポイントであるという、これはずっとこの委員会における議論の中でかなり中心的なテーマなんですね。
そういう点で、今日までいろいろな規制のやり方があると思いますが、本法案においては、今までやってきているいろいろな形の中で、かなり今まで以上に禁止、処罰規定を強化している、この住民基本台帳ネットワークシステムにおいては、従来よりもはるかに強化されているように私は受けとめております。ただ、これはそれで本当に十分かと言われたら、もちろんさらに入念に検討しなければならぬところはあろうかと思いますが、今日まで可能な限りの手法を盛り込んで入れているというふうに私は判断をいたしております。
○春名委員 大山教授が、技術の大事さと同時に、法律と人間の運用、三位一体でやらぬとだめなんだ、こういう指摘をされているんですね。技術的にも最高度のセキュリティーを確立するように努力はしているが、しかし使う人間も問題だ、それから法律上はっきりさせなければならないということが強調されて、なるほどなと私は思ったわけなんです。
そこで、今のお話の続きになりますけれども、自分の情報をコントロールする権利というところまで今認識が高まっている、このプライバシー権を守るという点で、本当に果たしてこれで十分かという点は、私はまだまだ検討の余地があると思うんですね。
一つは、この間議論になっていますけれども、四情報プラスコード、この本人確認情報を利用することがわかって、その利用が終わったら直ちに消去するという規定が法案に明記されていません。このことは私は大きな問題だと思っております。
それで、行政局長は、保有期間を過ぎて不要になった情報の消去については、情報管理規程など、処理機関の中で定めていくことになると思います、こういう御答弁をされているのですけれども、この御答弁というのは、そういう消去する仕事が必要だという御認識を認めておるわけであります。であるならば、しっかりした法をつくるということであるならば、法律に明記するのが私は筋だと思います。そういう点は御検討されていないのでしょうか。その点はどうでしょうか。どちらでも結構です。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関の管理規程の中できちっと定めて、これは法律で指定情報処理機関においては管理規程を定めるということになっておりますので、不要になった情報については消去するということをきちっと定めて、管理機関において適切に対処をしてもらいたい、こういうふうに考えております。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
○春名委員 堀部教授が、このコードは総背番号制ではない、変わってきたという評価をされていましたね。その中身として、行政コードだと思うと。つまり、その中身として、コードの変更請求権が新たに加わったのが重要だ、こういう発言をされていたと思うのですね。
三十条の三にそのことが書かれております。その三十条の三の二項、「その旨その他自治省令で定める事項を記載した変更請求書を、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に提出しなければならない。」つまり、この三十条の三の一項、二項は変更請求の規定でありますけれども、そこの中身に、「その他自治省令で定める事項を記載した変更請求書を、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に提出」する、こういうふうになっています。
行政コードだというふうに変わってきたかなめとなっているこの変更請求権の中身、自治省令によって定める事項というふうになっています。一体これは何かということ。そして、御本人が、これは私は変えてもらいたいということを言えば、自由にこの変更はできるのかどうか。さまざまなハードルをつくって、実態はできないようになるのではないかという不安もあるわけなんですね。この変更権の中身、その点をお答えいただきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票コードの変更を認めるか認めないか、どのように考えるかというのは、かなり議論をしてまいりまして、結論的には、法律に書いたとおり、理由を問わない、変更請求があれば認めるということにいたしたことでございます。
それで、省令でございますが、ここでは、申請書には住所、氏名、住民票コードなど、こういったことを書く予定にいたしているところでございます。
○春名委員 住所、氏名、住民票コードの三つですか、そういう予定だという理解でいいのですね。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
三つが主たるものでございますが、詳細については今後詰めるということでございます。
○春名委員 続いて行きたいと思います。
本法案は、本人確認情報の提供を受けた行政機関がそれ以外の目的外使用については禁止をするということにしております。これも堀部教授に言わせれば、そういう対応をしていることが、より中間報告のときとは前進した面だということをおっしゃったわけであります。
しかし、日弁連の指摘でもあるように、この問題は、受領者である省庁が結合することについての罰則規定がない、ここを問題にしているわけであります。ここまではっきり規定をしないと、データ結合の危険は残されたままになるんじゃないかという危惧であります。
この点について富田委員が質問したときに、局長は、知事や指定情報処理機関、国の機関は、法律によって本人確認情報を取り扱うことが認められた公的機関だから、法律に違反してデータ統合を行うことは想定できない、だから結合禁止を担保する措置を設ける必要はないという答弁をされました。
これはおかしいなと私も思いました。お上に任せておけという態度だと私は認識をいたしました。逆に、行政機関だからこそ、自己情報をコントロールする権利を責任を持って担保していくという努力が必要なんじゃないかというふうに私は思うのですけれども、この点については、その後、認識は変わっていないでしょうか。そういう点、どうでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
本人確認情報を受領した機関のサイドのお話だと思います。いわゆる受領者と言っていますが、市町村、都道府県、それから国の機関等が本人確認情報を法律の別表に定めるところで認められたという場合につきましては、受領者は、「本人確認情報の提供を求めることができることとされているものの遂行に必要な範囲内で、受領した本人確認情報を利用し、又は提供するものとし、当該事務の処理以外の目的のために受領した本人確認情報の全部又は一部を利用し、又は提供してはならない。」こう裏と表から明確な規定を置いているところでございます。
この機関は、地方公共団体あるいは国の機関と法律で認められた機関でございますので、先ほどのお話の繰り返しになるかもしれませんが、最終的にはそれぞれの機関のいわば服務規律というところにまつということで、一応この法律においては、今の条文に反して目的外利用を行うということは想定できないということで、これ以上のいわば禁止の制裁措置などを置くということは考えておりません。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○春名委員 最大限の個人情報を保護するということについて、これが最大の論点になってきたということをおっしゃっているわけであって、その点でいえば、やはりこの刑罰規定の問題なども当然はっきりさせないと、私は、穴があると言わざるを得ないわけです。
それから、大臣にお聞きしておきますけれども、違法な個人情報の利用に対しては、国民の側からの中止請求権、それから不服申し立ての手続、これが必要なわけですけれども、本法案には明確にされておりません。包括的な個人情報保護法があれば、こういう中身も当然入るわけだと思いますけれども、それがないからこそ、このシステムを導入するのであれば明記すべきだと私は思います。国民の自己の情報をコントロールする権利という中身からして、当然これは明記される必要があるんじゃないでしょうか。その点について、自治大臣、いかがでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
本人確認情報につきましての利用状況の問題あるいは中止請求の問題でございます。この点につきましては、それぞれの国の機関等が利用する事務、目的というものが法律に明記されているということで、先ほどの繰り返しになりますが、それぞれの機関が基本的にその法律というものを守って行われるということで、利用状況というものもそれぞれの記録にログとして残される。あるいは、指定情報処理機関の場合には、国の機関等への情報提供の状況について毎年報告書により公表するということといたしておるところでございますので、制度的には明確になっている、このように考えております。
○春名委員 そこが私は違うと思うのです。やはり行政機関の側がそういう対応をするということと同時に、国民の側が権利としてそれを持っている、そこが担保されることが大事なのではないでしょうか。それが自己情報のコントロール権、これを保障する中身になっていくのではないかと思うのです。それがないということは不安である。堀部教授なども、不安だということは言っていました。しかし、今は難しいという意見も言っていました。そういう問題をここにはらんでいるので、個人情報について十分保護措置がとられておるというようにはとても言えないということを私は指摘せざるを得ないのであります。
同時に、先ほど古賀委員がおっしゃっていた質問の中で私もあらっと思ったことが一つあるので、ちょっと、レクをしていなかったので申しわけないけれども、三十条の六で電気通信回線という言葉が出てこないという質問をされていまして、そこは、各市町村長が条例で定めて他の市町村に事務を提供する、その本人確認情報を提供する際には、磁気媒体なども使う場合もあるので、電気通信回線ではない、専用回線を使わない場合もあるというふうにお話が出ました。
私の理解が間違っていなければいいのですけれども、四情報プラスコードというのはプライバシー情報だというのを最初の質問で確認をしました。その本人確認情報、プライバシー情報が、専用回線だから安全だと言っておられたのに、実はそうではないという事務がいろいろあるというのを聞いてびっくりしたのです。私の認識が間違っていればいいのですけれども。
要するに、公衆回線でも構わないということになりますと、まさに自治省の方々が言ってきたプライバシー保護のしっかりしたシステムがあるということの根底が崩れるような問題が提起されているように私はきょうの時点で感じたのですけれども、それはどうなのでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
三十条の六の規定で電気通信回線ということが規定されていなかったということの理由、説明としまして、こういった場合には市町村の判断で磁気媒体、フロッピーディスクなどによって本人確認情報を提供することもあり得るということでございまして、そういうことを考えて、電気通信回線ということを通じて提供するものとは法律上規定しなかったということでございます。
当然、市町村等の条例においてセキュリティーが十分確保できるように本人確認情報の提供方法というものを定めるということでございまして、自治省としてもそのように要請していくということでございます。
○春名委員 時間が来ましたので、最後に大臣に一言だけ御発言をお願いしたいと思います。
参考人の質疑や今までの議論の中で、やはり国民の中にも賛成、反対、さまざまな立場の角度の意見があるということが非常に浮き彫りになってきているのですね。国民全員に共通番号をつけるというのは歴史的に初めてのことです。だから慎重の上にも慎重な検討が必要です。何よりも国民のコンセンサスが必要です。性急な結論を出すべきではないと思います。
この点で、自治大臣として、現状、国民的なコンセンサスの重要性をどう御認識されているのか、また、そのコンセンサスが今できているのかどうか。やっと議論が始まったばかりだというのが私の認識ですが、その点についての御認識を最後に問うておきたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 きょうずっとプライバシーの問題に主として焦点を当てていろいろ御議論いただきました。また一方で、極めて急速に進んでおります高度通信情報社会の進展、これにどうやってキャッチアップをしていくのか、そして、世界的なそういういわゆるデジタル革命とも言われるような環境の中で、どういうふうにこれをやっていくのか、あるいは一方で、住民の利便の向上ということももちろんありますが、国、地方を通ずる行政改革、あるいはその簡素効率化などというニーズにどうこたえていくか、いろいろな角度からの論点があると思っております。
そういう点で、今回のこの住民基本台帳ネットワークシステムというのは、こうした要請にこたえるために必要な行政サービスの基礎となる全国的な本人確認情報システムということでありますし、また、市町村や都道府県自身が全国的な広域連携を図っていくということは、地方分権の進展のためにも役立つということでもあるというふうにも認識をいたしておるわけであります。
今申し上げましたようなこういう高度情報社会の進展という時代の要請を勘案しますと、やはり二十一世紀の行政情報化の基盤であるこのシステムが現時点でまだ存在していないということ自体が、既におくれているのではないかという懸念もございます。もちろん、先ほど来御指摘のありましたプライバシーの保護という問題について、十分な保護策を講じていかなければなりません。
そういう点で、このネットワークシステムを早期に導入をさせていただく、そして、新たなものを追加しよう、このネットワークシステムによっていろいろな目的に広げていこうというような話もいろいろありましたけれども、そういったものはやはりこの国会における別途の法律作業ということを経た上でなければそちらの方の展開はしないという歯どめの中で、あわせてこのプライバシー保護策ということをさらに強化をしていくことを講じながら、前進をさせていただきたいというふうに考えておるわけであります。
○春名委員 慎重な審議を心からお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、知久馬二三子君。
○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。大変長い時間、御苦労さまでございます。私も、最後になりまして、皆様方の御意見を聞く中で、討論が深まれば深まるほど、本当に大変な法案だということがだんだんと身にしみてきました。
そこで、たびたびお尋ねしておりますが、私にとっては何か明快な納得のいく答弁でなかったものですから、お尋ねしたいと思います。それは都道府県における本人確認情報の利用という三十条の八についてでございます。
この二項には「都道府県知事は、都道府県知事以外の当該都道府県の執行機関であつて条例で定めるものから条例で定める事務の処理に関し求めがあつたときは、条例で定めるところにより、保存期間に係る本人確認情報を提供するものとする。」とされております。しかし、これでは条例によって都道府県公安委員会なども対象となり、権力の執行機関というのですか、これも本人確認情報を利用することができるのではないでしょうか。この点で自治大臣の御見解を再度お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
このシステムにおきましては、今お話しのように、都道府県の条例で定めた場合に知事が他の執行機関に本人確認情報を提供できるということとされておりまして、お話しの都道府県公安委員会も執行機関の一つでございますので、条例で定められた場合に限り、知事が公安委員会に本人確認情報を提供することができるということでございます。
この都道府県の条例による利用というものは、地方自治の原則に基づき、条例制定権を尊重しなければならないということでございますが、条例の制定に当たりましては、国民の広い理解が得られるように、住民の利便の向上あるいは福祉の増進につながるといったこの法律の趣旨を十分踏まえて行われるべきではないかと考えております。
○知久馬委員 本当にそのとおりだとは思いますけれども、私としてお聞きしたいのは、条例というのはそれぞれの市町村なり都道府県で決めるわけなんですけれども、今の、住民の利便性だけに置かれてできるかというと、何かどうにでもなるのではないかなという思いがありましたのでお聞きしたわけなんです。
次に、三十条の四十三のところなんですけれども、住民票コードの利用制限等に関連してお尋ねいたします。
刑事訴訟法のみならず他の法令、一般に立入検査の権限を持ち、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとする行政法、例えば消防法とか行政組織法などなどたくさんあるのですが、住民票コードの告知ないし開示が求められる場合の是非についてどのようにお考えかをお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
三十条の四十三の関係のお尋ねでございますが、民間での住民票コードの利用ができないというルールを法律上明らかにするということで、市町村長等以外の者が第三者に住民票コードの告知を要求することを禁止する一般的な責務を規定いたしているものでございます。この場合、他の法律に基づきまして、行政機関などが職務の遂行上正当な理由がある場合に適正な手続で告知を求めるということがあるわけでございますが、そういう定めがあるものにつきまして、適正な手続によって告知を求めることまで禁止しているものではないと考えております。
しかし、住民票コードを聞かれたからといいまして、当然これに回答するというものではありません。住民基本台帳法の利用制限の趣旨、またそれぞれの法律の趣旨というものを比較考量する際には、御指摘のプライバシーの保護の観点についても適切に検討、配慮すべきだ、このように考えております。
○知久馬委員 それともう一点ですが、その三十条の四十三の内容では、住民票コードの利用制限について実効性を確保するという点で極めて不十分であると思います。
なぜかといいますと、まず、業として、他に提供されることを予定してデータベースを構成することは禁じられていますが、住民票コードを利用したデータベースそのものが禁止されているわけではないことです。それと、違反の事実があっても、さらに反復するおそれがあると認定する必要があること、認定してさらに勧告する、勧告が守られない場合も審議会に諮り、期限を定めて命令するという構造になっています。これではデータベースを構成した者に対して、データないしデータベースを破棄する権限がないということになるのではないでしょうか。
命令違反等が四十四条で、先ほども出ておりましたが、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金となっていますけれども、違法利用される情報の量によっては余りこの罰則規定というのも効果がないのではないかと思うのです。この点につきましてお考えをお聞かせ願いたいと思います。大臣にお願いしたいのですけれども。
○鈴木(正)政府委員 今回の改正法案につきましては、民間での住民票コードの利用を規制するということで、住民票コードの告知の要求をできないということといたしているところでございます。
特に、お話のございましたように、契約に際して住民票コードの告知を要求するというのは、強い立場ということでそういうことが行われることは非常に悪質であるということでございます。また、住民票コードの記録されたデータベースを構成するということも禁止しているということで、これらにつきましては都道府県知事が、行政措置ということで違反に対しまして中止勧告をし、さらに命令を経た上で罰則を科す。こういう形で、都道府県知事の行政措置というものを罰則で裏づけながら、行政指導で適切に対応する、こういう仕組みにいたしているところでございまして、これらの措置によりまして住民票コードの民間利用の禁止というものは図られていくというふうに考えております。
○知久馬委員 先ほど聞いたのですけれども、命令違反等についての効果が余りないと思うのです。前の条文の中では一年以下、それと三万円以下の罰金みたいになっていましたけれども、それが五十万になったというだけでありまして、そんなに効果はないと思います。
それはそれとして、最後にお聞きしたいのですけれども、民間利用の禁止となっていましても最もそのことが心配されるのが、任意提供があったとして住民票コードが利用されることです。したがって、住民票コードの任意提供の禁止、それから任意提供を受けた者に対しての制裁規定を明確に盛り込むことが必要ではないかと考えるものですけれども、いかがなものでしょうか。これもプライバシーの保護の点では大変難しい面があるとは思いますけれども、最後にこの点をお聞きしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票コードの民間での利用というものを禁止するということで、一般的な責務規定を置いておるところでございます。さらに、先ほども申し上げましたように、行政措置によってそれの実効性を確保していくということでございます。
お尋ねの、住民の方が自分のコードを任意に告知するということでございます。どういう場面があるか、ちょっと難しい面もありますし、また個人の生活にかかわるいろいろな場面も想定されますので、そういったことに対しまして、今講じようとしております禁止措置に加えまして、任意提供に係る規制あるいは制裁措置というものを一律に科していくということは非常に難しい、困難である、このように考えております。
○知久馬委員 ずっとお聞きしている中で一番心配なのはやはりプライバシーの問題だと思いますので、いろいろな面で、この法律に対する意見等、まだまだたくさんあると思いますので、できるだけ時間をいただいて、もう少し討論を深めていただきたいと思いますので、その点をお願いして終わりたいと思います。ありがとうございました。
○坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。