自治体ホームページウォッチング  独断批評−その他編
熊本県天草郡苓北町  当初掲載 2001年1月2日

掲載日順 | 地域別( 東京大阪その他 ) | 評価基準ひとこと

 「町の概要」の「まちの位置」によれば、苓北町は、「熊本県の南西部に点在する天草諸島のうち、最も大きな島である天草下島の北西端に位置」する総面積66.99平方キロkの美しい海に囲まれた町」だそうです。

 フロントページが全体の目次のようになっていますので、ここを基点に、各ページを順に見ていくことにします。
 と、その前に、タイトルの画像ファイルのサイズが、70KBと大きすぎますね。GIF形式の画像ですが、JPEG形式に変換すれば、サイズを半分ぐらいに落とせます。苓北町の住民の間では、高速通信環境は、おそらく整っていないでしょうから、できるだけファイルサイズは小さくしていただきたいですね。
 では、本題です。フロントページの一番上にあるのは「これを見れば苓北町の最新情報が一目でわかる!!れいほくトピックス」です。2000年12月31日現在、「貴方のそだった故郷の町並み、風景や卒業記念に植えた記念樹が現在どうなっているか?をデジタル画像でお届けします」という「あのころの思いではいかがですか?」の案内が掲載されていました。故郷を遠く離れている人にとっては、こういうサービスはたいへんうれしいでしょうね。良い試みだと思います。
 その下には「※お立ち寄りの際には、苓北町温泉センター『麟泉の湯』・苓北町温泉プールにも是非お越し下さい」と書かれています。この 苓北町温泉センター『麟泉の湯』と苓北町温泉プールの各ページへは、「町に関する情報(2)」の「施設一覧」からも、「観光と特産品(1)」の「観光スポット」からもリンクがなく、フロントページからしかリンクが張られていないように見えます。どうしてなのでしょうか。・・・・・・・と書きながらホームページのあっちこっちを丹念に探すと、苓北町温泉プールは、「町からのお知らせ」の「まちのわだい」の一つ(2000.9 No.441)だったことがわかりました。また、苓北町温泉センター『麟泉の湯』については、「広報れいほく−特集」の1999.3 No.423-1に「温泉センター『麟泉の湯』4月1日オープン・館内のご紹介 」として関連情報が掲載されています。この辺りは、もう少し情報に到達しやすいように整理することが必要でしょう。
 「今月のイベント」は、下の「とっておき情報」にある「苓北イベントカレンダー」と同じものです。また「今週のれいほく」は、表題に反して時々しか更新されていないようです。特に最近はひどいようです。「00.8.14坂瀬川地区ペーロン大会開催」の次ぎは「00.12.21ジャンボ松茸発見!!」ではね。秋が、まるまる飛んでしまいました。

 続いて「町に関する情報(1)」を見ましょう。「町長のごあいさつ」の「広く皆様方に苓北町をご案内するためにインターネットホームページを開設いたしました」や「自然がいっぱいの苓北町に、たくさんの方のアクセスをお待ちしております」などの言葉からは、このホームページが、苓北町を町民以外の人に紹介する目的で開設されたことが覗えます。
 「町の概要」は、ごく一般的なものですが、「まちの歴史」「地名の由来」などは、「町長のごあいさつ」にある「ここに苓北町をご紹介します」の言葉に反して、内容があまりにも簡単過ぎます。これで、苓北町に興味を持っていただこうというには無理があるでしょう。

 「町に関する情報(2)」の「庁舎ご案内」には、庁舎の写真がいくつも掲載されています。おそらく建設されて日が浅く、自慢の庁舎なんでしょうね。まあ、お気持ちはわかりますし、また、こういう所に力を入れたら駄目とも言いませんが、できれば、細かい字で読みにくい庁舎の案内図をクリックすれば拡大されるようにするとか、各課の業務の案内や、出先の施設の案内を付けるとかしていただけないものでしょうか。
 と書いたところで、次ぎの「施設一覧」に、案内があるのを見つけました。まず、町役場については、「平成7年3月に着工以来1年3ヶ月をかけて平成8年5月末に完成をみました。庁舎の設計にあたっては、苓北町の特色ある歴史を背景に、かつての南蛮文化を表現した中世ヨーロッパの中庭形式を持つ建物配置となっており・・・・(引用者略)・・・・中庭プラザには、町のシンボルとして高さ20mの展望塔があり360°の展望が開け、天草灘を一望できます。塔の上には直径60cmの『れい明の鐘』を取りつけ・・・・(長いので以下略)」と、たいへん詳しい説明があります。やはり自慢の庁舎のようですね。注文点の一つは、ここまで自慢するなら工事期間だけでなく、建設にかかった費用(起債をしているのなら、今後の町民の負担についても)やランニングコストなども書いて欲しいこと、二つには先の「庁舎ご案内」と相互にリンクを張って欲しいことです。
 他にも、苓北町保健センター、苓北町老人福祉センター、苓北町養護老人ホーム、苓北町町民総合センターなどの案内がありますが、どれもごく簡単な内容です。ここでも上の町役場の所と同種の注文になりますが、先の「庁舎ご案内」の出先の施設名から各ページへとリンクを張って欲しいですね。
 ところで、「施設一覧」には、施設の所在地図が全くありません。私のように、どこに何があるのか分からない都会に暮らすものの感覚とは違い、苓北町の人たちには、地図など今さら必要のないものなのでしょうか。もしそうなら、羨ましいですね。・・・・・冗談ではなく本気です。
 「苓北の未来構想」は、書いてある言葉の意味は、もちろんわかりますが、この構想というもの自身が、何なのか分かりません。説明をつけるべきでしょう。

 「町からのお知らせ」の「広報れいほく−特集」は、1999年12月のNo.432で終わっています。どうしたのでしょう。「広報れいほく」、ただ今休刊中、なんてことはないでしょうに。
 「まちのわだい」も更新があまり行なわれていないようです。1999年中は、一月に一つ以上の記事が掲載されていますが、2000年中は三つだけです。ホームページの担当である企画課のみなさんは、他の仕事で忙しく、ここまで手が回らないのかも知れません。もっとも、苓北町ぐらいの規模の自治体で、おそらく広報紙も全世帯に確実に配付されているであろう中で、広報紙の記事をホームページに転載する必要性がどこまであるのかは、大きな疑問です。職員数が限られている中で、こういうことに労力を裂かない方が良いのかも知れません。
 しかし、「いい子の作品」の方も、1999年12月を最後に、新たな記事が追加されていないのは、いかがなものでしょう。何か合理的な理由があるのでしょうか。また、肝心の子ども達は、載らなくなった(載せないようにした ?!)ことをどう感じているのでしょうか。
 次ぎの「こんな子育て支援事業をやっています」には、これらの事業に関する問合せ先や、申込み方法が書かれていません。これも、先の地図と同じように、住民にとっては、自明のことであり、今さら記載する必要のないことなのでしょうか。その辺の感覚が、実のところ他所者の私には、わかりません。くれぐれも言っておきますが、これは、皮肉ではありません。

 「イベントやお祭り」以下は、住民向けというより観光客向けの情報のようなので、ここからは観光客の目線から点検してみたいと思います。
 まず、「苓北イベントカレンダー」です。1999〜2001年開催お祭り一覧として、それぞれ期日が書かれていますが、一部を除いて「年」の表示がありません。各ページを開いてみれば、開催年もわかりますが、どう考えても不親切ですね。開催の順番も入り乱れているようですしね。
 「れいほくを遊ぶ」は、釣り情報、波乗り情報、フィールド情報からなっていますが、どれも簡単過ぎたり、情報が古いままであったりで、役に立ちそうにありません。これでは、観光客の感心を呼ぶことはまず無理です。むしろ「苓北町は観光に不熱心なんだ。行っても面白くないかもしれない」と悪い印象を与えるだけでしょう。

 「れいほくを遊ぶ」に対して「観光と特産品(1)」の「観光MAP」は、良く出来ています。地図上のポイントをクリックすると表示される説明ページの内容は、たいへん詳しいとは言えませんが、とりあえず観光客が訪ねてみようかなと思わせるだけの情報はそろっています。「富岡海水浴場」のページから「付近のお食事場所等」へのリンクが張られているのも良いですね。まあ、改善点としては、一つは、各ページの写真をクリックすれば、拡大されるようにした方が良いということ、もう一つは、「観光MAP」から「交通アクセス」へもリンクを張った方が親切だというぐらいですね。
 「観光スポット」には、「観光MAP」に掲載されていないものも多く掲載されていますが、観光客にとっては、地図がないのは不便です。例えば、「袋池(溜池)」のページで、「城山の直下にあって」とか「富岡港下車、徒歩15分」と書かれても、まず池には行けません(ダ洒落じゃないですよ)。特に、私は紹介文を読んで「木山弾正無念坂」に車で行き「ギアをニュートラル」にしたくなりましたが、「弾正坂:仏木板より苓北方面へ50m  お京坂:仏木板より苓北方面へ150m」と言われても「仏木板」がどこにあるのか知らないので行けません。面倒かもしれませんが、全ての観光スポットに地図を付けてください。それから、交通手段のところで、しばしば登場する「産交バス」は「九州産業交通バス」のことですよね。地元では当たり前のことでも、他所からやってくる観光客にはわかりません。ご注意ください。
 また、ここには「イルカウォッチング」の案内のページもありますが、「れいほくを遊ぶ」の「フィールド情報」にも「イルカウォッチング」のページがあります。もっとも、後者は情報不足で役に立ちませんので、この際、削除し、「フィールド情報」からは「観光スポット」の「イルカウォッチング」にリンクを張った方が親切です。同じく「フィールド情報」の「キャンプ」も、「観光スポット」の「白岩崎キャンプ場」で事足りますから、必要ないでしょう。なお、「フィールド情報」の「おっぱい岩」は、まあいいとして、「富岡海中公園」が「観光スポット」にないのは、どうしてなのでしょうか?
 「交通アクセス」は中々親切なページですが、いくつか問題があります。一つは、マリンビューの【お問い合せ】の電話番号が間違っていること。二つには、マリンビューの料金が「熊本フェリー」のホームページ内の「料金表」と違っている点。三つには、長崎・天草ラインの問合せ先が書かれていないことです。これって「安田産業汽船」ですよね。「安田産業汽船」はホームページがないようですから仕方ありませんが、「熊本フェリー」はあるのですから、苓北町のホームページに時刻表や料金表などわざわざ載せなくても、「交通アクセス」のページからリンクを張れば済みます。その方が時刻も料金も正確ですしね。
 また、苓北町も出資している「天草エアライン」について全く説明がないのも解せませんね。天草空港からは、苓北町役場経由富岡行きのバスも出ています。企画課の職員が、わざわざ記述するのはたいへんなら、リンクを張るだけでも結構です。これぐらいなら、すぐに改善できますよね。「天草エアラインは、リンク集にあるから」では駄目ですよ。「交通アクセス」のページからリンクが張られていることに意味があるのです。

 「観光と特産品(2)」の「特産品 海の幸」には「今が旬!」と書かれていますが、ウニは、私が苓北町のホームページを訪れた12月は、備考から「旬」ではないように読めます。こういう些細なことが、不信感を生むもとになります。書き方には気をつけた方が良いと思います。
 「お宿案内」は悪くないでしょう。注文点を上げれば、写真が小さいことですね。クリックすれば拡大されるようにして欲しいですね。それに、宿を頼む側からすれば、部屋や料理、風呂の写真もあれば、なお結構なのですが。これも、企画課の職員で作れないなら、熊本県商工会連合会のホームページにある「天草宿泊情報 苓北町」にでもリンクを張ればいかがでしょう。

 「お城と歴史」には、「苓北の歴史」がありますが、「町の概要」にも「まちの歴史」があります。うまく整理できないものでしょうか。「富岡城」のページには絵図が掲載されています。おそらく、国会図書館蔵・富岡城図『肥前甘艸富岡城図』なのでしょうが、ここに説明がないのは残念です。また、ここからは苓北町教育委員会の「富岡城跡」へのリンクが張られています。これは、印刷物をもとに作成されたページのようです。詳しい内容で勉強になりますが、「観光スポット」の「富岡城跡」からもリンクを張って欲しいですね。次ぎの「キリシタンと苓北」も、同様に「観光スポット」の該当ページとの相互リンクを張った方が親切でしょう。

 「文化財」の「町の文化財」は苓北町文化財指定一覧で、「観光スポット」の当該ページへのリンクが張られています。「毎月1民話づつ更新していきます」と書かれた「富岡の民話」には、2000年12月末現在、四つの話が掲載されています。掲載は、2000年9月から始まったのでしょうか。「富岡の方言」も「毎月ひらがな1文字分を更新していきます」と書かれ、あ・い・う・えの四文字から始まる「方言」と「方言昔ばなし」が掲載されています。やはり、こちらも2000年9月から始まったのでしょうか。ところで、「富岡の民話」と「富岡の方言」の作者である「浦本 一市」さんに関するご紹介がないのは、何故なのでしょう。ぜひ欲しいですね。

 次ぎの「みんなのペ−ジ」は観光情報ではなく住民の交流のためのページのようです。「小中学校のご紹介」は、それぞれ内容が違い特色があって良いですね。一つどうしてか分からないのは、ギャラリーの作品に作者の名前が書いていないことです。せっかく掲載するなら名前ぐらい書いたらいかがでしょう。プライバシーに関わる問題とでも考えているのでしょうか。
 「ふるさと苓北会」は、苓北町出身者でつくる苓北町県人会の紹介です。「名物町民出身者ご紹介」は、残念ながら、平成11年3月31日の日付でお一人が掲載されているだけです。

 「苓北町電子掲示板」も開店休業状態のようです。どうしてなのかは、他所者の私には知る由もありませんが、ひょっとすると苓北町のインターネット普及率に原因があるのかも知れませんね。

 以上見てきたように、苓北町のホームページは、住民に行政情報を伝える点では、ほとんどまとまったものがなく、どう考えても落第点です。しかし、住民に行政情報を伝えるために、町役場は、もっとホームページに力を入れるべきかというと、そこはたいへん難しい問題です。苓北町のように、人口が9000人程度と少なく、町職員が町民77人に1人(消防団員は28.3人に1人、議員は584人に1人)もいる町で、行政情報を住民に伝える手段としてホームページが、合理的なのか、有効性があるのか、実情に即して考えてみる必要があると思います。大きな町で市役所と住民が疎遠(大阪市を除く大阪府下の市では職員は約100人に1人。議員は約6700人に1人)であり、住民の生活スタイルが様々であり、移動も激しい場合はホームページは、行政情報の提供にたいへん有効な手段でしょう。しかし、フェイス・ツウ・フェイスで役場の仕事が進められるようなところで、インターネットはどれだけ有効なのでしょう。役場として、どこまで力を入れるべきか、難しい問題だと思います。・・・・・もっとも、苓北町の場合は行政情報が少なすぎます。制度や手続きなどの問い合わせや相談は、フェイス・ツウ・フェイスでOKだとしても、財政や例規、計画、議会等の住民自治に関する情報は最低限掲載すべきでしょう。
 ならば、ホームページを観光用として考えた場合はどうでしょうか。苓北町が観光に、どの程度力を入れているのか分かりませんが、現在のホームページは観光客誘致に対する有効性で見た場合、情報の質・量、そして鮮度という点で、不充分です。では、町役場は、もっと観光情報をホームページに載せるように力を入れるべきかというと、そこにも問題があります。役場の職員は観光という点では、プロではありません。もちろん観光担当の職員はいるでしょうが、旅館やホテル、土産物店などを経営している人たちから見れば、どうでしょう。また、役場は観光に関する最新情報をいつでも手に入れることが出来るとも限りません。そして、職員の数も絶対数で見れば、けっして多くなく、人員の配置を厚くすることも中々困難でしょう。
 私は、役場が観光情報のページを全て自力で作るのではなく、むしろ地元の観光に携わる人たちと一緒に、共同で作成する方が良いのではと思います。例えば、釣り情報を掲載するなら、釣りに関わる仕事をしている人たちはもちろん、住民の中で釣り好きの人たちにも協力してもらうことも必要でしょう。さらに、町外の人でも頻繁に釣りに来る人達に協力を呼びかけるのも有効でしょう。また、地元の観光に携わる人たちなどが作成しているページに、役場のページからリンクを張るだけでも内容を豊かに出来るでしょう。もし、地元の観光に携わる人たちがホームページを作れないようなら、それこそ役場が協力して開設したら良いと思います。
 要するに、何もかも職員がやる、もしくは抱え込むのではなく、本当に良いものを作ろうと思えば、それぞれの専門家である住民と一緒に進めていくことが大切ではないでしょうか。流行りの言葉で言えば、官民のパートナーシップですね。

 最後に双方向性と操作性についてです。まず、役場と住民との双方向性を図る手段としては、「ふるさと掲示板」と「お便り・ご意見拝借」のメールフォームが用意されています。前者は、先に書いたように開店休業状態ですから、何らかの対策が必要かもしれません。また、後者は届いたメールに対する役場としての対応が書かれていないのは不親切でしょう。しかし、これらも役場と住民の間にフェイス・ツウ・フェイスが、普通に確保されているなら、力を入れるほどのものでもないかもしれません。
 操作性については、フレームが使用されているページがいくつかありますがフレームに対応していないブラウザへの考慮がなされていない点、画像にALT属性がほとんど書かれていないか書かれていても使い方が間違っている点、圧縮処理に問題があるためファイルサイズが大きすぎる画像がある点、文字化けを引き起こす恐れのある機種依存文字(丸の中に数字を入れた文字)が使われている点などが、改善すべき点として上げられます。
 そして、最後の最後にもう一つ。たいへんだとは思いますが、情報の更新は頑張ってやりましょう。日付が、う〜んと前のものなのに、NEWの表示がついたままなのは、見苦しい限りです。ホームページを開設したからには、責任を持ってやりましょう。

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