住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会での審議 

←前へ  戻る  次へ→

第145回国会 地方行政委員会 1999年6月10日

衆議院議事録

当サイト管理者による解説
 小淵首相に対する質問が行なわれ、その中で、首相から「住民基本台帳ネットワークシステムの実施に当たりましては、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提であるとの認識に至った」との答弁が行なわれる。

 質問者 古賀一成(民主党)
 質問者 富田茂之(公明党)
 質問者 春名直章(日本共産党)
 質問者 知久馬二三子(社会民主党)
 ※ 強調は、当サイト管理者による。


坂井委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、住民基本台帳法の一部を改正する法律案及び宮路和明君外二名提出の修正案を一括して議題といたします。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。
古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。当委員会で理事を務めさせていただきまして、本住民基本台帳法の審議にも、一生懸命勉強し、かかわってきた者でございます。
 きょう、異例の形でありますけれども、当委員会に総理がお見えになるということで、これまでの審議のいわば総括のような形で、こういう形になったのはちょっと驚いておるわけでございますが、せっかくの機会でございます、民主党としては、こういう形で総理に質問するのがいいのかという議論もございましたけれども、内閣のトップにあられる総理がお見えでございますから、一歩でも二歩でも、要するに、この法案が将来あるいは運用において確実になるように、そういう思いであえてこの壇上に立たせていただいたわけでございます。
 三十時間を超える審議になりまして、私自身、三百分、きょうで三百十分の質問をいたすことになります。それだけ一生懸命勉強したと私は自負をいたしておるところでございます。
 その中において、いろいろな大きい問題が提示をされ、あるいは、サイバーの世界といいますか電脳の世界特有のわからない部分、システムホールという言葉がございますけれども、ちょっとしたシステムの穴があった場合に大量な国民のデータが漏れていく。とりわけ、住民票コードというかぎともいうべき番号がつけられる本制度でございます。
 そういう中で、我々、鋭意このシステムの改善すべき点、問題点を申し上げましたけれども、今般、修正案ということで「速やかに、所要の措置を講ずる」という一文が入ること、それを総理がしっかりとオーソライズをされる、こういう趣旨でお見えになったと理解いたしまして、質問をさせていただきたい、かように思います。
 まず、ちょっときつい言い方かもしれませんが、内閣のトップにおられる総理大臣が、本委員会で、修正案に対していわば保証するというか、中身を答えられるというのは、ある面では、この政府案がそれだけやはり今後所要の措置を講じなければならぬということを総理がみずから認められることに等しいのではないか。
 つまり、十分ではない、しかし将来は十分にするのだという意思表明ともとれるわけで、それならば、附則には「速やかに、所要の措置」と書いてあるから、そして総理大臣がそれを約束されるのであるならば、こういう決着ではなくて、むしろ総理大臣の命により、この個人情報保護法制なり、あるいはこの本委員会で指摘のあったいろいろの重要な点について速やかに所要の措置を講ぜられれば、こういう附則の修正というのは要らないのではないかという気がいたすわけであります。
 そういう面で、私は、委員会の指摘を踏まえて、包括的個人情報保護法とあわせまして、この指摘のあった諸点についての改善案というものを出して対応するのが本筋ではなかろうか。それならば、当委員会でこれだけの審議をしたという意味もはっきりと認められたことになって、私は、国会の存在からいってそうすべきだと思うわけでありますが、総理のこの私の指摘に対します所見をお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
小渕内閣総理大臣 まず、当委員会、熱心な御議論を展開し、御審議をいただきましたことに敬意を表したいと思います。
 そこで、今回の改正案に基づく住民基本台帳ネットワークシステムにおきまして、住民票コードの民間利用を禁止して罰則で担保することを初めとして、このシステムの制度面、技術面、運用面、いずれの面におきましても、厳重に本人確認情報等を保護することとしており、本人確認情報に関する個人情報保護法とも言えるものだと考えております。
 しかしながら、当委員会における御審議におきまして最も熱心に議論されたのはプライバシー保護の問題であり、このプライバシー保護措置で十分なのか、もっとしっかりとしたプライバシー保護が必要ではないかなどの主張をなされる委員もおられたものと伺っておるところでございます。
 こうしたことから、自由民主党、自由党、公明党・改革クラブの三党におきまして、一層個人のプライバシー保護ができるような措置を政府に対して強く督励し、実施させることについて合意に至り、今回の修正案が出されたものと承知をいたしております。
 政府といたしましては、原案を提出いたしましたこと、その責任において、これが今回必要なものだということで認識をいたしましたが、国会の御審議によりましてそうした御意見がまとめられました形での修正案、こうなったわけでございますので、このことを十分受けとめさせていただきながら、政府としては対処いたしていきたい、このように考えておる次第でございます。
古賀(一)委員 総理の方から、前向きと私は評価したいわけでありますが、御答弁がございました。
 実は、この法案を審議する過程で、全国紙に載りましたかなり大きいデータ漏えい事件が二件発生をいたしたわけであります。しかも、今度はもっともっと大きい、ある面ではもっと便利だ。つまり、住民票コードという通し番号が全国民につけられる、こういうことでございますので、住民票コードを持つこの情報システムというのは、名簿屋さん、あるいはいろいろな経済活動、下手すると政治活動にかかわっても、やはりみんながアクセスをしてくる、欲しがってくる、私はこういうデータだと思うのですね。
 そういう面で、このシステムが、施行は三年程度先だと思うのですが、いずれにしても、国がつくり上げた全国民を対象とする情報が、あの市役所で漏れた、この官庁から一覧表示がとられて、例えば住民票コードが本人確認情報とともに何万件とられた、こういったことになったときに、私は、今後の健全な情報化社会というものに対する国民の、今でも不安があるのです、今でもある上に、今後、こんな危険なものならば、もう一切合財情報化はけしからぬという論議にまさになっていくと思うのですよ。そういう面で、今の総理の答弁、本当に真剣な対応をお願いしたいと思います。
 それで、もう時間も迫っておりますが、一問はしょりますけれども、私は、この個人情報保護というのは、言うはやすいのですけれども、大変難しい問題だと思うのですね。なぜならば、日本の行政というのは全部縦割りで構成されておりまして、こういう、法務省から、場合によっては納番が絡むならば大蔵省、もういろいろな役所が絡む個人情報保護法制でございます。
 したがいまして、この委員会でとりあえずこれで決着しても、恐らく、担当大臣はだれだ、おれじゃないと。しかも、中央省庁再編のあらしが全省庁にこれから吹いていくわけでありまして、もう個人情報保護法制どころじゃない、自分の役所の自分の局の構成をどうする、他省との関係をどうするということに、恐らく霞が関は一色になるんじゃないか。そのときに、この個人情報保護法制ですね、おれは担当じゃないということで、私は、きょうをもってこれが通った後に、そういう雰囲気になるのではないかと大変恐れるのです。
 それは、この前も委員会で、野田大臣の前で申し上げましたけれども、総合交通担当大臣というのは経済企画庁長官が併任されておりますけれども、私は、かつて建設省で担当しておりましたからよく知っております。これはとりあえず経企庁に、一番やばい、総合調整の一つの問題、自動車重量税の配分の問題だろうと思うんですが、これを総合交通担当大臣で、経企庁、あなたがとりあえずやりなさいという形が今でも続いているんですね。ところが、経済企画庁長官が総合交通体系の音頭をとったことがない、私はそういうことになるのではないかと思うのですね。
 したがいまして、せっかく総理がお見えでございますから、私は、個人情報保護担当大臣といいますか、特命担当で、あえて組閣のときにこれを明示するというような対応も必要ではないかと思います。野田大臣にこれは聞くわけにはいきません、やはり総理にしか質問できないことでございますので、一つの提言として申し上げますが、総理、その御覚悟はございますでしょうか。
小渕内閣総理大臣 急速に進む社会のネットワーク化の中で、個人情報の保護の重要性は十分認識いたしておるところでございます。
 このような認識に基づきまして、政府としては、個人情報保護のあり方について総合的に検討をいたし、法整備を含めたシステムを速やかに整える所存でございまして、御指摘の、個人情報保護担当大臣を指名すべきでないかという点につきましては、一つの御意見として承らせていただきたいと思います。
古賀(一)委員 時間が参りましたので、これで民主党を代表しての質問を終わります。よろしくお願い申し上げます。
坂井委員長 次に、富田茂之君。
富田委員 公明党・改革クラブの富田茂之でございます。
 私の方からは、修正案につきまして、何点か質問をさせていただきます。一昨日の委員会におきまして、こちらにいらっしゃる自民党筆頭の宮路理事にもお尋ねしましたが、若干はぐらかされたような印象もございますので、きょうは、総理また自治大臣にしっかり、この法文についてどのように認識されているのか、ぜひお尋ねをしたいと思います。
 自由民主党、公明党・改革クラブ、そして自由党、三会派が熱心に協議いたしまして修正案の提出に至りまして、附則の第一条第二項で「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」こういう一文が加わりました。
 自治大臣にお尋ねいたしますが、一昨日の審議で、宮路理事また我が党の桝屋理事から、この所要の措置ということについて、三点ほど認識しているという御答弁がありました。自治大臣として、この所要の措置について現在どのような認識でいらっしゃるか、ぜひ明確な御答弁をいただきたいと思います。
野田(毅)国務大臣 附則第一条第二項の「所要の措置」とは、第一に、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えること、第二に、第一のシステムの整備状況を踏まえ、住民基本台帳法におけるさらなる個人情報保護措置を講ずるため、所要の法改正等を図ること、第三に、地方公共団体が適切に住民基本台帳ネットワークシステムを運用することができるよう、自治省として個人情報保護に係る指導を十分に行うことなどを示すものと認識しております。
富田委員 一昨日の宮路理事の答弁よりさらに明確になったというふうに私は評価させていただきたいと思いますが、特に、個人情報保護に関する法整備、これを明言されました。また、住基法におけるさらなる個人情報保護措置を講ずるために所要の法改正も行う、これも含めての御答弁というふうに伺いました。
 一昨日の審議で、まだまだいろいろ問題が起こるんじゃないかという、そういうところもきちんとこれから自治省として対応をしていかれるという御答弁というふうに確認させていただきます。
 総理、今自治大臣の方から三点にわたって、所要の措置について自治省としてはこういうふうに考えているという御答弁をいただきました。ただ、これはもう自治省所管だけでできる問題ではありません。個人情報保護は、政府一体となって取り組んでいかなければいけない問題だと思います。総理として、この問題についてこれからどう取り組んでいかれるのか、そして修正案の所要の措置、これをどのように現在認識して今後取り組まれていくのか、ぜひ総理のお言葉で、御自分の、御自身の言葉で明確な回答をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
小渕内閣総理大臣 住民基本台帳法の一部を改正する法律案は、近年におけるコンピューター等の技術の飛躍的発展に呼応しての住民サービスの向上と、特に地方公共団体の省力化、事務能力や効率化等に資するものでありまして、いささかも国民のプライバシーを侵害するものでないことを確信しているところでございます。
 本法案におきましてもプライバシー保護に格段の配慮を行っているところでありますが、これまでの国会審議を踏まえ、特に住民基本台帳ネットワークのシステムの実施に当たりましては、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提であると認識をいたしております。
 大変貴重な時間でありますから多くを申し上げませんが、実は、コンピューターをめぐる諸問題につきましては、私も、昭和四十年代に自民党に情報産業振興議員連盟というのをつくりまして、その会長も務めてまいりました。当時、幹事長をお務めいただきましたのは、ここにおる野田毅さんでございまして、コンピューター社会というものには光と影というものが常にあるという認識をしながら、しかし、この新しい知識集約産業というものを発展させなければならぬ、こういう形で、かなりの期間、この問題に取り組んできております。
 したがいまして、今日、この住民基本台帳法という法律の制定に当たりまして、種々この委員会でも御議論いただいたのだろうと思いますが、コンピューター社会の中においてこれを効率的、効果的に活用するということの重要性と同時に、それぞれの国民の権利、そしてまたこうした国民の人権というものも守っていかなければならぬということでの認識というものにつきましては、私自身もかなり勉強をいたしてきたと認識をいたしておるので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
富田委員 かなり突っ込んだ御答弁をいただきました。総理と自治大臣がこれまでずっと長い間そういうふうに取り組まれてきたということを聞いて、ちょっと安心する部分もありますので。ただ、これからもお二人のコンビで、ぜひ個人情報保護に向けて、きちんとした法整備をしていただきたい。
 特に、今総理の御答弁の中で、住民基本台帳ネットワークシステムの実施に当たっては、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提だ、こういうふうに御答弁いただきました。私たちの党も、まず包括的な個人情報保護法をつくって、それからこのシステムの運用に当たっていただきたいということをずっと自治省に対して交渉してまいりましたので、今の総理の答弁のように、きちんとした包括的な個人情報保護法をぜひ総理のリーダーシップでつくっていただきたい。
 自由民主党、公明党・改革クラブ、自由党は、三党で、これを年内にきちんと枠組みをつくってやっていこうというふうに合意しておりますが、この三党だけではなくて内閣の方にも、包括的な個人情報保護法をきちんと三年以内につくっていくのだ、そういう御決意であると今の総理の答弁をお聞きしましたが、そのように理解してよろしいでしょうか。
小渕内閣総理大臣 包括的個人情報保護法の具体的イメージが十分明らかではありませんが、民間部門をも対象とした個人情報保護のあり方につきましては、政府全体として、総合的に検討し、法整備を含めたシステムを速やかに整えてまいる所存でございます。
富田委員 明確な御答弁をいただきました。
 六月四日に、自由民主党、自由党、公明党・改革クラブで、各政調の責任者が署名までしまして、確認書を取り交わしております。「個人情報保護に関する法律については、自由民主党、自由党及び公明党・改革クラブ間で今国会中に検討会を設置の上、法制化の検討に着手し、年内に基本的枠組の取りまとめを行い、三年以内に法制化を図る。」こちらにいらっしゃる宮路理事も本当に御苦労されたと思います。
 ぜひ、三党は一生懸命これに取り組みますが、政府、内閣総理大臣も、また自治大臣もしっかりと、きょう御答弁されたことを念頭にきちんと置いていただいて、これから個人情報保護法の制定に向けて努力していただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 私の質問はこれで終わります。どうもありがとうございました。
坂井委員長 次に、春名直章君。
春名委員 日本共産党の春名直章です。
 短い時間ですので、三点だけ最初に言いますのでお答えください。
 第一は総理大臣に。総理は、プライバシー権、これへの御認識、どのような御認識を持たれているのか。当委員会でも、自己の情報をコントロールする権利ということが通説になっているという議論も大分されました。プライバシー権への御認識を聞かせてください。
 それから二つ目は、今の話もありますけれども、今度の所要の措置の中身は、民間や自治体を網羅した包括的な個人情報保護法、法律です、この法律をつくる。本改正案の施行の前提として包括的な個人情報保護法をつくる。逆に言えば、できなければ本改正案は施行しない、こういう立場なのかどうか。この点を明確にお答えください。
 三番目。全国民に共通番号を振ることについてどうお考えでしょうか。憲法違反だというような西ドイツの判決などもあります。こういう問題について総理自身の御認識、国民の合意という点で今どうなっていると思っているのか。
 そういう点について、三点まとめて申しました、ぜひお答えをいただきたいと思います。
小渕内閣総理大臣 まず第一のプライバシーの権利とは何かということでございますが、これにつきましては、確立した考えがあるとは言いがたいと思いますが、あえて申し上げれば、一般論として、個人の秘密の情報が公開されないこと、誤った情報または不完全な情報によって自己に関し誤った判断がなされないこと、そして、自己の情報を知り、コントロールするという概念がこれに含まれているというのが認識でございます。
 次に、今回、包括的個人情報保護法が改正法の施行の前提であるということについてのお尋ねでありましたが、今回の改正法案におきましては、民間部門を本人確認情報の提供先とせず、本人確認情報の厳重な保護措置を講じ、さらに住民票コードの民間利用を禁止していることから、住民基本台帳ネットワークシステムを導入する前提として包括的な個人情報保護法の制定を要するものでないとの認識を持っており、その旨、去る四月十三日の本会議で述べたところであります。
 が、しかしながら、改正法案の審議の中で、担当大臣等により、現時点で可能な限り個人情報保護措置を講ずるなどの説明を繰り返し行ったものの、なおプライバシーの保護に対する漠然とした不安、懸念は残っているとの指摘があったと承知をいたしております。一方、急速な情報化社会の進展の中で、民間部門を含めた個人情報保護法などの整備が必要であるとの御議論もあったところでございます。
 こうした状況の中で、住民基本台帳ネットワークシステムの実施に当たりましては、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提であるとの認識に至ったところでございまして、先ほど来申し上げておりますように、個人の情報保護法というものになりますか、これから政府といたしましては、個人の情報保護というものにつきましては十分認識をして対処していきたいと考えております。
 第三の問題につきましては、この住民基本台帳ネットワークシステムが地方公共団体共同の分散分権的システムでありまして、国が管理するシステムではなく、また、保有される本人確認情報は氏名、住所、性別、生年月日の四情報、住民票コード及び付随情報のみであり、さまざまな個人情報を一元的に収集管理することを認めない仕組みとなっております。したがって、国民に付した番号のもとに国があらゆる個人情報を一元的に収集管理するという国民総背番号制とは異なるものと考えております。
 また、今後、本人確認情報の利用対象を拡大する場合には法改正が必要となるものであることから、当該法改正の際に、住民基本台帳法の趣旨、目的を踏まえ慎重かつ適切に判断されるものと考えておるところでございます。
春名委員 法整備を含めたという、含まった言葉だったので、少し心配しておりますけれども、以上で終わりたいと思います。
坂井委員長 次に、知久馬二三子君。
知久馬委員 私は、社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。
 総理に二点ばかりお伺いしたいと思います。
 去る四月十三日の本会議で、本改正案について総理に質問いたしましたけれども、その中で、今必要なことは、民間部門を含めた包括的な個人情報保護法であり、それを欠いたまま住民基本台帳ネットワークシステムを構築することは、国民のプライバシーに対する実害を生じさせる危険性が強いということでお尋ねいたしました。総理は、それに対して、「このシステムを導入する前提として、包括的な個人情報保護法の制定を要するものではない」とお答えいただきました。
 そこでお伺いいたしますが、総理は、今、その見解をはっきりと変更されたと考えてよろしいのでしょうか。その点が一点。
 そして、この委員会の議論の中で、住民票コードの利用拡大は法律を改正すればできるとのお答えでした。そして、将来これを納税者番号にも使うという話も出ております。
 そこで総理にお伺いいたしますが、政府は、日本のこれからの行政システムの中で、個別番号制をとるのか、また総合的な番号制をとろうと考えておられるのか、将来構想についてどのように描いておられるでしょうか。
 以上、この二点についてお伺いいたします。
小渕内閣総理大臣 まず第一点につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますが、委員御指摘のように、私自身本会議で、今般の法律の趣旨説明の段階におきまして、そのようなことを申し上げたことは事実であります。が、しかしながらと先ほども申し上げておりますが、改正法案の審議の中で、担当大臣等よりも、現時点で可能な限りの個人情報保護措置を講ずるなどの説明を繰り返し行ったものの、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念が残っているという指摘があったと承知をいたしております。
 一方、急速な情報化社会の進展の中で、民間部門をも含めた個人情報保護法などの整備が必要であるとの御議論もあったところであります。こうした状況の中で、住民基本台帳ネットワークシステムの実施に当たりまして、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提であるとの認識に至ったところでございます。
 次に、今回の住民票コードにつきましては、住民基本台帳事務のための番号でありまして、法定された公的部門に氏名、住所等の本人確認情報を提供するために利用されるものであります。
 今回の改正法案におきまして、住民票コードを含む本人確認情報の利用については、法定された事務処理以外の目的のために利用、提供することを禁止していることから、住民票コードをもとに国がさまざまな個人情報を一元的に収集管理することはできない仕組みになっておるところであります。このため、法改正なしに住民票コードを総合的な番号として活用することはできないものであります。
 なお、将来的な各行政分野における住民票コードの活用につきましては、住民基本台帳法の趣旨、目的及び各行政制度の趣旨等を十分勘案し、法改正の際には慎重かつ適切に判断されるべきものと考えております。
知久馬委員 ありがとうございました。
 私は、やはりこの住民基本台帳ネットワークシステムの導入というのは、個人の利便性よりか、事務の効率化というのが高いと思います。その中で、個人のプライバシーという点につきましては大変心配なことがありますので、やはり法整備をしてほしいと思いますことをお願いして、終わります。
 ありがとうございました。
坂井委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。
 次回は、明十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

←前へ  戻る  次へ→