自治体ホームページウォッチング  独断批評−大阪編
岸和田市  当初掲載 99年5月20日  最終更新 99年6月24日 戻る

 岸和田市のホームページの特徴は、全国に名を馳せている「だんじり」を全面に出している点と、住民と行政との双方向性を考慮している点です。
 まず、だんじりに関する情報です。総目次ともいうべき「TOP MENU」に「だんじり」という項目が設けられています。「だんじり用語辞典」や各町の「だんじり」や「ハッピ」の紹介、バーチャル「だんじり博物館」、「だんじり画像」、そして今年のだんじり祭りの情報を伝える「だんじり新着情報」まであるなど、中身は中々充実しています。市立の「だんじり会館」まで建てている岸和田市の面目躍如というところです。また、”Danjiri Information”という「だんじり紹介」の英語表記のページも設けられています。この他にもあちこちに英語表記のページがあります。関西新空港の地元として、世界に、「だんじり」をアピールしたいという気持ちは、よくわかります。しかし、英語表記のページにたどり着くまでに、いくつもの日本語のみのページを通過しなければなりません。日本語(漢字やカタカナ、ひらかな)を全く表示できないブラウザを使用している外国の人が、文字化けだらけのページを順次クリックしながら、このページに到達するのは、ほとんど不可能でしょう。もし、本気で外国の人達にも「だんじり」をアピールしたいのなら、フロントページから直接行ける英語表記のページをつくるべきでしょう。
 次に双方向性の点です。一般に、自治体のホームページでは、ホームページに対する意見を聞くためのEメールアドレスを掲載しています。中には、ホームページに限定せず自治体の行政全般に対する意見を聞いているところもあります。しかし、岸和田市は、ホームページに対する意見を聞くためのEメールアドレス([email protected])だけでなく、市政に対する意見を集めるためのアドレスを別に掲載しています。「市の公聴に関するお問い合わせ([email protected])」、「総合計画についての市外居住者アンケート([email protected])」、「だんじりに関するお問い合わせ([email protected])」などです。またアドレス自身は公聴と同じですが、「きしわだの女性政策」の「聞かせて! ほっとVOICE」、「蘇らせよう春木川」の「ひとりひとりにできること」などのページにも意見をどうぞとアドレスが表記されています。現在のところ集まった意見の掲示や、意見に対する市の考えなどは残念ながら掲載されていないようです。今後、インターネットの持つ双方向性をより生かすために、ぜひ、こうした情報も掲載していただきたいものです。
 では次に、行政運営における基本的情報である財政、例規、計画の情報が提供されているかどうか見てみましょう。財政関係は、全くありません。予算や決算などの情報は、岸和田市でも広報紙に掲載されていますが、岸和田市のホームページには、広報紙のバックナンバーもありませんので、広報紙程度の情報すら得ることができないようです。例規関係も全く見当たりません。唯一あったのは、総合計画に関する情報です。内容は「第2次総合計画」の極めて簡単な説明、平成10年4月からに本格的に取り組んでいるという「第3次総合計画の策定」に関するこれまた極めて簡単な説明、そして「総合計画についての市外居住者アンケート」です。市外居住者に岸和田市の総合計画について聞くためにインターネットを利用するのは、中々面白いアイデアだとは思いますが、前提となる現在の第2次総合計画や第3次総合計画の進捗状況についてもう少し中身のある情報を提供してもらわないと責任を持った答えはできませんよね。
 他にどんな情報が掲載されているのか、「TOP MENU」から見ていきます。ところで、どうしてこんな中途半端な英語を使うのでしょう。インターネットにアクセスできる住民はこんな簡単な英語は読めてあたりまえと考えているのでしょうが、読めない人もたくさんいるはずです。カタカナにしてもダメですよ。意味のわからない人もいるんですから。岸和田だけでなく、どことも同じ様なもんですが (^_^;) ・・・・・・・・・と書くと「おまえのホームページも、あっちこっちにカタカナ英語を使っているやないか」と言われるかもしれません。しかし、私のは個人の趣味ですが、市役所のは公の仕事です。立場が違います。
 「新着情報」は、一般にホームページで使われている新着情報とは少し意味が違うようです。何度もホームページを訪れるお客さんが便利なように、新しくホームページに載せた情報や更新をかけた情報を一覧にしておくのが、一般的には新着情報だと思います。しかし、岸和田市のホームページでは、単に「新しい情報=新しいお知らせ」という意味で使っているようです。例えば「岸和田のリゾート」というページへは、「新着情報」からしか行けませんし、「岸和田のリゾート」ページの「戻る」をクリックすると「新着情報」に戻ります。普通こういう情報は、施設案内のページに掲載されたうえで、新着情報のページからも新着の一定期間の間だけリンクされているのが普通ではないでしょうか。また「TOP MENU」の各項目には、「きしわだを考える」(99/5/12更新)などと書かれていますが、「きしわだを考える」の中のどこを更新したのかは、わかりません。更新されたのはここですよというのを書いておくのが新着情報ではないかと思うのですが、岸和田市役所の方は違う理解をされているようです。たいへん、ややこしい話ですいません。どうでもいいと言えば、どうでもいいことですが、何となくおかしく感じたので指摘しました。 ・・・・実はフロントページに、一般に使われている意味での新着情報がありますが、これについては最後に述べます。

 以上、「新着情報」についてコメントしていましたが、99年6月24日に訪問したところ、改善されていましたので報告します。「新着情報」は、フロントページから削除され、「TOP MENU」のページの上部に移動しました。また、内容も一般に使われている意味での新着情報になっています。この「新着情報」の各項目から新しく更新されたページへとリンクが張られており、何度も訪れる人には便利になっています。ただ、難点を言うと、このリンクが各項目の頭にある画像(点滅する三角形)にのみ設定されており、この画像をクリックすると該当ページに飛べるということがわかりにくい点です(説明もありませんし)。むしろ各見出し全体にリンクを張ったほうが、操作しやすいのではないでしょうか。また、「TOP MENU」下部の目次の各項目に最終更新日が明記されるとともに、これらの項目を選択した場合に表示される各ページにも、それぞれ更新情報が記されており、非常にわかりやすくなっています。ここまできちっと更新情報をわかりやすく表示している自治体は大阪府下では他にないと思います。

 「イベントカレンダー」は、単なる行事案内で、カタカナ英語の表題を除けば、特に問題はありません。
 「きしわだポイントマップ」は、情報掲載の意図がよくわかりませんし、肝心の地図も大雑把なものだけです。岸和田の住民はこの程度の地図でも、すぐに場所がわかるのでしょうか。どちらにしても、このページは観光客のための名所案内なのか、住民への散歩コースの提案なのか何なんでしょう。特集1も、よくわかりませんが、特集2「植物観察ポイント」も不思議なページです。植物に出会える場所はこことしておきながら、その場所のページを見ても、どんな植物がどこにあるのかさっぱり説明がない。これでは植物観察の役に立たないのでは。
 「岸和田の歴史・文化・自然」は、不必要(文字データでも問題ない)と思える画像データがやたら多い点を除けば、なかなか良くできています。・・・・・・ここに、99年6月3日、新しく「きしわだ自然資料館」へのリンクが追加された様です。このページは、非常にきれいに仕上がっていますが、岸和田市ホームページ本体とは別に、「日本博物館協会」のサーバーの中に置かれているようです。おそらく作ったのも「日本博物館協会」でしょう。
 「きしわだしを考える」は、先にアドレス表記の件について書いたように住民から意見を求めるために作られているようです。一部提供情報の内容に不充分さは見られますが、市の姿勢は評価できます。この項目の中で凄いと思ったのは「きしわだの女性政策」のページです。とにかく内容が豊かです。たぶん大阪一でしょう。特に私は「市民がつづった岸和田の女性史『きしわだの女たち』発刊」のページの情報公開の度合いに、びっくりさせられました。たかだか8年度からの3カ年で、964万3000円程度の支出に過ぎないのに、これだけきちっと報告するスタッフの姿勢に参りました。公募された普通の金銭感覚を持つ市民が編纂委員として事業に関わっているからでしょうか。何億何十億円、いや政府のように何兆円も血税を使っておきながら、国民には一切説明なしということが多い中で、こういうスタッフが増えれば、日本の民主主義も少しは進展するのではと思います。因みに岸和田市本体は、年間いくらの予算を使っているのか私は全く知りませんが、その使いみちについて、岸和田市はホームページにおいては、一言も説明していません。おかしいですね。
 「市内公共施設等電話帳」は、公共施設などが網羅されているようで、電話番号と大まかな所在地図だけですが、いざというときには役に立ちそうです。
 「インフォメーションきしわだ」は、いわゆる市勢概要です。この中の「主要交通アクセス」のページには「南海電鉄ホームページ」へのリンクが張られていますが、私鉄にリンクを張るのは自治体のホームページでは珍しいのではないでしょうか。
 「しやくしょ行政情報」は、表題はたいそうですが、中身はただのお知らせで、雑多な情報です。摩訶不思議な「新着情報」と合併させた上で、住民の立場で情報を整理すべきでしょう。・・・・・・と、99年5月20日のWatchingに基づき指摘しましたが、6月24日の訪問時には、新着情報は削除され、「しやくしょ行政情報」は、「市役所をさらに活用していただけるよう知っててトクする情報をおとどけします」として、内容が一新されていました。で、この中で面白いなと思ったのは「地域振興券について」の「交付・換金の状況」です。私は、「地域振興券のばら撒き」は党利党略で行われた天下の愚策だと思いますが、公金を支出した以上、それが如何に馬鹿げた政策であっても、その使われ方について調査し住民に報告するのは当然ではないかと思います。他の自治体でもこういう調査をして、まとめを行っているのでしょうか。また政府自身も、こういった情報の公開をする考えを持っているのでしょうか。マスコミも最近、不況対策として効果があったのかなかったのかとか、一切、地域振興件に触れませんしね (^_^;)
 ところで、岸和田市のホームページには珍しく市長あいさつが掲載されていません。どうしてだろうかとよく見てみると、こんなところにいらっしゃいました。遠慮深い方なのでしょうか。  他にも自治体のホームページに高校の情報が掲載されているという珍しい「岸和田市立産業高等学校」のページや、避難場所が詳しく掲載されている「防災情報」のページがあります。
 最後に操作性です。ホームページ全体の構造が一目でわかる「TOP MENU」や、各ページの下に他のページへのリンクを張るなど評価できる点もありますが、全体に不必要と思える画像が多いのが気になります。特に、ファイルサイズが42KBもあるフロントページの動く扇子はいただけません。この扇子が完全に表示されるまでに、嫌気がさして他のページに行く人も少なくないでしょう。ところで、このフロントページの下半分に、ホームページのどこをいつ更新したのかが掲載されています。一般的な意味でのいわゆる”新着情報”です。先ほど「TOP MENU」では、どこが更新されたかわからないと書きましたが、実はフロントページを見ればわかるのです。しかし、たいへんな問題があります。このフロントページに、岸和田市のホームページのどのページからもリンクが張られていないようなのです。「TOP MENU」に戻れても、そこからフロントページには戻れないのです。見ようと思っても簡単に見ることができないのなら、無いのも同然と言わざるを得ません。この点は至急改善すべきでしよう。

・・・・・・と、99年5月20日のWatchingに基づき指摘しましたが、6月24日の訪問時には、先にも述べた様に「新着情報」は、フロントページではなく「TOP MENU」上部へと移されていました。ただ、フロントページに、どのページからもリンクが張られていない点は改善されていない様です。このことで困る点は、「ホームページに関するお問い合わせ」「市の公聴に関するお問い合わせ」のメールアドレスを見ることができないことです。フロントページに戻れる様に、「TOP MENU」にリンクを作ることも必要だと思いますが、できれば、市役所メールアドレス一覧といったページを作るのも面白いのではないでしょうか。
 もう一点、「全体に不必要と思える画像が多い」という指摘に関連して。各画像にALT属性が書かれていませんが、画像の表示できないブラウザや、表示しない様に設定しているブラウザでも情報が得られるように、必ず書くべきでしょう。かなり面倒ですが。・・・・・・スミマセン、私のホームページでも書いていない画像がかなりあります \(--;)

 また、「第1章 明治・大正の岸和田地域の女性」のページなどのように、「戻る」だけでなく「次へ」のリンクもあれば、見やすいのにと思うページがいくつかあります。こちらも改善をよろしくお願いします。

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