政府は、2005年に世界最先端のIT国家を目指すe-Japan戦略に基づき、電子政府・電子自治体の2003年実現へ向けた取り組みを進めている。電子自治体の眼目は、紙文書の電子化、すなわち電子申請と電子公文書の交換の実現であるが、このためには自治体間を結ぶ通信インフラ(住基ネット、および総合行政ネットワーク[LGWAN])と、自治体における処理システムの整備が必要である。
前者の住基ネットは今年8月にスタートし、来年には、住民票の広域交付や、住基ネットに基礎をおく公的個人認証が始まる予定であり、また、LGWANは都道府県や政令指定都市への接続は完了し、来年中には全市町村が結ばれることになっており、政府によって着々と整備が進められている。
後者の処理システムについては、容易かつ安価に実現する手法として、政府は、自治事務等の標準化、システムの共同化、データセンターやアウトソーシングの活用などを提案し、その具体化を目指している。
一方、自治体は、これまで事務処理の効率化や合理化などを目的に、旧自治省や郵政省などのモデル事業などによる誘導を受けながらも、それぞれ独自の判断で業務へのコンピュータ導入を進めてきた。しかしながら、今日、e-Japan戦略を錦の御旗とする政府によって、一律押し付けによる中央集権型の電子化へと局面は大きく変わりつつある。自治体の共同のシステムであるとしながら参加しないと法令違反であると不参加を認めない住基ネットが、その典型である。こうした問答無用的な、時代錯誤のやり方は、市町村合併にも共通するものであり、現政権の本質の現われであるとも言える。
自治体では、こうした政府のもと、電子自治体の構築をどう進めようとしているのか。自治体のIT化担当者にヒアリングを行うことによって、自治体の抱える課題や問題点を明らかにするとともに、自治体の電子自治体の構築へ向けた思惑を探りたいと考え、「IT集会に向けた自治体全国調査」を取り組んだ。
| 仙台市 | 人口101万人。東北唯一の政令指定都市。2002年に情報化計画を改訂。市独自のデータセンターを持つ。
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| 東京都庁 | 電子都庁推進計画に基づき電子化を進めるとともに、首都圏をも視野に入れた3300万電子都市構想を提案。
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| 足立区 | 人口62万人。文書管理システムを早い時期に導入し、かっては先進的な自治体といわれてきた。
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| 世田谷区 | 人口81万人。区内に大容量の光ファイバーを張り巡らし基盤整備(地域イントラネット)を進める。情報化ビジョンを2002年に策定。
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| 川崎市 | 人口125万人。管理職の決裁のための指紋認証システムを政令指定都市としてはじめて導入。
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| 横須賀市 | 人口43万人。電子自治体市長会議(E8)メンバー。IT装備都市実証実験、電子自治体推進パイロット事業に参加。独自開発の電子入札システムは有名。
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| 藤沢市 | 人口38万人。電子自治体推進パイロット事業、IT装備都市実証実験、地域イントラネット基盤整備事業、教育情報通信ネットワーク整備事業に参加。
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| 静岡市 | 人口47万人の県庁所在地。清水市との合併を控え、システムの統合が大きな課題。
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| 浜松市 | 人口58万人。電子自治体市長会議(E8)メンバー。FAXを使った住民票(1997〜)や戸籍謄抄本・印鑑証明(2001〜)の広域交付サービスを実施(近隣22市町村)。
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| 多治見市 | 人口10万人。IT装備都市実証実験に参加。保健・福祉・医療ネットワークの整備を進める。マルチメディアモデル市役所事業や、テレトピア・モデル地域に指定された実績も。
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| 名古屋市 | 人口217万人の県庁所在地。行政内部事務システムの整備を進めている。
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| 宇治市 | 人口19万人。住民情報の漏洩事件を契機にセキュリティ対策に力を入れる。
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| 大阪府庁 | アウトソーシングによる総務サービスの開発をスタート。
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| 兵庫県庁 | 2002年10月から電子決済の本格運用を開始。
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| 岡山市 | 人口63万人の県庁所在地。電子自治体市長会議(E8)メンバー。電子自治体推進パイロット事業、IT装備都市実証実験に参加。市民参加型コミュニティ・ネットワークとして「電子町内会」の構築も進める。
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