自治体情報政策研究所杉並区コールセンター疑惑、原田あきら議員に直撃インタビュー

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 東京都杉並区とNPO法人「DCs地域情報化推進センター」が共同で実施した自治体コールセンター実証実験(2004年6月21日〜7月4日)に、自作自演ではないかという疑惑が浮上しています。
 原田あきら議員が、2週間の実証実験中にかかってきた590件のコールの内、3分の2ほどがヤラセコールだとNPO法人で働く社員からの内部告発があったとして、「満足度も解決率も全て捏造ではないか」と、9月の区議会で区当局を追及したもので、「議場から『業者を告訴しろ!』の声」(原田議員ホームページ)も上がっており、今後の杉並区の対応に注目が集まっています。
 当研究所では、疑惑事件の重大性に鑑み原田議員に直撃インタビューを試みました。

聞き手は、自治体情報政策研究所代表の黒田充

―― 内部告発をされたNPO法人の社員の方とは、以前から面識があったのですか。

 「いいえ、全くありません。突然、内部告発の電子メールが私の所へ送られてきました」

―― 内部告発された方とは、電子メールのやり取りだけですか。

 「いいえ、電子メールのやり取りの後、直接会ってお話をお伺いしました。それで、これは本当の話だと理解しました」

―― 告発された方は、どういった方なのですか。

 「このNPO法人の社員は2人のパートも含め6人きりです。内部告発された方、A氏としますが、A氏は販売責任者とでも言うべき人物で、法人の実権を握るB氏についで現場を仕切る人でした」

―― A氏は、なぜ内部告発されたのですか。

 「正義感からではないかと思います。A氏は『どんなに自治体コールセンターがいいものであっても不正を行なってつくった施策が区民にいいサービスを提供できるはずがない』と私に話してくれました。A氏自身は、B氏の指示にはほとんど従わなかったと言います」

―― A氏が、内部告発の先に日本共産党を選んだのはなぜでしょうか。

 「A氏は、『内部告発を取り上げて日本共産党が三菱のリコール問題などで追及しているのを見てきた。やはり正義は貫かれなければならないと思った』と話してくれています」

―― NPO法人の社員による「電話かけ」は、実験を始めたもののかかって来るコールが少ないので、仕方なく始めたのでしょうか。

 「そうではなく、実験を始めるかなり前に、責任者から自分たちで電話をするよう社員に指示があったようです」

―― 指示の具体的な内容は。

 「1日に、1人で5件、会社や自宅から電話しろといったものだったそうです。コール内容は、コールセンターのオペレーターが答えやすいように、FAQの内容に沿ったもので、満足度や解決率が上がるようアンケートに回答することも指示されていたようです」

―― 毎日のコール数は、どの程度だったのでしょうか。

 「実験初日は48件ありましたが、一週間で一般の区民からはほとんどコールがなくなり、1日に二十数コールまで減ったようです。もっとも、この二十数件も、ほとんどが社員によるものだったと言います」

―― なぜ、社員からのものだと言えるのですか。

 「B氏の指示で、A氏自身が社員にどれだけ電話したか調査したようです。それで、ほとんどのコールが自分たちによるものだとわかったそうです」

―― で、コール数を何とか引き上げようと宣言をした社員が。

 「ええ、Aさんによると、そんなとき、社員の一人が『これから友人と20件かける』と宣言したそうです。毎日のコール数を調べてみたのですが、「宣言」のあったあたりから一気に50件台にコール数が引きあがっています。そしてその後は、不思議なことに減っていません」

―― なぜ、一般の区民からのコールはほとんどなかったのでしょうか。

 「コールセンターの宣伝ビラを新聞に折り込んだり、区職員に配ったりもしたようですが、実際には、区民はもちろん、ほとんどの区職員も実証実験のことを知らなかったようです」

―― A氏は告発後どうなりましたか。

 「解雇されています。A氏自身が、B氏の指示に従わなかったことが理由のようです」

―― 議会での追及の後の区当局の反応は

 「区幹部職員が『詳しく教えてください』と日本共産党の控室を訪ねて来られました。話のできる範囲内で説明はしましたが、とにかく驚かれていたようです。
 もっとも、こんな事件を受けても自治体コールセンターを区として本格実施するのかは、わかりません。自治体コールセンターをやっているのは、このNPO法人だけではありません。別の会社に委託することも考えられます」

―― ところで、このNPO法人はどういった組織なのでしょうか。

 「NPO法人であるデジタルコミュニティズ地域情報化推進センターの理事長は元東京大学総長で、小渕内閣で文部大臣を務めたこともある前参議院議員の有馬朗人氏です。副理事長は元自治政務次官の荒井広幸参議院議員です。会員はIT関係の会社などで、正会員の会費は100〜300万円で、全部で2000万円以上集めています。また、詳しいことはわかりませんが、これとは別に5000万円の融資を特定の個人から受けているようです」

―― 実証実験は、NPO法人の方が区に持ち込んできたものなのですか。

 「ええ、そうです。NPO法人の関係者から区の幹部に実証実験をしてくれないかと話があり、準備はトップダウンで進められました」

―― 原田さんは、この問題について、今後どう対応されるお考えですか。

 「私たちは自治体コールセンター自体に反対するものではありません。しかし、今回の実証実験データ捏造事件は、自治体コールセンターがこうした不正なしには効果を示すことができない状態にあることを物語っています。本当に、区民の役に立つ施策なのか、必要性と財政の面から、今後もしっかり検証しなくてはならないと考えています」

―― 本日は、お忙しいところありがとうございました。

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