自治体情報政策研究所『電子自治体』政策と公務労働 4

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4 公務員制度改革との関連でも

 ところで、この6月に政府の行政改革推進本部において「公務員制度改革の基本設計」が決定された。本稿では、最後に、『電子自治体』と関わる問題点をいくつか指摘することにしたい。
 一般に、コンピュータを使った業務においては、個々の職員の処理量を容易に計測し記録することが可能であり、これらは、職員の評価にも活用できる。また、判断をコンピュータが自動的に行なうようになり業務が定型化されれば、専門知識だけでなく、業務への習熟 ―― タイピングとマウス操作を除けば ―― も重要視されなくなるであろう。特定の業務に、特定の職員を長期に渡って貼り付ける必然性もなくなるのである。
 『電子自治体』によって、職員を業務処理量でリアルタイムに評価し、いつでも自由に異動することが可能となるのである。公務員制度改革の柱の一つである「信賞必罰」の人事・給与制度に対して、『電子自治体』は、極めて親和性があると言える。
 また、公務員制度改革には、「企画立案と執行の分離」の推進が、外部委託等の活用と伴に盛り込まれているが、これもまた『電子自治体』の得意とする分野である。執行部門の最たるものの一つである申請・届出等の処理は、『電子自治体』のもとでは判断を伴わないものとなる。正規職員でなくとも、アルバイトや派遣労働者でも可能だとされるであろう。自治体業務の標準化とオンライン化(処理する場所が役所になくてもかまわない)によって、執行部門を請け負う企業が、全国的なスケールをもって出現するかも知れない。
 経済界が要求し、政府が進める『電子自治体』は、自治体職員にとって「パソコンで仕事をしろと言われても、機械は苦手。これからはたいへんだ。」と言ったレベルに収まるようなものではない。公務労働・公務員制度の根幹にも関わる問題であると同時に、自治体の在り方、存在意義そのものを根本から揺さぶる問題なのである。

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