住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会での審議 

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第145回国会 地方行政委員会 1999年4月20日

衆議院議事録

当サイト管理者による解説
 質問者 滝 実(自民党)
 質問者 新藤義孝(自民党)
 質問者 鰐淵俊之(自由党)
 質問者 古賀一成(民主党)
 質問者 春名直章(日本共産党)
 質問者 桝屋敬悟(公明党)
 質問者 知久馬二三子(社会民主党)
 ※ 強調は、当サイト管理者による。


坂井委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。滝実君。
滝委員 自由民主党の滝実でございます。
 住民基本台帳法の一部を改正する法案の当委員会における最初の質疑に当たりまして、質問させていただきますのを大変光栄に存じております。
 実は、平成八年の選挙の際に当選して間もない十二月五日に、当地方行政委員会で質問をさせていただきました。その際に取り上げさせていただきましたのがこの住民基本台帳のネットワーク化の問題でございまして、このシステムを導入すべきである、そしてその必要性と留意点という観点から質問をさせていただきました。以来、日がたちまして、本日で八百六十六日目でございまして、そういう因縁のある法案に質問させていただきますことを、本当に光栄に存ずるわけでございます。
 実は、その際に、平成八年の十二月五日に、同じく富田議員もこの点についての質疑をされておりますので、そういう意味では、当地方行政委員会はそれ以来いろいろな角度からこの問題を折に触れて取り上げてきているわけでございます。特に、平成九年の六月には、同じ富田議員からの御提案がございまして、政府としていきなり法案の形で国会に提出するのではなく、試案の形で世に問うていただきたい、そして、それを十分時間をかけて議論をし、試案をもとに政府案を改めて国会に出す、そういうような手順を踏んでいただきたい、こういうような趣旨の御提案もございました。
 そういうような経緯をたどって、昨年の二月に、この問題は改めて政府の案として各党に正式な改正案として提示をされ、それに基づいて各党それぞれに御議論があったわけでございますし、我が自由民主党も昨年の二月中旬から下旬にかけまして前後五回にわたって慎重審議をし、その結果をもって政府案として固めていただいた、こういうような経緯をたどっているわけでございます。
 そういうことを前置きといたしまして、余り長くやりますと時間がなくなりますので、この辺で前置きはさておきまして、そういうような慎重な手続の上にこの法案ができてきたということが前提でございますけれども、早速基本的なことから私は質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず、事務当局からお答えいただいて結構なんでございますけれども、この住民基本台帳法はそもそも、昭和四十二年でございますか、制度としてでき上がる前は、住民登録制度というのがあったわけでございます。戸籍とは別に住民登録制度というのがあったわけでございますけれども、これが四十二年に住民基本台帳という形で改めて現在のような姿形になっているわけでございます。
 そこで、問題の基本的なところから認識を深めていくためにお尋ねをしたいのでございますけれども、従来の住民登録制度がなぜ住民基本台帳制度に切りかわっていったか、その辺のところの基本的な、現行制度のねらいと申しますか、そういうものからひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。よろしくお願いいたします。
鈴木(正)政府委員 住民基本台帳制度が昭和四十二年に成立する前は、今お話がございましたように住民登録制度がございまして、この制度のもとでは、市町村における住民届け出に関する制度あるいはその住民たる地位を記録する各種台帳に関する制度、それはそれぞれ各種行政ごとに別個に定められたので、重複しかつ不統一であったわけでございまして、住民にとって不便であるばかりでなく、市町村の事務処理の合理化、能率化の点からも問題が多くて改善すべきことが多いところでございました。
 こういった状況を踏まえまして、政府において住民基本台帳制度合理化調査会を設置いたしまして、合理化の基本方針及び要綱について諮問し、同調査会で二年間の御審議をいただきまして、答申の趣旨に基づきまして新しい住民基本台帳制度に切りかえたわけでございます。
 具体的な目的でございますが、第一点は、住民の住所の変更等に関する届け出を統合いたしまして簡素化するということで、窓口業務の改善を図る、国民健康保険あるいは国民年金とか、当時食糧配給関係もございましたが、そういうものの届け出の統合、簡素化ということでございます。
 二つ目は、住民に関する各種の台帳を統合いたしまして、住民基本台帳を設けて住民に関する正確で統一的な記録を整備するということ。
 三点目は、住民基本台帳に基づいて住民の居住関係の公証、さらに選挙人名簿の登録など、その他住民に関する事務処理の基礎とするような制度というものを整備した。
 この制度の実施によりまして、住民の利便を増進する、あるいは国及び地方の全体の行政の合理化、能率化を図るということとした次第でございます。
滝委員 そうしますと、基本的にはとにかく住民に関する事務はできるだけ住民基本台帳を基礎にして一元的に処理する、こういうようなねらいを持ってこの制度が発足した、従来の制度はその辺が不十分だった、こういうことだろうと思うのでございます。
 そこで、具体的なことについて一つ二つ、例を挙げて、きょうはせっかく関係省庁に来ていただいておりますので、少し意見をというか確認をさせていただきながら質問させていただきたいと思うのです。
 まず第一に、一番基本になります戸籍との関係でございますけれども、これは人間だれしも一度は到着する死亡届の問題がございます。死亡届は、戸籍法に基づいて、診断書を添えて役場に持っていきますね。死亡届を持っていきますと、そこで役場が何をするかというと、今度は、その役場の所在地でもって埋葬するあるいは火葬するということになりますと、そこでもって埋葬許可と火葬場の使用許可といいますか火葬許可、この二つを同時にやるわけでございます。
 住所地も死亡地も届け出地もそれから本籍地も、全部一緒の地域でございますと事柄は大変たやすいのでございます。その役場の窓口だけで事が処理できますから、それほど時間がかからない。時間はかからないのでございますけれども、しかし、これも単純にいかないのです。国民年金、国民健康保険、老齢医療年金といいますか老人の医療費とか、そういったいろいろな各種の付随することがございますから、死亡届を出して埋葬許可あるいは火葬許可をもらう間に、普通は国民年金とか国民健康保険の窓口へ駆けていって、そっちの手続もするわけです。
 したがって、本籍地も住所地も全部一緒の場合でも、この死亡届を出して全部書類をもらうのに大体三十分はかかります。
 ところが、死亡地、死亡届けをする場所と、住所地、本籍地がみんな違う、戸籍法では死亡地でもって死亡届けができることになっている、ですから必ずしも住所地じゃございませんので、住所地あるいは本籍地が全部違うということになりますと、これはかなり時間がかかると思うんです。
 それで、あらかじめ法務省の方に、一遍どのぐらいかかるか、法務省でつかんだところを教えてもらいたい、こう言ってお願いしておきましたので、ひとつ法務省の方から、その辺がわかったら教えていただきたいと思うんです。
大鷹説明員 それでは、死亡届について御説明いたします。
 死亡の事実は戸籍に記載されますが、これは原則として死亡届に基づいてされております。死亡届は、死亡の時分、死亡の場所等、所要の事項を記載した届け書に医師が作成した死亡診断書または死体検案書を添付して、議員が説明していただきましたように、本人の死亡地、本籍地、または届け出人の所在地の市町村の窓口に提出して行います。市町村においては、夜間や休日の執務時間外であっても届け出を受け付ける取り扱いがされており、適法な届け出があった場合にはこれを速やかに受理しているものと承知しております。
 以上でございます。
滝委員 建前はそうなんでございます。
 実は、これをなぜ私が申し上げるのかといいますと、普通は、この死亡届は大体が葬儀社の方々にサービスでもって事務を代行してもらっているんです。これはだれでもいいことになっているんですよ、届け出人は。本当はいかぬのですけれども、本当は親族なんですけれども、実際問題としては葬儀社の方が代行してやっていますから、一般には痛痒を感じていないんです。忙しい、ぱたぱたしていますから、葬儀社がなれたところでやってくれるわけですね。
 ところが、実は私、自分でこれをいかなるものかということでやりまして、それで、先ほど申しましたように全部一緒の役場へ行きますと大体三十分、これが住所地、本籍地が全部ばらばらというところになりますと最低が一時間、間が悪いと二時間ぐらいかかるんです。役場で待ってなきゃいかぬ。
 なぜかというと、死亡地の届け出をする場所で扱ってくれますけれども、役場では住所地の市町村役場、そして本籍地の市町村役場に一々電話で確認をします、現在は。それを電話ではさらに間違いが出てきますから、当然文字のことですからファクスでやりとりをいたします。たまたま相手先の担当職員の手があいていればスムーズにいくんでございますけれども、普通は、そんな待っていてくれるわけじゃありませんから、これは最低一時間、運が悪いと二時間ぐらい、役場でもってじっと待ってなきゃいかぬのです。大体届け出をするのは親族ですから、親族が自分でやりますと、この忙しいときに一時間ないし二時間待っているというのはこれは大変なことなんですね。
 したがって、そういう意味でもう少し身近なことで、今の建前はそうなんでございますけれども、これをもう少しネットワーク化に乗せていけば、要するに確認事務ですからね、住所登録、本籍地の登録の確認事務だけでもそのぐらいかかるわけですから、これをネットワーク化すれば、それだけで物すごく事務の合理化になっていくというか、利用者が非常に簡便にいくという問題があるわけです。
 これは、先ほど申しましたように、大体葬儀社が代行していますから、一般の方々が直接被害を受けることはないと思うんですけれども、現実問題としてはだれがやってもそれぐらいかかる、そういう問題をはらんでおります。今回の法案の中にはそういうところがどうも出ていないようでございますけれども、これは今後の問題として法務省でもお考えをいただきたいと思うんです。きょうは大鷹第二課長さんにおいでいただいておりますので、ひとつ宿題として持ち帰っていただいて、今後の問題としてお願いを申し上げたいと思うんです。後は結構でございますので。
 それから、二番目の問題として年金の問題を。実は私は、平成八年の十二月五日の当委員会で最初に申し上げたときに、年金の問題を例に挙げました。
 現在、老齢年金とかいろいろな年金をもらっている方は、年に一遍、現況届けをすることになっておりますね。これは何かというと、まだ生きているぞということを証明する手続と言われているわけでございますけれども、年金の本部の方から往復はがき等が参りまして、そのはがきを持って市町村役場へ行って、確かに住民登録がなされているという判こをもらってもう一遍送り返す、こういうことをやってきたわけでございます。
 ところが、手足が動く方はいいんですけれども、寝たきり老人であるとか、あるいはその介護をする人の手間が足りないとかというようになりますと、そういう市町村役場へ持っていく手間だけでも大変だというので、この現況届は大変評判が悪い。そこで、昨年春に自治省がこの住民基本台帳法の一部改正を出した後から、各種の年金が一斉にこの現況届の一部停止をやり始めました。
 現在どうなっているかといいますと、それぞれいろいろな年金がありますから、ばらばらなんでございますけれども、大方のところは、とにかく従来どおり年金現況届の文書を送ってきます。送ってきましたら、それに所要の事項を記入して捺印してもう一遍ポストに入れてくれというのが大体のやり方でございます。これはあくまでも暫定的ということになっているんですね。暫定的ということになっているんでございますけれども、とにかく、今のところは、一々市町村役場へ行かなくても、判こだけ押してもう一遍郵便ポストへ入れればいい、こういうような簡易方式に昨年から切りかわっているわけでございます。
 しかし、こういう制度がいつまでも続くわけじゃないと思うんですね。やはりいつ死んだかということだけは、年金でございますから、明らかにしておかなきゃいかぬ、そういう問題があるわけでございます。
 そこで、今回の法律を見ますと、この年金に関連する部分として、例えば恩給年金でありますとか戦傷病者の年金でありますとか、あるいは国会議員、地方議員あるいは地方公務員、私学共済あるいは農業団体共済、こういうある意味では公的な年金の一部は今回の住民基本台帳法のネットワークの中に入ってくるということが、この条文からどうもうかがわれるようでございます。はっきりと書いてありませんから、文字で書いてありませんからわかりませんけれども、恐らくそういう趣旨でこの法案が成り立っているということが、別表を見ますと推定できます。
 ところが、その他の一般的な厚生年金でありますとか国民年金、そういうものは今回のこのネットワークから外れていると思うんです、どうも条文上はっきりしませんから。ですから、私は、こういうところをやはり最初にまずきちんとしてもらう必要があるんじゃなかろうかなと。今回はこれは間に合わなくても、暫定的に昨年から少し改良しましたから、大分従来よりは進んだことになっていると思うんでございますけれども、今後の問題として、こういった問題をやはりこのネットワークをつくる段階できちんとした方がいいと思うんです。
 平成八年の十二月の段階で、私は、ある新聞記事を紹介いたしまして、年金受給者からクレームがついたと新聞投書がありました、それに対して、厚生省が住民ネットワークができたらそういう問題は解消するんだ、こういうようなことを新聞紙上で回答を寄せているということを紹介させていただきましたけれども、こういった点について、本日は社会保険庁の宮島次長さんがお見えのようでございますから、ちょっと社会保険庁の意見をお聞かせいただきたいと思うんです。
宮島政府委員 お答えいたします。
 現況届は、今お話ございましたように、年一回、年金受給者から提出いただいておりますが、その中身といたしましては、今お話ございました生存確認のための情報と、それ以外にもいわゆる就労の状況もいただいています。これは老齢年金受給者が再び就職等で働き始めますと被保険者になりますので、そのときは一定所得以上ありますと年金を支給停止しますので、そういう意味では就労の状況もいただいております。
 それから、いわゆる加給年金の対象者を把握するということで、扶養家族の状況もいただいております。それから、障害年金の受給者については障害の程度の状況ということで、受給者のさまざまな情報をこの現況届を通じていただいて、年金の支給の適正化を図っているということでございます。
 この中で、今お話のございました生存に関する市町村長の証明につきましては、高齢者の方々あるいは市町村側にとっても大変事務負担が大きいということで、平成十年一月からこれを廃止して、受給者本人の自署による申し立てという形に変えておるところでございます。
 この生存にかかわる市町村長の証明の廃止に伴いまして、いわゆる死亡届の届け出漏れというものに対しては、現在補完的に、戸籍法に基づく死亡届をもとにした厚生省の人口動態統計がございまして、この死亡情報を活用して現況調査を行うことによって、いわゆる届け出漏れを把握するという形をとっているところでございます。
 ただ、現況届自体は、今申しましたように生存確認以外に就労なり家族の状況も情報としていただいていますので、これについては引き続き必要かというふうに思いますが、今お話のございました受給者の死亡情報、これにつきましては、住民基本台帳情報の活用が効率的であるという点も考えられますので、今後、住民基本台帳ネットワークシステムの利用について、自治省とも相談しながら検討していきたいというふうに思っております。
滝委員 全般的なあり方については今後の検討、こういうことのようでございます。少なくとも今の状況は、指定統計の人口動態調査の個別票を使うなんというのは、一々それは告示はしていますけれども、本来の統計上のものを横から使うというのはいかがなものだろうかな。一々告示はしてきちんと法的な手続はとっていますけれども、私はそれは問題があるように思いますので、この辺のところはネットワークの段階できちんとしてもらいたい、こういうふうに思います。
 それから、厚生省の生活衛生局長さん、せっかく来ていただいておりますので、先ほどのことを法務省と同じようにひとつ宿題として、その辺のところも含めて、埋葬許可、火葬許可は厚生省の所管でございますので、よろしくお願いを申し上げます。どうぞ、もう結構でございますので。ありがとうございます。
 それから、年金について、これは事務の合理化ということも含めて質問をさせていただきたいと思うのでございます。
 六十歳なり六十五歳になって老齢年金をもらうときになりますと、まず年金の申請をしなければいかぬ。申請をするに先立ってまず必要なことは何かというと、社会保険庁に対して年金加入期間の確認通知書をもらうということをやらないといけません。国家公務員の共済年金を受けるのでも、一々社会保険庁に年金加入期間の確認通知書の申請をするのです。これが最低一カ月かかります、申請してから。これは一々社会保険庁に本人が出向いてやるわけでございますけれども、申請してから通知書が来るのに一カ月かかります。当然、その間にいろいろな件に追われて通知の処理がおくれますと、その分だけ年金をもらうまでに時間がかかるのでございます。
 今度、その通知書を持って、本来のもらうべき年金の本部に改めて年金の申請をいたします。申請をいたしましてから年金証書が本人の手元に届くのに、二カ月と言っていますけれども、大体三カ月かかるのです。それぞれの年金の種類によって違うと思いますけれども、大体が二カ月ないし三カ月かかるのです、証書が送られてくるまでに。
 それから、今度は実際に現金が振り込まれるのに、二カ月に一遍の現金の振り込みですから多少時間がかかります。そうすると、手続だけで大体五カ月、実際にお金が振り込まれるのに半年かかるのです。これは個人ですから、半年おくれたって、別に会社が倒産するわけではございませんし、それほどの大金ではないですから、そう社会問題が出るわけではありません。
 問題は、確認通知するのに一カ月、さらに別途、実際の年金の本部から年金証書をもらうのに二カ月ないし三カ月ということは、実はそれだけの人間と時間をかけているということなんですね、これは。時間がかかるからけしからぬというよりも、それだけの手間暇をかけているということなんです。私は、やはり年金業務、これからは年金がもうわんさと出てくるような御時世に、従来のような事務処理ではいけないというふうに思っているわけでございます。
 この辺のところを、ひとつ社会保険庁、どういうふうにお考えになっているのかを一遍聞きたいと思うのです。
宮島政府委員 まず初めに老齢年金受給の前の手続の実態でございますけれども、現在、老齢年金の場合、受給申請から支給の決定、いわゆる裁定という決定でございますけれども、そこまでおおむね一カ月程度かかっております。それから、その支給決定から実際の年金の支払いまでの期間でございますけれども、年金の支払い月が基本的には月一回の処理ということになっておりますので、その決定時期によりまして一カ月ないし二カ月という事務処理の実態になっているところでございます。
 この事務処理に時間を要するという主な原因は、実は、制度別の記録管理が従来別々になっておりますために、受給処理申請がありますと、そういった制度別の記録をつなぎ合わせていくという点に大変時間を要しているというのが現在の状況でございます。
 これにつきましては、九年一月から基礎年金番号をスタートさせまして、それに基づきましてこういった制度別の記録を一つにつなぎ合わせていくという、いわゆる過去記録を現在整備しているところでございます。これはまだ整備中でございますけれども、これが一応整備されれば、こういった裁定の事務処理の期間も相当短縮されていくのではないかというふうに思っているところでございます。
 ただいまお話のございました住民基本台帳ネットワークの利用によって、この年金の裁定や支払いの期間の短縮ということには直ちにはつながらないと思いますけれども、年金業務全体の効率化を図っていくという観点からは、この住民基本台帳ネットワークの利用について効果的な面もあるというふうに思いますので、今後ともそういった点を検討してまいりたいというふうに思っております。
滝委員 時間は、要するに今までの各年金の実施主体がばらばらでございますから、当然一々さかのぼって確認をするのに時間がかかる。それから流動化社会ですから、人もあっちの年金団体に出向したりこっちの年金の勤務期間があるとかいろいろなことがありますから、かなり手間取ることは間違いないと思うのでございますけれども、それにしても時間がかかり過ぎるわけでございます。
 これは、今、割と簡単にいくようなことをおっしゃっていましたけれども、実際問題として私が自分でやったところでは、私の手元に振り込まれるまでに七カ月かかっておるのでございます。もっとも、そのうち一カ月はせっかく来た通知書を棚上げにしておいたとかそういうようなことで、こちら側の事務処理がスムーズにいかなかったという問題もあるのですけれども、いずれにいたしましても、実際には物すごい時間がかかっているということに相なるわけでございまして、この辺のところは、行政局長さんは年金の専門家でございますから、一遍行政局長さんからもちょっとこの辺について、何か意見があったらお聞かせいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 住民基本台帳ネットワークシステムを構築していく場合に、今回の法律案にも盛り込んでおりますが、行政機関での御利用ということで、特に継続的な給付の分野というのは適用対象としては非常に適切なものであると考えております。
 各種年金制度、それぞれの制度がございますが、基礎年金番号制度の導入にも見られますように、それぞれ制度が連携しながら、年金受給者のための相談あるいは給付の円滑化ということに努力しているところでございますので、このネットワークシステムの利用ということがいろいろな分野で御検討いただければと思っております。
 先ほどお話がございましたように、恩給あるいは共済関係については、今回の法案に盛り込んでいるところでございます。
滝委員 この辺のところは、自治省におかれましても社会保険庁におかれましても、要するに事務の合理化という観点も含めて積極的な取り組みを今後続けていただきたい、こういうふうに思います。
 このネットワークに関連して、何が便利になるかというようなことについて、一つ二つ今まで例を挙げてお尋ねをしてまいりました。
 次に、このネットワークそのものについていろいろな心配が寄せられているわけですね。一つは、国会が本来監視する機能を持っているわけでございますけれども、ネットワークをつくると国民監視が強化されるのじゃなかろうか、国民監視の道を開くというような御意見がございます。
 そういう中で、今回のこのネットワークは、指定情報処理機関という一つのセンターを、国とか地方団体とかというのじゃなくて、別法人で一つの機関をつくって、そこにセンター的な機能をゆだねる、こういうようなことになっているわけでございますけれども、こういった機関が国民監視の道を開くようなことには当然ならないとは思うのでございますけれども、そういった心配に対して、こういうセンターをどういう格好で仕組んでいくのか、その辺について伺いたいと思うんです。
野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、この住民基本台帳ネットワークシステムにおきましては、全国センターを、都道府県知事から本人確認情報処理事務の委任を受ける指定情報処理機関が運営、管理するということにしておりまして、国がこのネットワークシステムに係る具体的な事務執行には関与しないという仕組みになっておるわけであります。そういう点で、国が一元的、一括管理してすべての情報を掌握してやっていこうという、その種のものとは全然質が違うということをまず申し上げておきたいと思うんです。
 また、指定情報処理機関が保有する情報というのは、氏名、住所、性別、生年月日、この基本的な四情報と住民票コード及び付随情報から成る本人確認情報に法律上限定をいたしておりまして、さまざまな個人情報を一元的に収集管理することができない、そういう仕組みにいたしておるわけであります。さらに、指定情報処理機関についても、本人確認情報の目的外利用を禁止いたしております。したがって、個別の目的を超えたデータマッチングによってさまざまな個人情報を一元的に収集管理するということも不可能であるという仕組みにいたしておるわけでございます。
 このような指定情報処理機関のあり方からいたしましても、このネットワークシステムが国民監視システムへの道を開くんだという指摘は当たらないというふうに認識をいたしております。
滝委員 そこのところがやはり一番大事なところだろうと思います。
 今、いろいろな批判のある中で一番大切なところについて自治大臣から明確な御答弁をいただきましたけれども、ぜひそこら辺のところ、基準がぐらつくことのないように、ひとつ運用よろしきを得ていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つの心配は、個人情報の保護の問題がもともとやかましく言われてきたわけでございます。最初はOECDの基準に照らしてどうだろうかというような議論もございましたし、今やEUの基準にそれが変わってきているわけでございますけれども、EUの個人データの保護指令についてどうなのかとか、大変議論が細かくなってきていると思うんです。
 そういう意味では、この問題が取り上げられてから特にこの五、六年は個人情報の保護の問題が大変精緻になってきた、しかもそれが、ある意味では一つの世界的な流れの中での議論として取り上げられてきている、こういうようなことが言われてきていると思うのでございます。自治省の今度のものにつきましては、そういった世界的な流れについての議論を踏まえてどういうようなことを仕組んできたのか、その辺のところをひとつ明確にお答えをいただきたいと思うんです。
鈴木(正)政府委員 御指摘のように、このシステムの導入に当たりましては、個人情報の保護ということが最重要課題の一つと考えまして取り組んできております。
 住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会の御議論におきましても、諸外国の事例などを踏まえ、また我が国における個人情報保護制度の現状を分析する、その上に立ちまして、個人情報の保護についての万全の措置を講じることが必要である、こういう御議論があったところでございます。
 そのために、基本的には、ネットワークシステム全般の個人情報保護措置につきましては、いわゆるOECD理事会勧告八原則というものを前提として制度を構築いたしました。加えて、御指摘のEUによります個人データの処理に係る個人の保護及び個人データの自由な移転に関する理事会指令、いわゆるEU指令につきましても十分考慮いたしているところでございます。
 具体的には、EUの原則に掲げている中で、例えば、データ内容に関する事項に関しましては、都道府県などが保有する情報は、氏名、住所、性別、生年月日の四情報と住民票コード及び附属情報である本人確認情報に限定をいたしております。また、データ処理の適法性の基準に関する事項に関しましては、本人確認情報の提供を受けることができる場合及びその利用目的というものを法律上明らかに限定をする。それから、EU指令の処理の秘密保持及び安全に関する事項の関連では、本人確認情報の漏えいを防止するために必要な秘密保持の義務づけ、また安全確保措置の義務づけ、こういったことを講じておりまして、個人情報の保護につきましては、OECDの理事会勧告八原則及びEU指令に沿った十分な法令上あるいは技術上の措置を講じているところでございます。
滝委員 以上、代表する二つの御心配の意見についてお答えをいただきました。
 私の持ち時間がもう切れますので、最後に一つ、要望を交えて申し上げますので、自治大臣からお答えをいただきたいと思うんです。
 と申しますのは、今までの年金の問題にいたしましても、それから戸籍との関連におきましても、これからなおいろいろこのネットワークに組み込んでいった方がいいようなものも、場合によっては出てくるだろうと思うんです。私は、そういうものについては積極的にこのネットワーク、今回はここでこういう格好で一区切りをつけるにいたしましても、これからの問題として取り上げるべき問題についてはなお御議論をいただいて載せていただくような、そういう努力を省庁間でお願いを申し上げたいと思うわけでございまして、これについての自治大臣の御意見を承って終わりたいと思います。
野田(毅)国務大臣 今回の住民基本台帳法の一部改正法案におきましては、御指摘のとおり、国の機関などが本人確認情報の提供を受けて処理することができる事務というものを十六省庁所管の九十二事務ということで法律の別表に規定をいたしておりまして、その事務におきましては、それぞれ住民側においてもあるいは行政側においてもメリットが増加をするということを期待をいたしておるわけでございます。
 今御指摘ございましたが、今後、国の機関などが本人確認情報の提供を受けて処理することができる事務を法律改正を通じてふやしていくということによって、さらに住民の利便を増進すると同時に国及び地方公共団体の行政の合理化にも資するということは、方向として十分認識をいたしておるわけでございます。
 ただ、これは先ほど来いろいろ御指摘もございました。いろいろなお考えもございます。あくまでこれは法改正ということを伴って初めてできる事柄であるということもあわせて申し上げておきたいと思います。
 住民基本台帳ネットワークシステムの国の機関などにおける利用事務の拡大については、そういう意味で、引き続き十分な検討を行っていくということが重要であると思っております。いずれにしても、提供先、利用事務の拡大については、国会の御審議を踏まえて、法改正を通じて可能性が拡大をしていくということは御指摘のとおりでございます。
滝委員 ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、法律でもってすべて規定していくという基本原則でございますので、そういう原則を踏まえた上でよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
坂井委員長 次に、新藤義孝君。
新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。
 地方行政委員会には初めてお邪魔をさせていただきまして、質問させていただくわけでございまして、どうぞよろしくお願いをいたします。特に、野田大臣には初めてお目見えをさせていただきます。大変アグレッシブな方だと私は尊敬しておりますので、私が今回質問させていただく中でこれはと思うことがあったら、ぜひ御答弁いただければありがたいと思っております。
 ただいま、滝実先生の明治時代からさかのぼることの歴史を踏まえた格調高い専門的な御質問があったわけなのでございますが、私は、これから先の将来の日本の情報化、こういう観点から今回のこの住民基本台帳の法改正をどうとらえていくかということで、御質問させていただきたいというふうに思っております。
 いろいろなところで、行政もそれから政治家も含めて、二十一世紀の社会のキーワードは何かということになると、必ず出てくるのが高齢化社会とそして情報化社会だ、こういうことになっています。そして、閣議決定を何度も繰り返しまして、この住民基本台帳はもう既に平成九年の段階でやるんだというふうに決まっているわけでございますね。そして、政府の方でも、高度情報社会推進本部において、去年の十一月に基本方針をきっちりと決めているわけなのです。しかし、私の思うところ、我が国の情報化というのは思ったほどに、期待しているほどに進んでいるのかな、こういう気がするのでございます。
 先進であるアメリカなんかと比べましても、これはもうどんどん離れているばかりなのですね。インターネット利用は、アメリカが六千二百万人、日本は一千四百万人でございますし、人口一万人当たりのホスト数、これは日本は世界で二十三位なのですね。世界一の通信技術、コンピューター技術を誇る我が国が、自分のところでつくっているのですが、しかし、どれだけ使われているかというと、ホスト数においては、シンガポールが十三位、香港が二十二位、そして日本はその次になっている、こういうような活用状況でございます。それから、電子商取引がこれから拡大するんだ、拡大してきたといっておりますが、アメリカが二十一兆円、日本はまだ八兆円だ、こういうことになるわけなのです。
 ですから、なぜこれが進まないのか。私の考えるところ、率直に申し上げますと、便利でないのですよ。結局、自分の生活や仕事にみんなが使えるような創意工夫をしていかないと、ただ見るだけだったり、それからデータが集まってきたものを集計するだけ、そういう状況ではなかなかこれは普及が進んでいかないというふうに私は思っているのです。
 ですから、そういう意味で、今回の住基台帳法の改正が、まずは行政の効率の向上、それと住民の利便性が上がるんだ、こういうことで私は大変歓迎しておりますが、これとあわせて、情報化を進めていく中で、今回の住基台帳のネットワーク化、これは自治省、どういう取り組みをされるつもりなのか、今のお考えを聞かせていただけるとありがたいと思います。
野田(毅)国務大臣 幾つかの論点が指摘されたと思うのです。全体として、日本の社会全体の中で、高度情報化社会に対する対応が、世界的なレベルで見て、非常に本来のあるべき姿よりもテンポが遅過ぎるのではないかという、そのことに対するトータルとしての危機感といいますか問題意識というものが指摘されたわけであります。
 この点は私も全く同感でありまして、これはそれぞれのミクロの企業レベルにおいても、あるいは、場合によっては学校における子供のころからのそういうような教育の内容そのものにおいても大事である。シンガポールなんかは日本よりもはるかに小さいころから学校教育の中で徹底してそれをやっているわけで、そもそも民族の繁栄というのは進取の気性ということが非常に大事なことであって、このフロンティアの部分をどう育成していくかということが一つの大きなポイントだと思います。
 それから、自治省において、情報化に向けてどのような取り組みを行ってきたか、あるいはまた、おるのかというようなことでございました。この点につきましては、地方公共団体における情報化というのは、地域住民の福祉の向上や、あるいは地域の活性化を図るとともに、新しい行政ニーズへの対応あるいは行政事務の一層の高度化、効率化を図るということを可能にするものでありまして、セキュリティー対策や個人情報保護に十分留意しつつ積極的に推進をしていかなければならないというふうに考えております。
 そこで、このために、自治省では、地方公共団体に対して、既に地域の情報化の推進に関する指針及び行政の情報化の推進に関する指針というものをお示しいたしておりまして、各地方公共団体における情報化を積極的かつ戦略的に推進をするように要請をいたしております。同時に、地方債及び地方交付税による財政措置により支援をいたしておるというところでございます。
新藤委員 ありがとうございました。
 それで、とにかくこれを進めていく、どんどん進めていくべきだと私は思っておるわけなのですが、しかし、そのときにやはり留意しなければいけないのは、盛んに新聞等でも言われておりますが、やはり国家の一元管理、権力の乱用が行われるのか、こういう危惧があるという声と、それから、そもそも個人情報が保護されるのか、こういう部分が今回の改正の一番の課題になるのではないかな、こういうふうに思うのです。
 そして、ただ、私の考えですけれども、今回の住基台帳ネットワークができることによって、個人情報が漏れるなり、勝手に使われる、流用されるおそれが増す、こういう心配があることについては、私は、逆じゃないかな、こういうふうに思っているのですよ。というのは、結局今回のネットワークをやるということは、これはもう最先端のセキュリティー技術、それから暗号技術、こういうものを徹底的に工夫する、それからまた、実際運用上においても随分の工夫が、やり過ぎかなというぐらいに私は思うのですが、工夫が入ってきている、こういうふうに思っております。
 現状で、むしろ個人情報保護法というもの、これは今国家行政機関の情報だけはその保護法によって制約がありますが、民間情報それから地方公務員に関しては、その情報を守りなさいという法律すらないという今の現状の中で、社員名簿だとかそれから顧客リストの流出だとか売買なんというのはむしろどんどん横行してしまっているわけなのです。
 だから、私は、今回この住基台帳のシステムをきちっとするところで、まずシステム設計、セキュリティーを徹底的なものにする、それから職員の教育と罰則、こういう法令に基づく制約をかけていく。しかもこれに加えて、例えば住基台帳のデータを個人で、ICカードを持ってもらう、こういうことになったとすると、このICカードというのは極めて偽造だとか不正使用ができない、今のところ一番難しい、要するに今セキュリティー度が一番高いわけなんですね。
 紙なんというのは、だれか持っていっちゃえば済むわけなんですが、自分の複雑な番号をもってしては、他人様がそれを知ることはできないんですよね。そうすると、例えばこのICカードをしっかりと運用していくと、むしろ今までデータがとれたはずのものがとれなくなってしまう、そういうふうに考えたらどうかなというふうに思っているのでございます。
 それで、今回、本法改正におけるネットワークのシステム、それからルール、こういうものがどのように検討されているのか、工夫されているのか、ちょっとさわりで結構です、時間がだんだんなくなってきますので。
 国の一元管理の問題は、先ほど滝先生が御質問されました。私も御答弁に納得しております。国がやるのではなくて、国がいわゆる公益法人をつくって、そこの中で委託、県と市がやるんだよ、こういうことでございますから、納得しておりますので御答弁は結構でございます。
鈴木(正)政府委員 この住民基本台帳のネットワークシステムにつきましての、特に個人情報保護面での配慮措置ということでございますが、先ほど申し上げましたように、基本的には国際基準を踏まえまして、法律上、技術上、十分な保護措置を講じるという考え方で構築をしてきております。
 例えば、制度面での保護措置といたしまして、本人確認情報の提供先、あるいは利用目的については、法律で明らかにして規定するということといたしております。また、本人確認情報を取り扱う関係者、市町村、県、全国センター、あるいはそれの電算処理を委託される機関等に対します安全確保措置、これを義務づけております。また、従事する職員の秘密保持の義務づけも行っております。
 また、本人確認情報の目的外利用の禁止ということを法律上明らかにしております。民間部門での住民票コードの利用も禁止しております。そういうことで、公的部門での利用ということにいたしておるところでございます。
 システム面の保護といたしましては、これまでの全国的なシステムというものの実績の上に立って、それにまさるとも劣らない内容のセキュリティー面の配慮措置を講ずることといたしているところでございます。
新藤委員 このICカードは、別に持ちたくない人は持たなくてもいいということになっているわけなんですから、そのメリットを感じる人がお持ちになるということでございまして、別に全員に持たされるということでもないんですから、問題ないんじゃないかと思うんですよ。
 ただ、きょうは御答弁はいただきませんが、むしろ個人情報保護法というものをしっかりと包括的なものにしていく、これは絶対やらなきゃいけないと思いますね。むしろ、国だけになぜ外しているのかというのが私不思議なんですが、これはやらなければだめだというふうに思っております。
 それから、次のポイントとして、今回の課題としては、個人情報の保護と国の一元管理を、権力の乱用を排すということだとすると、逆に今度は、今回の法改正のポイントとしては、とにかく全国人口の九九%がコンピューター処理されているこの住基台帳を自治体間でネットワーク化させること、これによる物すごい行政事務の効率化が行われるということだと私は思っております。
 要するに、今までは自分の住んでいるところでなければとれなかった住民票が、勤務先のどこでもとれるし、それから転入転出の際は一回で済むんだ、こういうようなことでございます。
 それで、これに加えて、ほかの行政機関がこの住基台帳にアクセスすることができるようになれば、これは住民票をとるだけじゃなくて何かほかの、その個人が例えば雇用保険だとか労災給付、それから恩給、共済年金支給、建築士免許、宅建資格、こういうものを登録するときの申請に、一々住民票をとりに行かなきゃならなかった。それが今回は、役所同士で連携をとってくれて、個人としては自分は本人なんですよと申請をすればそれでいい、こういうことになる。非常に便利になるんじゃないかなというふうに思うんです。
 これはかなり工夫をして、さっきのお話ではたしか十六省庁九十二事務ございましたね。こういう話ですから、便利になるということで、答弁してもらおうと思ったんですけれども、時間がもったいないですから、それはもう結構なんです。
 それで、私、これに加えて本当は考えていただきたいのは、今回民間利用を禁止しております。言いかえれば、個人が行政のデータに直接アクセスすることはできない。民間の商行為ではなくて、一市民が私はアクセスしたいんだといっても、アクセスできないことになっているわけなんですね。そこが実は大変なポイントになってくると私は思うんです。
 今回、状況として踏み込めないというよりも、考えていないということなのかもしれないんですが、二十一世紀型の高度情報化社会というのは、一々自分が足を運ばなくても、自分のコンピューターで、または自分の認証されたICカードでいろいろなコンピューターのネットワークにアクセスできることで、初めて飛躍的な高度情報化社会が訪れる、こういうふうに思っているんです。
 例えばどんなことができるかといえば、自分のうちのパソコン、もしくはカードを持って駅のキヨスク、売店だとか、それからコンビニエンスストアなんかにそういう端末があったとします。そこで住民票をとりたいんだと、そうするととれちゃうんですよね。とれることになるんです。それから、介護保険の手続だとか、そんな検索なんかも自分でできるようになりますし、いよいよ始まりますけれども、高速道路で、有料道路のところにITSというのですか、自動料金算定装置、これも、自分のカードを出せば全部それでもって決済できるようになるわけなんですね。
 だから、結局、今日本の情報化が進まない最大の原因は、さっき一番最初に申し上げました、使える情報処理ができないんだ、役に立つものがないんだ、少ないんだというお話をしましたけれども、ここの部分だと思うんです。
 それで、アメリカはパソコンが家庭において半分以上普及しております。日本はまだ二割行っておりません。この最大の原因は何かなと調べました。そうしたら、アメリカは総合課税制度になっておりまして、源泉徴収もありますけれども、個人が申告するんですね。それの申告ソフトが、物すごく使いやすいソフトが普及しておりまして、だから、みんな税金の申告をするためにパソコンを買うんですよ。それから、アメリカの大学生は宿題はEメールで出るんです。ですから、大学に行って、パソコンができない者は宿題を出せないんです。だから、それを子供のころからさわらせて教育させる。自分と一対一でやっているんですよね。
 だから、ちょっと住基台帳から離れちゃっているように聞こえるんですけれども、結局、そういうすべてのネットワークを、この九九%がコンピューター処理されている日本最大のネットワークを使って、それを民間利用と個人利用をさせることでこの情報化というのは物すごく普及する、こういうことになってくる。
 それで、例えば教育問題。教育現場にパソコンを入れろというので、日本の方針ですと、平成十二年度までにすべての学校に、それで十五年までにすべての小学校に、十三年までに中高ですね。これはすごいなと思うんですけれども、アメリカは二〇〇〇年までにすべての教室、学校ではなくて、そして十二歳以上のすべての生徒なんです。日本は学校ですよね。片や世界の国は、教室、もしくは十二歳以上になったら一人一人に持たせるという、この差なんです。この差が恐ろしいんです、どんどん。
 だから、そういう意味で、私は、今回の法改正に盛り込めという気持ちはありません。ただ、今回あえて民間利用を禁止した、セキュリティーだとか権力の乱用だ、そういう不安のもとに禁止した部分、将来のことを、取り組み、お考えを聞かせていただきたいのです、どんなふうに考えるか。
鈴木(正)政府委員 率直に申し上げまして、現在、この新しいシステムの法律を通していただきまして構築するということに精力を注いでおりますので、今お話しのように、現在考えている内容は、民間については利用を規制するという考え方でございます。
 将来のあり方でございますけれども、お話しの、民間の商業部門で使うということでなくて住民の方がアクセスするという問題でございますが、行政分野で申し上げますと、行政のいわば申請とか届け出等の行政手続面でオンライン化を進める、その場合に、認証のシステムとしてこの新しいシステムが使えないかどうかということだろうと思います。
 お話しのように、市町村の区域、県の区域を超えた全国的な本人確認のシステムでございますから、そういうものを認証システムとして利用可能性があるのかないのかということは、この制度が動きまして、あわせまして、そういったことも検討課題として考えていかなければならないだろう、こういうふうに考えております。
新藤委員 現状では、今のところ、この法律をまず始めることからだ、このように思っておりますから、私もそれは重々承知をしています。ただ、大臣、これは自治省の仕事ではなくて国家全体の情報化を進める上で多分極めて大きなポイントになってくるはずなのでございまして、これはぜひ頭にお含みおきいただいて、そして将来に向かって検討していただきたいな、このように要望をしておきます。
 それからもう一つ、先ほどからどうしてもネットワークというよりもICカードの話が多くなってしまうのですが、この住基台帳ネットワークに伴ってICカードを入れることで、もう一つ別の利用可能性が広がります。これは要するに、この住基台帳ネットワークに入っていって使うのではなくて、それを持っていることによって個人認証がしっかりできるということによって、ほかの仕事に使えるわけなんですよね。
 要するに、本人が自治体から発行されたカードを本人と認めてもらいたい相手に渡して、そして自分が本人であることが間違いないと認証されれば、住民票要らないよ、こういう話ですね。パスポートだとか免許証だとか、いろいろあります。少なくとも紙なんかより全然安心なわけですよ。だから、こういうことで非常に私は有効だなというふうに思っております。ましてや図書館で本を借りるときだとか、それから、この間ちょっと実験をやりましたが、電子投票ですね、こういうものをやる上でも、これはぜひ本格的な導入を実施すべきだ、こういうふうに私は思っているのです。
 ただ、諸外国でいろいろもう行われています。日本はこの件に関しては後進国なんですが、お隣の韓国で、何かこのICカードの取り組みでこれまでの方針を撤回するというような週刊誌の記事が出たり、それから御視察いただいた方もいらっしゃるようですが、そういう情報が聞こえております。これについて、自治省としては、韓国の問題、どういうふうに分析されているのか、わかっておる範囲で教えていただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 韓国におきましては、ICカードの利用ということで、それは、偽造、変造を防止し、情報化社会に対応した多目的な身分証とするということで、現在、紙製の住民登録証がございますが、それをICカードの電子住民カードとするための法律改正を平成九年十一月に行いまして、成立しました。その後、韓国の厳しい国家財政にとって相当の費用を要するという点、それから二つ目は、国民監視が強化されるのではないかという不安に基づく反対運動が強まったということで、電子住民カードの関係条文の削除ということを内容とする改正法律案が議員立法で国会に提出されたというふうに聞いております。
 この電子住民カードは韓国の住民登録制度の一環でございますが、日本とはかなり住民登録制度は実情を異にいたしております。
 韓国におきましては、全国民について住民登録番号をもとにして多数の情報が住民登録ファイルとして管理されておりまして、その情報が行政、民間を通じてさまざまな分野で利用されている。また、満十七歳以上のすべての国民は常時住民登録証を携帯するということが義務づけられております。この住民登録証につきましても行政、民間を通じて利用されている、こういうことでございますので、制度のもとが大分違います。
 住民基本台帳ネットワークシステムの方では、これまでもお話ししましたが、保有するデータは住民票コードと四情報、氏名、住所、性別、生年月日及び付随情報のみであるという点、また、国の機関等へのデータの利用、提供については法律上明確な根拠が必要である、また、目的外利用というものが禁止されている、それから、民間部門による利用が禁止されている、また、住民基本台帳カードは住民サービスの向上の観点から希望者にのみ発行するといったことで、韓国の住民登録制度及び電子住民カードとは異なっている、このように考えております。
新藤委員 まあ、韓国、経済危機が深刻でございますから、そういう側面もある。そしてまた、国の一元管理、権力の乱用が心配だ、これは私に言わせれば、もう極めて感情論である。このことをやると悪いことをしてしまうからやらないよ。悪いことをしたら罰する、悪いことをさせないように工夫をする、それが知恵を使うということであって、物理的にこういうものをつくらなければ悪いことがないんだと。
 ところが、どんなことをやったって、なければないなりに、今は個人情報なんというのはむしろ横行してしまっているわけなのですから、だから、骨太の議論をしっかりすべきだ、感情論でやってもらっては困るし、私もそんなことをもし国家に管理されてしまったら困りますから、そういうことをやられないようにルールをつくり、法律をつくるということなのでございます。
 韓国と日本は違うのだということがよくわかったわけでございます。
 そして、最後の質問にさせていただきますが、結局、システムとルールをきちんとすればこれは問題なく運用できるではないか。しかも、先ほどから御答弁が繰り返されているように、四情報に限ってとか物すごい制約をかけてしまって、本来ならもっと使える、国の基幹、根本を変えられるような、産業の活性化も含めて新産業の創出も含めてできるはずのものを縛ってしまっているわけなのですけれども、将来の話として、これを国民総背番号制だといって反対されている方がいる、こういうことも聞いております。
 ただ、背番号制とは、確かにそれは全員に番号をつけるわけなのですが、しかし、広い意味でこういうものはさっきの韓国だってもう昔からですよね。含めて、アメリカ、カナダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、イタリア、オーストラリア、ほとんど使ってしまっているわけなんだ、このように思います。
 それから、やはり嫌だと言っている人がいるけれども、統一された番号によって所得の正確な把握をする、これは徴税の公平化からすればやらざるを得ませんよ。こんなことを、隠しを認めるようなことが暗黙の了解というのはいかにも日本的です。こんなの絶対だめです。
 それから、社会保険だとか介護保険の対象者の把握、それから本人確認、行政事務の効率化、幾らでもありますけれども、まず第一点に、もう年金の基礎年金番号制が始まってしまっているではないか、別の番号がついてしまっているのでどうするんだという話があるわけなのです、二つ番号持たなければいけないのかと。
 それから、これから介護保険制度が始まってまいります。これも、介護保険制度はシステムの基本設計、全三千三百自治体の中の三千二百自治体が厚生省にシステム設計の補助申請を出しています。ところが、このシステムを構築する上で、ある自治体は住基台帳を根本にして介護保険の台帳をつくろうとしているのです。でも、ある自治体は国保台帳をベースにしているのですよ。統一した見解をつくっていないから、ばらばらになってしまっているわけです。
 このほか、これから例えば免許だとかほかの事務に、それから、きょうは余り僕はここで言いたくありませんが、例の納税者番号、ある新聞の社説によると、別のシステムをつくれというのです。それでは一人の人間に三つも四つも五つも番号をつくって、それのシステム運用で、私の地元、埼玉県の川口ですけれども、川口の町で介護保険のシステム基本設計をやるのに七千八百万かかっているのですよ。これまた別の台帳を使えとなったら、また同じ金がかかるわけで、三千二百自治体で、もちろん大きさは四千五百万が基本ですけれども、これはむだ遣いなんですよ。でも、国が方針を定めないから結局やっているわけなんでございます。
 とにかくこれを、この住基台帳のシステムが九九%捕捉されて日本で一番ネットワークを張っているのですから、これを今回まず入れさせてもらって、その後の日本の情報化、そして個人がコンピューターにアクセスする、こういうことの前提として、やるべきだと私は思っております。
 そういうことで、今回の決意というか、もう質疑時間が終了してしまいましたので、多分お答えは余りできないと思います。でも、そういう気持ちでやらないとこれはうまくいかないよ、私はこういうふうに思うのでございます。一点お願いするとするならば、この住基台帳コードの、将来他の行政事務への展開、このことについてどういう御見解があるのか、このことだけを最後に質問しておきます。
野田(毅)国務大臣 基本的に御指摘のとおり、まことに私どもが申し上げたい事柄、もう随分お話をちょうだいいたしまして、大変心強い限りであります。
 いずれにせよ、これからいろいろな行政事務等にどこまで広げていくかということにつきましては、まずこれをスタートさせていただいた上で、法的な手当てをしながら具体的には展開をしてまいりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
新藤委員 いろいろ申し上げましたが、いろいろな意見があると思いますが、しかし国民大多数の利便性を向上させるという観点から、私は、これは積極的にぜひ推進していただきたい、このように申し上げまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
坂井委員長 午後三時二十分に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十四分開議
坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鰐淵俊之君。
鰐淵委員 自由党の鰐淵でございます。
 住民基本台帳ネットワークシステムの議論といいますか審議はようやく緒についたな、こういう感じでございます。と申しますのは、昨年の三月に法案が国会に提出されまして、もう既に大体一年を経過しているわけであります。この法案は非常に重要な法案だということは、与野党一致しているわけであります。それだけに、やはり国民へのサービス面、それから事務の簡素化の面、そういった面で非常に利点もあるわけでございます。
 そういったことで、できるだけ早くこのシステムを実行に移すという考え方が一つあると同時に、実行に移すときにはまたいろいろな問題点もある。これは審議を深めていかなければなかなかそういった問題点をえぐり出せないわけでございますので、やはり早く審議をし、徹底的な国会での審議の中でこの問題が本当に国民のためになる法案として早く成立でき得れば、私はそのように考えているわけでございます。
 さて、最近は情報化と言われて久しいわけでありますが、各地方自治体、三千三百ほどございますが、そのうち、お話ございましたように九〇%はもうOA化、いわゆるコンピューター化等が進んでおります。私どもの担当しておりました市は約二十万でございますが、もう既に昭和五十六年度にコンピューターを入れまして、実際に行政事務のコンピューター化を図りました。
 これは考え方が二つあると思います。その一つは、個々の事務をコンピューター化するという方法、例えば税務なら税務事務、給与なら給与事務、こういう方法。それからもう一つは、住民情報を先に考えて、いわゆるトータルシステムでコンピューター等にする、こういう考え方と二通りあるわけであります。私は、個々のケースで入れるということは非常にロスが多いし、また行政事務の簡素化あるいは住民へのサービスということを考えれば、一気にトータルシステムでやることが正しいということで、住民登録をすべてコンピューターに入れて、リアルタイムでもって実際に今実行に移しているわけであります。
 そこで、私どもの例を簡単に今お話ししますと、そういった中で、バッチ処理なんというのは、実に時間として約一万七千九百七十八時間。それからオンラインで大体十四万八千九十七時間。それからバッチ処理は、件数で千七十九件。それからバッチ処理の全体のプログラムの本数ですけれども、これが六千百九十六本。こういうように、機械化できる、いわゆるコンピューター化のできる仕事については、主なものはやっておるわけです。それでもなおかつ、庁内ではまだやってほしいと。というのは、コンピューター化が、データ処理からいって、最終的に統計とか予測とか、こういったことにだんだん高度に使っていきたいという職員の意欲が非常にわいてくるわけであります。
 ですから私は、そういう意味で、コンピューター化によって非常に経費の節減もできておりますし、いわゆる行政の情報化というものが進んでおる、このように思います。
 そこで問題は、一つ一つの市町村ではそれぞれやっておりますが、それぞれの関連は残念ながらございません。ですから、せっかくこれだけ各自治体で相当OA化が進んでおる状況を考えるときに、市町村の区域を超える、ネットワーク化することによって、なお個々の市町村が十分に活用できる機会というものがあるわけですね。代表的な例は、やはり住民の転入転出、それから特に不現住処理、こういったものができる、このように思います。
 そういうことで、こういった地域間交流ということを考えた場合に、既に答弁もいろいろあるわけでありますが、住民の基本台帳そのものには十程度の情報の量があるわけでありますけれども、今回はそれが非常に限定的だ、こう言われているわけでございますので、再度ここで明確に、住民基本台帳の個人情報のうちの具体的にどんな情報を保有することになるのか、既に一部答弁は聞いておりますが、明確にお尋ねしたい、このように思います。
鈴木(正)政府委員 現行の住民基本台帳におきましては、市町村の住民につきまして、氏名、住所、性別、生年月日、それから世帯主の氏名及び世帯主との続き柄、戸籍の筆頭者の氏名及び本籍、それから選挙人名簿への登録の有無、国民健康保険の被保険者資格に関する事項、国民年金の被保険者資格に関する事項、児童手当の受給資格に関する事項、こういったことが記録をされております。
 今回の住民基本台帳ネットワークシステムにおきましては、住民基本台帳に記録する個人情報として新たに住民票コードを加えるということといたしておりまして、住民基本台帳に記録されました個人情報のうち、本人確認のために最低限必要となる氏名、住所、性別、生年月日の四情報、それに住民票コード、またこれらの付随情報、例えばこれらの記載等について変更があった場合の事由、年月日等の情報に限りまして、指定情報処理機関、いわゆる全国センターや都道府県において保有するということといたしております。
鰐淵委員 ただいまお答えがありましたとおり、各市町村が取り扱っている住民基本台帳の情報のうちではとにかく非常に基本的な、しかも限られた情報だけだ、今のところそのように私は考えます。そういう意味では、全国センターなどで保有することになるわけでございますので、これから、国民から信頼される全国的なシステムをつくり上げていくために非常に重要なポイントになろうか、このように思います。
 したがって、重要なポイントになるわけでありますが、これも本会議でございましたが、いわゆるコストベネフィット、かなりこのシステムをつくるときにお金がかかる。しかし、お金がかかるけれども、いろいろな直接的効果、間接的な効果というものが生まれると思うのです。直接的な効果について大臣の方から本会議で述べられておりましたが、住民の利便それから簡素化、なかなか計数にあらわせないそういう利点もあるわけでございます。とりあえずきちっと試算でき得る状況につきましては、本会議の答弁もございましたが、さらにこの委員会で明確にしていただきたい、このように思います。
鈴木(正)政府委員 このシステムの導入コストでございますけれども、データ移行のためのシステム開発費あるいはコンピューターの設置工事費などの基本的な導入経費としまして約四百億円を見込んでおります。また年間コストといたしましては、電気通信回線の使用料あるいはコンピューターの維持費などで約二百億円を見込んでいるところでございます。
 他方、このコストに対します効果につきましては、前提を置きまして、システム導入に伴う行政側の職員あるいは住民の方の節減時間とこれらの方の時間当たりの標準的な人件費というものを用いまして、一定の仮定計算でございますけれども、数値化できるものだけを試算いたしますと、毎年、行政側で申し上げますと、転入手続の簡素化あるいは住民票の写しの交付の省略といった窓口業務の簡素化などによりまして約二百四十億円、また住民サイドで、住民負担の軽減といたしまして、転出手続あるいは住民票の写しの交付のために住所地の役場へ出向く必要をなくすということで約二百七十億円の効果があると見込まれております。
 こういうことで、このシステムについては、行政側、住民側における数値化可能なメリットだけに限って比較いたしましても、コストに見合う効果が十分にある、このように考えております。
鰐淵委員 今の局長の御答弁では、試算できるメリットに限っても十分コストに見合う、こういうお話でございました。私も、このシステムを発展させていくとするならば、今後もこういったメリットはどんどん拡大していくだろう、減ることは絶対にないと確信をいたしております。ぜひ、かけたコストをはるかに上回る、立派な成果というものを上げていかなければやはり意味がない、私はそのように考えます。
 そこで、先ほど新藤委員も話されましたが、隣の韓国についてのお話がございました。それで、特に電子住民カードの導入事業が中断された、こういうぐあいに伝え聞いているわけであります。この電子住民カードを導入する前提といたしまして、韓国においては既に住民登録制度とそれから住民登録証というものが存在すると伺っているわけでありますが、まず、この制度の内容について、どんなものであるかお尋ねしたい、このように思います。
鈴木(正)政府委員 韓国の住民登録制度でございますが、国内に居住する韓国国籍を有する者を対象とするものでございまして、地方自治体であります市、郡または区の長が事務を管掌するということとされております。市長等は、個人別及び世帯別の住民登録票を作成し備えるということにされております。
 その主な特徴でございますが、一点目は、すべての制度対象者に住民登録番号を付与することとされております。
 二点目は、住民登録票自体について全国的な電算化が行われておりまして、政府は、住民登録番号をもとに、いわば住民登録ファイルとして全国民の情報を管理しております。この住民登録ファイルには、住民登録法に基づきまして住民から申告された事項のほか、住民登録番号によるマッチングにより多数の個人情報が記録されているというふうに承知をいたしております。このファイルの情報は、一定の手続を経て行政あるいは民間のさまざまな分野で利用されている、このように承知をしております。
 三点目の、住民登録証でございますが、十七歳以上のすべての者に、ビニールケースに入れた紙製の住民登録証が交付されておりまして、常時携帯することが義務づけられております。この紙製の住民登録証には氏名と住所などのほか、住民登録番号、戸籍、兵役に関する事項が記載され拇印が押されている、それから写真を貼付するということとされておりまして、行政手続上の申請書などの受理あるいは資格証書の発行などの際の本人確認のために行政、民間に利用されているということでございまして、日本の制度とは大きく異なっております。
鰐淵委員 ただいまの答弁をお聞きいたしますと、韓国の住民登録制度と住民登録証というのは本格的な国民総背番号制ではないかという感じがいたします。
 今、韓国の住民登録ファイルにおきましては多数の情報が国によって管理されていると言われましたけれども、それには具体的にどんな情報が入っておるのか、知っておればひとつ伺いたいと思います。
鈴木(正)政府委員 韓国の住民登録ファイルでございますが、七十八項目の情報が記録されていると承知しております。氏名、住所、性別、生年月日、住民登録番号のほか、血液型、婚姻関係、職業、本籍、戸主、転入月日、行政洞名それから電話番号、学歴、こういった基本的事項のほかに、保有する免許資格、あるいは兵役等の関係事項、それから生活保護関係事項、医療保障関係事項などでございます。
鰐淵委員 ただいまの答弁を聞きますと、韓国の住民登録制度の情報というのは、私どもが今考えている日本の四情報どころか、血液型だとか結婚、本籍、電話番号、学歴、兵役、こういう非常に大量の情報が入っているわけです。そういうことを考えますと、日本のネットワークシステムというのは、四情報と住民票のコード、こういう限られた情報であるということに比べますと、韓国の制度というのは保有する情報の量も質も全く日本と異なると私は考えます。したがって、韓国型の国民総背番号制度と今日本の行おうとする住民基本台帳のネットワークシステムとは根本的に異なるというように私は認識をいたしたところでございます。
 次に、韓国で電子住民カードの導入事業が中断をされたといったことを伺うわけでございますが、そういった経緯や理由について、わかればひとつ答弁をお願いしたいと思います。
鈴木(正)政府委員 韓国におきましては、先ほど申し上げましたように、住民登録証が紙製でございまして、写真の張りかえによる偽造、変造が行われるなどの問題があったということで、こういったことを防止して情報化社会に対応した多目的な身分証とするために、これまでの紙製の住民登録証を電子住民カードにかえるという事業が打ち出されたところでございます。
 一九九六年に韓国の情報化促進基本計画において位置づけられて、一九九七年十一月には電子住民カードを発行するための住民登録法の改正法案が成立し、法的な基礎が与えられたというところでございますが、その後、韓国の厳しい国家財政にとっては相当の費用を要する、それから国民監視が強化されるのではという不安に基づく反対運動が強まったということで、電子住民カードの関係条文の削除などを内容とする改正法案、議員立法が国会に提出されたもの、このように承知をいたしております。
鰐淵委員 ただいまの御答弁によりますと、そういった電子住民カードの導入が中断されるということになったそもそもの理由は、一つは国民の監視システムという問題、それからコストの問題、こういうことであろうというぐあいに今説明があったわけでございます。
 まず、国民の監視システムではないかという点については、先ほどもやりとりがございましたが、日本のシステムは韓国の国民総背番号制度とはそもそも全く違うわけでございますから、これは問題がないわけでございます。また、コストの問題につきましても、先ほど費用対効果の質疑をさせていただきましたが、コストを十分に上回る成果というものも期待できるわけでございますし、したがって、一般的に言う韓国のケースは日本のケースと混同することはなく、切り離して論議する方がはっきりしていいのではないか、このように私は思います。
 さてそこで、今この住民基本台帳法の一部を改正する法律案でるる問題になっている点は、大きく二つあるんだろうと私は思うんです。
 その懸念の一つは、やはり、この情報をオール日本で管理するということによって、プライバシーといいましょうか、そういう情報の保護というものが確実になされるのかという懸念。これは自治省の説明によりますと、セキュリティーの問題につきましては相当いろいろな、二重三重と考えておられるようでございますが、そういった懸念が一つあるということ。
 もう一つは、それをベースにして、これは類推のような格好になるわけですが、本来私どもはそういうことではないと思いますが、いわば住民基本台帳のシステムを通じてどうも総背番号制に移行するんではないか、こういった発展した懸念。この二つの大きな懸念を持っておられるだろう、こういうぐあいに私は思うわけでございます。
 そこで、そういう意味で、ここでやはりそうではないということをはっきり明確にメッセージする必要がある、こういうぐあいに思いますので、住民基本台帳ネットワークシステムにおいていろいろプライバシーの保護措置を講じている、あるいはセキュリティーの対策、こういったことについて具体的な説明をぜひお願いしたい、このように思います。
鈴木(正)政府委員 このシステムを構築するに当たりましては、お話のように制度面のプライバシー保護措置及び技術面の保護措置を講じております。
 制度面におきましては、一つは、民間部門での住民票コードの利用を禁止いたして公的部門に限っております。また、本人確認情報の提供先及び利用目的につきましては、明確に法律で定めるということにいたしております。また、本人確認情報を取り扱う関係者に対しましては、安全確保措置及び秘密保持の義務づけを行っております。さらに、本人確認情報を目的外に利用することを禁止しておるという措置を講じることといたしております。
 また、システム面の措置、セキュリティー対策といたしましては、専用回線を用いた個人情報の送信としていることと、それからまた送信情報は暗号化をすることといたしていること、それからコンピューター及び操作者のパスワードなどによりまして厳重な認証を行うことといたしているなどの措置を講じているところでございます。
 このような制度面、システム面のいずれにおいても、厳重に個人情報を保護するということにいたしております。
 また、総背番号制の議論につきましては、これまでもお話ございましたが、個人確認情報につきましては四情報プラス住民票コードと付随情報に限っている、しかもそのコードのもとにあらゆる情報を集めて管理するというシステムではないというシステムでございますので、そういう背番号制とは全く違うものであるということでございます。
鰐淵委員 私どもの小さな自治体ではございますが、冒頭申し上げましたとおり、コンピューターのトータルシステムは日本で三番目のシステムを講じて私どもやったわけです。そういう意味では自負をしております。やはり市議会の方からもそこで議論が出まして、プライバシーの保護、そういった情報の保護が必要である、こういうことがございまして、私どもも平成五年にそういった保護条例を制定しております。五十六年ですから、もうかれこれ、相当長く二十数年たっておりますが、私どものところでは一件もトラブルは起きませんし、そういった情報の盗用もないというぐあいにきょう電話で伺ったところでございました。
 したがって、やはりそういった、先ほど私申し上げましたこの二点の懸念が多くの国民をして不安せしめておるのだと思いますが、今局長の答弁によりますと、制度面におきましても、システムの技術面におきましても、厳重に個人情報保護措置を講じていく、こういうかたい決意を伺いました。したがって、その決意でこの重要なシステムを安全にそして確実に構築していくことが大切だ、このように思います。
 さて、目を転じてみますと、我々がふだん生活している社会におきましては、さまざまなコンピューターネットワークシステムが実際に活用されているわけでございます。
 例えば、飛行機の航空管制、新幹線の運行管理、あるいは信号機の制御に始まって、金融機関はほとんどオンラインシステムになっております。さらに、ガスとか電力、こういったもの。それから、実際私は地震に遭って二回も経験いたしましたが、それ以後、ガスとか水道、これは地震によって自動的にコンピューターが作動して、ある管でもってぴしっととまるようになっている、漏れないガスなんかもできている。東京瓦斯なんかはそれが非常に進んでおります。
 そういうことを考えますと、いわばこういうコンピューターネットワークシステムがもう我々の日常生活と切っても切れない状況にあるということを我々はしっかり認識する必要があると思います。これは、後ろの方で一生懸命社会主義と言っていますが、社会主義とは全く関係のないお話でございます。
 ですから、我々はこれらのシステムにおきましても当然セキュリティー対策は講じられているというぐあいに考えますけれども、住民基本台帳ネットワークシステムが講じようとしておりますセキュリティーの対策は、現行の他のシステムが導入しているセキュリティー対策に比べて一体どうなのか。すなわち、同じ程度のセキュリティーなのか、あるいはまたもっともっと確実なんだ、優秀なセキュリティー対策を講じているんだ、こういうことなのか。いずれなのかお尋ねをしたい、このように思います。
田野瀬政府委員 全国的なコンピューターネットワークシステムについては、昭和四十年代から本格的な開発、実用化がなされており、既に行政部門、民間部門のさまざまな分野において運用がなされておりますことは、もう委員御指摘のとおりでございます。
 行政部門におきましては、委員仰せのとおり、繰り返しになるのですが、救急医療、航空管制、郵便貯金、国の会計等の各種分野で、あるいはまた民間部門においては、金融、ガス、電力、新幹線等の幅広い分野で、個人情報に加えて、医療情報、会計情報、金融情報等の重要な情報が全国的なコンピューターネットワークシステムの対象情報となっておるところでございます。これらの現行システムは、既に数年から三十年程度の間稼働しておりまして、一定のプライバシー保護措置のもと確実な運用実績を残しております。
 今回導入されます住民基本台帳ネットワークシステムの導入に当たりましては、先ほど局長が御説明いたしましたように、法制度面における担保に加えまして、現行の他のシステムの運用状況等も十分に踏まえまして、現時点では最高のセキュリティー対策を講じておる、こういう確信のもとで準備を進めておるところでございまして、どうぞその点よろしく御理解賜りたい、このように思います。
鰐淵委員 ただいま政務次官の強い決意が披瀝されたわけでございますが、言ってみますと、他のシステム以上に個人情報を保護していくというお答えでございました。既に社会的に認知され信用されております現行のシステムよりも優秀なセキュリティー対策をきちんと講じていくというのであれば、国民の安心感も得られるのではないか、このように思います。
 さて、また先ほどお話ししましたとおり、住民基本台帳ネットワークシステムは、市町村の区域を超えて、全国単位で本人の確認ができるようにするためのものでございます。したがって、高齢者ですとか被災者等の弱者に対する配慮の行き届いた社会づくりを進めていく際の社会を支えるセーフティーネットともなり得るものと私は期待をいたしておるところでございます。また、このような形での全国的な広域連携を図ることは、また一方地方分権の進展のためにも役立つものではないか、このように思います。
 そこで、住民基本台帳ネットワークシステムの導入時期でありますが、法案では、ネットワークシステムについては三年以内に、住民基本台帳カードについては五年以内にということになっております。私は、ぜひ今国会での法案の早期成立を実現した上で、三年とか五年とか言わず、できる限り早く国民のサービス向上という視点からこのシステムを導入していただきたいと考えているわけであります。
 そこで最後に、住民基本台帳ネットワークシステムの早期導入に向けての決意をぜひお伺いしたい。それで私の質問を終わらせていただきたいと思います。
田野瀬政府委員 現在、住民負担の軽減、サービス向上、国、地方を通じた行政改革のために、行政の高度情報化の推進が求められておるところでございます。住民基本台帳ネットワークシステムは、こうした要請にこたえるために必要な行政サービスの基礎となる本人確認システムであるということでございます。また、これまた繰り返しになりますが、高齢者や被災者等の弱者に対する配慮の行き届いた社会づくりを進めていく際の社会を支えるセーフティーネットとなり得るものであると確信いたしております。さらに、市町村、都道府県自身が全国的な広域連携を図ることは、地方分権の進展のためにも不可欠であります。
 このような高度情報化社会の進展と時代の要請を勘案すれば、二十一世紀の行政情報化の基盤であるこのシステムが現時点で存在していないことが既におくれておる、このように考えるところでございまして、ぜひ住民基本台帳ネットワークシステムの早期導入を我々としても進めてまいりたい、強い決意で臨んでおるところでございます。
 どうぞ委員各位の絶大なる御協力、御支援を切によろしくお願い申し上げたい、このように思います。
鰐淵委員 大変強い決意を伺いまして心強く思いますが、この問題は非常に国民の関心もございますし、十分先ほど言ったような点を留意されまして、国民によく理解をしていただいて進めていくということが肝要だろう。
 特に、蛇足になりますが、私、実際に自分が行政をやっておりましていつも思うのは、いわゆる国勢調査と住民登録というのは必ず乖離があります。私ども二十万都市で約三%の乖離。それはどうして乖離があるかというと、転入とか転居、あるいは同じ市内の中でも移るわけですね。そういったことが捕捉されていないということなんです。これは、釧路くらいの町ですと二十万くらいですが、それでも八千人違うんですね、国勢調査の悉皆調査と住民登録。ですから、住民登録というのは、残念ながらどこの町でも転入転出を一〇〇%捕捉していないということです。
 これが、今言ったこの住民基本台帳のネットワークが構築されればかなり精度は高まっていく、このように思います。したがって、これは自治体にとりましても、住民に対して本当にサービスを平等に公正に公平に提供できるということになりますので、ぜひひとつ頑張って、早く導入するようにしていただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。
 以上です。
坂井委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
坂井委員長 速記を起こしてください。
 古賀一成君。
古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。
 きょう、午前中に引き続きましてこの住基法の審議ということで、実は大臣の日程に合わせてこういう段取りになったわけでありまして、これまで日切れ法案等々もございまして、本地行委員会、私は理事でありますから、時間設定なり日取り設定の当事者でありますから私自身は強く言えないわけでありますけれども、各党の委員、今度も夜か、何でこんな遅くまでやるんだという御意見を恐らく皆さんお持ちの中で、やはり各委員、予算に間に合わせぬといかぬ、そういういろいろな議論でおつき合いをいただいてきたと思うんですね。
 きょうの日程も、住民基本台帳は重要な法案だ、やはり国会で慎重審議で十分その問題点を明らかにしなきゃならぬという論理の中で、きょうも実は変則でございまして、午前中、午後に分かれている。私は、理事会でるる申し上げてきましたけれども、他の委員会にこの地方行政委員会が従属したというか、ほかの委員会が主であって、あと都合のつくときに委員は集まれ、そのときに審議をしろ、それに近いような形で来たと思うんですね。
 きょうはそれをあえてのんで、午後もやろうと来たところが、私が一番心配しておりました、大臣が、実は前の委員会が延びた、こういうことで、これは大臣が悪いとは私は思わないんですが、やはりこういうことでは非常にまずいと思います。
 しかも、この住基法は、マスコミなり国民から見ても非常に重要な法案だ、奥が深い、それから見えざる部分もある。マスコミの論調も、国会がこれを慎重に、十分徹底審議をして、本当に国民が安心できる形を示してくれ、それが国会の責務だ、こういう論調で来ておるわけですね。私はそこだと思うんですよ。それが何かガイドラインの委員会がどうだ、予算委員会がどうだ、せかせかとせき立てられるような形で細切れにやるということはおかしいし、地方行政委員会をまず自治大臣は一番主とされるはずでございまして、ところが、残念ながら、ガイドラインというもう一つの大問題があって、こうなっております。
 私は、この点につきましては、各委員おられます、理事もおられますが、やはり今後の委員会運営については、この法案の重要性から考えて、本当に、もっと真剣にぜひ考えていただかなきゃならぬということをまず冒頭にきつくお願いもし、申し上げたいと思います。委員長も、ぜひこの点、せかせかと、あいたときに、夜でもいいじゃないかという論理は今後本当にやめていただかなきゃならぬということをまさに教えてくれたこの十分間であったような気がいたします。それはぜひ御理解をいただきたいと思います。今後、理事会等でもその旨確認をさせていただきたいと思います。
 この点は、だから私はこうなるんじゃないかというようなことを、危険性を申し上げておったわけでございます。私はそれをのんだ方ですから余り強い不快感は言えないんでしょうけれども、後ろにおられる皆さん方は、もっと強い、何だ、理事会でどんな議論をしたんだ、古賀一成は何でのんだんだと、私おしかりを受けそうな方がたくさんおるんですが、そういうことでございます。
 それで、住民基本台帳の審議がいよいよ始まりまして、この問題について、きょうは、かねてよりずっと理事会等でも申し上げておりましたけれども、大変な法案だ、これについてはやはり慎重な、審議の仕方といいますか、そういうものをこの冒頭にしっかり確認してやるべき法律だと思うんです。
 これは、ほかの法律のように、大体同じようなやり方でその一部を改正する、予算をふやす、減らす、あるいは一定の行政基準を変える、それはいかがでございますかという法律とは違って、何せコンピューターというものが絡んでくる、それがしかも全国ネットで絡んでくる。そして、この世界というものが、本当に先が見えないというか、複雑なる、生々発展していく途上にあるコンピューターの、サイバーの世界でございまして、そこら辺に実は大きな疑問がある。
 これは、自治省が決してコンピューターの世界に詳しいとは私は思っておりません。国会でも一回質問をいたしました。そして、これは超専門家であったってわからないという世界もあるわけであります。こういう問題がありますし、そういう面で参考人も招致する、本当の専門家と言われる人ですらこういうネットワークの危険性をどう思っているか、こういうこともしっかり把握しながら、国民の皆さんにこうですと言った上でこの審議をトータルに判断して、これはゴーなのか、ストップなのかということを判断すべき事柄だと思います。
 きょうは冒頭に、私はこの審議の仕方ということについてお願いもし、要求もしますとともに、この法案の奥深さというものを私なりに、各行政府といいますか、自治省もそうでありますけれども、委員の皆さんにも御理解をいただきたい、こう思います。
 それで、これは質問通告しておりませんけれども、ちょっと前提として、大臣はコンピューターを自分でおやりになりますか、あるいはインターネットを自分でやられたことがあるか、お聞かせいただきたいと思います。
野田(毅)国務大臣 私は、自分でパソコンのキーをたたくということは、この程度はありますけれども、大体はありません。
 ただし、今から二十年余り前から、IBMが十六キロビットを開発する。当時、昭和五十年代の頭のころでございますが、日本がまだ四キロビット時代。このままでは日本は大変だ、これからの情報化時代に際してこれが一番大きな勝敗を決することになりかねないというので、国会議員の中で情報産業振興議員連盟というものがございます。私も、長い間その中で、事務局長なり幹事長なり、そんな中で、この世界を育成していくために、予算、税制、財投、いろいろな面からバックアップをしていかなきゃならぬということで奔走してきた一人でございます。
古賀(一)委員 もう大臣の指先の動かし方で、インターネットはやっておられないということがすぐわかりました。
 それでは、これも通告しておりませんけれども、鈴木行政局長、今と同じ質問ですが、コンピューターのいわゆるソフト操作、あるいはインターネットを常日ごろやっておられるかどうか。これも前提として、ぜひお聞きしたいと思います。
鈴木(正)政府委員 私は、パソコンをいじったり、庁内の電子メールを見るといった程度でございます。
古賀(一)委員 こう聞く私も、実はコンピューターは全然得意じゃございません。しかしながら、私、もちろんコンピューターを自分のパーソナル用ということで買って、もう一年以上たちますけれども、本格的にある目的でやろうということで、この半年間、本当は暇はないんですけれども、ちょこちょこやり始めました。
 これは本当に恐るべき世界でございまして、私もソフトのプロと、ともにいろいろやったりする時間も見つけますけれども、これは私はいわゆる情報化推進議連といいますか、そういう発想でのサポートの話と、やはりコンピューターという世界は、自分でやってみて、やらないとわからない部分が本当に多うございます。例えば十六キロビットの話、あれからメモリーは、今もう六十四とか百二十八とか、いろいろ、どんどんふえています。後ほど申し上げます二〇〇〇年問題も、まさに発端はメモリーの小ささにあったと思うんですが、本当に恐るべきスピードで変わってきておる。
 そこにこの制度が入るということで、私はじっくりと、自治省は、局長もそうでございますし、恐らく担当課長さんも、周りにはおられるかもしれませんけれども、もっと奥深い、ハッカーの世界というか、そういうところというのは十分検討されていないと私は思っているんです。検討されておるならば、今度参考人の招致をした中で、あるいはデータをいただいた中で、資料をいただいた中で、自治省のレジュメに大丈夫ですと書いてある、法律上は罰則があります、こういう中止勧告があります、こう書いてあったって、これはコンピューターをやっている人間とは別次元の世界でありまして、懲役刑が何年であったって、これは全然歯どめのかからぬ世界なのですね。
 そういう面で、とりわけコンピューターが入ってくるということで、極めて慎重な専門的な科学的な分析を、これは国会が、当委員会がわからないならわからないで、参考人招致等を踏まえて、しっかりやっていかなければならぬということをまず申し上げたいと思います。
 きょう冒頭、自由民主党の方からお二人の議員の御質問がありました。確かに住基法の一点をついておられると思います。つまり、光の部分でございまして、こんなに便利になるというお話でございまして、どちらかというとそれ行けドンドンみたいな感じに受けとめましたけれども、住基法のいい面はもちろん評価するにしても、いわゆる影の部分ですね、光があれば影がある。
 先ほどは、住基法のシステムを使って将来はどんどん拡大しようというトーンが私の質問の以前までずっと続いてきたわけでありますが、私は、国会でございますから、与野党一致結束して、やはりこの行政システムの影の部分というものを、国会が、国民の代表である者がしっかり見るという姿勢はぜひ強調しなければならぬと思います。とりわけ野党の我々はその責務を担っておると思いますので、今後、私は長い慎重な審議になると確信をしておりますけれども、そういったトーンで影の部分をしっかりと指摘し、やるのが我々国会の責務だ、こういう姿勢で我々はやっていきますので、この点、御理解をいただきたいと思います。
 それで、まず質問でございますが、この法案は、私は大変ガイドラインに負けないぐらいの、案外重要な意味を持つ法案ではないか、かようにも思っておりまして、今まで申し上げましたけれども、住基法の審議のあり方について極めて慎重なる審議というものが、国民に納得していただくまず大前提だと思います。大臣として、この国会における、今大体申し上げましたけれどもそういう慎重審議ということについて、提案をされた大臣としてどういう御所見をお持ちかをお聞かせ願いたいと思います。
野田(毅)国務大臣 内容において十分いろいろな角度から御検討をいただいて、そして、どうぞ深みのある議論をしていただきたいと思っております。その上で、できるだけ早くこの法案が成立できますように、心からお願いを申し上げたいと思うのです。
 特に、私は先ほど来、いろいろ二十年前からのかかわりを申し上げてきました。それから午前中の滝委員、新藤委員のお話もございました。明治維新を考えてみましても、やはり日本がなぜアジアの中で早く近代化ができたか、ある意味では、産業革命の成果を日本が早く受け入れたという背景があったと思うのです。
 そういう意味で、今日、本当に世界的な規模で高度情報通信、言うならデジタル革命とも言われております。一刻も早くアナログ的世界からそういう中に、我々自身が進取の気性を持って対応していく。そういう中にある種の民族のエネルギーが出てくるし、そしてこれからの大きなバイタリティーを発生していく大きな原動力になり得るのではないか。そういうアジアにおける対応、欧米における対応を考えますと、非常に私は危機感を感じております、このままで本当にいいのかと。
 もちろん、いいばかりではない、御指摘のとおり光の反面、影の部分はあるだろう。しかし、その影はどういうものなのか、その影を極力短くするにはどういう工夫をすればいいのか、むしろ議論はそちらの方に重点を置いていただいて、トータルとして、やはり前進することにちゅうちょがあってはならないというふうに私は思っております。よろしくお願いを申し上げます。
古賀(一)委員 このコンピュータライゼーションということについて、私は、かつてこの委員会でも質問しまして、やはり地方行政の中でいろいろな地域医療とか、そういう分野でもっと自治省は検討したらいいのではないか、こういう質問をいたしました。
 住基法の方も、もちろんコンピュータライゼーションにかかわるのですが、これは国民の情報を今度いわば管理しようという、その分野でのあれなものですから、私は、むしろコンピュータライゼーション全体というのは、経済活性化、社会活性化、あるいは次の日本社会がバージョンアップしていく、そのステップとして非常に重要だと思いますけれども、住基法そのものが、そういう国民情報を国が統一的に管理するということで、私は慎重な審議が必要だと思います。
 それで、これは長くは質問をしません。これをやるとそれだけで何十時間かかるかわかりませんので、質問しませんが、私自身の考えを申し上げたいと思います。
 まず、この法案については、基本論点をカテゴリーにしっかり分けて、あれもこれも飛び飛びに各党がやるというよりも、重要な論点についてはやはり集中的にきちんきちんと審議をしていく。これが余りにも技術的に過ぎてわからないということであれば、参考人を呼ぶ、あるいは資料の提出をいただくというようなことで、一つ一つの論点をはっきりと確認して、これなら安全だ、これは不十分だ、そういう審議をしなければならない性格の法律だと私は思っています。
 それで、基本論点のカテゴリーというのが幾つあるかといいますと、たくさんあるのですが、私は、まず、きょうがその日かもしれませんが、総合的に、この制度のシステムを鳥瞰図的にやはりしっかり把握するという作業が一つ必要だろうと思う。
 二番目に、財政問題、とりわけ費用対効果の問題、いわゆるコストベネフィット論でございます。
 これも詳しくは申し上げませんけれども、初期費用に四百億、年間経費が二百億、そして便益が二百数十億というような、いわゆる自治省データがひとり歩きしておりますけれども、これの背後にある、では、中央センターは地震対策のためにもう一つつくるのかつくらないのか、あるいはICカードは大体このコストに入っているのか、それは単価は幾らなのかというような話もやはり細かく精査をしていくべきだと私は思います。つまり、財政問題あるいは費用対効果の問題が、二番目の問題としてあるだろうと思う。
 三番目に、きょう大分話題になりました、いわゆるこのシステムが今後どういうふうに拡大利用されていくかという論点でございまして、納税者番号、あるいは、きょうは社会保険庁の方もお見えで御意見がございました。後ほど申し上げますが、死亡通知のときには住民基本台帳システムも使いたいというような感じもございましたし、いわゆる、これが今後ほかの行政に広がっていくということは、きょうの質疑のやりとりではっきりしたと私は思うのですね。それならば、それを前提として、この制度をどう組み立てるべきかという議論が三番目にあるだろうと思うのですね。
 それから、問題のその次が、コンピューターシステムの信頼性であります。あるいはネットワーク化される問題点であります。
 とりわけ、中央センターを設けるということになっておりまして、一億二千五百万人の四情報プラス番号データがこの中央センターに全部入るということになります。市町村がばらばらであればハッカー問題というのは軽いわけでありますけれども、中央センターで全部これを吸い上げるということになると、ネットワーク化の問題点及びシステムの信頼性というのが問題になるだろう。これもしっかりと、技術者の意見、専門家の意見を聞いて検証しなければならぬと思います。
 次が、これが大きい問題でございますが、ICカードの可能性とその問題点でございます。
 先ほど、これをもっとふやせ、もっと用途を広げろという議論が自民党から出たわけでありますけれども、このICカードは幾らかかるのか。これが広がっていったときに、法律の建前とは別に、ほとんどの便利なデータをどんどん入れさせられて、国民が全部、実質上はカードを持たざるを得ないのではないか。
 きょう、政府委員の方はみんな、国会議員以外は全部、名札を今月からぶら下げることになったそうでありますけれども、あれに八千字のICメモリーが入っておると思うとちょっと私もぞっとするんですよね。そういうふうに見えるんですけれども、それは入っていないんでしょう。でも、何でも、外に出るときはああいうカードを持って、あそこにその人の個人情報が全部入っているというふうにも見えるものですから、そういうICカードの問題提起については、これはしっかりと検証しなきゃならぬと思います。
 それから、それに関連しまして、個人のプライバシーの保護と情報公開の問題でありまして、法律ではこう書いてある、罰則がありますといったって、実は名寄せ屋さんというのがおるんですね、それから名簿屋さんというのがおるんですね。いわゆる実態上は法律の建前とは別に、こういう経済の世界、コンピューターの世界というのはどんどん動いていくわけです。実はそういう問題もしっかり議論しなきゃならぬ。あと、行革と地方分権の関連があります。
 八番目に、きょうは韓国の例が出ましたけれども、スウェーデンあるいはアメリカ、そういった先進国に、あるいは先行国に学ぶということで、やはりこれは一つの重要なカテゴリーとしてやるべきだと私は思います。
 ことごとくそういうふうに、この問題は幅が広いということで、参考人の招致とともに、地方公聴会、あるいは、ことしは地方行政委員会は三年に一回の外国調査の年でもございますし、私は、ぜひこれはこの地方行政委員会のメンバーで衆議院の正規の調査団として行くことを真剣に考えなきゃならぬと思います。予算を追加してでもと言われるが、予算はもうついておりますので、そういうことも含めて、今後、この審議を慎重にかつ深みある、今深みあるというお話がございましたけれども、しなきゃならぬと思っております。これは私の考えとして、ぜひこの委員会の正式の場で申し上げて、この質問を終わります。
 二番目でございます。時間がございませんので急ぎますが、局長に御質問を申し上げます。
 この制度に対する論議が両論に分かれておるわけであります。マスコミもそうであろうし、国民もそうであります、我が党内にもいろいろな意見がまだございます。これはやはり、いろいろな思惑が背後にあるだろうという思いが一つあるんですね。当面は住民票の交付が便利になる、こういう論理だけれども、こんな便利なシステムを将来ほっておくはずがないという、とりわけ、納税者番号という論議があるわけでありまして、これは正直に国民にあるいは国会に、こういう議論の経緯の中で、これは将来やりますとはっきり言った上で、私は出すなら出した方がいいんじゃないかと思うんですね。
 それで、これまでの関係機関の検討経緯がいろいろございます。私はここできょうはもう詳しくは聞きませんが、検討経緯と目的というものの概要を、簡単でもいいですから、教えていただきたい。
 これについては、地方自治情報センター、これが検討してきた経緯がありますし、AID付番・登録方法検討会というのがあって、メモリーをつけたときにどういう情報を何番目につけるかというような検討をしているんですね、政府部内で。医療関係はここにしよう、じゃ個人情報はこうしよう、学歴関係は何番にと、それは統一しておかないと共通化になりませんから。そういうふうに、AID付番・登録方法検討会というのも政府部内で開かれた経緯がある。
 それから、通産省系で、ニューメディア開発協会というものが、いわゆるカード産業を発展させるというような思いもあるのかもしれませんが、関係省庁とともにやってきた経緯がある。
 それから、税務等行政分野における共通番号制度に関する関係省庁連絡検討会議というのもやられた経緯がある。いわゆる行政分野による共通番号制度、つまり、納番であるとか、電子投票かもしれませんし、あと、いろいろな行政を一本の番号でやろうという検討が内閣内政審議室を中心にやられた経緯がある。
 それから、これは表に出ておりますけれども、自治省の住民記録システムのネットワーク構築に関する研究会、平成八年三月に最終報告されました、これもある。それから、住民基本台帳ネットワークシステム懇談会も自治省で行われた、これも知っております。
 こういった一連の背後にある検討経緯というものを、きょうはイントロでありますから簡単で結構でございますけれども、今後、政府がどういう検討をしてきたかをつぶさに我々は知る必要があると思いますので、それを申し上げたいと思います。概要はいかがでございますか。
    〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
鈴木(正)政府委員 これまでの政府部内あるいは諸団体での研究会の検討状況といったことのお尋ねでございますが、簡単にということで要旨を申し上げますが、まず、地方自治情報センターで、地域カードシステムということで、これは目的は、高度な安全性と大きな記憶容量を持つICカードを活用して住民福祉あるいは地域保健及び住民の窓口サービスの向上を図るという目的で、平成二年度から、ICカードの発行方法、プライバシー保護対策、セキュリティー対策などについての標準的なモデルシステムを開発するために、学識経験者で構成する検討会においてシステムのあり方について検討を行った。
 それで、この検討結果というものを踏まえまして、自治省の方でも、平成三年に、地域カードシステムを含みますコミュニティ・ネットワーク構想推進要綱というものを策定いたしまして、それに基づきまして、平成三年から六年までの四カ年、実施団体を指定いたしまして、指定を受けた地方公共団体が標準システムを基礎として、それぞれの実情に即したシステムを開発している、こういうことでございます。
 それから、ICカードアプリケーション識別子付番・登録方法検討会、これはAIDの付番・登録方法検討会でございます。官民合同の検討会と承知しておりますが、ICカードを広域、多目的に利用するに当たり、ICカード内での個別のアプリケーションファイルにつけられているアプリケーション識別子、AIDにつきまして、異なる業務サービスで同一のものが存在すると、誤って他の業務にアクセスしてしまうといった混乱を避けるためのルールづくりを検討するということが目的でございます。これは、平成十年に三回ほど開催されて、アプリケーション識別子、AIDの付番・登録方法などについて議論されたというふうに承知をしております。
 それから、ニューメディア開発協会、財団法人でございますが、各地域で発行されたICカードを地域の枠を超えた広域で相互利用するということを目的として、ICカードのアクセス方式の標準ソフトを開発しているというものと承知をしております。
 それから、税務等行政分野における共通番号制度に関する関係省庁連絡検討会議でございますが、これは、税制調査会の平成元年度の税制改革に関する答申などを踏まえまして、税務及び税務以外の行政分野、ここにおいて共通に利用し得る番号制度について関係省庁が共同して総合的な検討を行うというのが目的でございます。
 平成元年から平成八年まで二十二回にわたる幹事会を初めといたしまして、二十七回の会合を開催いたしておりまして、納税者番号の検討状況、あるいは共通番号と個人情報保護法などについて議論がなされているものと承知をいたしております。
 そこで、住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会、私どものネットワークに関係する研究会でございますが、その目的は、住民基本台帳制度の果たしている役割を踏まえて、今後の高度情報化社会や高齢社会、地方分権の流れに対応していくとともに、全国的な住民の移動や交流が一般化して地域間の交流や連携も活発に展開されているという状況のもとで、住民サービスの質的向上と行政の簡素効率化を図るために、住民基本台帳を基礎とした、市町村や都道府県の区域を超える本人確認のためのネットワークシステムの構築について調査研究するという目的でございます。
 平成六年度及び七年度の二カ年度にわたって検討を実施、平成六年度末にその中間報告を発表いたしまして、平成七年度におきましては、その中間報告に対する各方面の御意見というものも参考にしながら、また船橋市における住民基本台帳電算システムの実態調査、あるいは大蔵省及び社会保険庁からの説明聴取などを含みます合計十二回の会合を開催、個人情報の保護措置、ネットワークシステムの利用分野、その他の諸課題について審議検討ということで、平成七年度末にはこれを踏まえて最終報告を取りまとめ、公表されている。
 それから、懇談会でございますが、これは自治大臣主宰の懇談会でございまして、経済界、労働界、消費者、報道関係者、地方公共団体等各界の代表者または法律等の諸制度に係る学識経験者の方から住民基本台帳ネットワークシステムのあり方等についてさまざまな御意見を承りまして、制度全般についての検討を深めるということが目的でございます。平成八年に三回開催いたしまして、システム関係、利用分野、それから個人情報保護対策、制度全般に関しましてフリートーキングを行いまして、さまざまな観点から幅広い御意見をいただきまして、八年の十二月にその意見の概要を取りまとめて公表いたしている。
 以上でございます。
古賀(一)委員 きょうは概要だけ口頭でお聞きしたわけでありますけれども、これは、この制度の構築の是非あるいは今後の生々発展のためにやはりぜひ参考にしたい資料でございますので、委員会の資料として委員の方にお配りいただくという資料要求を私はお願い申し上げたいと思います。いかがでございますか。
山本(公)委員長代理 理事会において協議します。
古賀(一)委員 理事会以前に、行政府としてこれは別に問題は全然ないと思うんですが、もめれば理事会かもしれませんけれども、政府として、ぜひ提出を求めますけれども、いかがでございましょうか。
鈴木(正)政府委員 資料の提出につきましては、可能な範囲内で対応させていただきたいと考えております。
古賀(一)委員 これはどれが可能かでやっていたら時間がかかりますので、要するに、そういう趣旨はしっかり述べましたので、ぜひ対応をお願いいたします。
 それで、今イントロの途中でございますが、この住基法を出されたときに、自治省の説明が、先ほど言いましたように東京の人が新潟に行っても住民票がとれる、こういう説明が前面に出ておりまして、むしろこういう説明をやると後ろに何かもっとあるはずだと思うので、何か合点がいかないと思っておりましたところ、きょう、与党の質問という形で、私はなるほどと思ったわけです。明らかに将来、このシステムというものは、ほかの行政分野に、今の法で予定されている分野以外に、いろいろなところが、便利だ、これも使おうというふうに用途が拡大することは間違いないと私は思いました。それはまた大臣もそうですね、積極的な姿勢を示されましたから、そうなると私は確信したわけです。
 それで、このシステムを単に四情報を確認するというためだけではなくて、カードの話も出ましたけれども、随意と言われておりますけれども、あのICカードもシステムの一部に組み込まれて、申請で交付しますよという話になっているんですが、きょうの前半の議論だけでも、このICカードも、これは便利だ、この情報も入れるべきだというふうに絶対なっていくと私はきょう思いました。
 そうしますと、きょう皆さんがぶら下げてある名札のように、要するに全部結局持たざるを得ないということに流れが行くんじゃないかということをきょうの質疑を聞いて私は確信したわけでありますけれども、それならそれでその是非を問わなきゃならぬし、その場合に、法律としてこれで万全か、もっと別の仕組みを付加しないとまずいんじゃないかという議論にしなきゃならぬと私は思うんですね。だから、住民票を他地域でもとれる、あるいはほかの行政機関が個人の情報確認のために本人が添付しなくても済むというだけの論理ではなくて、もっと背後に何かがあると思わざるを得ない。
 そこで、私は、一言で言うならば、この巨大なる国民情報統合システムの本当のねらいは何ですかというふうに、はっきりと、まず大臣に、責任ある立場の大臣にこの段階での方針を表明していただきたい、かように存ずる次第であります。いかがでございますか。
野田(毅)国務大臣 巨大なる国民情報統合システムという表現があったんですが、どういうものなのかはちょっと私もイメージできなくて、共産主義だというやじもありましたが、それなら共産党は賛成するんだろうと思うんです。
 私は、率直に言って、先ほど来いろいろ申し上げましたけれども、ある意味で大きなデジタル革命という中で、午前のいろいろな議論のやりとりを本当に真摯に受けとめました。そういう意味で、この大きなデジタル革命、高度情報通信社会が進行していく、急速度で世界的規模の中で進行していく、そういう中で、日本だけが逡巡ちゅうちょしていて、本当にそのままでいいんだろうか。
 しかし、一方で、先ほど来御指摘もありましたし午前も御指摘があったんですが、やはり個人情報というものをどうやってあちらこちらに漏えいしたりそういうことにならないようにするか。あるいは、そういう意味で、今回スタートすることだから、万々が一にもそういうことのないような、一つの、すべて法律できちんと決めて、無制限に利用分野が広がっていくということにはならない、言うなら法律的歯どめというものは現にあるわけでして、これを拡大しようとすればやはり法的措置を講じなければできない。その法的措置そのものさえ不安だというのなら、それは議会そのもののみずからの権能を否定するということにつながるわけであります。
 そういう点で、国会がその見識においてこれにどう対応するかということが私は問われていることではないか、そのように思うんです。
 したがって、これはいろいろこの後議論を進めていけばおわかりをいただけることだと思いますが、システム的な側面においても、制度的な側面においても、両面において、いろいろ影とおっしゃる、そういうような御懸念がないような形を本当に最大限講じてきていることである、私はそう信じております。
古賀(一)委員 いや、私はもちろん光の部分もあることは重々承知でございますが、先ほども申しましたように、光の部分は行政府の方から一生懸命説得されるでしょう、説明もされるでしょう。議会はその影の部分をやはりしっかりチェックする、そこに任務がある、こう思っておりまして、そういう趣旨から、今後国会内で、委員会で十分な審議をしようという趣旨でございます。
 それで次に、私はプライバシーの保護の関連を聞きたいわけでございますが、このシステム、とりわけICカードは、大臣が今おっしゃったのは、他の行政機関が本人確認のために使う分野、これは確かに法律で決まっておりますから国会のいわゆるチェックがきく、それはわかります。しかしながら、今度は一方で、カードの交付があるのですね。そこに八千字のメモリーがくっついておる。メモリーなんというのは恐るべきスピードで安くなるしでかくなる、そういう分野でございまして、これが将来は、あと五年もすれば八千どころか、まあ十万字でも何百万字でも入るメモリー、そういうのももう実際にあるわけです。
 この前新聞を見ておりましたら、コンピューターは何ギガというのがたくさんありますけれども、一ギガバイトというのは十億ですよね、それが何と、もう五年間に実用化されるメモリーというのは、一平方センチ当たり記憶量、現在の四十倍の四十ギガ。たった一センチですよ、実はそういう技術がもうできているわけですね。だから、四百億というメモリーがたった一センチのチップに入る。この十年間で恐らく一バイト当たりのメモリーの単価というのは千分の一ぐらいになっているんですね。今でもそのスピードなんですよね。私が最初に買ったコンピューター、一年たったコンピューター、性能は今の方がはるかに立派で、ハードディスクのメモリーの容量が全然違う、値段は前の何分の一、こういう世界なものですから、私は、このICカードのチップというのは八千字じゃ済まないと思うし、便利だからこそふえていくと思うのですよ。そうなると持たざるを得ない。
 こうなってきたときに、実は、先ほど滝委員の質問に対して、大臣は、本制度は利用範囲が将来拡大する可能性があるというような方向で御説明がありましたし、そして鰐淵委員からもやはり、積極活用の要請といいますか質問に対して、それを受ける形での表明もあったわけでありまして、そして鰐淵委員の方からは、うちは四情報だ、韓国はそうじゃない、根本的に違うというお話がございましたけれども、これはそのカードを持たざるを得なくなってくることになると、全く同じになり得る事柄でもあると思うのですよね。
 今は持っていませんから強制もされない、申告でありますけれども、便利になって、全部持たなければ一国民として活動できないようになれば、これはやはり韓国のように、まあ兵役情報まで入れませんけれども、そうなってくるだろう。そうなると、プライバシー保護法制そして行政の情報公開法制、やはりこれが本当に一体として国民に示されないと国民の理解を得られないんじゃないか、私はかように思うのですよ。
 行政側の情報は隠されている。最近起こっていることは、食糧費の問題にしても、まあ金融監督庁の話もあったし地方自治体もあった、またああいうのがばれた、何だ行政は隠している、こういう事件がずっと続いてきた中で、実は、今行革だ、情報公開法はどうするんだ、あるいは、何でおれのところにこんなダイレクトメールが来るんだという事象が毎日起こっている、そういう中にこの法案が出されるわけであります。
 この法案を出すに当たって、国民を納得させる、理解を得るためには、やはりプライバシー保護法制、いわゆる行政の情報公開法制と三点セットのしっかりとした総合的な提示というものをしないと、要するにまた統治する側が統治される側の情報を一方的に集めるだけだ、統治される方と統治する方のバランスがこれで正しいのか、私はこういう議論になると思うのですね。
 この点、プライバシー保護法制及び行政の情報公開法制の一体整備、これをセットでやるべきだと私は思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。
野田(毅)国務大臣 この住民基本台帳ネットワークシステムというものにおきましては、民間部門を本人確認情報の提供先とはしないということといたしておりまして、本人確認情報の流出を防止するための厳重な措置が講じられておるわけです。また、住民票コードの民間利用も禁止をすることにいたしております。このように、本人確認情報の民間利用を禁止する制度的な措置がなされておるわけでありまして、このシステムの構築に当たって、その前提として、民間部門を含めた包括的なプライバシーの保護法制が必要となるものではないというふうに考えております。
 なお、民間部門を含めた包括的なプライバシーの保護法制ということについては、この法案とは別途、その制定に向けて議論、真剣な検討が進められなければならないことであるという点は、私もそのように存じております。さらに、具体的な個人情報の保護措置が講じられた住民基本台帳ネットワークシステムの構築によって、プライバシー保護のあり方についての認識が一層深まってくるというふうに認識をいたしております。
 なお、午前の議論でもございましたが、いわゆるダイレクトメールや何かに住所等のリストが流れて、そして本人の知らない間にそういうダイレクトメールが送られてくるというようなことは、私は、午前のお話、議論を聞いておりますと、それは今回のこの住民基本台帳ネットワークシステムという形がきちっとできれば、逆にそういうことは少なくなるのではないかというようなお話も伺いまして、なるほどそういう視点もあるなというふうに考えておるわけです。
 また、改正法案におきましては、自己に係る情報の開示請求権を認めるということにいたしておりますので、このシステムの構築に当たって、その前提として行政の情報公開の法制を改めて整備するという必要はないのではないかと考えております。
古賀(一)委員 今の大臣の御答弁を聞いておりまして、あるいは先ほどの各委員の御質問を聞いておりまして私が感じておったことは、自治省の方は、あるいは政府の方は、プライバシー保護法制はまずさておいても、この住基法の法体系の中で十分なるプライバシー保護の手だてを打っているという認識のように聞こえるのですね。法律の条文上はそうかもしれないのです。ただ、この問題は、先ほども言いましたように、法津で罰則を強化したとか、あるいはよくある行政の手続を打ったって、それとは全く無関係、何というのですか、まず理念上違うところでこれが漏れていくというところに問題があるのです。その典型がハッカーだと思うのですね。
 県庁のコンピューターの奥まで簡単に侵入できるという話も聞きましたし、この前うちの葉山議員の方から本会議でも申し上げましたように、国防総省に対するハッカーのおびただしいアタックがある。そして、ことしの四月三日に新聞で載っていましたけれども、メリッサというのですか、メリッサという名前のコンピューターウイルスをばらまいた男がアメリカで捕まったという話も出ていました。強烈なるコンピューターウイルスだったそうでございますが、こういうのがもうあちこちに伝播し、あるいはハッカーがアタックし、こういうところは、だれがやったかというのはなかなかわからないのですね。
 そこに法制上の、建前上の罰則でこれだけ強化しましたというのじゃなしに、システムとして実質上これが防げるという保障というものを、私は、今後、参考人か何かではっきりとさせていただきたいと思っております。もうこれ以上きょうは申し上げません。
 それで、次に、先ほどから言っておりますけれども、いわゆるコストの問題でございます。
 行政改革、いわゆる財政再建がずっと政府の大きい問題になってきておりまして、今国会で、その流れをくみまして中央省庁の再編まであるやに聞いておりますが、そうしたときのこの住基法でございます。初期投資に四百億の投資が必要であるという話も聞いておりますが、やはりこういう時期だけに、最少費用、最大効果という説明が不可欠であろうと思います。これについて、結論の数字だけは聞いておりますし、ひとり歩きをしているように思いますけれども、実際のところ、これについても十分な検証をすることが私は必要だろうと思います。それがこのシステムのまた安全性あるいは十分性を検証することにもなるだろうと思います。
 この検証について、まずきょうは概略で結構でございますが、四百億です、二百何十億ですというもう聞いた話は結構なんですが、どういう分析といいますか、どういう前提条件でこれを検証されたのか。大まかで結構でございますが、お示しの上、これについては、私は、今までいただいた以上の詳細なる資料の提示を求めたいと思います。お願いします。
    〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕
鈴木(正)政府委員 このシステムの導入費用につきましてですが、基本的な導入経費としまして、四つほどポイントがございます。一つはシステムの基本設計費、またコンピューターの設置工事費、ネットワークシステムのテスト経費、既存の住基データを移行するための経費、こんな主な項目で約四百億円を基本的な導入経費として見込んでおります。それから、システムの年間経費につきましては、コンピューターのリース料、維持費でございますが、それと電気通信回線の使用料、これが主でございまして、約二百億円を見込んでおります。
 導入によるメリットの方でございますが、システムの導入に伴う行政側の職員あるいは住民の方の節減時間とそれに対応する時間当たりの標準的な人件費などを用いまして、数値化可能なものについて一定の仮定のもとで計算した場合に、行政サイドの要素としては、転入手続の簡素化による手続時間の省略、それから住民基本台帳事務の合理化、簡素化、それから三点目が、住民票の写しの交付が省略されますので、窓口業務の簡素化、それからカードシステムを採用しますので、そのハード経費及び開発経費の節約、こういった要素の積算によりまして、約二百四十億円を見込んでおります。
 住民サイドのメリットといたしましては、転入手続の簡素化による手続時間の省略、また住民票の写しの広域交付によります手続時間の省略、それから住民票の写しの交付が省略できますので、そういうものによる手続時間の省略などの積算によりまして、約二百七十億円を見込んでいるところでございます。
 なお、これらの資料につきましては、後日提出させていただきたいと思います。
古賀(一)委員 今の説明ですと、ただ、中央センターの設立といいますか、そういったものが入っておるのか、都道府県センターはどうなのか。それからカードも、当然これは国民に金を出して買えと言ったって、私はやらないのじゃないかと思うのですが、これはカードは無料なのか。これが一千万枚、五千万枚なんということになれば膨大な費用になると思うのでありますけれども、カードが入っておるのか、そして中央センターがどうであるのか、費用のところでこれが入っておるのか、ちょっとそれだけお聞かせいただければと思います。
鈴木(正)政府委員 全国センターの関係経費につきましては、これは維持管理費にも入っておりますし、また、そのテスト経費と基本的な導入経費の四百億にも入っております。
 それから、カードにつきましては、カードのハードにつきましては入っておりますし、基本的にカードそのものはそれに見合う手数料でいただきますので、開発経費の節減分をメリットとして考えております。
古賀(一)委員 これは資料を要求いたしましたので、誠実な対応をお願いしますが、見込まれるカードの単価もちょっと頭に特記して、大体どの程度のものだろうかと思っておりますので、私は関心が高うございますので、それもあわせてお願いをいたします。
 それで、次に移りたいと思いますが、これについて論議が一つある分野が、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる納番でございます。納税者番号への拡大の問題でございまして、今回はいわば納税者番号の結論を見ずにこの住民基本台帳法のシステムが法案化される、こうなるわけですが、端的に申し上げまして、納税者番号への拡大というものはお考えになっておるのか否か、御質問をいたします。これは、大蔵省及び内政審議室が今まで検討してきた経緯があると思いますので。
福田政府委員 政府の税制調査会におきまして、今御指摘の納税者番号制度につきましては、過去に、納税者番号等検討小委員会で審議の上、昭和六十三年の十二月、平成四年の十一月の二回にわたりまして報告が行われております。その後、政府税制調査会の総会におきましても鋭意検討が進められているところでございます。
 この納税者番号制度の目的につきましては、適正公平な所得課税、資産課税の実現、あるいは税務行政の機械化、効率化等の観点から議論が行われているところでございます。それで、納税者番号制度をめぐる環境につきましては、最近、各種カードの普及に伴います番号利用の一般化、あるいは金融システム改革に伴います資料情報制度の充実の要請などの変化が見られるところでございまして、このような環境変化を踏まえまして、納税者番号制度に関しましては、国民の皆様の受けとめ方や考え方を十分酌み取りながら、この制度の目的を初め、プライバシーの問題をどうするのか、経済取引への影響、コストと効果等のいろいろな課題につきまして、さらに私どもは議論を深めていく必要があると考えているところでございます。
古賀(一)委員 今の大蔵省の答えで、要するに、もちろん納税者番号というのは重要なる大蔵省あるいは政府の課題であるというのが読み取れるし、国民の理解等々が醸成されていくならば、一つ一つつぶしていくならばこれはやるべしだという結論が背後にあると私は読み取るわけでございます。
 これは、私は民主党でございますが、かつて自民党で大騒ぎになったグリーンカードの問題もこれでございまして、委員会全体としては、この納番への活用というのがしっかりあり得るというのをやはり考えて、与野党腹にそれを置いてやるべきことを私は申し上げておきたいと思います。
 要するに、衣の下に何かがあるということで、便利な高度情報化社会がある、あるいは便利な生活があるという側面ももちろんありますけれども、私は、納番は納番でこれは必要でありますし、議論すればいいと思うのでありますが、その一つの例として、納番への可能性を今聞いたわけであります。本当にえたいの知れない、国家管理社会みたいなイメージで受け取る人もいる、そういうことがないようなきちんとした説明をやはり国民にしていく必要があるだろうと思います。これは今後もう少し深めていきますが、もうきょうは時間がございませんので、これでよしとします。
 それから、先ほども一つの例で出ましたけれども、今後いろいろな話がたくさんあると思うのです、これはどうなんだと。今度は光の部分で、世界各地で始まっております電子投票、東南アジア諸国でも始まっているそうでございますが、これなんかは本当におもしろいんじゃないかなという気もします。こういう議論をされたのでしょうか、例えば電子投票を例にとって。投票制度も自治省所管でございまして、そういう幅広い多角的な論議をしたのか、その例として電子投票というものが俎上に上がったのか、ひとつ局長にお答えいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 このシステムは、市町村あるいは都道府県の区域を越えた本人確認のためのシステムというものを整備しようというものでございます。主として公的分野を対象といたしておりますので、民間分野には利用しない、それは個人も含めてでございます。
 電子投票の場合は個人認証の問題でございますが、先ほど申し上げましたシステムの研究会においては議論がありましたが、制度構築に当たりましては、この分野は、このシステムは民間には利用しないということで組み立てておりますので、直ちにそのまま使えるものとしては制度をつくっておりません。
古賀(一)委員 だから、そこがもう本当に衣の下にいろいろなものがあるだろうと我々は思うのですね。怖いものもあるだろう、いいものもあるだろう、だから、それを本当にオープンにして、国民の代表でありますこの国会で、これもやれます、この前提条件ができるならばこれをもう活用しますといった上で本当にやるべきじゃないか。システムができ上がってしまえば後はもうこっちのもの、何でもかんでもいくだろうというところに懸念があるわけです。私はその事例として電子投票について聞きましたけれども、これについては今考えていないということで、あとはもう時間がたつのを待ってくれというふうに聞こえましたけれども、大臣、何か御意見がありそうですから、ぜひ。
野田(毅)国務大臣 午前中からいろいろ申し上げましたが、確かにこのシステムは、御指摘のとおり、いろいろな行政分野についてその利用範囲を拡大していこうということは、それは可能なことでございます。そして、本人の利便を向上させる、あるいは、さらなる行政コストをダウンさせてより充実した行政サービスを展開する、そういう中で、この時代に合わせた対応をしていこうということは十分可能なことでありますし、先ほど御指摘がございましたが、納税者番号云々の話についても、やろうと思えばできなくはないだろう。しかし、問題は、この法律に基づいて行うことは、これはできないということなのです。
 したがって、論理としていろいろな利用範囲のことはあるだろうけれども、実際にそれをやるかやらないかということになれば、しかもやるということになれば、新たなる法措置が必要である。その時点において国会における意思が決めるのである。やはりここがきちんと踏まえてあることでありますから、何かこの法律が通ったらまるで国会の意思とは無関係にずるずる広がっていくというようなものではない、そのことをやはりきちんと踏まえて議論しませんと話が混同してしまうのじゃないか、私はそう思います。
古賀(一)委員 今の大臣の御答弁は、まさにそのとおりでございます。筋論であります。
 しかし、これはやはりこういう制度を導入するこの当初に、つまりこの国会ですよ、この国会で、やはりいろいろな可能性があるということで国民なり国会なりでやはり知らしめておかないと、音もなく通ったということだったら、やはり三年後、五年後、十年後もこれはすいすいすいといくわけです。
 そういう面で、システム構築をするこの国会というのは、あるいはこの委員会の審議というのは、いろいろな論議があったということをやはり国民に伝わる形でやっておかないと、確かに法律は国会が通さないことには通らぬ、それはもう当然でありますけれども、事実上は、コンピューターという世界の話であるだけに軽く流れていくのではないか、それを危惧して、まあちょっと責任を持ち過ぎかもしれませんが、そう実は私は思っておるわけでございます。
 それで、大体時間も迫ってまいりましたが、次に私は、コンピューターに関してもう一点ぜひお聞きしたいことがあるのです。
 これは新しいコンピューターシステムを、国民情報を統合するということでつくるのですが、その前に、間もなく必ずやってくる二〇〇〇年問題があるわけですね。私も、二〇〇〇年問題はそんなに大した問題じゃないのかなと思っておりましたところ、やはり読んでみればみるほど、人の話を聞けば聞くほど、そして、自分でコンピューターを実際やってみて、やはり大変な問題だと思うのです。これは大げさに言えば、人の命あるいは社会システムの維持にかかわる問題だ。
 ところが、これは日本政府がしゃかりきにやっているというような印象を私自身は余り受けないし、この前新聞を見ていましたら、台湾のある飛行機会社の社長か何かが、あるいは運輸大臣でしたか、あるいは交通大臣でしたか、一九九九年十二月三十一日、大みそかに、飛行機に乗ってハワイに行く、つまり、私が乗っているのだから飛行機は落ちませんということを台湾の国民に示すために乗るという新聞記事が載っていました。
 これは、本当にコンピューターといえばこんなノート型かデスクトップ型かと思う人がほとんどでありますけれども、マイクロコンピューターといって、このくらいの小さいコンピューターが、ジャンボ機なんかは何百か何千か知りませんが、組み込まれておるわけですね。それは全部時計が組み込まれておりますから、時計が入っていないマイコンもあるでしょう、でも、相当部分がいわゆる時間とセットになった、いわゆる時間が組み込まれたマイクロコンピューターが、飛行機にもあるし、炊飯器にもあるし、エレベーターの、昇降機のコントロールシステムにもあるし、相当あるのですね。五百億個あるというのです、世界じゅうにマイコンが。
 それが結局、コンピューターというのは、先ほど十六キロバイトの話がありましたけれども、メモリーが小さい。だから、一九八五年とか一九六四年と書いていたらメモリーを食っちゃうということで、下の六四と書けば一九六四と読むようにソフトをつくっちゃったのですね。ところが、二〇〇〇年が近くなって、これは二〇〇〇年になったら下二けたが〇〇になる。そのときコンピューターがどう判断するのだといったら、それは原則一九〇〇年ちょうどと読むというのがほとんど、コンピューターに組み込まれた時計はそう読むだろう。
 そうすると、まあ缶詰ぐらいならいいですよ、缶詰が一九九九年八月十日生産といって缶に打ったものがラインを流れてくる。二〇〇〇年になったら、それが一九〇〇年ちょうど、百年前に生産されたものとコンピューターが読んで、要するに古い日付から早く出荷しろと言ったら、きょうできたものがどんどん早く出荷されて古いものが残るとか、そういう問題が山ほど起こる、こういう問題のようではございます。
 私は、この問題は本当に、世界各国に全体で五百億個もマイコンが存在する。これは昇降機とか、もう一般の生活する我々の身の回りにもたくさんある。これは重大な問題だと思うのですね。新幹線とか。これについて私は、コンピューターというのは万全ではないという、コンピューターシステムというのは本当に思わぬ落とし穴があるという一つの大きい事例だと思うのです。
 私は、住基法の前に、本当にこういう二〇〇〇年問題について政府は――新幹線に乗る人だって、十二月三十一日は相当の人が、ハワイに行く飛行機に乗る人、控える人、私はおると思うのですよ、出ると思う。かなりの社会現象になると思うのです。これについて私は、もっと住基法以前に、二〇〇〇年問題は政府はコンピューターのプロを駆使してこれだけの態勢をとっておるということを言うべきだと思うのですが、これはどうなっているのでありましょうか。
野田(毅)国務大臣 コンピューター二〇〇〇年問題については、御指摘のとおり、本当に国民生活全般にわたって重大な影響を及ぼすおそれがあるわけです。もちろん、いわゆる危機管理システムあるいは交通管制を含め、そういう安全あるいは保安上、さまざまな制御に関連する分野、そういったことを考えますと、これは本当にゆるがせにできない大問題であります。その点は、地方公共団体においても、この点、緊急に対応していかなければならない必要があるわけであります。
 そこで、自治省におきましても、総理を本部長とする高度情報通信社会推進本部、昨年九月にここで決定をいたしました行動計画がございます。この行動計画に基づいて、地方公共団体に対して、対応を迅速に行うよう、自治省としても要請をしてきたところであります。
 なお、平成十年度の第三次補正予算に西暦二〇〇〇年問題対策調査費を計上して、対応のおくれている地方公共団体等の現地調査等を行いまして、地方公共団体が対応計画や危機管理計画を策定する際に参考となる手引書を作成の上、各地方公共団体に提供する予定であります。
 また、二〇〇〇年問題対策に要する地方公共団体の経費については特別交付税措置を講ずることといたしておりまして、地方公共団体の取り組みを積極的に推進をしてまいる所存であります。
古賀(一)委員 私は、実は資料をもらいまして、きょうの朝、この行動計画を読ませていただきました。それと、それにくっついておりますコンピュータ西暦二〇〇〇年問題対応指針というのも見せてもらいましたけれども、私は、基本的に言って、こういう行政のやり方は、もちろん有害ではない、不必要というわけでもないけれども、基本的なやり方としては本筋ではないと思ったのです。
 何を言いたいかといいますと、要するに、こういう国家の大問題がある、まず、中央府の官庁、これは主務官庁というのはないに等しいとは思うのですが、いわゆる省庁連絡会議をやって、中央で指針をつくる、それに従って県がつくりなさいよ、その県のいわゆる計画なり指針に基づいて市町村もつくりなさいよ、大体こういう発想で今までの行政は来たのですね。
 これを私が強烈に思ったのは阪神大震災のときなんですよ。私はあの後、予算委員会で質問する機会を得まして、もちろん現地にも飛びましたけれども、いわゆる中央防災会議ですね、中央計画、都道府県計画、そして、震災があったときに一番現実的に動かなければならぬ地方自治体の末端の計画、つまり地域防災計画、これを読んでみたのですね。私はもう笑ってしまいましたよ、というか、情けないというか、要するに、地震があったら、火事が起こったら消防車が出動するものとするみたいなことしか書いていないのですね。もう当たり前のことなんです。
 それは、国の計画はいわゆる国土庁の防災局が、それは震災の現場、そういうものを知らないわけですから、やはり例によって例のごとくのいわゆる中央会議を開きましょう、委員はこうしましょう、都道府県計画をつくらせましょう、それは承認にひっかけましょう、それに基づいて市町村計画をつくりましょうという、もう例のやつなんです。
 だから、まさに現実に震災が起こったときにどう行動するかという生の問題とは全く離れた、一番遠いところから、その計画づくりからおりてくるものだから、末端の神戸市の地域防災計画を見たときに、もうそれは何の役に立つか、こう思ったのですね、私は予算委員会で言いましたけれども。
 だから、こういう問題はもうボトムアップというか、現実のところからマニュアルというものを、自治体でこういう問題がある、コンピューターについてどういう問題があり得るか、それを出して吸い上げて国の中央のマニュアルをつくるという、やはりもうそういう時代に来ていると私は思うのですよ、とりわけこういう防災とかでは。それがこの住民基本台帳法も私はよく似ていると思うのです、これを結論としてきょう申し上げたいのです。
 住民基本台帳法の法律を改正します、中央センターもつくります、都道府県センターもつくります、よく似ているんですよ。そして、法律の縛りでちゃんとこうしていますと。私は、将来これがどういうふうに夢があるように活用できるのか、問題点はないのか、もっといいシステムが構築できるのではないか、あるいは中央センターがなくとも、今のインターネット、一億のコンピューターがインターネットでつながっているわけですから、縦のピラミッドをつくらずとも横のネットワークでこれができるのではないか、そういうソフトはあり得るのではないかと思うのですよ。
 そしてその使い方も、例えば一年かけて東北で一つ、あるいは九州で一つ、地域医療で地域医療カードを兼ねるようなICカードをひとつ手を挙げてやるところはやってごらんと、あるいは投票制度も、市町村の議員選挙、もうすぐ終わりますけれども、議員選挙も、では手を挙げたところは自治省としてはモデル事業としてやってもらう。そうしたら、このメモリーに医療関係を入れたら、もうそれはおばあちゃんが喜んだ、市民もみんなこれは喜んだと、使えるとなれば、それをボトムアップで私は全国に制度化していけばいいと思うのですよ。
 だから、このICのメモリーカードを持たせるということ、そこに、上からどんと来たときに、その背後に何があるかという懸念があるのだから、むしろやはり国民のコンセンサスを得るにも、いいシステムをつくるためにも、そしてコストを安くするためにも、むしろモデル事業をこの一、二年とか三年やって、ボトムアップで国民の理解を得る、いいシステムをつくる、あるいは安いネットワークを構築する、こういう方が本当に生きた住民基本台帳ネットワークになるのではないかと私は思うのですよ。それはこの阪神大震災のときに強烈に思ったのですね。二〇〇〇年問題もよく似た話であります。
 だから、きょうあの指針を見たとき、では市町村長が実際にあれを、自治体にはどういうふうに措置されたのでしょうか。これは市町村も関係あるわけですよね、地方自治体も、二〇〇〇年問題は。何行か書いてありましたよ、自治省が指導すると。これは実際、動いているのでしょうか。私は、市町村の人から見たって、あんな程度だったらどこをやればいいんだ、うちは何も関係ないだろうということではないかと思うのです。
嶋津政府委員 地方団体における二〇〇〇年問題に対する取り組みでございますが、政府の二〇〇〇年問題に対応する方策、これらをマニュアルとして地方団体にお示しをしております。
 それで、地方団体もみずからの問題としてこれは取り組むものであって、法律に基づいてこうしなくちゃいけないという仕事ではないと思いますが、これは市町村のシステムとしましても、例えばライフラインあるいは公共の安全秩序とか、そういうふうな重要なシステムをAランクのものとBランクのものとに分けておりますけれども、県ではその重要なシステムが千七百ぐらいありますし、市町村においては三万一千ぐらい、これは団体数も多いものですから、それぐらいございます。
 そういうものにつきまして、現在のところ重要システムの修正作業をしておりまして、都道府県段階におきましてはおおむね六割ぐらいの実施状況でございまして、市区町村につきましては、それよりも少しおくれておりまして約五四%ぐらい。今後少しずつ進むと思います。特に、重要なAランクシステムにつきましては、マニュアル上模擬テストをして、そういう問題がないということを確認するというようなこともやっております。あるいは危機管理計画をそれぞれの団体でつくっていただくというようなことを今後進めていただくことになっておりますので、この問題に対する対応について、自治省としては、都道府県、市町村に対する指導を徹底してまいりたいと考えております。
古賀(一)委員 これは時間が来たら恐らくばれてしまうといいますか、飛行機は落ちぬだろうと思いますよ。これは本当に万全の対応をお願いしたいということなんです。
 先ほど申し上げました住民基本台帳システムの構築に当たって、そういうボトムアップというか、とりわけICカードについてモデル事業的にまず幾つかの市町村で実験的にやって、ボトムアップで地域の知恵を出してきて、それを全国化していくかどうかは次に全国レベルで検討しよう、私はそういう時代だと思うのです。この点について、大臣にひとつ御感想といいますか、御意見をぜひいただきたいわけでございますが、私の考えにどう思われますでしょうか。
野田(毅)国務大臣 二〇〇〇年問題の話はボトムアップとはちょっと質が違うんじゃないかというふうに私は承っておりました。むしろ、そういう危機管理あるいはコンピューター二〇〇〇年問題に関するその辺のチェックのマニュアルというものを、みずから開発してみずから主体的にやれるというところはそれでいいのですけれども、必ずしもそうではない。しかしライフラインに関するきちんとしたチェックは必要であるということに備えて、一応、地方自治体に対して自治省の方からそのマニュアルをお示しするということで、そこから先は自己チェックをしてもらおうということです。
 問題は、住民基本台帳のネットワークシステムということについて、それぞれ地方団体の一部で一部事務組合みたいなものをやって、そして共通するような事項について既に、特定の市町村の中だけでなくて、少しその辺の範囲を広げようということでスタートしているようなところもあって、今の市町村を超えた人の交流といいますか動きというのは現にあるわけで、やはり住民の利便性を高めようという、これは本当に切実なものがあると私は思います。
 いろいろな申請書類に住民票を一々つけるということも、今やペーパーに頼っているような時代じゃないので、そういう意味で、これから特に地方分権に伴って自治体自身の行政コストをどうやって低減させていくか、そして行政サービスの内容を、どうやって効率性、迅速性ということをも追求していくのか、そして内容を充実していくのか、そんなことを思いますときに、私は、論理としてはボトムアップということもそれは確かに考えられなくはないと思うのですが、本当にこの問題、そろそろ決断をしてもらわなければならぬ時期に入っているのではないか。ぜひしっかりまた御吟味をいただいて、結論を早期に出していただいて、私たちとしては、ぜひ御賛同をいただき成立をさせていただきたい、このように思います。
古賀(一)委員 四情報の件はさておいて、カードの分野については、八千字がありますと、本当に、どう使われていくかというイメージがまだ私は、何度聞いても実はわいておりません。だから気持ち悪いというか、これは民間のカード産業あるいはコンピューター産業も動くだろうし、それを受ける市町村長というのは、こういったことに関しては非常に疎い。このカードは任意です、個人の申請に基づいて交付するのです、メモリーは八千字です、こう言われているけれども、では、実際にこれがどういうふうになっていくかというのは、そこに非常に私は懸念を持つ。
 したがいまして、では、今後モデル事業を起こして実験するのには時間がないということではあるでしょう。そうおっしゃると思うのです。その場合であれば、カードを使って、例えば医療行政がこれだけ喜ばれた、これだけすばらしい効率的な、国民のためになる行政の道が開けた、こういうものが、それもわかりませんと、我が民主党には出雲の市長でございました岩國先生がおられますけれども、私は一部しか知らない。やはり最低そういうことをはっきり示さないと私は納得できないと思うんですよ。
 だから、それはぜひ我々に、モデル事業もやりません、出雲の事例だけですということではないと思うのですが、八千字でこれだけの道が開ける、市民のコンセンサスはこれだけ得ているというのを、きょうは間に合いませんから、そこら辺が恐らく全国会議員のイメージのわかない分野の一つだと私は思うんですよ、これをお示しいただきたい。
 最後に、時間がございませんのでこれは長くは申し上げませんけれども、私は、今までの検討経緯の中で技術的な部分、ハッカーであるとかネットワークのセキュリティーとか、それはこの絵はいただいております。ところが、そこで絵をかかれて、こういうふうになっておりますから大丈夫といっても本当だろうかと思うし、我々は今度、きょうも探しておりましたけれども、ネットワークなりセキュリティーなりコンピューターシステムの脆弱性とか、そういう問題に詳しい人をやはり参考人として呼ぶ、その場での質問も我々はしなければならぬ。そういう面で、私は、自治省のこの間の検討経緯の中で、こういう技術的な分野がどういうふうに整理され、どういう論議が委員から指摘があったのかも各委員に資料提出をお願いしたい。
 かように申し上げまして質疑を終わりますけれども、あと一分、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
鈴木(正)政府委員 ちょっとカードのことについて御答弁させていただきたいと思いますが、住民基本台帳カードというものを考えておりますのは、そのセキュリティー機能が高いということに着目いたしておりまして、重要な秘密事項であります住民票コードなどを記録いたしますので、セキュリティーに着目しております。
 それで、カードで全国的に共通するものは、先ほど申し上げました氏名、住所、性別、生年月日の四情報と住民票コードでございます。それに暗証番号などの、いわばセキュリティーのための情報というものでございますから、暗号化とかいろいろなセキュリティーの措置を講じますので、かなりの文字を使います。それから、余白部分につきましてはそれぞれの市町村において、これは全国ネットではありません、市町村において条例でどういうふうに使うかということをお決めいただいて、条例で定める範囲内で利用する、こういう基本的な考え方でございます。
 それから技術的な各種検討につきましては、このシステムを構築するに当たりまして検討課題として、基本的な構築のための基本方針、あるいはセキュリティー方式、それから住民票の写しの広域交付の場合の新しい業務の処理方式、それからICカードに関する調査、それから外字処理方式、こういったことの技術的な検討を行っております。
 そういうことで、それに対応して、先ほど申し上げましたように、制度的、技術的なプライバシー保護措置を講じる、あるいは各市町村にコミュニケーションサーバーを導入して住民基本台帳のホストコンピューターとは切り離すとか、それから、住民基本台帳カードとしてセキュリティー機能の高いICカードを採用するとか、それから、住民基本台帳というものをベースにして、全国的に、市町村の区域を越えた本人確認ができる仕組みを付加する、こういうこととしてネットワークを組んでいるところでございます。
古賀(一)委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、本当に、深く慎重な審議をするためにも、そして国民の実際の理解をかち取るためにも、やはり資料提供について、本委員会がしっかり論議するということが重要でございますので、詳しくは理事会で議論になるかもしれませんが、ぜひ対応をお願いいたしたいと思います。
 これで終わります。以上です。
坂井委員長 次に、春名直章君。
春名委員 日本共産党の春名直章です。
 きょう理事の皆さんに確認をいただきまして、桝屋先生の先にやらせていただくことになっておりますので、御了解いただきたいと思います。
 先ほど来議論がありますけれども、私の方からも、きょうは一巡目ということで、徹底した審議、また参考人の質疑やそれから地方公聴会等々、しっかりとした議論をしていただくことを要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 第一巡目ですので、法案の具体的な内容には余り私は触れません。基本的な御認識をお伺いするというのを中心にやっていきたいと思います。
 今回の法案で、オンラインで接続される個人にかかわる四情報、氏名、住所、生年月日、性別、この四情報について、これそのものが個人のプライバシーにかかわる情報なんだ、こう言う人もおります。逆に、いやプライバシー情報というのはもっと限定されたもので、住所、氏名などのこういう四情報は個人を識別する符牒のようなものだ、そういう見解もあります。
 自治省は、今私が言いましたどちらの見解をお持ちになっているんでしょうか。
鈴木(正)政府委員 プライバシーとは何かということにつきましては、確立された考え方があるというわけでは、なかなかそう言いがたくて、個人にとってのプライバシーとは多分に主観的なものだと考えております。こういうことで、プライバシーにかかわる情報であるか否かを一律的に考えるということは難しいと思います。
 自治省としては、住民票に記載された氏名、住所、性別、生年月日の四情報は個人情報であるというふうに考えておりますが、かつ、一般的に知られていない事実で、知られないことについて利益があると客観的に認められるもの、そういういわば個人の秘密、それに属するような情報ではない、こういうふうに考えております。
春名委員 四情報というのは個人を識別する情報だ、そういうことですね、そういう考え方ですね、プライバシー情報とはちょっと違うと。
 では、住民票コード、これは同じ質問ですけれども、プライバシー情報とお考えか、それとも個人の識別情報か。それからもう一点一緒にいきます。住民票コードと四情報が今回は一緒にくっつくわけですね。くっついた場合、一体になった場合はどういう御判断をされるのか、その点をお答えください。
鈴木(正)政府委員 住民票コードでございますが、氏名とか住所などによる本人確認に比べまして特色がありまして、コードによる照合が明確にできる、また迅速な検索が可能で経済的である、また重複がない住民票コードにより確実な本人確認ができるということで、このネットワークシステムで全国共通の本人確認を行うに当たって必要不可欠なものと考えております。
 それで、氏名、住所、性別、生年月日の四情報などの個人を識別することが可能な情報と、全国