自治体ホームページウォッチング  独断批評−東京編
足立区  当初掲載 2000年10月18日

掲載日順 | 地域別( 東京大阪その他 ) | 評価基準ひとこと

 足立区は人口638,083人(2000.10.1現在 外国人含む)を抱える有数の基礎自治体であり、全国区市町村人口の第18位(住民基本台帳人口 1999.9.30現在)に位置します。熊本市や岡山市並みです。しかし、ホームページは、業者委託(丸投げ?)のようです。

 批評に入る前に一つ。フロントページからリングが張られている「足立区生涯学習情報提供システム」と「足立区立図書館」は、足立区のホームページとは、別に作成され、かつ独立したホームページのようです。また、両ホームページの整ったタグの使い方を見る限り、足立区のホームページとは作成された方も違うように思えます。そこで、以下の批評では触れないことにします。ただし、批判すべき事項が無いという意味ではありませんので、お間違えの無いように。

 次ぎに、内容に入る前に、足立区ホームページにおける情報の表示上の問題に関して触れます。
 第一に、ネットスケープ・コミュニケーターで閲覧すると、デザインが崩れたり画像が表示されなかったりと、まともに読めないページが多すぎます。
 例えば、「私の便利帳」(フロントページの「暮らしに役立つ便利帳」をクリックすると開く)の「届け出・証明」にある「区民事務所のご案内」や、「福祉」にある「老人館(集会室)・老人会館」など、いくつかのページでは、画像が表示されない。・・・・マイクロソフトのインターネット・エクスプローラでも表示されないページもありますが(例)。
 「土地・住宅・みどり」にある「用地地域」や「区画整理事業とまちづくり支援」、「区民農園」の表は罫線が表示されず読みづらい。
 「福祉」の中のいくつかのページでは上の方にある見出しの部分が青地に黒文字で読めない。(例)
 「足立区からのお知らせ」の「平成12年度予算(当初予算)」や、「福祉」にある「介護保険」の「介護保険<介護が必要な方のために>」は、デザインが崩れる。
 「選挙・議会・監査」の「区議会の会議日程」は、記載内容の一部が全く読めない。
 「税・国保・年金」の「国民年金制度」や、「土地・住宅・みどり」の「都市型ケーブルテレビ」、「仕事・企業・融資」の「新しくお店をはじめる方は」などでは文字化けが生じる。
 足立区は Web ページの作成に、マイクロソフトの FrontPage Express と Word を使用されているようです。ネットスケープ・コミュニケーターで閲覧するさいに問題が生じるのは、 この内 Word の使用に原因があると思います。Word は、マイクロソフトのインターネット・エクスプローラで閲覧することを前提とした不可思議なタグだらけのHTML文書を作ります。また、文字データが主体のページであっても、これらの不可思議なタグが邪魔をして、ページが完全に表示されるまで、インターネット・エクスプローラですら、首を傾げたくなるぐらい時間がかかります。 Word を誰でもが平等に閲覧できるように努めるべき自治体のホームページの作成に使うのは、基本的に間違いでしょう。
 この際、足立区のホームページ作成者のみなさんには、インターネット・エクスプローラ以外のブラウザが、世の中には、たくさんあることを知っていただきたいですね。

 第二に、文字による情報の提供と画像による情報の提供との違いを認識していない点です。「福祉」の「高齢者支援(痴ほう、寝たきり予防)」は、凄いページです。掲載されている情報は全て文字であるのに、画像データにして張りつけてあります。おそらくマイクロソフトの Excel で作成した表を画像として取り込み、Word に張りつけ、HTML 形式で出力し Web ページにしたのでしょう。視覚障害者や、画像を処理しないブラウザは鎧袖一触です。ここまでやると表彰ものですね。アクセシビリティ(accessibility)も、Web Content Accessibility Guidelines 1.0 も、「情報バリアフリー」環境の整備の在り方に関する研究会報告書も、みんなクソ食らえです・・・・・か?
 同様のページが、「福祉」の「在宅高齢者(寝たきり)歯科診療 」や、「暮らし・生活環境・衛生」の「リサイクル情報」、「予防接種」、「口や歯の健康に関する相談」、「エイズに関する不安には」、「結核の予防と支援に」、「地域での健康教育・健康相談」、「成人病予防教室」、「献血しましょう」など、たくさんあります。表でない一般の文書でも、文字揃えをしやすいという理由で、ワープロソフト代わりにExcelを多用する人がいます。足立区のホームページ製作者(区職員かな? 委託業者かな?)の中にも、このタイプの人がいるのでしょう。

 第三に、第二の問題点を理解できない人には言ってもわからないかもしれませんが、画像を使用する際には、ALT属性が書かれていない点です。
 例えば、フロントページには、「足立区ホームページにようこそ」と書かれた画像はあっても、これが足立区のホームページだとわかるようにするためのALT属性は何も書かれていません。さらに、文字情報にも「足立区のホームページ」だとわかるものは、TITLEを除けば何もありません。英語もどきの「community.web.adachi」では意味不明ですよ。また、一番下に「このページに関するお問い合わせは広報課まで」と書かれていますが、耳だけがたよりの人には、これだけでは足立区の公式ページだとはわかりません。民間企業にも広報課はあるでしょう。書くなら「このページに関するお問い合わせは、東京都足立区(役所)企画部広報課まで」でしょう。視覚障害者の方もホームページを訪れます。 Web ページは見えなくても、読むことが出来ます。デジタル・デバイドは、海の向こうの話ではありません。
 お願いですから、税金を使ってホームページを作る際には、Web Content Accessibility Guidelines 1.0 、「情報バリアフリー」環境の整備の在り方に関する研究会報告書を読んでください。
 それから、バリアフリーの扉や、こころWebなどにも目を通してね。

 第四に、地図や図面がとにかく汚い点です。
 例えば、「届け出・証明」にある「区民事務所のご案内」の地図(ネットスケープ・コミュニケーターでは見ることはできませんが)はひどいですね。ファイルサイズが大きい割には不鮮明で、字は潰れて読めない。クリックしても拡大されない。この程度の地図を掲載する足立区や、それを引き受けた委託業者は、一体どういうお積もりなのでしょう。「いざというときに」の「区の防災対策」や、「土地・住宅・みど」の「建物を建てたりリフォームするとき」、「公園」の地図、それに「福祉」の「(福)足立区社会福祉協議会のご案内」の表もすごいの一言ですね。「選挙・議会・監査」の「区議会への請願・陳情」は出してもらいたくないのか、記載例は、歪んだ上に擦れています。
 どうして汚いのか、その理由を私なりに推測してみました。
 その一  紙に印刷されたあまりきれいではない原稿をスキャナで読み込み、それをそのまま使用している。一から描き直すのが手間なら、画像処理ソフトを使って修正する(擦れた線を引き直す、汚い文字を消し書き直す、汚れを消す・・・・・)だけでも、もう少し見やすくすることは可能です。手の抜き過ぎでしょう。
 その二  スキャナを使って、本の様に綴じられた原稿からデータを読み取る際に、読み取りガラスに原稿の面をきちっと押し付けていない。だから画像が歪む。こんなこと、日常的にXEROX等のコピー機でコピーを取る際に経験しているはずですよ。委託業者さん、どうしたら歪まないか少しは考えたら。いや、ひょっとすると、仕事に対するやる気が欠如しているのか、それとも注意力が散漫な区職員が、委託業者に送る原稿をコピー機でコピーを取る際に、歪めたのかも知れませんね。別に、コピー機で白黒コピーされた画像がホームページ作成に使われたのだと推測しうる手がかりがあります。「暮らし・生活環境・衛生」にある「商店街駐車場・サービス券取り扱い駐車場」の「このマークが目印です」のマークです。元は白黒ではなくカラーでしょう。この種のものはカラーにしないと目立ちませんからね。でも、ホームページでは白黒。白黒コピーした原稿をホームページ作成の委託業者に渡した結果でしょう。ただし、この画像はコピーが上手だったのか歪んでないようです。
 その三  画像の処理の仕方を間違っている。例えば「戸籍の証明を郵送で請求する方法」の図は、字が擦れて汚いですが、これはもともと 580×623 の大きさの画像を「 width="539" height="582" 」とサイズを指定してブラウザ側で縮小させているからです。元の画像は、こんなに鮮明です。中には、「暮らし・生活環境・衛生」の「婦人福祉資金の貸付」にある画像のように、元々小さいものをさらにご丁寧に『縮小』(拡大ではありません !!)しているものもあります。足立区役所内では、どんなタイプのディスプレイ使っているのでしょう。「こりゃ変だな」と気がつかないのでしょうか。逆に拡大したものもあります。先に例に出した「商店街駐車場・サービス券取り扱い駐車場」の「このマークが目印です」がそうです。大きさの調整は、 width や heigh でせずに、あらかじめ画像処理ソフトなどを使って適正な大きさにすべきでしょう。ホームページ作成の初心者向きのテキストにでも、このことは書いてありますよ。・・・・参考:「とほほのWWW入門」の「画像ファイルに関する注意」
 その四  手間の惜しみすぎ(委託料を値切りすぎたのかな?)。「福祉」の「(福)足立区社会福祉協議会のご案内」の一番下の汚い表や、「暮らし・生活環境・衛生」の「公共交通」の表などは、画像を張りつけるのではなくTABLEタグを使って表を新たに作った方が、読みやすく、かつ、アクセシビリティも向上することは明らかです。「仕事・企業・融資」の「ファミリー・サポート・センター」も、こんな巨大な画像張りつけてどういうつもりなのでしょう。駅前で配るビラじゃあるまいし、こんな装飾いらんでしょ。文字にしたら。おまけに、左にはみ出しているし。「理容所・美容所を新しくはじめる方へ」にもあきれました。全て文字なのに全面画像です。本当にやる気がないの、それとも邪魔くさいの。なら、いっそやめたら。ただし、ホームページごとね。
 また、画像ファイルのサイズがやたら大きいのも気になります。例えば、「暮らし・生活環境・衛生」の「区営自転車駐車場・放置自転車移送所」のページは、忍耐力への挑戦です。三つの地図の合計は300KBにもなります。そして、忍耐力への挑戦に勝ち抜けば、左端の切れた地図を見るという栄誉が与えられます。画像の左端の位置をマイナスで設定すれば、流石のインターネット・エクスプローラでもお手上げです。・・・・もっとも、どうせ字の潰れた地図ですから、どうでも良いですけどね。

 第五に、半角の中黒「・」(←これは全角)や、半角カタカナが、あっちにもこっちにも使われています。例えば、「あだち広報(PDF版)」のページの欄や、「いざというときに」にある「休日診療所」の住所欄、「区内の施設(スポーツ・文化等)」にある「宿泊施設の利用案内」や「ブロックセンター・集会施設など」の表の中、「暮らし・生活環境・衛生」の「ごみの出し方」にある「粗大ごみ処理手数料」の表の中などなど。また、ほとんどの電話番号の前につけられているTELを一文字にしたものや、丸の中に数字の入っているもの(例)など機種依存文字も散りばめられていますね。どちらもWWWでは使用不可は常識だと思いますが。
 [参考]
 ・ 「とほほのWWW入門」の「ホームページ作成上の注意」
 ・ 「ず's home page」の「なぜ半角カナは嫌われるのか(メモ)」
 ・ 「文字コードをめぐって(文字講堂)」の「機種依存文字について」
 ・ 「機種依存文字劇場」など

 第六に、リンクの張り方です。
 例えば、「いざというときに」の「24時間電話で聞ける医療機関案内」をクリックすると「 『休日に診療してくれる病院を探している』『会社の近くの病院を探している』『子供が急に熱を出して困っている』 こんな時は『ひまわり』に電話してください。24時間あなたの質問にお答えします」と書かれた「ひまわりテレホンサービス案内」いうたいへん便利なページが現れます。「これはすごい」と、よく見たら、これは足立区のホームページではないですね。このページのドメイン名「tokyo-hpc.or.jp」の所有者は、(財)東京都健康推進財団です。
 「福祉」の「住宅改修費の支給」のページの一番下には、「事業者一覧はこちらへ」と書かれています。クリックしてみましょう。「指定事業者一覧(足立区介護保険課作成)」と表題のあるページが現れます。雰囲気が違うなと下へスクロールすると「当ホームページについてのお問合せは権利擁護センターあだち」と書かれています。何なんだと思って、その上の「ホームページ」をクリックすると、足立区のホームページではなく「足立区介護サービスホームページ」が開きます。このページのドメイン名「kikan.adachi.tokyo.jp」を調べると「社会福祉法人 足立区社会福祉協議会」となっています。どうやら「足立区社会福祉協議会」の中に、「権利擁護センターあだち」が設置されているようです。ページを渡っているうちに、足立区から足立区社会福祉協議会へと移動してしまったようです。同様の「事業者一覧はこちらへ」のリンクは、「介護保険」内の他のページにもたくさん見られます。
 「母子・女性」にある「23区の保育園一覧」は、都内の区市町村における子育て支援情報を掲載した便利なページです。しかし、このページは「東京都福祉局総務部総務課広報係」が管理しているものです。足立区自身で区民のために保育所の情報の掲載されたページを作る気は無いのでしょうか。手を抜いて、人の褌で相撲を取ろうとするから、「都内区市町村」の情報なのに「23区の」などと間違って書いてしまうのでしょう。
 「教育」にある「区立幼稚園児の募集」には「私立幼稚園に関しては、直接ご希望の私立幼稚園にお問い合わせください」と書いてありますが、「私立幼稚園児の募集」へはリンクが張られていません。もっとも「私立幼稚園児の募集」は、足立区のページではなく「足立よみうり新聞ホームページ」内に設けられた「足立区私立幼稚園協会」のページです。この「足立区私立幼稚園協会」のページへは、フロントページからも「13年度 足立区私立幼稚園園児募集のご案内」として、リンクが張られています。ご丁寧にも「新着」との表示まであります(2000.10.18現在)が、「足立区私立幼稚園協会」のページへのリンクだとの説明はありません。おいおい、人の褌で相撲を取るのも、いい加減にしたら。嫌われますよ。
 足立区さん、訪問者への利便を考えて、必要な情報を提供している他の組織のホームページへリンクを張るのは、もちろん結構です。しかし、リンク先が足立区のホームページでないことがわかるようにすべきではないかと思います。「24時間電話で聞ける医療機関案内(東京都健康推進財団のホームページ)」と、「事業者一覧(足立区社会福祉協議会・権利擁護センターあだちのホームページ)はこちらへ」と、「23区の保育園一覧(東京都福祉局総務部総務課広報係のホームページ)」と、「私立幼稚園児の募集(足立区私立幼稚園協会のホームページ)」とでも書いておいた方が、組織を混同されなくて良いと思いますよ。とにかく、個人で趣味的に作成し公開しているわけではなく、税金を使った公的なホームページなのですから、情報に対する責任を明確にするためにも、閲覧者に区別がつきやすいようにすべきでしょう。

 次ぎに内容についてです。全体を通じて感じたのは、ページづくりの不親切さです。必要な所に必要な情報がありません。
 まず、施設の地図など所在地情報がないのが気になります。電話番号すら書かれていないものもあります。
 「いざというときに」にある「救急指定医療機関名簿」、「休日診療所」は、住民にとって欠かせない情報です。掲載していただくのは良いのですが、所在地図ぐらい載せたらどうでしょう。地図が無理なら、せめて最寄りの駅からの道順ぐらいは載せてもバチは当たらないと思います。
 「台風等により罹災したときは」の「罹災証明書の発行」の所に、「くわしくは、各区民事務所へ」と書かれています。しかし、各区民事務所の所在地や電話番号はどこに書かれているのでしょうか。「区内の施設」の「本庁舎および区民事務所の業務時間」には、書かれていません。仕方なく「区民事務所」をキーワードにフロントページで検索をかけると、「区民事務所のご案内」というページが存在することがわかりました。ここには、区民事務所で取り扱う主な事務と伴に、電話番号や所在地図(ネットスケープ・コミュニケーターでは見ることはできません !!)が掲載されています。このページは、「届け出・証明」の「区民事務所のご案内」をクリックすると現れます。正直言って簡単に探せないですね。
 「いざというときに」の「福祉事務所の総合相談窓口」には、「各福祉事務所では、総合相談窓口を開設し、・・・(引用者略)・・・どの福祉事務所でも申請できます。・・・(引用者略)・・・くわしくは各福祉事務所へ」と書かれています。しかし、福祉事務所はどこにあるのでしょうか。電話番号は?
 「福祉」の「老人ホームへの入所」も、頗る不親切ですね。「くわしくは、福祉事務所へ」とか「くわしくは、高齢サービス課 施設支援係へ」と書くなら、せめて電話番号ぐらい書いてください。
 さてさて、福祉事務所の地図は、よくよく探すと「暮らし・生活環境・衛生」の「生活費や医療費に困ったときなど」にありました。汚くて読みづらい地図ですが、あるだけマシです。
 「いざというときに」の「区の防災対策」には、「防災センターを見学しませんか」「見学については、グループ単位で、事前に連絡をお願いします」と書かれています。しかし、肝心の場所も電話番号も書いていません。防災センターの電話番号は何番? どうやって連絡するの? 防災センターはどこにあるの? 全くの謎です。
 「母子・女性(児童・ひとり親・女性)」には、「お問い合わせ」として保健所(保健総合センター)が頻繁に出てきますが、どのページにも所在地図が付いていません。しかし、こちらは「暮らし・生活環境・衛生」の「保健所・保健相談所所在地のご案内」に地図があります。ただし、電話番号は、小さな地図の上に記載されたものだけで読みにくいですね。問い合わせ先として保健所(保健総合センター)を上げているページから、このページへリンクを張っておけば、かなり便利になったと思うのですが、どうしてやらないのでしょう。さらに、辛抱強く探せば、同じ地図は「 暮らし・生活環境・衛生」にある「光化学スモッグの注意報など」でも見つかります。
 「母子・女性」の「児童相談所・児童相談センター」も地図なしです。「女性総合センター」もエル・ソフィア内とありますが、地図はありません。
 「教育」にある「教育研究所」って、どこにあるのですか? 「区立第四中学校夜間学級」のある区立第四中学校は「東武伊勢崎線 梅島駅」で下車すれば、すぐにわかるのですか? 「放送大学」によると「足立区生涯学習館には、放送大学東京第三学習センターが併設されて」いるとのことですが、生涯学習館ってどにあるのですか? 「生涯学習支援」の講義室ってどにあるのですか?
 「区内の施設(スポーツ・文化等)」にある「 総合スポーツセンター」や「こども科学館」、「体育施設」、「ブロックセンター・集会施設など」には施設案内なんだから、所在地図ぐらい付けてよ。「郷土博物館」には珍しく交通機関の案内がありますが、こちらもやっぱり地図はありません。
 「仕事・企業・融資」の「ボランティアをめざす方へ」に出てくる足立区総合ボランティアセンターも地図がない。
 要するに所在地が書いてあるんだから、後は市販の地図から自分で探せということですかな。自立・自助の精神があふれているわけですね。

 相手のことを考えていない不親切もあります。「いざというときに」の「各種相談」は、区によるもの、都によるもの、その他によるものが混在はしていますが、中々充実しています。しかし、「外国人(語)相談」には首を傾げたくなります。日本語の達者ではない外国人の方が、このページを発見し、なお且つ、自分の理解できる言語に翻訳することは可能なのでしょうか。まあ、東京都政策報道室の事業だから足立区には関係ないか。足立区のフロントページには、「Sorry, only Japanese」ときちっと書いてありますしね。
 それに、本当に相談を受けたい人は、東京都のホームページの"English"―"LIVING GUIDE"―"Tokyo Metropolitan Foreign Residents' Advisory Center"のページを見るでしょうしね。
 とは言うもののもう一つ。「届け出・証明」にある「外国人登録」の「登録原票記載事項証明書」も日本語のみです。日本で生まれ育った外国籍の方や日本語の達者な外国籍の方もたくさんいらっしゃいますから、これでもきっと大丈夫なのでしょう。ね、足立区戸籍住民課外国人登録係のみなさん。
 「ボランティアをめざす方へ 」が「仕事・企業・融資」にあるのも解せません。足立区ではボランティアは、仕事なのですか。ボランティアをしたい人が、このページを目次から探すのはかなり想像力が必要でしょう。

 情報の不親切さ、不充分さを上げれば切りがありませんが、もう少しお付き合いのほどお願いします。
 「足立区からのお知らせ」の「平成12年度予算(当初予算)」は、ごくごく簡単な内容です。「区長からのメッセージ」第四話の中で区長は「足立区の財政状況は、3年連続の赤字です。大変厳しいのを通り越して、家計でいえば、貯金を全部使い果たして、ローンの借金もさらに増やさなければならない状況に至ってしまいました。・・・(引用者略)・・・この危機を乗り越えるには、区民の皆様のご理解とご協力が欠かせません。」と述べられています。しかし、予算に関するこの程度の情報では、足立区民のみなさんは、とても理解も協力もできないと思います。・・・・・参考 「ふるさと北区財政白書」(東京都北区ホームページ内)、「豊島区財政白書」(東京都豊島区ホームページ内)
 「暮らし・生活環境・衛生」の「足立区コミュニティバス『はるかぜ』運行案内」によると、「はるかぜ」の停留所は14カ所あるそうですが、どこにあるのか名称も地図もありません。運行路線図ぐらい載せても良いのでは。それに、停留所毎の時刻表も。「(問先)日立自動車交通株式会社」となっていますが、役所の担当部署はどこでしょう。「足立区」と冠していても、民間事業者に委託しているから役所は関知しないのでしょうか。 なお、日立自動車交通株式会社は、ホームページを開設しています。問先(変な日本語 !!)と書くならリンクぐらい張ったら。
 「暮らし・生活環境・衛生」の「ごみの出し方」には、「可燃ごみ(生ごみ・紙ごみ・木くずなど焼却に適したごみ) 週2回収集 」とは書いていますが、「いつ来るか」までは書いていません。「詳しくは所管の清掃事務所へお問い合わせください」ってねえ。収集日を知りたいぐらいで、一々電話しないと解決しないようなホームページをどうして開設したのでしょうか。合点が行きません。その割には「粗大ごみ処理手数料」がやたら詳しいのは気になりますね。足立区では、粗大ごみは全て申込制・有料だそうですが、不法投棄増えないのでしょうか。また、出したゴミがどう処理されるかに関する情報は全くありませんね。住民は知らなくても良いと思っているのでしょうか。

 不親切という点では、更新上の問題もあるようです。
 「福祉」の「介護保険」の目次に「(*は随時更新)」と書いてありますから、介護保険関係のページは、ホームページ開設後に更新が何度か行なわれたのでしょう。各ページのデザインに他のページと違う所が多いのは、おそらくその為でしょう。デザインの変更で、背景が黄色となった代わりに、多くの一部のページ(例)では一番上にあった青いラインがなくなり、「私の便利帳」や「福祉」に戻るリンクがなくなりました。また、ページの表題すらありません。一段と不親切かつ不便になったようです。
 「高齢者在宅サ−ビスセンタ−」には、「この事業は、すべて介護保険の給付対象になりました」との親切なご案内が1行。電話で尋ねても同じ様に一言答えるだけなのでしょうか。
 「在宅高齢者(寝たきり)歯科診療 」は「平成12年3月31日まで」とのこと。もう半年以上過ぎています(2000/10/15現在)。四月以降どうなったか書く気がないなら、目障りです。とっとと削除してください。
 「シルバーパスの交付」は、2000年10月から制度が変わりました。親切心があるなら普通は、「変更後の制度の説明文」をページの上の方に書きますよ。また、「指定の窓口については、『あだち広報』8月10日号に掲載する予定です」だって。もう2000年10月です。
 「暮らし・生活環境・衛生」の「保健所・保健相談所所在地のご案内」や「光化学スモッグの注意報など」にある保健所の所在地図の下には、「※表に変更があります。12年4月より名称が変わりました。『千住保健所』→『千住保健総合センター』・・・・」などと注意書きがあります。もう(平成)12年の10月です。そろそろ図を書き換えたらどうでしょう。
 業者委託のおかげで、更新がスムーズに行かないのかな? 更新1頁につき○○円という契約だったりして。

 先に、外部組織へのリンクの問題を書きましたが、足立区ホームページ内のページ相互のリンクにも問題点がたくさんあります。
 例えば、フロントページからリンクの張られた「あだち広報紙(PDF版)」から、「わたしの便利帳」の「広報紙の発行」へのリンクが張られていません。逆のリンクもありません。
 また、同じくフロントページの「介護保険のお知らせ-保険料について- 」との文字からリンクが張られた「介護保険のお知らせ 」から「わたしの便利帳」の「福祉」へのリンクがありません。もちろんその逆もなしです。「わたしの便利帳」を作ったときには、まだ保険料の徴収が先送りになっていたからでしょう。
 「わたしの便利帳」にある「区内の施設(スポーツ・文化等)」の「図書館などの案内」もひどいですね。「各図書館の所在地や連絡先を調べる方はこちらへどうぞ」と「足立区生涯学習情報提供システム」のへのリンクが張られていますが、肝心の「足立区立中央図書館」のページへのリンクがありません。何を考えているのかと呆れてしまいます。
 この様に必要なリンクが全く張られていないのは何故なのでしょうか。推察される原因の一つとして、印刷物とホームページの違いをよく理解していない人が、ホームページの全体設計をしたのではないかと考えられます。また、別の原因として、足立区が委託業者に何かの印刷物を渡して「ハイこれでホームページつくって」なとど無責任に頼んだのではないかとも考えられます。
 特に、「わたしの便利帳」は、「ハイこれ」の感が強いですね。便利帳内のページ間や、便利帳外のページとの相互リングが張れていないだけでなく、これまで書いてきた様に必要な画像がなかったり、あってもコピー丸出しの汚いものであったりと、印刷物として発行されているものを、業者に渡して、そのままホームページにしてもらったように見えてしかたありません。
 「物品買入れ等指名競争入札への参加希望者へ」は、フロントページからリンクが張られていますが、ここから先へは進めません。画像化された様式(印刷のやり方で用紙に書かれた文字の大きさも、用紙自体の大きさも変わりますよ。形にこだわるのが役所なのに構わないの?)をダウンロードするという「足立区内支店調書」の用紙のページを除けばですが。
 業者に委託してホームページをとりあえず開設したが、新しく掲載しなければならないことができ、今度は企画部広報課の職員自らがページを付け足した。しかし、WWWとは何か、Webページとは何か、全くわからず、勉強もしていなかったのでこんなことになった。・・・・・もちろんこれは、私の勝手な推理です。

 その他、気づいたことをランダムに書きます。
 「あだち広報紙(PDF版)」は、広報紙の2000年4月以降のバックナンバーをAdobe社のPDF形式のファイルで提供しています。各号は、ほぼ1ページ毎に分割され内容が明記されたファイルになっている上、ファイルサイズも書かれ、電話代を気にしながらダウンロードする閲覧者に親切な設計となっています。ただし、ファイルサイズは、かなり大きいようです。2000年10月10日号の1ページ(特集)は、605KBもあります。写真の処理にでも問題があるのかな? 広報紙のPDFによる提供に関する私の考えは、「広報紙のPDF化について考える」をご参照ください。
 「わたしの便利帳」は、足立区ホームページのメイン企画でしょう。記載されている内容は、多分野にわたっており、かなりの情報量もあり、住民への情報提供という点では、それほど悪くはないと思います。ただし、これまで述べた変な所を除けばですが。
 「選挙・議会・監査」には、「検察審査会」のことが載っています。さて、何つながりでしょう。答えは「選挙権」でした。みなさん、わかりました。
 議会に関して、足立区ほどの規模の自治体で、これぐらい中身のないホームページも最近は珍しいですね。議員名簿すらありません。また、「東京都議会のご案内」を載せるなら、都議会のホームページへリンクも張ったらどうですか。都議会がホームページを開設していることを知らないのかな。「監査請求」は、すごい情報量です。暗に請求するなと言っているようです。考え過ぎかな。
 「税・国保・年金」の「税金」のページもたいしたものです。たったこれだけのページ(情報提供)で区民から税金を徴収しようというのですから、言い根性です。その点「国民健康保険」の方が、まだ、まともですね。目次なしで縦に長くて読むのがたいへんなページもありますが、情報提供しようという姿勢は見えます。協定料金の明記された「国保保養施設の利用案内」まであります。まあ、あえて言うなら国保会計の情報が全くないのが残念ですね。
 「足立区について」の「概要」は、いわゆる区勢概要ですが、変な所がいっぱいあります。「花・桜の見所」には地図も写真もない。「足立区観光ポイント」は、観光地の案内というよりも歳時記。これも、もちろん地図も写真もなし。「区のおいたち」は信じられないぐらい簡単な内容。「区のシンボルマーク、紋章、木、花」の桜の写真は横にひしゃげてる。「足立区の地場産業」の説明は論外。「区の歌『わがまち足立』」には「作曲・編曲 團 伊玖磨」とあるが、歌詞だけで楽譜はなし。「本庁舎のご案内」は、汚い画像があるだけのすごい手抜き。
 「足立区について」にある「情報の公開と提供」には、公文書の公開と個人情報の開示請求について記載されていますが、条文どころか、根拠条例の名称すらありません。すばらしい情報提供です。足立区の姿勢がくっきりです。で、「区や東京都などが作成した資料をはじめ、いろいろな行政関係の資料や図書を自由に閲覧することができ」、「区で作成したいろいろな刊行物を販売してい」るという「区政情報室」って、どこにあるの? 所在地ぐらい情報提供してよ。その上、「閲覧は無料ですが、写しは有料です」と言いながら料金も書いていませんしね。
 おまけ。リンクが張られていない青色の文字に下線は引かないこと。「区内の施設(スポーツ・文化等)」の「生涯学習講座の学習機会提供」のページにある「(財)足立区生涯学習振興公社」の文字を何度もクリックしたのは私だけ?

 操作性は、以上を読んでいただければおわかりのとうりです。ただ一つ、フロントページに検索システムがつけられている点が、唯一の救いでしょう。

 次ぎに、行政と住民との双方向性について見てみます。フロントページからリンクの張られた「Eメール送信」から、「区長へのメール」と、「足立区ホームページのあり方についてのご意見・ご提言」のメールを送ることができるようになっています。
 「区民をはじめ多くの皆様のご意見・ご要望等を区政に反映していくため」とする「区長へのメール」には、フォームが用意されています。しかし、メールアドレスは表示されていません。閲覧者の環境がどのようなものであっても、フォームは正常に作動すると考えていらっしゃるようです。
 また、「回答はメールで行わず、郵送とさせていただきます」と書かれています。なぜ、メールでの回答はしないのでしょうか。おそらく足立区役所内では、メールは文書として、まだ取り扱っていないのでしょう。紙に記された文書よりも、デジタルデータである電子メールの方が読みやすい人達もいることをぜひ知って欲しいですね。
 もっとも、このことをもって足立区が遅れているとは思いません。メールアドレスは記すものの「個別の回答はいたしかねます」とした自治体ホームページが多い中、郵送によるとはいえ回答をすると明言している点はむしろ評価できます。
 一方、「足立区ホームページのあり方についてのご意見・ご提言」の方は、メールアドレスは書かれているものの「ホームページ開設の参考として活用させていただきますので、個別に回答いたしません。回答が必要な場合は、上記『区長へのメール』をご利用ください」となっています。

 最後に一言。私は、ホームページの作成を業者に委託すること自体を悪だとか、間違っているなどとは毛頭思っていませんし、何もかも自治体の職員がすべきだとも思っていません。住民への情報公開に対する責任を自覚した行政のプロと、アクセシビリティへの配慮などを熟知したホームページ作成のプロが、うまく共同作業をすれば、すばらしいホームページができる可能性があると思います。
 私が問題とすべきだと考えるのは、自治体当局から民間への無責任な委託です。ホームページの作成を委託したとしても、住民への情報の提供の第一義的な責任は自治体当局にあるのは当然です。どのようなページを作るのか、できたのか、どこに問題があるのか、どう改善すべきなのかは、自治体当局が考えるべきことです。また、同時に、業者に任せきりにしないために、技術的なことについても一定の学習が必要でしょう。

 さらに、一言。地方の自治体の方には、たいへん失礼な言いかたですが、もし足立区が東京ではなく、どこか田舎の人口数千人足らずの自治体で、インターネットやWWWについての知識のある職員など皆無で、とりあえず地元の多少パソコンの使える印刷屋さんに、限られた予算の中で、「ホームページ作ってもらえませんか」と頼んで作成してもらったのが、現在の足立区のホームページなら、私はこんなに厳しく書かなかったでしょう。

掲載日順 | 地域別( 東京大阪その他 ) | 評価基準ひとこと

このページの先頭へホームへ